有価証券報告書-第11期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 15:08
【資料】
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【項目】
154項目

対処すべき課題

当行グループにおける、具体的な経営方針、経営環境及び対処すべき課題等といたしましては、以下のとおりであります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当行グループが判断したものであります。
<第4次中期経営計画の策定・推進>○第4次中期経営計画の基本方針
人口問題、気候変動・資源エネルギー、グローバル化、AI・Fintech等の技術革新、財政・金融・規制等の将来の外部環境の変化により、産業・金融・社会の変化が大きく加速するなかで、当行グループは、お客様が直面する様々な課題に対し、金融機関や事業会社の皆様と連携・協働しながら、付加価値の高いソリューションを提供するとともに、非財務資本を含めた経営基盤を強化し、経済価値と社会価値の両立に取り組みます。
上記の認識のもと、当行グループは2017年度から2019年度の3年間を対象期間として、「第4次中期経営計画~変化に挑み、未来を創る3年間~」(以下「4次中計」という。)を策定し、2017年5月22日付で公表いたしました。
○目標とする経営指標
4次中計最終年度の財務目標は下表のとおりとし、第5次中期経営計画以降を見据え、収益性と健全性の双方に配意したリスク・リターン・ポートフォリオの構築を目指します。
なお、以下の目標とする経営指標は、当行グループが4次中計を公表いたしました2017年5月22日現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
<経営指標(連結)>
2019年度(4次中計最終年度)目標
業務粗利益(注)11,900億円程度
親会社株主に帰属する当期純利益800億円程度
経費率(注)235%程度
総資産16兆円程度
ROA(注)21%程度
ROE(注)23%程度
自己資本比率(注)3最低14%程度

(注)1.クレジットコスト除き。
2.経費率、ROAは業務粗利益比。ROEは当期純利益比。
3.普通株式等Tier1比率。
○4次中計に基づく具体の主要な施策
①社会的課題と当行の役割
お客様及び社会の変化する課題に対して、当行らしい創造的なソリューションを提供して参ります。
(産業の創造・転換と成長)
・新技術の事業化や成長への投資など、イノベーションを促進
・事業再編等を推進し、産業の生産性向上・競争力強化に貢献
・顧客のグローバル展開を支援
(インフラ再構築・強化)
・エネルギー市場の変革を推進
・グローバル交通ネットワークへの貢献
・PFI・PPPの推進
・都市と不動産市場の成長をリード
・グローバルな都市競争力への貢献
(地域の自立・活性化)
・インバウンド等、地域特性に応じた産業振興への貢献
・事業承継・海外展開等、地域企業の課題への取組
・地域金融機関の資金運用ニーズへの対応
(環境・防災・健康)
・低炭素型社会の実現
・災害に強い産業・都市を推進
・健康経営を支援
(連携・協働による金融市場の活性化・安定化)
・危機対応業務を適切に実施
・特定投資業務を含め必要なリスクマネーを供給
・多様な投融資機会を創出し、資金循環の促進に貢献
・ナレッジの提供と応用を通じて、新たな金融プラットフォームを構築
②事業戦略
不確実性が高まる事業環境の中、様々な金融機関や事業会社等と連携・協働しながら、新たな事業展開を進め、お客様に提供する付加価値を高めて参ります。
(セクター戦略)
・エネルギー、運輸・交通及び都市開発のインフラ3分野やイノベーションの進む産業分野において、適切なソリューションを提供
(機能戦略)
・融資:ストラクチャードファイナンスやメザニンファイナンス等、より付加価値の高いサービスを提供
・投資:インフラ等への長期投資と企業向け成長投資を共に推進
・手数料:各種アレンジメント・アドバイザリー等に加え、インフラ・PE分野におけるアセットマネジメント事業を拡大
(エリア戦略)
・地域・海外:地域のグローバル化支援、海外の投融資機会の提供、ソリューション還元など、地域と海外を繋ぐ役割を発揮
③経営基盤戦略
事業戦略の着実な遂行のために、非財務資本を含めた経営基盤を強化して参ります。
(財務資本)
・SRI債等の資金調達手法の多様化
・リスク/リターン管理の高度化
(非財務資本)
・人的・知的資本:戦略に整合した人材の確保やリスク対応力を高めるための能力開発の強化、働き方改革、意思決定の迅速化
・関係資本:金融機関等をはじめとする他社との協働、ステークホルダーとのコミュニケーション強化
<危機対応業務等への取組(震災対応等)>危機対応業務については、当行は指定金融機関として行って参りましたが、平成27年改正法において、当分の間、当行による実施が義務付けられるとともに、その適確な実施のための政府出資(交付国債の償還によるものを含む。)に係る期限の延長等所要の措置が講じられています。かかる危機対応業務については、当行が企業理念として掲げるパブリックマインド等にも合致しており、今後とも着実に取り組むべきものと考えております。
我が国の産業・社会インフラ・地域に未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」に関しましては、2016年度から復興期間(10年間)後半の「復興・創生期間」へ移行していることも踏まえ、引き続き復興に向けた取組を支援するとともに、2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」につきましても、過去の震災対応等における経験や産業界・政府部門とのネットワークを活かし、危機対応業務等を適切に遂行して参ります。
危機対応業務につきましては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」<危機対応業務について>をご参照ください。
<特定投資業務への取組>平成27年改正法では、当行において、民間による成長資金の供給の促進を図るため、2020年度末までの間、地域活性化や企業の競争力の強化に特に資する出資等(特定投資業務)を集中的に実施し、2025年度末までに当該業務を完了するよう努めることとされており、政府による必要な出資等所要の措置が講じられています。
かかる特定投資業務は、我が国産業競争力の強化に向け、2013年3月に当行が自主的な取組として設立した「競争力強化ファンド」を強化させるものと考えております。当行としましては、休眠技術の活用や新たな連携の促進といった企業活動を引き続き支援するとともに、特に地域活性化や企業の競争力強化に資するリスクマネー供給に適切に取り組んで参ります。
特定投資業務につきましては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(1) 経営成績等の状況の概要」<特定投資業務について>をご参照ください。