有価証券報告書-第12期(平成27年3月1日-平成28年2月29日)

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2016/05/27 13:19
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112項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(自平成27年3月1日 至平成28年2月29日)における日本経済は、企業業績や雇用環境の改善などに
より緩やかな回復基調をたどりましたが、個人消費は足踏み状態にあり、10月~12月の実質GDPは年率換算で1.1%減
となっています。また、中国経済の減速、原油価格低迷の長期化、米国金利政策の変化等グローバル経済のリスク要
因の顕在化により為替や株価も大きく変動しており、国内景気の先行きについても不透明感が出てきている状況にあ
ります。
スマートフォンの世帯普及率が67.4%に達し(内閣府:3月の消費動向調査)、デバイスとしてコモディティ化す
るなか、コンシューマーサービス市場においては、無料+アイテム課金型サービスや月額固定使い放題型サービス
等、資本投下が先行する形のサービス形態が定着しつつあり、通信キャリアを含め大規模なユーザーベースを抱える
サービス事業者の寡占化が進む傾向にあります。一方、企業におけるスマートフォンやタブレット端末の活用は、社
内業務から顧客に対するマーケティングやコミュニケーションに至るまで、さまざまなニーズが顕在化しつつあり、法人企業のスマートフォンサービス関連需要は、拡大傾向にあります。これらの動向に加えIoT(Internet of Things)や自動運転、フィンテック(Finance Technology)等に代表される新たなイノベーションの波が現実化しつ
つあり、フィーチャーフォンからスマートフォンへの変化という携帯電話市場の枠を越えて、ICT(Information and
Communication Technology)の世界全体が、大きく変わっていこうとしています。
このように急速に変容する市場環境のなか、当社グループでは、ソリューション事業においては、通信キャリア向
け端末開発の落ち込みを補うべく、一般法人やサービスプロバイダーの顧客領域での展開を拡大しており、着実にそ
の成果を拡げつつあります。プロダクト&サービス事業においては、法人向けチャットサービス『SMART Message』
の新規投入を含めたB2Bサービスへの取り組み強化と、ゲームや教育等、ターゲットが明確で付加価値の高いコンテ
ンツサービスの拡大により、新たなプロダクト&サービス事業の確立に努めています。また、新事業分野への迅速な
展開のため、IoT時代の到来を見据えたスマートデバイスの企画・開発・製造の株式会社ジェネシスホールディング
スの関連会社化、FinTechの発展を睨んだハウス電子マネー大手、株式会社バリューデザインへの出資・提携など、資本提携もからめた新たなパートナー戦略を推進しています。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は5,563,997千円(前期比4.3%増)、営業利益は
76,654千円(前期は413,961千円の営業損失)、経常利益は82,153千円(前期は376,740千円の経常損失)、純利益は
28,916千円(前期は982,144千円の純損失)となりました。
以下、事業別の動向について述べます。
<ソリューション事業>当連結会計年度におけるソリューション事業の売上高は、3,758,011千円(前期比6.5%増)となりました。
ソリューション事業においては、通信キャリア向け端末開発の落ち込みを補うべく、これまで通信キャリア向けに
積み上げてきたアプリ開発の実績やWeb、コンテンツ制作からクラウド関連技術まで幅広くカバーする技術力を活か
し、大手の一般法人やサービスプロバイダー向けにソリューション事業の拡大を推進しました。今期における一般法
人向けの実績例としては、ANA(全日本空輸株式会社)の国際線予約システムや東京海上日動火災保険株式会社が提
供する『モバイルエージェント』のリニューアル案件等が挙げられます。また、製薬大手企業に対しても、メディカ
ル領域でのコンテンツ実績を背景に、アプリ開発からWebサービスまでさまざまなソリューションを提供しました。
サービスプロパイダー向けにおいては、音楽や映像、ヘルスケアなどを展開する事業者のネット展開において、シス
テム開発やWeb運用まで幅広く支援しております。
<プロダクト&サービス事業>当連結会計年度におけるプロダクト&サービス事業の売上高は、1,805,985千円(前期比0.1%増)となりました。
プロダクト&サービス事業においては、キャリア端末向けソフトウェアライセンスや従来型のきせかえコンテンツ
サービス等、既存の事業が大きく減少しており、それらを補うべく、B2Bサービスの展開強化や教育、ゲームジャン
ルの立ち上げに注力しております。B2Bサービスにおいては、クラウド同期型サービス『SMARTアドレス帳』の展開強
化に加え、法人向けチャットサービス『SMART Message』を新規に開発し、主に大企業をターゲットに拡販展開に取
り組んでいます。ゲームジャンルにおいては、オンラインゲーム『モンスター娘のいる日常オンライン』をDMMゲー
ムズと共同開発し、12月より配信を開始しました。また、教育ジャンルにおいては、NTTドコモが運営する知育サー
ビス『dキッズ』向けに、年令層と学科を広くカバーするラインアップ充実に取り組んでおり、2016年2月には、新た
にゲーム感覚で地理が学べるパズル型の地図コンテンツ『ちずモン』の提供を開始しました。さらに、関連会社化し
た株式会社ジェネシスホールディングスとのデバイス事業への取り組みとして、今期は、Microsoft社の最新OSであ
るWindows® 10 Mobileを採用したWindows Phoneの商品化を行っております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,532,332千円となりました。各キャ
ッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、146,092千円(前期は206,215千円の支出)となりました。これは主に、立替金
等の増加に伴う支出があったものの、非資金支出費用の減価償却費291,081千円や仕入債務の増加105,253千円など
があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は525,679千円(前期は771,404千円の支出)となりました。これは主に、ソフトウ
ェア等の無形固定資産や投資有価証券の取得等による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、143,360千円(前期は670,155千円の収入)となりました。これは主に、長期借
入金による資金調達によるものです。