有価証券報告書-第10期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/30 16:51
【資料】
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【項目】
57項目

研究開発活動

当連結会計年度における研究開発費は175,558百万円です。
主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は次のとおりです。
(医療関連事業)
当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブ領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。
医療関連事業における研究開発費は、165,457百万円です。
当連結会計年度の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は以下のとおりです。
領域「製品名」
(一般名)
または開発コード
状況
精神・神経領域「レキサルティ」
(ブレクスピプラゾール)
OPC-34712
<日本>・統合失調症の効能で2017年1月に承認申請しました。
<欧州>・統合失調症の効能で2017年3月に承認申請しました。
<米国>・統合失調症の効能で持続性注射剤のフェーズⅠ試験を2017年2月に開始しました。
<米国・欧州>・心的外傷後ストレス症候群を対象としたフェーズⅢ試験は、試験計画の見直しによりフェーズⅡ試験として再開しました。
・双極性障害を対象としたフェーズⅢ試験を2017年10月に開始しました。
「エビリファイ」
(アリピプラゾール)
OPC-14597
<日本>・開発戦略上、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションを対象とした開発を中止しました。
「エビリファイ持続性水懸筋注用」
「Abilify Maintena」
(アリピプラゾール)
<日本・欧州>・開発戦略上、双極性障害を対象とした開発を中止しました。
<米国>・双極性障害の効能で2017年7月に効能追加の承認を取得しました。
(アリピプラゾール・セルトラリン)
ASC-01
<日本>・大うつ病の効能で2017年7月に承認申請しました。
(イダロピルジン)
Lu AE58054
<米国・欧州>・フェーズⅢ試験結果を総合的に判断し、アルツハイマー型認知症を対象とした開発を中止しました。
(センタナファジン)
EB-1020
・ニューロバンス社を2017年3月に買収し、獲得した開発品であり、現在の開発状況は以下のとおりです。
<米国>・注意欠陥・多動性障害を対象としたフェーズⅡ試験を実施中。
(重水素化デキストロメトルファン・キニジン)
AVP-786
<米国>・外傷性脳損傷を対象としたフェーズⅡ試験を2017年11月に開始しました。
(フレマネズマブ)
TEV-48125
<日本>・片頭痛を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を2017年12月に開始しました。
OPC-64005<米国・欧州>・注意欠陥・多動性障害を対象としたフェーズⅡ試験を2017年11月に開始しました。

領域「製品名」
(一般名)
または開発コード
状況
精神・神経領域(ナルメフェン)
Lu AA36143
<日本>・アルコール依存症の効能で2017年10月に承認申請しました。
がん・がんサポーティブケア領域(グアデシタビン)
SGI-110
<日本・米国・欧州・アジア>・骨髄異形成症候群を対象としたフェーズⅢ試験を2017年2月に開始しました。
<米国・欧州>・フェーズⅡ試験結果を総合的に判断し、肝細胞がんを対象とした開発を中止しました。
「ロンサーフ」
(トリフルリジン・チピラシル)
TAS-102
<アジア>・結腸・直腸がんの効能で2017年5月に承認申請しました。
(テガフール・ギメラシル・オテラシル・ホリナート)
TAS-118
<日本・アジア>・フェーズⅢ試験結果を総合的に判断し、膵がんを対象とした開発を中止しました。
TAS-115<日本>・前立腺がんを対象としたフェーズⅡ試験を2017年1月に開始しました。
TAS-116<米国・欧州>・固形がんのフェーズⅠ試験を2017年7月に開始しました。
TAS4464<日本・米国・欧州>・固形がん、血液がんを対象としたフェーズⅠ試験を2017年2月に開始しました。
「SATIVEX」
(nabiximols)
<米国>・フェーズⅢ試験結果を総合的に判断し、がん性疼痛を対象とした開発を中止しました。
(onalespib)
AT13387
<米国・欧州>・フェーズⅡ試験結果を総合的に判断し、非小細胞肺がんを対象とした開発を中止しました。
AT7519<米国>・フェーズⅡ試験結果を総合的に判断し、多発性骨髄腫を対象とした開発を中止しました。
ASTX660<米国>・固形がん・リンパ腫を対象としたフェーズⅡ試験を2017年9月に開始しました。
OPB-111001<欧州>・フェーズⅠ試験結果を総合的に判断し、固形がんを対象とした開発を中止しました。
HF10<日本>・悪性黒色腫を対象としたフェーズⅡ試験を2017年5月に開始しました。
・膵がんを対象としたフェーズⅠ試験を2017年9月に開始しました。
(レバミピド)
OPC-12759
<日本>・フェーズⅡ試験結果を総合的に判断し、がん化学放射線療法に伴う口腔粘膜炎を対象とした開発を中止しました。

領域「製品名」
(一般名)
または開発コード
状況
循環器・腎領域「サムスカ」
(トルバプタン)
OPC-41061
<米国>・常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の効能で2017年11月に承認申請しました。
<日本>・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群を対象としたフェーズⅢ試験を2017年6月に開始しました。
・開発戦略上、がん性浮腫、血液透析に伴う体液貯留、腹膜透析に伴う体液貯留を対象とした開発を中止しました。
<アジア>・中国において心性浮腫の効能で2017年9月に承認を取得しました。
OPC-61815<日本>・心性浮腫を対象としたフェーズⅡ試験を2017年11月に開始しました。
その他領域「ゾシン」
(タゾバクタム・ピペラシリン)
YP-18
<日本>・深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染について2017年5月に効能追加の承認を取得しました。
TAC-302<日本>・過活動膀胱を伴う排尿筋低活動を対象としたフェーズⅡ試験を2017年9月に開始しました。
「WT1 mRNA測定キットⅡ「オーツカ」」
ODK-1003
<日本>・急性リンパ性白血病の体外診断薬として、2017年4月に効能追加の承認を取得しました。
「ライブセルTASb「オーツカ」」
ODK-1403
<日本>・バセドウ病の体外診断薬として、2017年12月に承認申請しました。

(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、日々の健康の維持・増進をサポートする機能性食品・飲料を中心に世界に通用する製品の研究開発に取り組んでいます。
臨床栄養分野およびスポーツ栄養に関するBCAA(分岐鎖アミノ酸)の研究をもとに開発された「アミノバリュー」は、「アミノバリュー4000」および「アミノバリューパウダー8000」について、BCAAを関与成分とする「運動によるカラダの疲労感をやわらげる」日本初の機能性表示食品として2017年4月に発売しました。さらに、「運動と栄養」に関する研究と「腸と栄養」に関する研究成果をもとに同年4月に日本で発売した新製品「ボディメンテゼリー」は、独自成分「乳酸菌B240」に「BCAA+アルギニン」「ホエイタンパク」を組み合わせた成分設計により、身体のリカバリーとメンテナンスの視点で体調を万全に整えるコンディショニング栄養食です。また、同年5月には、就寝・起床リズムを整え、睡眠の質を高める機能性表示食品「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」*1を新発売しました。同年8月には、ミドルエイジ男性向けトータルスキンケアブランド「ウル・オス」から、“ゴシゴシ洗い”を防止する超濃密泡洗浄料「ウル・オス(UL・OS)フェイスウォッシュforスキンケア」を新発売しました。
大塚製薬・佐賀栄養製品研究所は、近畿大学東洋医学研究所との共同研究において女性アスリートの月経前症候群・月経前不快気分障害によるパフォーマンス障害がエクオール産生能の有無に関連することを明らかにし、本研究結果は同年12月、産婦人科領域の専門誌「Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」*2に掲載されました。また同年12月、国立大学法人弘前大学大学院医学研究科に共同研究講座「女性の健康推進医学講座」を設置しました。エクオールに着眼した研究の推進により、女性の健康寿命・QOLの向上に貢献し、世界に先駆けた最新の情報と解決策を国内外へ発信することを目指します。
ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、5,486百万円です。
*1:機能性関与成分名:アスパラガス由来含プロリン-3-アルキルジケトピペラジン(シクロ(L-ロイシル-L-プロリル)、シクロ(L-フェニルアラニル-L-プロリル)、シクロ(L-チロシル-L-プロリル)として)
*2:Premenstrual symptoms interference and equol production status in Japanese collegiate athletes: A cross-sectional study, J Obstet Gynaecol Res(2017)
(消費者関連事業)
当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。
消費者関連事業における研究開発費は、593百万円です。
(その他の事業)
当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。
その他の事業における研究開発費は、4,021百万円です。