有価証券報告書-第9期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/23 15:44
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスの強化によって経営における意思決定の透明性と効率性を高め、企業価値の向上を図ることを経営上の最も重要な課題の一つととらえています。そのため、「経営と執行の分離」、「社外取締役・社外監査役の招聘」、「内部監査部門の設置によるチェック機能向上」の体制をとり、グループを挙げた内部統制システムの整備を進め、コーポレート・ガバナンスの充実、強化を図ることを基本としています。
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則をふまえたコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針を「JVCケンウッド コーポレートガバナンス方針」として策定し、当社ウェブサイト(http://www.jvckenwood.com/corporate/governance/)に掲載しています。
以下は、当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況です。
①会社の機関の内容並びに内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況等
(ガバナンス体制の選択の理由)
当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として掲げている、「経営と執行の分離」、「社外取締役・社外監査役の招聘」及び「内部監査部門の設置によるチェック機能向上」を効果的に機能させるためには、監査役会設置会社形態で執行役員制度を導入することにより会社の機関が互いに連携した体制が最も有効だと判断し、以下のとおり経営体制の整備をしています。
イ.会社の機関の基本説明
1.取締役会に関する事項
株主総会は、会社の最高意思決定機関として会社法に定める基本的事項について会社の意思を決定していますが、機動的な資本政策及び配当政策を図るため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、定款の定めにより、株主総会の決議によらず取締役会の決議により決定されます。
取締役会は、基本的・戦略的意思決定機関であると同時に、業務執行の監督機関と位置づけられ、毎月1回の定例開催及び必要に応じた臨時開催により、経営の基本方針や重要事項を審議、決議するとともに、業務執行状況の監視、監督を行っています。また、取締役の責任の明確化、経営の迅速性のため、取締役の任期を1年としています。あわせて社外取締役を積極的に招聘し、透明性の高い意思決定を図るとともに、変革とガバナンスを主導しています。
また、当社は、取締役会の機能の独立性と客観性を強化するため、平成27年12月に、社外取締役全員が委員となる指名・報酬諮問委員会を設置しました。以後、指名・報酬諮問委員会は、当社の代表者の候補者を取締役会に提案するとともに、代表者等から提案される役員候補者及び役員報酬案の妥当性の検討を行い、意見を答申しています。取締役会は、指名・報酬諮問委員会の意見を尊重し、役員候補者及び役員報酬を決定しています。指名・報酬諮問委員会は、平成29年6月23日現在、同委員長に社外取締役である疋田純一氏が、同委員に社外取締役である阿部康行氏及び岩田眞二郎氏が就任しています。
さらに、当社は、平成28年6月以降、経営陣から独立し中立性を保った独立社外取締役を取締役会議長とし、平成29年6月23日現在、社外取締役である阿部康行氏が取締役会の議長を担っています。
2.取締役に関する事項
定款の定めにより、取締役は9名以内とされ、株主総会による取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、また、累積投票によらないものとされています。平成29年6月23日開催の第9回定時株主総会で取締役9名が選任されています。
当社は、取締役の責任を合理的な範囲にとどめるために、定款において、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定めています。
当社は、原則として、経験、実績、専門的知見・見識等による経営の監督機能の実効性を確保する一方で、一般株主の利益相反のおそれのない独立性についても確保するため、独立性に関する基準又は方針は、株式会社東京証券取引所における「上場管理等に関するガイドライン」Ⅲ5.(3)の2を基準に、当社の主要株主や主要取引先(連結売上高の1%以上の取引額がある取引先)の業務執行者であった経歴がないことを確認するなどしたうえで、社外取締役候補者を決定し、平成29年6月23日以降、社外取締役として、阿部康行氏、疋田純一氏及び岩田眞二郎氏の3名を招聘しています。
(参考)株式会社東京証券取引所における「上場管理等に関するガイドライン」Ⅲ5.(3)の2(平成27年5月1日改正)
有価証券上場規程施行規則第436条の2の規定(独立役員の確保に関する取扱い)に基づき上場内国株券の発行者が独立役員として届け出る者が、次のaからdまでのいずれかに該当している場合におけるその状況
a.当該会社を主要な取引先とする者若しくはその業務執行者又は当該会社の主要な取引先若しくはその業務執行者
b.当該会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)
c.最近において次の(a)から(c)までのいずれかに該当していた者
(a)a又はbに掲げる者
(b)当該会社の親会社の業務執行者(業務執行者でない取締役を含み、社外監査役を独立役員として指定する場合にあっては、監査役を含む。)
(c)当該会社の兄弟会社の業務執行者
d.次の(a)から(f)までのいずれかに掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者
(a)aから前cまでに掲げる者
(b)当該会社の会計参与(社外監査役を独立役員として指定する場合に限る。当該会計参与が法人である場合は、その職務を行うべき社員を含む。以下同じ。)
(c)当該会社の子会社の業務執行者(社外監査役を独立役員と指定する場合にあっては、業務執行者でない取締役又は会計参与を含む。)
(d)当該会社の親会社の業務執行者(業務執行者でない取締役を含み、社外監査役を独立役員として指定する場合にあっては、監査役を含む。)
(e)当該会社の兄弟会社の業務執行者
(f)最近において(b)、(c)又は当該会社の業務執行者(社外監査役を独立役員として指定する場合にあっては、業務執行者でない取締役)に該当していた者

阿部康行氏は、当社グループ外の法人等における業務や企業経営を通じて得た海外等での電機・機械・情報産業分野等の豊富な経験、知識、専門的見地及び人的関係等から、経営者としての適切な助言を当社の経営に活かし、また、当社グループの業務執行と離れた客観的な第三者の立場から取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言や提言を適宜行っています。
同氏の兼職先である住友商事株式会社及び株式会社オレンジ・アンド・パートナーズと当社との間には、相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
同氏が過去に役職員を務めたSCSK株式会社(旧 住商エレクトロニクス株式会社及び旧 住商情報システム株式会社)と当社との間には、過去に仕入の取引関係がありましたが、過去の当社との取引額は当時の当社及び同社の連結売上高の1%未満であり、当社及び同社の双方にとって主要な取引に該当しない上、当連結会計年度における取引関係はありません。また、同氏が同社の代表取締役の職を辞してから7年が経過しており、現時点においては同社との間に何らの関係もありません。さらに、当社及び同社の間に、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
また、同氏が社外監査役を務める株式会社SUBARUと当社との間には、現在、仕入及び販売の取引関係があるものの、当連結会計年度における同社と当社との取引額は当社及び同社の連結売上高の1%未満であり、当社及び同社の双方にとって主要な取引に該当せず、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。さらに、同氏は過去においても当社の上記以外の主要取引先や主要株主の業務執行者等であった経験はありません。以上により、当社は、同氏が独立性を有すると判断しています。
疋田純一氏は、当社グループ外の法人等における業務や企業経営を通じて得た豊富な経験、知識、専門的見地及び人的関係等から、経営者、技術者としての適切な助言を当社の経営に活かし、また、当社グループの業務執行と離れた客観的な第三者の立場から取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保する助言や提言を適宜行っています。
同氏の兼職先である疋田コンサルタント株式会社と当社との間には、相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
同氏が過去に役職員を務めたローム株式会社と当社との間には、現在、仕入の取引関係があるものの、当連結会計年度における同社と当社との取引額は当社及び同社の連結売上高の1%未満であり、当社及び同社の双方にとって主要な取引に該当せず、かつ、同氏が同社の相談役の職を辞してから9年が経過しており、現時点においては同社との間に何らの関係もありません。また、同社が当社の株式を31,400株保有していますが、保有株式数も僅かで相互保有の関係はなく、相互に寄附、役員の相互派遣の関係もありません。
さらに、同氏は過去においても当社の上記以外の主要取引先や主要株主の業務執行者等であった経験はありません。以上により、当社は、同氏が独立性を有すると判断しています。
岩田眞二郎氏は、当社グループ外の上場企業等における企業経営、情報通信領域及び自動車関連領域における豊富な経験、知識、専門的見地及び人的関係等から、経営者としての適切な助言を当社の経営に活かし、また、当社グループの業務執行と離れた客観的な第三者の立場から取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保する助言や提言をいただくことにより、当社の経営を監督する立場で活躍することを期待して社外取締役として選任されています。
同氏の兼職先である株式会社日立物流と当社との間には、現在、仕入の取引関係があり、また、株式会社日立製作所と当社との間には、現在、仕入及び販売の取引関係がありますが、当連結会計年度における両社と当社との取引額は当社及び両社それぞれの連結売上高の1%未満であり、当社及び両社にとって主要な取引に該当せず、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
また、同氏の兼職先である株式会社ベネッセホールディングスと当社との間には、相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
同氏が過去に役職員を務めた株式会社日立国際電気及び日立オートモーティブシステムズ株式会社と当社との間には、現在、販売の取引関係がそれぞれありますが、当連結会計年度における両社と当社の取引額は当社及び両社のそれぞれの連結売上高の1%未満であり、当社及び両社にとって主要な取引に該当せず、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
また、同氏が過去に役職員を務めたHitachi Data Systems Corporation及びHitachi Global Storage Technologies, Inc.(現 HGST, Inc.)と当社との間には相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
さらに、同氏は過去においても当社の上記以外の主要取引先や主要株主の業務執行者であった経験はありません。以上により、当社は、同氏が独立性を有すると判断しています。
なお、当社は阿部康行氏、疋田純一氏及び岩田眞二郎氏を株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ています。
当社は、社外取締役として優秀な人材を招聘できるよう、定款において、会社法第427条第1項の規定により、社外取締役との間で、任務を怠ったことによる損害賠償責任を一定の範囲に限定する契約を締結することができる旨を定めています。
3.執行役員制度に関する事項
当社は、執行役員制度を導入しており、業務執行機能が分化され、経営責任と業務執行責任の明確化がなされており、平成29年6月23日以降、取締役9名(うち社外取締役3名)、執行役員13名(うち取締役兼務者6名)がその責務を遂行しています。
変革とガバナンスを主導する取締役会では、社外取締役を議長としてガバナンスの強化を図るとともに、独立役員である社外取締役と、執行役員兼務取締役との議論を通じて意思決定を行い、業務執行を執行役員に委任しています。また、取締役会の構成員である代表取締役 兼 社長執行役員が最高経営責任者CEO(Chief Executive Officer)として、経営の監督責任と業務執行責任をあわせて負う形となっており、取締役会の意思決定を受けてCEOが議長を務める執行役員会を主導して、各執行役員が業務について責任をもって執行しています。
当社は、平成28年6月に、米州、EMEA(Europe, Middle East and Africa:ヨーロッパ、中東及びアフリカ)、アジア・オセアニア及び中国の4地域に担当地域の全事業の運営責任を負う総支配人又は総代表を、オートモーティブ分野(AM分野)、パブリックサービス分野(PS分野)及びメディアサービス分野(MS分野)の3分野に分野COO(Chief Operating Officer)を、並びにコーポレート部門を管掌するCFO(Chief Financial Officer)、CSO(Chief Strategy Officer)、CTO(Chief Technology Officer)及びCAO(Chief Administration Officer)をそれぞれ設置し、これを各執行役員が担当してCEOを支える執行体制に変更し、平成27年5月に発表した中長期経営計画「2020年ビジョン」実現に向けて推進しています。
4.監査役会に関する事項
当社は、監査役会設置会社であり、監査役は取締役会その他重要会議に出席するとともに、監査役会を開催し、取締役の職務執行、当社グループ全体の業務執行の監査、会計監査を実施しており、経営監査の機能を担っています。
監査役会は、毎月1回及び必要に応じて随時開催されています。
5.監査役に関する事項
当社では、平成29年6月23日以降、4名(うち社外監査役2名)の監査役がその任にあたっています。
監査役の坂本隆義氏は、過去約11年間の、また、藤田聡氏は、過去約10年間の当社グループでの財務経理部門等を担当した経験に基づき、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
監査役についても、監査役の責任を合理的な範囲にとどめるために、定款において、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定めています。
当社は、原則として、経験、実績、専門的知見・見識等による経営の監督機能の実効性を確保する一方で、一般株主の利益相反のおそれのない独立性についても確保するため、独立性に関する基準又は方針は、株式会社東京証券取引所における「上場管理等に関するガイドライン」Ⅲ5.(3)の2を基準に、当社の主要株主や主要取引先(連結売上高の1%以上の取引額がある取引先)の業務執行者等であった経歴がない
ことを確認するなどしたうえで、監査役会の同意を得て、社外監査役候補者を決定し、平成28年6月24日以降、社外監査役として、浅井彰二郎氏及び大山永昭氏の2名を招聘しています。
浅井彰二郎氏は、当社グループ外の法人等における業務や企業経営を通じて得た豊富な経験、知識、専門的見地及び人的関係等並びにこれまで当社グループの社外監査役として監査を行った経験を活かし、また、当社グループと離れた客観的な第三者の立場から取締役会及び監査役会において経営者、技術者としての面を含む適切な助言や提言を適宜行っています。
同氏の兼職先である株式会社リガクと当社との間には、相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。また、国立研究開発法人科学技術振興機構と当社との間には、現在、仕入の取引関係があるものの、当連結会計年度における同法人と当社との取引額は当社及び同法人の連結売上高の1%未満であり、当社及び同法人の双方にとって主要な取引に該当せず、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
同氏が過去に役職員を務めた、株式会社日立製作所と当社との間には、現在、仕入の取引関係があるものの、当連結会計年度における同社と当社との取引額は、当社及び同社の連結売上高の1%未満であり、当社及び同社の双方にとって主要な取引に該当せず、かつ、同氏が同社を退職してから10年以上が経過しており、現時点において同氏は同社との間に何らの関係もありません。また、当社及び同社の間に、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。さらに、同氏が過去に役職員を務めた株式会社日立メディコ及び一般社団法人日本分析機器工業会と当社との間には、それぞれ相互に寄附を含む取引、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
また、同氏は過去においても当社の上記以外の主要取引先や主要株主の業務執行者等であった経験はありません。以上により、当社は、同氏が独立性を有すると判断しています。
大山永昭氏は、当社グループ外の法人等における学者としての豊富な経験、知識、専門的見地及び人的関係等を当社の監査に活かし、また、当社グループと離れた客観的な第三者の立場から、当社の取締役会及び監査役会において専門分野の面を含む適切な助言や提言を適宜行っています。
同氏の兼職先である国立大学法人東京工業大学と当社との間には、現在、仕入及び販売の取引関係があるものの、当連結会計年度における同法人と当社との取引額は当社及び同法人の連結売上高の1%未満であり、当社及び同法人の双方にとって主要な取引に該当せず、また、相互に寄附、役員の相互派遣、株式保有等の関係はありません。
さらに、同氏は過去においても当社の主要取引先や主要株主の業務執行者等であった経験はありません。以上により、当社は、同氏が独立性を有すると判断しています。
なお、当社は浅井彰二郎氏及び大山永昭氏を株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届け出ています。
当社は、社外監査役として優秀な人材を招聘することができるよう、定款において、会社法第427条第1項の規定により、社外監査役との間で、任務を怠ったことによる損害賠償責任を一定の範囲に限定する契約を締結することができる旨を定めています。
当社は、法令に定める社外監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しています。
6.コンプライアンスに関する事項
当社は、「コンプライアンス」を単なる「法令遵守」に留まらず、「社会的要請への対応」と捉えています。すなわち、法令を遵守すること自体が目的なのではなく、法令に従うことによって、法令の背後にある社会的要請に応えることがコンプライアンスの目的であるとの認識の下に、CEOを委員長とするコンプライアンス委員会を通じて当社グループのコンプライアンス活動を包括的に推進しています。
当社グループ全体を対象とした「JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準」は平成22年3月に制定され、その冊子(3か国語対応)はイントラネットを通じて、当社グループ内の役職員に周知されるとともに、傘下関係会社については当社取締役会で選任された「コンプライアンス担当役員」を通じて周知徹底されています。
また、コンプライアンス教育については、CEOの指導のもとで内部統制室が主管しており、イントラネットを利用したeラーニングや実務研修により、当社及び主要な関係会社の役職員を対象にコンプライアンス研修を実施しています。
なお、コンプライアンス上の懸念が生じた場合は、「内部通報規程」及び当該規程に基づき、内部統制室に設置された内部通報受付システム(ヘルプライン)に直接通報され、コンプライアンス委員会主導の下で是正措置がとられます。また、監査役通報システムが監査役室に設置され、会計・監査上の懸念が生じた場合は、直接通報されます。両システムとも、通報内容及び通報者名の秘密を守るため、専用の通信インフラとして運用され、選任された担当者が受け付け、社会的要請を逸脱した行為の発見と是正に努めています。
7.グループ連結経営に関する事項
当社は、グループ経営部を設置し、当社グループ全体の業務において、不祥事の再発防止、経営(業務)改革、連結経営管理を強化するための企画、立案及びサポートを行い、関係会社と事業部門に対してのワンストップ対応部門として機能しながら、グループ連結経営の改革を推進しています。
ロ.コーポレート・ガバナンス体制
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ハ.内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社は業務の適正を確保するために以下のとおり体制を整備しています。
1.当社及び当社の主要な子会社から成る企業集団(以下この項において「当社グループ」という。)の取締役、使用人等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1)企業ビジョン、経営方針及び行動指針を制定し、これらを遵守するとともに、コンプライアンスに関する統括部門を定め、当社グループの全役職員と共有し徹底を図る。
2)当社グループ全体を対象にした各種の社内規程類又はガイドライン等を整備し、使用人の職務執行の指針とする。
3)JVCケンウッド コンプライアンス行動基準を定め、これを遵守する。
4)当社グループ各社において「取締役会規程」を定め、経営意思決定・取締役の職務執行の監督を適正に行う。
5)当社グループ全体を対象にした内部監査を実施するほか、当社グループ全従業員が利用可能な内部通報制度「JVCケンウッドグループ 内部通報規程」を定め、「JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準」を逸脱する行為に関する通報と是正手順及び通報者が不利益な扱いを受けないよう監視、保護する手順を整備する。
6)監査役は、独立した立場から、当社グループにおける取締役、使用人等の職務執行状況を監査する。
2.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
1)「取締役会規程」に基づいて取締役会議事録を作成し、法令及び社内規程に基づき本店に保存する。
2)機密文書情報や機密電子情報を管理する際の遵守すべき基本的事項を定める「機密情報管理規程」を定め、明確な取扱いを行う。
3.当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1)コンプライアンス及びリスクマネジメントに関するグループ規程を定め、それらのモニタリングに関する全社的組織体制を設置し、責任を明確にすることにより、当社グループにおけるリスクマネジメント活動を適正に推進する。
2)リスク別の管理規程を整備し、当社グループにおける各種リスクの未然防止や、発生時の対応・復旧策を明確にすることにより、重大事案の発生時における被害の拡大防止や損失の極小化を図る。
4.当社グループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1)当社においてグループ単位で事業計画等を策定することにより、経営目標を明確化し、当社グループに展開し、その達成状況を検証する。
2)当社においては、執行役員制度を導入し、業務執行を執行役員に委任することによって経営の監督機能と業務執行機能を分化し、監督責任と業務執行責任を明確にする。
3)当社において「取締役会規程」及び「執行役員会規程」並びにグループ規程「職務権限規程」、「意思決定権限基準」及び「意思決定項目一覧表」を定めて、当社グループ全体の経営意思決定の方法を明確にする。
4)当社グループ各部門の職務分掌に関する規程を定め、担当領域を具体的にし、明確な執行を行う。
5.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
1)「連結経営の基本方針」に基づき、経営理念・経営方針を共有するとともに、当社グループ規程として「職務権限規程」、「意思決定権限基準」、「意思決定項目一覧表」を定めて、企業集団全体での業務の適正化を図る。
2)主要な子会社に役員又は業務管理者を派遣して、業務の適正化を確保する。
3)子会社を対象にした内部監査部門による内部監査等を実施する。
6.子会社の取締役及び業務を執行する社員等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
1)子会社毎に当社の主管部門を定め、重要な情報の主管部門への報告の義務付けを行うとともに、主管部門は当該子会社の経営全般に対して責任を持つ。
2)必要に応じて、当社から各子会社に役員及び管理部門スタッフを派遣することにより、当該子会社の職務の執行状況を業務執行ラインで把握する。
3)当社グループ内で事業運営に与える異常事態が発生した場合に、遅滞なく適切な手順で当社経営トップに報告がなされる体制を確保する。
7.当社の監査役の職務を補助する使用人に関する体制、当該使用人の当社の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
1)当社は、当社の監査役の監査業務を補助するため、監査役スタッフとして専任の使用人を置く。
2)当社は、監査役スタッフとしての専任の使用人の人事考課は監査役が行い、任用については当社の監査役と事前協議する。
3)当社の監査役は、監査役スタッフに対する指揮命令権を持つ等、補助使用人の独立性の確保に必要な事項を明確化し、当社はこれを尊重する。
8.当社の取締役及び使用人並びに当社の子会社の取締役、監査役、業務を執行する社員等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告をするための体制
1)当社の監査役は、取締役会その他重要会議に出席し、当社グループにおける業務の執行状況その他の重要な事項について報告を受ける。
2)当社の取締役及び本社部門長が、当社の監査役に対し定期的かつ必要に応じて業務執行状況の報告を行う。
3)当社の監査役は、上記を含む年度監査計画に基づき、当社の各事業所・子会社の監査を実施し、報告を受け、聴取を行う。
4)当社グループの取締役及び使用人並びにこれらの者から報告を受けた者は、当社の監査役が事業の報告を求めた場合又は当社グループの業務及び財産の状況を調査する場合は、迅速に対応する。
5)当社グループ全体を対象にした当社監査役への通報システムを設け、当社グループ内で発生した会計及び監査における不正や懸念事項について、当社グループ従業員等が直接監査役会に通報する体制を構築する。
6)当社の監査役は、内部監査部門の監査計画と監査結果について定期的に報告を受ける。
9.当社の取締役及び使用人並びに子会社の取締役、監査役、業務を執行する社員等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
1)当社の監査役への報告を行った当社グループの報告者について当該報告をしたことを理由として不利な扱いを行うことを禁止し、当社グループの役員及び従業員に周知徹底する。
2)内部通報システムにより通報を受けた当社の監査役は、通報を理由として通報者に不利益な取扱いを行わないように関係部門に要請するとともに、通報者から不利益な取扱いを受けている旨の連絡がなされた場合、当社及び当社グループの人事部門に当該不利益な取扱いの中止を要請する。
10.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
1)当社の監査役が、その職務の遂行に関して、当社に対して費用の前払い等の請求をした場合は、当社は、当該請求に係る費用又は債務が当社の監査役の職務の遂行に必要でないことを証明した場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
2)当社の監査役は、監査の効率性及び適正性に留意して監査費用の支出を行う。
11.その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保する体制
1)当社の取締役は、当社の監査役が策定する監査計画に従い、実効性ある監査を実施できる体制を整える。
2)当社の代表取締役と当社の監査役は、相互の意思疎通を図るため、定期的な会合を持つ。
3)当社の取締役は、当社の監査役の職務の遂行に当たり、法務部門・経理部門・内部監査部門及び外部の専門家等との連携を図れる環境を整備する。
4)社外監査役の選任にあたっては、専門性だけでなく独立性も考慮する。
12.財務報告の適正性を確保するための体制
1)金融商品取引法及び関係法令に基づき、当社及びその子会社から成る企業集団の財務報告の適正性を確保するための体制の整備を図る。
2)財務報告の適正性を確保するための体制の整備・運用状況を定期的に評価し、改善を図る。
13.反社会的勢力排除に向けた基本的考え方
当社グループは、役職員を標的とした不当要求や、健全な経営活動を妨害するなど、ステークホルダーを含めた当社グループ全体に被害を生じさせるおそれのあるすべての反社会的勢力に対して、必要に応じて外部専門機関と連携しながら法的措置を含めた対応を取りつつ、資金提供、裏取引を含めた一切の取引関係を遮断し、いかなる不当要求をも拒絶する。当社グループは、このような反社会的勢力の排除が、当社の業務の適正を確保するために必要な事項であると認識している。
ニ.内部統制システム及びリスク管理体制の運用状況の概要
当社は上記ハ.の体制に基づいて、当連結会計年度において実施した主な取り組みの概要は以下のとおりです。
1.コンプライアンスに関する取り組み
最高経営責任者(CEO)を委員長とするコンプライアンス委員会と担当部門が主導し、関連規程の更新、社内教育及び事例の配信等を行っています。また、監査役通報システム及び内部通報システムについても周知しています。
2.リスク管理に関する取り組み
リスクサーベイランスと事業継続計画の更新を行っているほか、部門毎に想定事態への対応訓練を行っています。また、異常事態発生時の報告・対応体制について周知しています。
3.取締役会の運営に関する取り組み
執行役員制度に加え、社外取締役を取締役会議長に選任して取締役会を運営することで、ガバナンスの強化をはかるとともに業務執行を執行役員に委任する経営体制となり、監督と執行がより明確に分化されています。
4.子会社管理に関する取り組み
経営監査室が国内外の関係会社を対象に、2年から3年周期で業務監査を実施しています。監査役と連携を取りながら、子会社7社については、監査役と合同監査を実施しています。また、業務監査の指摘事項に対しては、改善策の実施状況についてフォローを行っています。
5.監査役監査について
監査役は、「取締役会」、「執行役員会」及び「経営会議」等の重要会議に出席し、業務の執行状況その他の重要な事項について報告を受けているほか、面談や往査を通じて当社及び子会社の取締役、執行役員及び部門長等から業務執行状況等の報告を受けています。また、監査役は、当事業年度中に国内外関係会社合計24社を対象に往査を実施するとともに、経営監査室から期初の年間内部監査計画及び月次で内部監査結果報告を受けています。
ホ.内部監査及び監査役監査の手続及び状況
当社は、経営監査室が当社グループ全体への執行業務に対する内部監査と、財務報告に関わる内部統制評価(J-SOX評価)を、取締役会の承認に基づく監査計画により実施し、これを監督機関である取締役会へ報告しています。経営監査室は、現在9名が内部監査およびJ-SOX評価に従事しています。経営監査室は、当社及び当社グループ内の関係会社まで幅広く、実地調査を行い、内部統制の実施状況のモニタリングを一元的に、実施することにより、事業の現場の価値観と異なる立場で、問題事象の早期発見に努め、問題事象の発生に対する抑止力を高めています。
なお、経営監査室は経営者による不正等の兆候を察知したときは、監査役への報告をルートとして定めています。
監査役監査は、監査計画に基づいて実施され、全グループを対象とした監査の他、社内決裁書のチェックを行っており、取締役及び執行役員を対象としたモニタリングとなっています。また、経営監査室の監査へ同行するなど監査役監査の幅を広げています。
へ.会計監査の状況
当社グループ及び当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、國井泰成氏、芳賀保彦氏、下平貴史氏の3名で、有限責任監査法人トーマツの指定有限責任社員 業務執行社員であり、連続監査年数は、芳賀保彦氏は5年、國井泰成氏は4年、下平貴史氏は1年です。監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士12名、その他の補助者23名、合わせて35名となっています。
ト.内部監査、監査役監査、会計監査の相互連携
社外監査役を含むすべての監査役は自ら経営監査を実施するとともに、取締役会に出席し、経営監査室がグループの業務全般にわたって実施した内部監査の状況を把握し、さらに適宜、経営監査室と打合せを持ち、情報の交換及び確認を行っています。
また、監査役は監査役会において定期的に会計監査人から会計監査結果の報告を受けています。会計監査人は経営監査室とも定期的な会合を持ち、情報の交換に努めています。
以上のように、経営監査室、監査役、会計監査人は相互連携による監査の実効性の向上に努めています。
経営監査室は、内部統制室、グループ経営部など社内のコンプライアンスに係る部門と常に連携をとり、モニタリング機能を強化しています。
チ.社外取締役及び社外監査役との利害関係
当社と社外取締役及び社外監査役との間には、「第4 提出会社の状況 5役員の状況」に記載の一部当社株式の所有を除き、人的関係、資本的関係又は取引関係その他利害関係は存在しません。
社外取締役3名と、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、社外取締役がその職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、損害賠償責任の金額を、金500万円又は法令で定める最低責任限度額のいずれか高い金額を限度とする責任限定契約を締結しています。
また、社外監査役2名と、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、社外監査役がその職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、損害賠償責任の金額を、金500万円又は法令で定める最低責任限度額のいずれか高い金額を限度とする責任限定契約を締結しています。
なお、社外取締役の阿部康行氏は他の法人等の役員等(株式会社SUBARUの社外監査役、住友商事株式会社の顧問及び株式会社オレンジ・アンド・パートナーズの顧問)を、疋田純一氏は他の法人等の代表取締役(疋田コンサルタント株式会社)を、岩田眞二郎氏は他の法人等の役員等(株式会社ベネッセホールディングスの取締役会長(社外取締役)、株式会社日立物流の取締役(社外取締役)及び株式会社日立製作所のアドバイザー)を、社外監査役の浅井彰二郎氏は他の法人等の役員等(株式会社リガクの特別顧問及び国立研究開発法人科学技術振興機構のACCEL領域運営アドバイザー)を、大山永昭氏は他の法人等の教授(国立大学法人東京工業大学の教授)をそれぞれ兼任していますが、いずれの他の法人等も当社との重要な取引関係はありません。
②役員の報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
役員区分報酬等
の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬ストック
オプション
賞与退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く)
266266---6
監査役
(社外監査役を除く)
2525---1
社外役員6565---6
合計357357---13

ロ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
当社は、平成21年6月24日開催の第1回定時株主総会における取締役及び監査役の報酬額決定の件において、取締役の報酬等の額を月額36百万円以内(うち社外取締役分4百万円以内)に、監査役の報酬等の額を月額9百万円以内と決議され、取締役の報酬額は取締役会で、また、監査役の報酬額は監査役会で当該報酬等の額の範囲内で決定することとしています。なお、取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず、また、取締役及び監査役には上記報酬等の額の他、賞与、退職慰労金等その他の金銭報酬を支給しないものとしています。
なお、連結報酬等の額が1億円以上の者が存在しないため、提出会社の役員毎の連結報酬等の総額等については記載しておりません。
また、現在当社において使用人兼務取締役はいません。
③株式の保有状況
イ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
銘柄数 33銘柄
貸借対照表計上額の合計額 6,440百万円
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
(前事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
アイコム株式会社445,500916協力関係の維持・強化
ホーチキ株式会社203,000261取引関係の維持・強化
上新電機株式会社263,422227同上
株式会社オートバックスセブン65,262123同上
株式会社イエローハット38,20686同上
株式会社ベスト電器560,83966同上
株式会社コジマ36,0008同上

(当事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(百万円)
保有目的
アイコム株式会社445,5001,140協力関係の維持・強化
上新電機株式会社263,422299取引関係の維持・強化
ホーチキ株式会社203,000295同上
株式会社オートバックスセブン66,572109同上
株式会社イエローハット38,20698同上
株式会社ベスト電器560,83985同上
株式会社コジマ36,00010同上

ハ.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。