有価証券報告書-第10期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 15:40
【資料】
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【項目】
66項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、当社のオートモーティブ分野、パブリックサービス分野、メディアサービス分野の各事業分野によって行われています。当連結会計年度における主たる事業分野の研究開発活動は以下のとおりです。
当社グループの当連結会計年度における基礎技術の研究開発に係る費用は6億74百万円、量産設計に係る費用は172億15百万円、総額は178億90百万円です。
*オートモーティブ分野
業界初となる高音質ハイレゾ音源の再生を可能にした「彩速ナビ」を商品化して以来、更なる高音質を追求、最新コーデック「LDAC™」を搭載し、音源ファイルのみならずワイヤレスでも高音質サウンドの再生を可能にし、車室内ハイレゾリスニングの強化を図りました。また、ナビゲーションへの各種機能強化を追求し、渋滞表示、速度履歴など、ユーザーが必要とする情報をグラフィカルに表示、ドライブをより快適にする新INFOウィンドウモードの搭載、「Apple CarPlay」や「Android Auto™」といったスマートフォンとの連携などに対応して商品群を拡充しました。
当社の強みである映像処理技術を駆使、進化させたドライブレコーダーの商品化では、全モデルにて新たにフルハイビジョンの約1.8倍の解像度となるWQHD録画を実現しました。市販市場向けのみならず用品車両メーカーへ向けての対応も拡充させました。自動車ユーザーの安全・安心意識の高まりを受け、これまで培ってきた車載技術と映像・光学技術の融合により、高画質化に加えて、大型ワイド液晶の採用、ダブルスロット搭載によるリレー録画や、低フレームレート記録モードによる長時間録画や駐車監視録画機能にも対応しました。無線LAN機能を搭載し、スマートフォンとの連携を可能とした商品開発や、前方の映像だけでなく後方映像のダブル録画・シンクロ再生を可能にしました。ナビゲーションの大画面を生かした各種表示機能や、タッチパネルでの快適な操作を可能にし、さまざまな映像情報の取得、確認により、運転時の万が一をサポートする技術開発を進めました。
2017年度の主な研究開発活動及び製品開発の成果には、以下の項目が挙げられます。
(1)国内用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したナビゲーション、ディスプレイ・オーディオ、カーオーディオ、ドライブレコーダー、リアカメラなどの車載製品を開発、商品化しました。
(2)国内用品車両メーカー向けに、車両の蛇角情報に合わせた駐車ガイドラインの描画機能を可能にしたリアカメラシステムを開発、商品化しました。
(3)純正車両メーカー向けに、Apple社CarPlay、及びGoogle社Android Auto™に対応したディスプレイ・オーディオの仕向け追加、年次モデル対応の開発を行いました。
(4)英国マクラーレン・オートモーティブ社と高級スポーツカー「McLaren 720S」及び「McLaren Senna」向け先進的デジタルコックピットシステムを共同開発しました。
(5)市販商品向けに、スマートフォン連携を強化したナビゲーション、AVシステムを開発、商品化しました。
(6)ハイレゾ音源再生に対応した「彩速ナビ」及び車載向けスピーカーを開発、商品化しました。
(7)ケンウッド創立70周年を迎え、「彩速ナビ」を中心としたフロント、リアのドライブレコーダーのダブル録画、各ドライブレコーダーの操作、表示を可能とするナビゲーション連動機能を実現するシステムを開発、商品化しました。
(8)ドライブをサポートする「運転支援機能」を搭載したドライブレコーダーを開発、商品化しました。
(9)車載向けのアンプ、スピーカー、CD/DVDメカニズム、光学ピックアップを開発、商品化しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、86億39百万円です。
*パブリックサービス分野
パブリックサービス分野は、無線システム事業の無線機器開発、無線システムソリューション開発や次世代IP無線システム開発、国内業務用システム事業のソリューション提案商材・システムの強化、ヘルスケア事業の医用画像診断ソリューションや検査・各種診断システムなどの開発を行いました。
2017年度の主な研究開発活動および成果には、以下のものが挙げられます。
(1)主に米国公安市場(警察、消防等)向けに、米国無線子会社のEF Johnson Technologies, Inc.と共同で堅牢なデジタル無線機を開発、商品化しました。
(2)世界各国のパブリックサービス市場(電気・水道・ガス等)向けに、「NXDN」に加え「DMR」にも対応したデジタル業務用無線機を開発、商品化しました。
(3)国内向けに、大型商業施設での業務連絡や上空でのスカイスポーツでのコミュニケーション等に利用可能な、小型・軽量のデジタル簡易無線機を開発、商品化しました。
(4)ケンウッド創立70周年を迎え、「TRIO」ロゴを冠し、特別仕様としたHF/50MHzトランシーバーを開発、商品化しました。
(5)顧客の無配線化への要望を受け、デジタル会議システムのワイヤレス化の要素開発を行いました。
(6)RTSPダイレクト接続により、ネットワークビデオレコーダを必要としない画像解析手法の要素開発を行いました。
(7)モノクロとカラーの画像を自動識別し最適な階調で表示する、当社独自のダイナミックガンマ機能を搭載した医用画像表示用ディスプレイを開発、商品化しました。
(8)OEM事業として、世界初の硬性内視鏡向け8Kカメラシステムをカイロス社と開発しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、66億47百万円です。
*メディアサービス分野
メディアサービス分野は、BtoB・BtoC双方において、拡大するIPネットワークとの接続性やスマートフォンとの親和性に優れた商品やサービスの開発を行いました。また、顧客ニーズを徹底的に汲み取り、顧客の業務運用コストを大幅に低減できる商品やソリューションの開発を行いました。
2017年度の主な研究開発活動および成果には、以下のものが挙げられます。
(1)拡大するライブスポーツ配信サービス向けに、少人数でのスポーツ中継に特化したオーバーレイ機能(得点経過等)を有するスポーツ中継向け業務用カメラを開発、商品化しました。
(2)当社製家庭用ビデオカメラ「Everio R」シリーズとスマートフォン向けアプリケーションを連携させたスポーツチーム・コミュニケーションサービス「teamnote」を開発、提供開始しました。
(3)主にフライトシミュレーターやプラネタリウムの表示システム向けに、当社製1.27型D-ILAデバイスを搭載し4K及び8K/e-shift表示が可能な、新開発のレーザー光源採用のD-ILAプロジェクターを開発、商品化しました。
(4)新開発の「4K/e-shift5」テクノロジーを搭載したD-ILAプロジェクター、および当社独自の「D-ILA」デバイス誕生20周年を記念したJVCレッドの特別仕様限定モデルのD-ILAプロジェクターを開発、商品化しました。
(5)4つの保護性能「QUAD PROOF」搭載の「Everio R」シリーズの最上位機種として、4K撮影に対応した家庭用ビデオカメラを開発、商品化しました。
(6)スマートフォンから手軽に操作(映像確認、録画開始等)できるIPカメラと、ドアや窓の開閉を検知するセンサーを組み合わせたホームモニタリングシステムを開発、商品化しました。
(7)ランナーの快適なリスニングを実現するため、左右の筐体を結ぶケーブルをなくし、撥水基板コーティングで防水仕様「IPX5」に対応したBluetooth®対応のスポーツ用完全ワイヤレスヘッドホンを開発、商品化しました。
(8)近年のワイヤレスヘッドホン市場拡大に対応するため、高音質化技術「K2 TECHNOLOGY」や、ノイズキャンセリング機能等を搭載したBluetooth®対応ヘッドホンを開発、商品化しました。
(9)「Kseries」のコンセプトである「原音再生」を追求したハイレゾ音源対応のコンパクトHi-Fiシステムを開発、商品化しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、26億2百万円です。