有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 16:18
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【項目】
90項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、当社のオートモーティブ分野、パブリックサービス分野、メディアサービス分野の各事業分野、及びその他分野に含まれるDXビジネス事業部によって行われています。当連結会計年度における主たる事業分野の研究開発活動は以下のとおりです。
当社グループの当連結会計年度における基礎技術の研究開発に係る費用は23億円、量産設計に係る費用は151億円、総額は174億円です。
*オートモーティブ分野
ナビゲーションの商品化では、国内商品群では高音質ハイレゾ音源の再生を可能にした「彩速ナビ」において、内蔵メモリを強化し、高画質と高速レスポンスにさらに磨きをかけた汎用モデルを開発し、ラインアップを強化しました。インクリメントP株式会社が運営する地図サイト「MapFan」と連携するカーナビ向けのサービス「MapFanAssist」への対応を実現し、車外からのナビゲーションの目的地設定や駐車場での自車位置案内などスマートフォン連携を強化しました。またレンタカー販路向けにレンタルモード対応「彩速ナビ」を開発し、より使い易さや運用の効率化を追求した商品をラインアップに追加しました。
海外商品群においてもHDパネルを搭載し高精細・広視野角の映像を実現しました。またスマートフォン連携において「Apple CarPlay」と「Android Auto™」のワイヤレス接続対応の商品群を拡充させました。
欧州市場においては、車両非DIN化や光ディスクドライブ非搭載のメカレス化が進む状況を受け、奥行きの短いメカレスショートボディモデルを拡充させ、マルチメディア商品のラインアップを強化しました。「Apple CarPlay」や「Android Auto™」対応にて、スマートフォン連携を強化した商品群を充実させました。
ドライブレコーダーの商品化では、「彩速ナビ」と連携可能な商品や前後撮影対応2カメラ「リアレコ」商品群を拡充させました。
2019年度の主な研究開発活動及び製品開発の成果は、以下のとおりです。
(1)国内用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したナビゲーション、ディスプレイオーディオ、カーオーディオ、ドライブレコーダー、リアカメラなどの車載製品を開発しました。
(2)海外用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したディスプレイオーディオ、カーオーディオの車載製品を開発しました。
(3)市販海外商品向けに、高精細HDパネルを採用し、「Apple CarPlay」や「Android Auto™」のワイヤレス接続に対応し、スマートフォン連携を強化したナビゲーション、ディスプレイオーディオの商品群を拡充しました。
(4)市販国内商品向けに、高画質と高速レスポンスにさらに磨きをかけた汎用モデルの「彩速ナビ」を開発、商品化しました。
(5)HD映像を出力し長時間録画を可能とした、前後撮影対応2カメラドライブレコーダーを開発しました。
(6)国内・海外市販商品向けに、音声認識「Amazon Alexa」に対応したカーオーディオを開発しました。
(7)車載向けのアンプ、スピーカー、CD/DVDメカニズム、光学ピックアップを開発しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、75億円です。
*パブリックサービス分野
無線システム事業では、独自の業務用デジタル無線規格「NXDN™」に対応した「NEXEDGE®」無線システム・端末や業界標準の業務用デジタル無線規格「DMR」に対応した無線システム・端末を開発、商品化しています。
業務用システム事業では、国内業務用システム事業のソリューション商材・システムの強化を行い、ヘルスケア事業では、医用画像診断ソリューションや検査・各種診断システムなどの開発を行いました。
2019年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)主に米国警察市場向けに、マルチデッキで高出力の車載用デジタル業務用無線機を開発、商品化しました。
(2)北米・欧州向けに、「NXDN™」モード、「DMR」モードを搭載したライセンスフリーのデジタル/アナログデュアルバンド小型業務用無線機を開発、商品化しました。
(3)国際連合プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じ、ウクライナ国家警察向けの業務用デジタル無線システムを開発しました。
(4)当社製アマチュア無線機の国際宇宙ステーション(以下「ISS」)への搭載決定に伴い、ISSでの使用を想定した特別仕様モデルを開発しました。
(5)国内の自治体・企業向けに、無線LAN方式で当社独自の「フルデジタル音声伝送方式」により音声低遅延を実現した無線式フルデジタル会議システムを開発、商品化しました。
(6)屋外でも明瞭な拡声が可能な、当社独自の行路長補正スロート&アレイ構造を搭載した全天候型アレイスピーカー、天井高に応じた指向性の防滴型シーリングスピーカーを開発、商品化しました。
(7)国内の外周監視向け赤外照明一体型HDネットワークコンビネーションカメラに、白色照明タイプ、塩害に強い重耐塩タイプを開発、ラインアップを強化しました。
(8)内視鏡など手術画像を表示するのに適した27インチ医用画像表示モニターを開発、商品化しました。
(9)超高解像度表示を実現する当社独自の「サブピクセル独立ドライブテクノロジー」を搭載した、「i3シリーズ」最上位モデルの500万画素の医用画像表示モニターを開発、商品化しました。
(10)視線計測装置「Gazefinder」を用いた認知機能検査技術を大阪大学と共同開発しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、65億円です。
*メディアサービス分野
メディアサービス分野は、BtoB・BtoC双方において、拡大するIPネットワークとの接続性やスマートフォンとの親和性に優れた商品、サービスの開発を行いました。また、顧客ニーズを徹底的に汲み取り、顧客の業務運用コストを大幅に低減できる商品やソリューションの開発を行いました。
2019年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)「高画質・高品質でつながる」をコンセプトにした「CONNECTED CAM」の第二弾として、映像制作用としてIoTデバイスに求められる高い接続性と先進性を備えるとともに、1型CMOSセンサーと新開発の4K20倍レンズを搭載し、高画質4K撮影に対応した業務用ハンドヘルドカメラレコーダーを開発、商品化しました。
(2)4K対応D-ILAプロジェクター「DLA-V9R/V7/V5」の計3モデルに対応する最新ファームウェアを公開し、HDR10コンテンツの映像をフレームごとに解析し、最適なトーンマッピングを行う「Frame Adapt HDR」機能を追加するなどのアップデートを実施しました。本モデルにて音元出版主催の「ホームシアターグランプリ2020」にて「総合金賞」を受賞しました。
(3)拡大するドライブレコーダー市場に向けて、これまで培ってきたカメラ高画質技術を搭載した「Everio」の新ラインアップとして前後撮影対応2カメラドライブレコーダーを商品化しました。
(4)当社ならではの映像・光学技術で、市販市場で高い評価を頂いている業界最高レベルの高画質と、LTE回線(4G)による通信機能を搭載した、AIとIoTを活用した商用車向け交通事故削減支援サービス向け通信型ドライブレコーダーを開発しました。
(5)急激に拡大するBluetooth対応ヘッドホン市場の需要を受け、完全ワイヤレス型を始めとしたワイヤレスイヤホンの普及価格帯ラインアップを拡充しました。
(6)耳をふさがず音楽などの“ながら聴き”が楽しめる「NAGARAKU」シリーズにおいて、映像と再生音声のズレを抑える低遅延コーデックQualcomm®aptX™ Low Latencyに対応した、テレビ音声対応ウェアラブルワイヤレススピーカーを開発、商品化しました。
(7)”木”の振動板を採用した「WOOD」シリーズのラインアップ拡充として、独自の音響テクノロジーと高音質化技術を駆使したインナーイヤーヘッドホンの最上位モデルと、「WOOD CONE」のコンパクトコンポーネントシステムのプレミアムモデルを開発、商品化しました。
(8)成長市場であるアウトドア用途や、災害・緊急時向けの防災ソリューション用途として、安全安心に着目した新規カテゴリー商品となるポータブル電源を開発、商品化しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、25億円です。
*その他
2019年4月にコーポレート部門のソリューション開発部から改称された「DXビジネス事業部」では、テレマティクスやクラウドの技術を駆使した、当社が手掛ける事業分野の枠にとらわれないサービス事業の開発を行っています。
2019年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)自動車保険分野での映像による安心安全の拡大を進め、運転挙動監視・運転者監視のAIを組み込んだ通信型ドライブレコーダーの提供を新たに損害保険会社へ開始しました。
その他の分野に係る研究開発費の金額は、8億円です。