臨時報告書

【提出】
2021/05/11 15:01
【資料】
PDFをみる

提出理由

当社は、2021年5月11日開催の取締役会において、出光興産株式会社(以下「出光興産」といいます。)との間で、出光興産を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする金銭対価による株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、出光興産との間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式交換の決定

(1)本株式交換の相手会社についての事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号出光興産株式会社
本店の所在地東京都千代田区大手町一丁目2番1号
代表者の氏名代表取締役社長 木藤 俊一
資本金の額
(2021年3月31日現在)
168,351百万円
純資産の額
(2021年3月31日現在)
(連結)1,215,136百万円
(単体)941,701百万円
総資産の額
(2021年3月31日現在)
(連結)3,954,443百万円
(単体)3,233,323百万円
事業の内容石油精製並びに油脂製造、販売
石油化学製品の製造、販売
電子材料・農業薬品の開発、製造、販売
電気供給事業
石油・石炭資源の開発、生産、販売

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結) (単位:百万円)
決算期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
売上高4,425,1446,045,8504,556,620
営業利益又は営業損失(△)179,319△3,860140,062
経常利益又は経常損失(△)169,121△13,975108,372
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)81,450△22,93534,920

(単体) (単位:百万円)
決算期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
売上高3,088,0054,290,5783,435,415
営業利益又は営業損失(△)50,361△80,06596,465
経常利益69,89613,276140,810
当期純利益又は当期純損失(△)39,858△56,78496,760

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2021年3月31日現在)
大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める持株数の割合(%)
日章興産株式会社9.11%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)8.27%
Aramco Overseas Company B.V.(常任代理人 アンダーソン・毛利・友常法律事務所)7.76%
公益財団法人出光文化福祉財団4.16%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)4.15%
公益財団法人出光美術館2.69%
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)1.79%
株式会社三菱UFJ銀行1.73%
株式会社三井住友銀行1.73%
三井住友信託銀行株式会社1.73%

(注)持株数の割合は、発行済株式総数から自己株式数を除いた株式数に対する所有株式数の割合です。
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
(i) 資本関係
出光興産は、2021年5月11日現在、当社の発行済株式数(7,830,925株)の69.67%に相当する5,456,112株を保有しており、親会社であります。
(ii) 人的関係
出光興産の従業員の兼任者1名及び出光興産の出身者1名が当社の取締役に就任しております。また、当社は出光興産から、出向者を3名受け入れております。
(iii) 取引関係
当社は、出光興産と除草剤販売等の取引を行っております。
(2)本株式交換による完全子会社化の目的
① 本株式交換の実施を決定するに至った背景及び目的
出光興産は、1911年6月、創業者の出光佐三氏のもとで、出光商会として福岡県門司市(現・北九州市門司区)で創業し、関門地区を中心として石油販売を開始したとのことです。1940年3月に、東京で、出光佐三氏が出光興産株式会社を設立し、1947年11月には出光商会は出光興産株式会社と合併したとのことです。なお、出光興産は、2006年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部に上場し、現在も東京証券取引所市場第一部に上場しているとのことです。2021年3月31日現在、出光興産並びに当社を含む子会社155社及び関連会社61社(以下「出光興産グループ」といいます。)は、①燃料油事業、②基礎化学品事業、③高機能材事業、④電力・再生可能エネルギー事業、⑤資源事業、⑥その他の事業を行っているとのことです。
また、出光興産は2021年5月11日に公表いたしました中期経営計画の見直し(2020~2022年度)において、2030年ビジョン、2030年に向けた基本方針及び経営目標を改めて開示したとのことです。中長期的な経営環境が極めて不透明な中で、いかなる環境変化にも柔軟に対応できるレジリエントな企業を目指すため、将来に向けたポートフォリオの転換を推進すべく、化石燃料・基礎化学品事業は、次世代燃料・マテリアル・サーキュラービジネスへシフトしていくとともに、アグリバイオ事業を含む高機能材事業のさらなる拡大等を通じて、引き続き出光興産グループの企業価値の向上を図る方針とのことです。
出光興産を取り巻く事業環境に関しては、エネルギーを主力とする出光興産にとって、新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言による脱炭素化の動きの加速等により大きな変化が起きている中、このような需要の変化への対応が課題との認識のもと持続的成長に向けた取組みを推進しているとのことです。また、天然物由来の生物農薬・畜産資材の開発・販売に取り組むアグリバイオ事業部を有する高機能材事業においては、後述する農薬に対する全世界的な安全性への意識の高まり及び業界全体の再編による事業環境の変化に対応すべく、さらなる事業領域の拡大を企図し、今後一層の需要増加が見込まれる生物農薬の新規剤開発をはじめとした様々な取組みを当社と協力して推進しているとのことです。このような事業環境の変化の中で、より大きな視点からグループ全体を俯瞰して今後も中長期的に持続可能な成長を遂げるためにグループ全体としてどうあるべきかを見直すことが求められており、それらに対する具体的な施策の検討及び実施が喫緊の課題であると捉えているとのことです。
一方、当社は、1968年10月に昭和電工株式会社とダイアモンド・シャムロック社(アメリカ合衆国)の合弁会社として設立された昭和ダイヤモンド化学株式会社を前身とし、1983年6月に現在の株式会社エス・ディー・エス バイオテックへ商号を変更し、1984年8月には、日本証券業協会に店頭登録銘柄として株式の店頭登録を行いましたが、その後、資本・業務提携の変遷を経て、2005年3月に当時の親会社であった昭和電工株式会社より、エム エイチ キャピタルパートナーズツー,エル.ピー.の支援を受けて、マネジメント・バイアウトにより独立いたしました。その後、2008年12月にジャスダック証券取引所に上場、2009年12月に東京証券取引所市場第二部に上場を果たし、2011年6月には、出光興産の公開買付けにより、出光興産の連結子会社となりました。
当社は、研究開発を基盤とし、食の安全と環境保護に配慮した製商品の提供を通じて、社会に貢献するとの経営理念のもと、事業活動を進めております。具体的には、「食の安全・安心」と「増大する食料需要」をキーワードに掲げ、出光興産グループの農薬ビジネスの中核をなす企業として、全てのステークホルダー(株主・取引先・従業員等)との良好な関係を維持し、社会に貢献していくことを使命と考え、企業価値の向上に取り組んでおります。
当社を取り巻くグローバルな事業環境においては、中長期的には人口増加や経済発展を背景とした新興国の食料需要の増大から、生産性向上や安定生産技術の一つとしての農薬ニーズは拡大傾向にあるものの、近年、農薬に耐性を持つ病害虫や雑草の出現、環境負荷の低減等が課題として挙げられております。殊に開発途上国においても、農業の効率化・省力化や農薬の安全性への意識改革が進み、市場の求める農薬に対するニーズの変化が顕著になっていくものと考えております。他方で、国内においては、農業従事者の高齢化・後継者不足や耕作地の減少を背景に、政府主導の「農業競争力強化プログラム(注)」における様々な施策の推進や経営耕地の集約化の進展に伴い、大型農家や法人が増加する等、農業の在り方に大きな変化が起きております。食料自給率の低さへの懸念や、食の安全・安心への消費者意識向上による国産農作物回帰志向等を背景として、国内においても、より安全な農薬の重要性が徐々に増していくものと考えておりますが、耕作面積は、中期的に、ほぼ現状を維持するものと想定され、国内農薬市場の拡大は期待しにくい状況にあります。当社は、有用な製品や新規有効成分の開発、耐性菌あるいは耐性雑草対策手段として有効な殺菌剤ダコニールや水稲除草剤ベンゾビシクロンの普及、さらに、より環境負荷の低い生物農薬の開発等、持続可能な防除技術確立に向けた様々な研究開発に取り組んでまいりましたが、このような事業環境の変化に伴い、現在の主力製品を含む化学農薬事業の拡大に止まらず、生物農薬を含む作物保護製品事業全体の強化と深化を中長期的に推進することがこれまで以上に重要になってきているとの認識のもと、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくことが必要であると考えております。
(注)「農業競争力強化プログラム」は、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決することを目的とし、生産資材価格の引き下げや農産物の流通・加工構造の改革等の取組み等を通じ、国内農業の競争力強化を実現しようとするものです。
出光興産と当社は、2011年6月に出光興産の公開買付けによる当社の連結子会社化以降、協力してそれぞれの事業拡大に努めており、農薬事業における両社の協力関係の強化のため、両社が連携して施策実行、研究開発、海外資本参加をはじめ、販売、人事交流に至るまで多くの取組みを共同で行ってまいりました。
出光興産は、2019年11月中旬からグループ戦略についての検討を進める中、上記のとおり、農薬に対する全世界的な安全性への意識の高まり及び業界全体の再編による事業環境の変化に対応すべく、中長期的に持続可能な成長を遂げるためにグループ全体としての在り方を見直すことが必要であると認識するに至ったとのことです。このような認識のもと、出光興産と当社のこれまでの取組みとその成果を振り返ると、出光興産としては、当社との取組みを通じ、両社共同による生物農薬の新原体開発や出光興産の販売子会社等を通じた当社の製品拡販等の一定の成果は得られたものの、それぞれが独立した上場企業として行う連携には限界があったことは否定できず、具体的には、当社とのノウハウ・人材・開発戦略・資金力等の機動的な相互活用による出光興産グループ全体の企業価値の向上を最優先とした事業戦略の策定や両社間の協働施策を実施するに当たっての迅速な意思決定において制約があること、及び、当社の中長期的な視野に立った成長投資等の実施に当たり、少数株主の利益への配慮も必要になること等が両社の連携を制限する大きな要因となっていたことを認識するに至ったとのことです。この認識に基づき、出光興産は、出光興産が当社を完全子会社化することにより、当社の50年の歴史を持つ農薬会社としての開発から製造、販売、他社との協業も含めた強固な事業基盤や運営・体制の優れた点を十分に活かしつつ、両社の持つノウハウ・人材・開発戦略・資金力等を機動的に相互活用して両社の連携を強化することが、当社の企業価値向上のみならず、出光興産グループ全体の企業価値向上のために有益であるとの判断に至り、2021年2月中旬に完全子会社化に向けての協議を開始したい旨の初期的な申入れを当社に行ったとのことです。
当社としては、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくためには、積極的な研究開発や作物保護製品全体の強化に向けた投資が必要であるところ、自社のみでこれらを実施していく場合には、投資規模によっては自社の企業規模を踏まえると実現が困難である場合があるほか、投資を実施した場合でも必ずしも所期の成果を発揮できるとは限らず、短期的な財務状況の悪化の可能性を伴う等、資本市場による評価を得られず、株価の下落を招来する結果となり、当社の少数株主に対して不利益を与えてしまう可能性も否定できないことから、単独でのこれらの施策の実施には限界があると考えております。このような中、当社を取り巻く上記事業環境においても企業価値を着実に向上させるためには、出光興産との間で、新規作物保護製品の創出及び事業分野の拡大に向けた、ネットワーク・ノウハウ・資源のさらなる相互活用が有用であると考えておりました。もっとも、2011年6月に出光興産の公開買付けによって同社の連結子会社となって以降、出光興産との間においては、一定の協力関係のもとで、両社が連携して施策実行、研究開発、海外資本参加をはじめ、販売、人事交流に至るまで多くの取組みを共同で行ってまいりましたが、親子会社とはいえ、上場企業としての独立した事業運営の観点や少数株主への配慮の必要性の観点もあり、両社の経営資源の相互活用のためには、限界があると考えておりました。特に、出光興産との間で経営資源のさらなる相互活用を行おうとする場合、このような資本関係に伴う限界もあり、親子会社間で中長期的な目線で相互活用についての利益及び費用の分配を行う必要があるものの、当社の少数株主への利益の還元に配慮した親子会社間における利益及び費用の分配を行うことも求められるため、積極的なビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化に向けた施策に踏み切るには、一定の制約があるとも認識しておりました。このような状況において、当社は、2021年2月中旬に出光興産から完全子会社化に向けての協議の申入れを受け、この申入れを真摯に検討した結果、当社が出光興産の完全子会社となることにより、上記制約を受けることなく、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を主体的に進めることが可能となり、当社を取り巻く上記事業環境においても、着実に企業価値を向上させることができる可能性があると考えるに至りました。以上のとおり、当社は、完全子会社化が、当社の企業価値向上、ひいては、出光興産グループ全体の企業価値の向上のために有益なものとして具体的に検討する価値があるとの判断に至り、出光興産による完全子会社化を具体的に検討すべく、協議を継続することになりました。
その後、出光興産は、下記(4)①「割当ての内容の根拠及び理由」のとおり、外部専門家を起用したうえでさらなる検討を進めたとのことであり、2021年2月下旬に、当社に対して、株式交換により完全子会社化することを正式に提案いたしました。それ以降、当社としても、下記(4)①「割当ての内容の根拠及び理由」のとおり、外部専門家を起用する等、検討体制を整えたうえで、出光興産と当社は、それぞれが引き続き本株式交換に関する検討を深め、並行して両社で度重なる協議・交渉を行いました。
その結果、出光興産としては、本株式交換による当社の完全子会社化を通じて両社の資本関係が深化し、また、将来的には、当社を母体として、当社とアグリバイオ事業部を一体的に運営していく体制として、出光興産グループの事業戦略と完全に合致した方向での経営に取り組むことができるようになることで、より積極的な経営資源の投入が可能になり、当社の抱える様々な課題の解決に大きく貢献することを介して、当社の企業価値の向上が実現され、同時に、出光興産の高機能材事業におけるアグリバイオ事業と当社の相互関係も強化されることで、出光興産グループの農薬事業全体の成長を加速させる盤石な基盤ができあがり、ひいては出光興産が基本方針として掲げる「将来に向けたポートフォリオ転換」に沿う形で出光興産グループ全体の企業価値を向上させることができると確信するに至ったとのことです。
他方で、当社としても、(ⅰ)出光興産の完全子会社となった場合、資本関係に起因する制約がなくなることにより、出光興産からこれまでよりも積極的なサポートを受けられる体制が整備されることになり、今後の課題として認識している作物保護製品全体の強化に向けた投資に対する出光興産からの資金支援や、出光興産が取り組む先進技術の当社の研究開発への活用、生物農薬関連事業の拡大、出光興産のコーポレート機能の活用等を期待でき、また、(ⅱ)少数株主が存在することに起因する利益相反の問題が解消されることで、短期的な利益の創出を必ずしも求められなくなるため、より中長期的な視野に立った積極的な成長戦略の実行、すなわち、積極的なビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化に向けた具体的な施策の実行が可能になり、(ⅲ)加えて、当社として上場維持に要するコストが削減され、当該資金を成長投資に振り向けることもできるようになり、これらが相重なることで、厳しい事業環境においても、当社の企業価値をより着実に向上させられると考えられ、さらに、(ⅳ)出光興産の完全子会社となり、非公開化することによって、一般的には、資本市場を通じた資金調達を実施できなくなることや上場企業というブランドを失うことに伴う採用活動等への影響といったデメリットが想定されるものの、出光興産の完全子会社として出光興産による資金支援が期待できる等、財務基盤が強化されること、また、上場企業である出光興産を親会社とする出光興産グループであることには変わりなく、採用活動等への影響は大きなものではないと考えられることを踏まえれば、出光興産の完全子会社となることで、これに伴うデメリット以上のメリットを享受できると考えられるとの結論に至りました。
以上の結果、出光興産と当社は、出光興産による本株式交換による当社の完全子会社化が、両社の企業価値向上のために最善の選択肢であるとの結論に至りました。
② 本株式交換後の経営方針
出光興産と当社は、本株式交換の実施後の経営方針として、現時点では、当社のブランド、商号及び経営執行体制を基本的に維持し、両社の持つノウハウ・人材・開発戦略・資金力等を機動的に相互活用し、出光興産グループのアグリバイオ事業の事業基盤を強固にすることで、企業価値の向上を図ることを予定しております。
また、現時点で確定しておりませんが、2022年度中には当社を母体として出光興産のアグリバイオ事業部と一体的に運営する体制に移行することで、出光興産グループとして、迅速かつ的確な意思決定ができる体制の強化を両社で進めていく予定です。
具体的には、作物保護製品分野でプレゼンスの高い当社の既存事業を核として、出光興産の生物農薬事業とグループ一体運営を行い、積極的に経営資源を投入していくことで、新規原体の創生に向けて農薬分野の研究開発規模を拡大するとともに、機能性肥料等の食料増産に資する事業分野にも力を入れていく予定です。また、コーポレート機能のさらなる強化や事業運営の効率化を図り、適材適所の人員配置を行うことにより、迅速かつ的確な意思決定が可能な組織体制の構築を目指します。詳細については、今後、両社で誠意をもって検討・協議をしていく予定です。
(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
① 本株式交換の方法
本株式交換は、出光興産を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換です。出光興産は、会社法第796条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の決議による承認を受けることなく、また、当社は、2021年6月23日開催予定の定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けたうえで、2021年8月2日を効力発生日として本株式交換を行う予定です。
② 株式交換に係る割当ての内容
出光興産は、会社法第768条第1項第2号の規定に基づき、本株式交換契約に従い、本株式交換により出光興産が当社の発行済株式(出光興産が保有する当社の株式5,456,112株を除きます。)の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)における当社の株主(但し、出光興産を除きます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1株につき1,440円(本株式交換の対価を、以下「本株式交換対価」といいます。)の割合で金銭を交付する予定です。
なお、当社は、効力発生日の前日までに行う取締役会決議により、当社が基準時の直前時において保有する全ての自己株式(2021年5月10日現在152株)(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて当社が取得する株式を含みます。)を基準時の直前時において消却する予定です。
(注)本株式交換の条件の変更及び本株式交換契約の解除
本株式交換契約締結の日から本株式交換の効力発生日に至るまでの間に、出光興産又は当社の財産状態又は経営成績に重大な変動が発生し又は判明した場合、本株式交換の実行に重大な支障となり得る事象が発生し又は判明した場合その他本株式交換契約の目的の達成が困難となった場合には、出光興産と当社が協議のうえ、本株式交換契約を変更し又は解除することができるとしております。
③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社は、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していないため、該当事項はありません。
④ 本株式交換契約の内容
当社が、出光興産との間で、2021年5月11日付で締結した本株式交換契約の内容は以下のとおりです。
株式交換契約書
出光興産株式会社(以下「甲」という。)及び株式会社エス・ディー・エスバイオテック(以下「乙」という。)は、両社の株式交換について、以下のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(本株式交換)
甲及び乙は、本契約の定めに従い、甲を株式交換完全親会社とし、乙を株式交換完全子会社として、株式交換(以下「本株式交換」という。)を実施する。
第2条(株式交換完全親会社及び株式交換完全子会社の商号及び住所)
本株式交換に係る株式交換完全親会社及び株式交換完全子会社の商号及び住所は、それぞれ次の各号のとおりである。
(1)株式交換完全親会社
商 号 :出光興産株式会社
住 所 :東京都千代田区大手町一丁目2番1号
(2)株式交換完全子会社
商 号 :株式会社エス・ディー・エスバイオテック
住 所 :東京都中央区東日本橋一丁目1番5号
第3条(本株式交換に際して交付する金銭及びその割当てに関する事項)
1. 甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下「本基準時」という。)における乙の株主(第8条に基づく乙の自己株式の消却後の株主をいうものとし、甲を除く。以下本条において同じ。)に対し、乙の普通株式に代わり、その有する乙の普通株式の合計数に金1,440円を乗じた額の金銭を交付する。
2. 甲は、本株式交換に際して、本基準時における乙の株主に対し、その有する乙の普通株式1株につき金1,440円の割合をもって、金銭を割り当てる。
第4条(効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下「本効力発生日」という。)は、2021年8月2日とする。但し、本株式交換の手続の進行に応じて必要な場合には、甲及び乙は、相互に協議し合意の上でこれを変更することができる。
第5条(株主総会の承認)
1. 甲は、会社法第796条第2項本文の規定により、本契約につき同法第795条第1項に定める株主総会による承認を受けることなく本株式交換を行う。但し、会社法第796条第3項の規定により、本契約につき甲の株主総会による承認が必要となった場合は、甲は、効力発生日の前日までに、株主総会を開催し、本契約の承認を付議するものとする。
2. 乙は、効力発生日の前日までに、株主総会を開催し、本契約の承認を付議するものとする。
第6条(剰余金の配当)
乙は、2021年3月31日の最終の株主名簿に記録された株主又は登録株式質権者に対し、1株当たり14円、総額1億1,000万円を限度として剰余金の期末配当を行うことができる。
第7条(会社財産の管理等)
乙は、本契約締結後、本効力発生日までの間、善良な管理者の注意をもって自らの業務執行並びに財産の管理及び運営を行うこととし、本契約に定めるもの及び両社間で別途合意したものを除き、その財産又は権利義務に重大な影響を及ぼすおそれのある行為については、あらかじめ甲と協議の上、これを実行する。
第8条(自己株式の消却)
乙は、本効力発生日の前日までの間に開催される乙の取締役会の決議により、乙が本基準時の直前時において保有する全ての自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて乙が取得する株式を含む。)を本基準時の直前時において消却する。
第9条(本株式交換の条件変更及び本株式交換の解除)
本契約締結後、本効力発生日に至るまでの間に、甲又は乙の財産状態又は経営成績に重大な変動が発生し又は判明した場合、本契約に従った本株式交換の実行に重大な支障となりうる事象が発生し又は判明した場合その他本株式交換の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は、誠実に協議の上、本契約を変更し又は解除することができる。
第10条(本契約の効力)
次の各号の一に該当する場合、本契約は、その効力を失う。
(1) 会社法第796条第3項の規定により本契約につき甲の株主総会による承認が必要となった場合において、本効力発生日の前日までの間に、第5条第1項但書に定める甲の株主総会の承認が得られない場合
(2) 本効力発生日の前日までの間に、第5条第2項に定める乙の株主総会の承認が得られない場合
(3) 本効力発生日の前日までの間に、法令(外国の法令を含む。)に基づき、本株式交換に関し必要な関係官庁等からの承認等が得られない場合
第11条(管轄裁判所)
本契約に関する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第12条(誠実協議)
本契約に定めるもののほか、本株式交換に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲及び乙で誠実に協議する。
本契約を証するため、本書2通を作成し、各自記名押印の上、各1通を保有する。
2021年5月11日
東京都千代田区大手町一丁目2番1号
甲: 出光興産株式会社
代表取締役社長 木藤 俊一
東京都中央区東日本橋一丁目1番5号
乙: 株式会社エス・ディー・エスバイオテック
代表取締役社長 寒河江 充宏
(4)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
① 割当ての内容の根拠及び理由
出光興産及び当社は、上記(2)「本株式交換による完全子会社化の目的」のとおり、2021年2月下旬に、出光興産から当社に対して本株式交換の正式提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、出光興産が当社を完全子会社とすることが、両社の企業価値向上にとって最善の選択肢であるとの結論に至りました。
出光興産及び当社は、本株式交換対価の決定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ別個に両社から独立した第三者算定機関に株式価値の算定を依頼することとし、出光興産は野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、当社はみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。また、出光興産は西村あさひ法律事務所を、当社はTMI総合法律事務所を、それぞれ両社から独立したリーガル・アドバイザーとして選定し、その助言等も踏まえて本株式交換対価を検討いたしました。
まず、本株式交換対価については、以下の理由により金銭を対価といたしました。出光興産及び当社は本株式交換の対価を定めるに当たり、当社の株主への配慮、公正性の担保及び利益相反の回避に十分留意したうえで慎重に検討を重ねております。
・ 本株式交換を株式対価で実施した場合、当社の株主の多くが単元未満株式(100株未満の株式)を保有する株主となってしまうところ、単元未満株式を単元株式とするためには、単元未満株式の買増制度を利用する等、新たな出捐が避けられないこと。また、単元未満株式は金融商品取引所市場において売却することができず、これら単元未満株式株主となる皆様における流動性が制限されてしまうこと。
・ 本株式交換を株式対価で実施した場合、当社の株主の皆様に交付される出光興産のその後の株価推移によっては、本株式交換に伴い、必ずしも当社の株主の皆様に利益を提供できない可能性もあり得ることから、一定のプレミアムの付された合理的な価額での現金対価による本株式交換を実施することにより、当社の株主の皆様には、合理的な株式の換価機会を提供することができると考えていること。
・ 当社の株主の皆様が引き続き株主としての利益を享受し、経営に参画されたい場合には、本株式交換の実施後に、出光興産の株式を購入いただくことにより、出光興産の株主として間接的に当社への投資を継続いただくことも可能であり、出光興産の株式は、この選択肢に対して十分な市場流動性を有していると考えていること。
・ 出光興産の株主の皆様にとっても、保有株式の希薄化が生じることなく、両社一体となって事業を展開していくことによる将来的なシナジーを享受することができるので、メリットがあると考えていること。いること。
また、出光興産及び当社は、両社で本株式交換の目的、対価等についてそれぞれの第三者算定機関から提出を受けた当社の株式価値の分析結果及び助言を慎重に検討するとともに、両社それぞれにおいて当社の財務状況、業績動向、株価動向等を分析し、これらを踏まえ両社間で真摯に交渉・協議を行いました。具体的には、2021年4月6日に出光興産から当社に対して初回提案を行ってから、2021年5月11日に本株式交換の対価を1株当たり1,440円とする合意に至るまで両社間で交渉を重ねてきました。
出光興産においては、下記④「公正性を担保するための措置」のとおり、第三者算定機関である野村證券から2021年5月10日付で受領した株式価値に関する算定書、リーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所からの助言、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換対価は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換対価により本株式交換を行うことが妥当であると判断したとのことです。
他方、当社においては、下記④「公正性を担保するための措置」及び⑤「利益相反を回避するための措置」のとおり、第三者算定機関であるみずほ証券から2021年5月10日付で受領した株式価値に関する算定書 、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所からの助言、支配株主である出光興産との間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記⑤「利益相反を回避するための措置」のとおりです。)からの指示、助言及び答申書等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、(ⅰ)本株式交換対価(当社株式1株につき1,440円)は、第三者算定機関であるみずほ証券から2021年5月10日付で受領した株式価値に関する算定書の算定結果のうち、市場株価基準法の算定結果の上限値を超え、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)の算定結果の中間値を超える金額であること、(ⅱ)本株式交換対価は、2021年5月10日の東京証券取引所における当社株式の株価終値1,251円に対して、15.1% (小数点以下第二位四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1か月間(2021年4月12日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値1,171円(小数点以下四捨五入。以下、株価終値単純平均値の計算において同じです。)に対して23.0%、過去3か月間(2021年2月12日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値1,050円に対して37.1%、過去6か月間(2020年11月11日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値989円に対して45.6%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、直近の株価終値に対するプレミアム水準のみならず、直近1か月間、直近3か月間及び直近6か月間の株価終値単純平均値に対するプレミアム水準をも総合的に考慮すれば、現金を対価とした支配株主による完全子会社化事例におけるプレミアム水準と比して合理的な水準のプレミアムが付された金額であるといえること、(ⅲ)下記④「公正性を担保するための措置」及び⑤「利益相反を回避するための措置」記載の各措置を講じる等、当社の少数株主に対して配慮がなされていること、また、(ⅳ)本株式交換対価は、その決定過程において、当社が、出光興産及び当社の間における協議及び交渉の経緯及び内容等を本特別委員会に対して適時に報告を行い、出光興産との交渉方針等を協議した上で、複数回にわたって出光興産及び当社において協議を行う等して、当社の少数株主にとって不利益とならないよう誠実に協議及び交渉をした結果として得られた価格であると考えられることから、本株式交換対価は妥当であり、当社の株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換対価により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
なお、本株式交換対価は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議し合意のうえ、変更することがあります。
② 算定に関する事項
(i) 算定機関の名称並びに上場会社及び相手会社との関係
出光興産の第三者算定機関である野村證券は、出光興産及び当社からは独立した算定機関であり、出光興産及び当社の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。また、当社の第三者算定機関であるみずほ証券は、出光興産及び当社からは独立した算定機関であり、出光興産及び当社の関連当事者には該当せず、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、出光興産及び当社の株主たる地位を有しているほか、出光興産及び当社に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等は生じておりますが、本株式交換に関して出光興産及び当社との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。みずほ証券によれば、みずほ証券は金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主及び貸付人の地位とは独立した立場で当社の株式価値の算定を行っているとのことです。当社は、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、当社とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を出光興産及び当社から独立した第三者算定機関として選定いたしました。
(ii) 算定の概要
野村證券は、当社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法(算定基準日である2021年5月10日を基準日として、東京証券取引所における当社株式の算定基準日の株価終値、2021年4月28日から算定基準日までの直近5営業日の終値単純平均値、2021年4月12日から算定基準日までの直近1か月間の終値単純平均値、2021年2月12日から算定基準日までの直近3か月間の終値単純平均値、2020年11月11日から算定基準日までの直近6か月間の終値単純平均値を採用しているとのことです。)を、また、当社には比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を、採用して算定を行ったとのことです。
各評価手法における当社の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
採用手法1株当たりの株式価値の範囲
市場株価平均法989~1,251円
類似会社比較法827~2,066円
DCF法882~1,883円

野村證券は、株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2021年5月10日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、出光興産の取締役会が株式交換の対価を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
なお、野村證券がDCF法による算定の前提とした当社の財務予測においては、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれているとのことです。具体的には、当社が出資する江蘇新河農用化工有限公司が、設備投資による資金需要があること等を理由に、2022年3月期については一時的に無配とすること(当該金額については、2023年3月期以降に、通常の配当に加算される形で、繰り延べられて配当される予定です。)を見込んでいるため、経常利益及び当期純利益において、2022年3月期に前年度に対して3割以上の大幅な減益を見込んでいるとのことです。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としていないとのことです。
他方、みずほ証券は、当社について、同社が東京証券取引所市場第二部に上場しており市場株価が存在することから市場株価基準法を、また、同社の将来の事業活動の状況を評価に反映するため、DCF法を用いて算定を行っております。
みずほ証券は、市場株価基準法においては、2021年5月10日を算定基準日として、当社の東京証券取引所市場第二部における算定基準日の株価終値1,251円、直近1か月間の株価終値単純平均値1,171円、直近3か月間の株価終値単純平均値1,050円及び直近6か月間の株価終値単純平均値989円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を989円~1,251円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した2022年3月期から2024年3月期までの財務予測、直近の業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来フリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社の1株当たり株式価値の範囲を915円~1,580円と算定しております。なお、割引率は6.5%~7.5%を使用しており、継続価値の算定に当たっては永久成長法及びマルチプル法を採用し、永久成長率を△0.5%~0.5%、マルチプル法ではEBITDAマルチプルを7.0倍~9.0倍としております。みずほ証券がDCF法の算定の前提とした財務予測は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
売上高12,01112,40713,105
営業利益1,0219751,145
EBITDA1,2831,2151,385
フリー・キャッシュ・フロー298492630

みずほ証券は、株式価値の算定に際して、公開情報及びみずほ証券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(デリバティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを基礎としております。みずほ証券の算定は、2021年5月10日までにみずほ証券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、みずほ証券の算定は、当社の取締役会が株式交換の対価を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、みずほ証券がDCF法による算定の前提とした当社の財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、当社が出資する江蘇新河農用化工有限公司において配当政策上の観点から一時的な無配が見込まれているため、経常利益及び当期純利益において、2022年3月期に前年度に対して3割以上の大幅な減益を見込んでおります。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
各評価方法による当社の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりとなります。
採用手法1株当たりの株式価値の範囲
市場株価基準法989円~1,251円
DCF法915円~1,580円

③ 上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、その効力発生日である2021年8月2日をもって、出光興産は当社の完全親会社となり、完全子会社となる当社株式は東京証券取引所市場第二部の上場廃止基準に従って、2021年7月29日付で上場廃止(最終売買日は2021年7月28日)となる予定です。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所市場第二部において取引することができなくなります。
本株式交換は、上記(2)「本株式交換による完全子会社化の目的」のとおり、両社の企業価値向上のみならず、出光興産グループとして、グループ経営の一層の充実・強化を推進し、グループ企業価値のさらなる向上を図ることを目的としており、当社の上場廃止を直接の目的とするものではありません。しかし、本株式交換により当社が出光興産の完全子会社となる結果、東京証券取引所市場第二部の上場廃止基準に従って当社株式は上場廃止となる予定です。
なお、当社の株主の皆様は、最終売買日である2021年7月28日までは、東京証券取引所市場第二部において、その所有する当社株式を従来どおり取引することができるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
④ 公正性を担保するための措置
出光興産が既に当社株式5,456,112株(2021年3月31日現在、発行済株式総数から当社が保有する自己株式を除いた総数7,830,773株に占める割合にして69.68%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。))を保有し、当社は出光興産の連結子会社に該当すること及び当社の取締役の中には出光興産の従業員の兼任者や出光興産の出身者が存在すること等から、出光興産及び当社は、本株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、下記の措置を実施しております。
(i) 独立した第三者算定機関からの算定書の取得
出光興産は、出光興産及び当社から独立した第三者算定機関である野村證券から、本株式交換対価の公正性・妥当性を確保するため、2021年5月10日付で、株式価値に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要は、上記(4)②「算定に関する事項」の(ii)「算定の概要」をご参照ください。なお、出光興産は、野村證券から、本株式交換対価が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
他方、当社は、出光興産及び当社から独立した第三者算定機関であるみずほ証券から、本株式交換の対価の公正性・妥当性を確保するため、2021年5月10日付で、株式価値に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要は、上記(4)②「算定に関する事項」の(ii)「算定の概要」をご参照ください。なお、当社は、みずほ証券から、本株式交換対価が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、本株式交換に関するみずほ証券に対する当社からの報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬ではありません。
(ii) 独立した法律事務所からの助言
出光興産は、西村あさひ法律事務所を本株式交換のリーガル・アドバイザーとして選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受けております。
なお、西村あさひ法律事務所は、出光興産及び当社から独立しており、両社との間に重要な利害関係を有しません。
他方、当社は、TMI総合法律事務所を本株式交換のリーガル・アドバイザーとして選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受けております。
なお、TMI総合法律事務所は、出光興産及び当社から独立しており、両社との間に重要な利害関係を有しません。
また、本株式交換に関するTMI総合法律事務所に対する当社からの報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬ではありません。
⑤ 利益相反を回避するための措置
出光興産が既に当社株式69.68%を保有し、当社は出光興産の連結子会社に該当すること及び当社の取締役の中には出光興産の従業員の兼任者や出光興産の出身者が存在すること等から、利益相反の疑義を回避するため、当社は、下記の措置を実施しております。
(i) 当社における、利害関係を有しない特別委員会からの答申書の取得
当社は、2021年3月10日開催の当社の取締役会において、本株式交換に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすることが当社の少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、いずれも、出光興産と利害関係を有しておらず、当社の監査等委員かつ社外取締役である酒井朗氏(元みずほキャピタル株式会社執行役員)及び松尾祐美子氏(弁護士、港国際法律事務所)、並びに出光興産及び当社と利害関係を有しない外部の有識者である安田昌彦氏(公認会計士、ベネディ・コンサルティング株式会社代表取締役社長)の3名により構成される本特別委員会を設置することを決定したうえで、これを設置しており(なお、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬ではありません。)、本株式交換を検討するに当たって、本特別委員会に対し、(A)本株式交換の目的の正当性、(B)本株式交換に係る交渉手続の公正性(C)本株式交換の取引条件の妥当性(本株式交換対価の妥当性を含みます。)、及び(D)上記(A)乃至(C)その他の事項を前提に、本株式交換が当社の少数株主にとって不利益であるか否か(以下(A)から(D)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
なお、当社の取締役会は、本株式交換に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式交換について妥当でないと判断した場合には、本株式交換を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しております。
また、当社は、本特別委員会に対し、本特別委員会が必要と判断した場合には、当社の費用負担のもと、弁護士、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任することができる権限を与えております。本特別委員会は、2021年3月11日から2021年5月6日までに、会合を合計10回(合計約14時間)にわたって開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見交換や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず第1回の特別委員会において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びにリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所につき、いずれも独立性に問題がないことを確認したうえで、それぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認しました。さらに、本特別委員会は、本株式交換に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の取締役(出光興産の従業員の兼任者である佐久間正明氏及び出光興産の出身者である寒河江充宏氏を除く7名の取締役)につき、出光興産との間での利害関係の観点から問題がないことを確認しております。そのうえで、本特別委員会は、(a)出光興産から本株式交換の提案内容及び本株式交換の目的並びに本株式交換によって見込まれるシナジー等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(b)当社から、同社の事業内容、本株式交換の提案を受けた経緯、本株式交換の目的、出光興産の提案内容についての当社の考え及び本株式交換が当社の企業価値に与える影響、当社の事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(c)みずほ証券から株式価値の算定方法及び算定結果についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(d)TMI総合法律事務所から、本株式交換の手続面における公正性を担保するための措置並びに本株式交換に係る当社の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けこれらの事項についての質疑応答を実施したこと、並びに(e)本株式交換についての関連資料等の確認を行ったことにより、本株式交換に関する情報収集を行い、これらの情報も踏まえて、本諮問事項について慎重に協議及び検討して審議を行っております。また、本特別委員会は、当社の事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、事業計画の作成過程に関し、不合理な点が認められないことも併せて確認しております。なお、本特別委員会は、出光興産と当社との間における本株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、出光興産から本株式交換対価についての最終的な提案を受けるまで、複数回に亘り交渉の方針等について協議を行い、当社に意見する等して、出光興産との交渉過程に実質的に関与しております。
本特別委員会は、このような経緯のもと、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提として、本諮問事項について慎重に審議及び検討を行い、2021年5月10日付で、大要以下のとおりの内容の答申書を、当社の取締役会に対して提出しております。
(A)本株式交換の目的の正当性について
(ⅰ)出光興産においては、同社に係る事業環境の変化の中で、より大きな視点から出光興産グループ全体を俯瞰して中長期的に持続可能な成長を遂げるために、出光興産グループにおける具体的な施策の検討及び実施が喫緊の課題である中、2011年6月に出光興産の公開買付けによる当社の連結子会社化以降、両社が連携して施策実行、研究開発、海外資本参加をはじめ、販売、人事交流に至るまで多くの取組みを共同で行ってきたが、これらの取組みを通じ、両社共同による生物農薬の新原体開発や出光興産の販売子会社等を通じた当社の製品拡販等の一定の成果は得られたものの、それぞれが独立した上場企業として行う連携には限界があったことは否定できず、現在の状況では、当社とのノウハウ・人材・開発戦略・資金力等の機動的な相互活用による出光興産グループ全体の企業価値の向上を最優先とした事業戦略の策定や両社間の協働施策を実施するに当たっての迅速な意思決定において制約があること、及び、当社の中長期的な視野に立った成長投資等の実施に当たり、少数株主の利益への配慮も必要になること等が両社の連携を制限する大きな要因となっていたこと、(ⅱ)当社は、事業環境の変化に伴い、現在の主力製品を含む化学農薬事業の拡大に止まらず、生物農薬を含む作物保護製品事業全体の強化と深化を中長期的に推進することがこれまで以上に重要になってきているとの認識のもと、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくことが必要であること、(ⅲ)ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくためには、積極的な研究開発や作物保護製品全体の強化に向けた投資が必要であるところ、自社のみでこれらを実施していく場合には、投資規模によっては自社の企業規模を踏まえると実現が困難である場合があるほか、投資を実施した場合でも必ずしも所期の成果を発揮できるとは限らず、短期的な財務状況の悪化の可能性を伴う等、資本市場による評価を得られず、株価の下落を招来する結果となり、当社の少数株主にとって不利益を与えてしまう可能性も否定できないことから、単独でのこれらの施策の実施には限界があること、(ⅳ)当社においては、(a)出光興産の完全子会社となった場合、資本関係に起因する制約がなくなることにより、出光興産からこれまでよりも積極的なサポートを受けられる体制が整備されることになり、今後の課題として認識している作物保護製品全体の強化に向けた投資に対する出光興産からの資金支援や、出光興産が取り組む先進技術の当社の研究開発への活用、生物農薬関連事業の拡大、出光興産のコーポレート機能の活用等を期待でき、また、(b)少数株主が存在することに起因する利益相反の問題が解消されることで、短期的な利益の創出を必ずしも求められなくなるため、より中長期的な視野に立った積極的な成長戦略の実行、すなわち、積極的なビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化に向けた具体的な施策の実行が可能になり、加えて、(c)当社として上場維持に要するコストが削減され、当該資金を成長投資に振り向けることもできるようになり、これらが相重なることで、厳しい事業環境においても、当社の企業価値をより着実に向上させられると考えられ、さらに、(d)出光興産の完全子会社となり、非公開化することによって、一般的には、資本市場を通じた資金調達を実施できなくなることや上場企業というブランドを失うことに伴う採用活動等への影響といったデメリットが想定されるものの、出光興産の完全子会社として出光興産による資金支援が期待できる等、財務基盤が強化されること、また、上場企業である出光興産を親会社とする出光興産グループであることには変わりなく、採用活動等への影響は大きなものではないと考えられることを踏まえれば、出光興産の完全子会社となることで、これに伴うデメリット以上のメリットを享受できると考えられることといった本株式交換の意義及び目的には、いずれも不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められることから、本株式交換は当社の企業価値向上を目的として行われるものであるといえ、本株式交換の目的は正当であると判断する。
(B)本株式交換に係る交渉過程の手続の公正性
(ⅰ)当社は、本株式交換について検討するに当たって、当社及び出光興産から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びにリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所をそれぞれ選任し、さらに、当社の独立社外取締役(監査等委員)2名及び独立した外部有識者1名からなる本特別委員会を設置し、本株式交換を検討するための体制を構築したうえで、当社は、みずほ証券及びTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上の観点から、本株式交換対価を含む本株式交換の買付条件の妥当性及び本株式交換の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っていること、(ⅱ)当社は、本株式交換対価について、真摯な協議・交渉を出光興産との間で複数回にわたって行っていること、(ⅲ)本株式交換に係る交渉過程においては、当社に対する対抗的な買収提案の機会の確保に向けた積極的な措置(積極的なマーケット・チェック)は特段実施されていないが、出光興産が当社の総株主に係る議決権の総数の3分の2以上に相当する議決権を保有していることからすれば、仮に積極的なマーケット・チェックを実施したとしてもその実効性は乏しく、積極的なマーケット・チェックが実施されていないことは、本株式交換に係る交渉過程の手続の公正性を損なうものではないと考えられること、(ⅳ)当社を代表して本株式交換を検討・交渉する取締役には、本株式交換に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本株式交換に係る協議、検討及び交渉の過程で、出光興産その他の本株式交換に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しないことといった点を踏まえれば、本株式交換に係る交渉過程の手続は公正であると判断する。
(C)本株式交換の取引条件の妥当性について
(ⅰ)みずほ証券より取得した株式価値に関する算定書の株式価値評価算定方法等の内容については不合理な点はなく、また、その前提となっている当社作成の事業計画の作成過程及び内容等についても不合理な点は認められないところ、本株式交換対価1,440円は、みずほ証券による株式価値評価を踏まえると、市場株価基準法の算定結果の上限値を超え、かつ、DCF法の算定結果の範囲内であってその中間値を超える金額であること、(ⅱ)本株式交換対価1,440円は、2021年5月10日の東京証券取引所における当社株式の株価終値1,251円に対して、15.1%、過去1か月間(2021年4月12日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値1,171円に対して23.0%、過去3か月間(2021年2月12日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値1,050円に対して37.1%、過去6か月間(2020年11月11日から2021年5月10日)の株価終値単純平均値989円に対して45.6%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているとのことであり、かかるプレミアムの水準は、国内上場企業の支配株主による完全子会社化を目的とした、近時の取引事例におけるプレミアム水準に照らしても、不合理な水準とは認められないこと、(ⅲ)上記(B)のとおり、本株式交換対価を含む本株式交換に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本株式交換対価は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められること、(ⅳ)国内上場企業の支配株主による完全子会社化を目的とした、近時の取引事例においては、その取引の手法として、いわゆる二段階買収による方法(公開買付けを実施した後、その後、公開買付けの買収者が保有する議決権割合に応じて株式等売渡請求又は株式併合等の方法を用いて、対象となる会社を完全子会社化する買収方法)が採用される場合が多く、現金対価による株式交換を採用する実例は少数であるものの、(a)出光興産は、当社の総株主に係る議決権の総数の3分の2以上に相当する議決権を保有しており、仮に二段階買収の方法を採用したとしても、公開買付けに係る買付予定の株券等の数に下限を設定しない限り、出光興産による当社の完全子会社化を実現できることが確実な状況にあることからすれば、あえて公開買付けとその後の完全子会社化の手続に分けて実施することが必ずしも必要とはいえないと考えられることや、(b)仮に、出光興産が二段階買収の方法を採用し、公開買付けに係る買付予定の株券等の数にいわゆるマジョリティオブマイノリティに相当する下限(少数株主の過半数による公開買付けへの応募を要する水準の下限)を設定すると、すでに当社の総株主に係る議決権の総数の3分の2以上に相当する議決権を保有していることから、公開買付けの下限が高水準となり、取引実行の安定性が阻害されるおそれがあり、完全子会社化に賛成する少数株主への現金化の機会を奪うことになり得ること等を踏まえれば、本株式交換(現金対価による株式交換)による方法を採用したとしても、二段階買収による方法に比して、格別に当社の少数株主に不利益な手法であるとまではいえず、不合理なものとは認められないこと、(ⅴ)現金対価を選択した理由として出光興産及び当社からなされた上記(4)①「割当ての内容の根拠及び理由」の内容の説明に不合理な点は認められず、一定のプレミアムの付された合理的な価額であることを前提としつつ、換価を要しないという意味においてより対価としての確実性とわかり易さを備える現金対価によることが、株式対価による方法に比して当社の少数株主にとって不利益であるとは認められないことといった点を踏まえれば、本株式交換により当社の少数株主に交付される対価を含む本株式交換の取引条件は妥当であると判断する。
(D)本株式交換が当社の少数株主にとって不利益であるか否かについて
上記(A)乃至(C)その他の事項を踏まえると、当社の取締役会が本株式交換の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益なものではない。
(ii) 当社における、利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認
当社の取締役のうち、佐久間正明氏は出光興産の従業員の兼任者であり、また、寒河江充宏氏は出光興産の出身者であるため、利益相反の疑義を回避する観点から、当社の取締役会における本株式交換に関する議案の審議及び決議には参加せず、当社の立場において、本株式交換に係る検討、協議及び交渉にも一切参加しておりません。
2021年5月11日開催の当社の取締役会における本株式交換に関する議案は、当社の取締役9名のうち、寒河江充宏氏、佐久間正明氏を除く7名の取締役(監査等委員である3名を含みます。)が審議し、その全員の賛成により決議を行っております。
(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号出光興産株式会社
本店の所在地東京都千代田区大手町一丁目2番1号
代表者の氏名代表取締役社長 木藤 俊一
資本金の額168,351百万円
純資産の額現時点では確定しておりません。
総資産の額現時点では確定しておりません。
事業の内容石油精製並びに油脂製造、販売
石油化学製品の製造、販売
電子材料・農業薬品の開発、製造、販売
電気供給事業
石油・石炭資源の開発、生産、販売 等

以 上