訂正有価証券報告書-第13期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

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2015/02/25 16:16
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109項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財務状況等(株価などを含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)経営成績の変動
健康保険組合の設立は、厚生労働大臣による許認可事項であり、当社グループでは確度の高い健康保険組合の設立支援に努めておりますが、当社グループの想定と異なる事業主固有の事情やその他経済環境全体の変動等、何らかの要因が発生し、健康保険組合の設立の延期等が生じる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の業務への依存度が高いことについて
当社グループは、健診予約システム及び健診結果管理システム等の機能を含めて独自に開発したバリューカフェテリア®システムを健康保険組合の保健事業あるいは一般企業の福利厚生事業に導入し、運営代行を引き受ける業務を中心として展開しております。当該システムへの開発投資はソフトウエアとして資産化され、対応するシステム利用料に対してソフトウエア償却費が計上されています。当該システム開発のコストは多額になる可能性があり、効率的・効果的なシステム開発が重要な経営課題の一つとなっております。また、当該業務の売上高に占める割合が高くなるほど、当社グループの採算性は向上することになります。従って、バリューカフェテリア®システム及び健診予約システム及び健診結果管理システムの利用が、期待通り増加しない場合には、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)システム上の問題について
当社グループはインターネットを利用して、ユーザーに対して各種のサービスを提供しております。このため、業務においてコンピュータシステムに依存する部分が多く、以下のリスクが存在します。
① システムセキュリティについて
当社グループの運営しているバリューカフェテリア®サイトにおいては、当社グループのサーバーに顧客情報をはじめとする様々な情報が蓄積されるため、これらの情報の保護が極めて重要になります。そのため、当社グループでは、これらの情報の消失や外部への漏洩がないよう、ファイアーウォールシステムやデータベースの暗号化による不正アクセスの防止を行うとともに、サーバー監視を24時間体制で行っております。また24時間に1度のデータバックアップを実施しデータの喪失を防いでおります。しかし、自然災害や事故、当社グループ社員の過誤、不正アクセスやコンピュータウィルスなどの要因によって、データの漏洩、データの破壊や誤作動が起こる可能性があります。このような場合には、当社グループの信頼を失うばかりでなく、バリューカフェテリア®システム上でサービスを提供する取引先企業など、サプライヤーを含めた顧客等からの損害賠償請求、訴訟による責任追及を受ける事態が発生する場合があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② システムダウンについて
当社グループの事業はコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故などにより、通信ネットワークが切断された場合には当社グループの営業は不可能となります。また、一時的な過負荷によって当社グループまたはデータセンターの通信機器が作動不能に陥ることや、外部からの不正な侵入犯罪や社員の誤操作によってネットワーク障害やシステムダウンが発生する可能性があります。これらの障害対策として、機器障害またはシステムダウン時には、予備の機器またはシステムが作動し、サービス停止時間を最小限にとどめるように設計されております。また、24時間に1回、定期的にリモートバックアップサイト(沖縄)にバックアップを実施しており、システム障害によるデータの損失を極力少なくする運用が行われております。但し、当社グループの保有する2箇所のデータセンターを含むネットワークのインフラは地震の影響を受けやすい東京に集中しています。当社グループでは、事故の発生やアクセスの集中にも耐えうるようにシステムの冗長化やデータセンターの二重化、分散化などの環境整備を継続的に行っていく所存ですが、これらの障害が生じた場合には当社グループに対する訴訟や損害賠償などで、当社グループの事業の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報の保護について
当社は、平成16年3月にプライバシーマークを取得し、個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001)の他に、ISO(JIS Q)27001に従った確実な個人情報管理体制を全社的に構築・維持しております。しかしながら、当社グループは、バリューカフェテリア®サイトを運営しており、個人情報取扱業者として個人情報保護の適用を受けるものであり、個人情報保護に対する取組みを誤れば、企業の存続に影響する可能性があります。
当社グループでは、従来からこの問題を特に重視し、以下のとおりの取組みを行っております。
① 個人情報保護方針
A)個人情報に関する法令及びその他の規範を反映した情報管理規程を整備し、それを遵守しております。
B)個人情報を適正に取り扱うために個人情報管理体制を継続的に見直し、改善しております。
C)個人情報の収集、利用、提供は、当社グループ業務において必要な範囲内のみで行い、社内の適正な権限を持った者のみが、アクセス出来るようになっております。また、一般の社員が個人情報を一覧で閲覧出来ないようにしているなど、個人情報の取扱には万全の管理体制を施しております。
D)個人情報への不正アクセス、個人情報の紛失、破壊、改ざん及び漏洩等に対し、接続ログの取得、専門業者による24時間体制でのアクセス監視等の個人情報保護の対策を講じております。
② 個人情報の収集について
当社グループが運営するバリューカフェテリア®サイトにおいて、利用者は当社グループのサイトに個人情報を入力し、その情報は当社グループのデータベースに蓄積されます。これらの情報は、バリューカフェテリア®サイト運営のみに利用し、本人の同意なく第三者に開示することは一切ありません。また、個人情報の利用についてはサイト上で利用規約を明示し、その範囲に関して事前に利用者の承諾をとっております。
③ 個人情報に係るセキュリティについて
当社グループでは、個人情報に対する不正なアクセスを防止するために、ファイアーウォールシステムやデータベースの暗号化、専門業者のネットワークセキュリティ監視システムを導入するとともに、提携サプライヤーに対して情報を伝達する際には専用線の利用、暗号化された通信経路を利用するなど、セキュリティの向上に努めております。また、当社グループが提供するサービスやトラブルに対しては、必要に応じて当社グループの責任者が対応する体制をとっております。個人情報を保管しているサーバーにつきましても24時間管理のセキュリティ設備のあるデータセンターで厳重に管理されております。さらに、社内を対象としたセキリュティポリシーを策定し、運用しております。
また、当社グループでは、特定派遣事業を行っており、当社の従業員である派遣スタッフは、他の従業員同様、定期的に誓約書を提出させ、派遣先の秘密の保持義務その他就業上のルール遵守を確認の上、派遣を行っております。
当社グループは、上記のとおり個人情報の取扱には細心の注意を払っておりますが、当社グループからの個人情報の漏出を完全に防止できるという保証は存在しません。今後、何らかの理由によって、当社グループが保有する個人情報が社外に漏出した場合には、当社グループの社会的信頼の低下によるサービス利用者数の減少、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制・官公庁の許認可事項について
① 健康保険法その他の法規制
当社グループはバリューカフェテリア®システムを健康保険組合の保健事業支援システムとして提供することを、主要な業務の一つとして展開しております。これらの業務の遂行は規制緩和の流れの中で可能となったものですが、関連の法的規制(健康保険法、健康増進法、医療法、薬事法、食品衛生法、景品表示法、特定商取引法、JAS法、旅行業法その他)が変更されることにより、当社グループとの業務提携によりバリューカフェテリア®システム上でサービスを提供している業者あるいは当社グループ自体が、通常のサービス提供に困難をきたす場合には、当社グループの業務が制約を受けることになります。このような状況が発生した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 労働関連法規制
当社は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)に基づき厚生労働大臣に「特定労働者派遣事業」の届出を行い人材派遣事業を営んでおり、労働者派遣法に基づく規制を受けております。その他、当社が行うアウトソーシング事業及び人材派遣事業に適用される労働基準法等の労働関連法令について、労働市場を取り巻く社会情勢の変化などによる改正ないし解釈の変更などがあった場合、当社の事業計画・業績にもその影響を与える可能性があります。
③ インターネット事業に係る規制
現在、日本国内においてはインターネット及びEコマースを取り巻く法的規制について様々な議論が行われている状況であり、現時点ではインターネット及びEコマースを対象とした法令等の規制が整備されつつあるものと認識しております。より一層のインターネットの普及とともにインターネットビジネス関連のルールが更に整備された場合、利用者及び関連業者を対象とした法的規制の実施等により当社グループの業務が一部制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 厚生労働省による許認可
健康保険組合は、厚生労働大臣の認可により設立することができますが、厚生労働省による許認可手続きが複雑化し、容易に認可が得られなくなる状況が発生した場合には、当社グループにとって新規顧客の獲得の可能性が少なくなり、その結果として、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 特定健康診査及び特定保健指導の実施に係わる代行機関業務について
当社の健康管理事業においては、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準第16条第3項の規定に基づく代行業務を行う機関として、代行機関番号(91399048)を取得しております。当社が提供する保険者向けの特定健康診査・特定保健指導に係る代行業務内容は、1.事務点検、2.請求・支払のとりまとめ、代行、3.健診・保健指導データの受領、振分、送付、4.その他、健診結果の電子化等であります。しかしながら、代行機関申請で申告した管理体制が遵守出来ない場合、代行機関番号を取り下げなければならなくなり、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する代行業務の遂行に支障を来たし、その結果、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(6)人材の確保について
当社グループは、優秀な人材の育成のため、経営管理本部が中心となり、意欲を高める評価制度の確立、管理職のレベルアップ及びスペシャリストの育成などに取り組んでおります。
今後も、当社グループが業容を拡大していくためには、優秀な人材を確保し、一人ひとりの能力と組織としての戦力の向上が必要と考えますが、人材の採用・育成が計画通りに進まなかった場合、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(7)代表取締役への依存について
当社は、現在の代表取締役である藤田美智雄によって創業され、同氏は今日に至るまで当社の経営方針の決定、事業の推進、人材の採用・教育などに重要な役割を果たしており、今後ともこの状態は継続するものと考えられます。
一方当社は、代表取締役からの権限委譲を進める他、経営会議などの合議制による意思決定体制を整えるとともに、組織そのものをフラットで意思疎通過程がシンプルで分かりやすい構成にしており、組織全体として事業経営を推進していく体制を整えております。
しかしながら、何らかの理由により、同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの事業推進等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)当社グループの規模について
当社グループは平成25年12月31日現在の従業員数が連結ベースで200名の小規模な組織でオペレーションを行っており、内部監査機能も規模に応じたものとなっております。
当社グループは、今後の事業の拡大に応じて人員の増強を図るとともに、内部統制のための組織体制を整え、内部管理体制・内部監査機能の強化を推進しております。しかしながら、適切かつ十分な人的・組織的対応ができなかった場合は、事業推進等に影響を与える可能性があります。
(9)ストック・オプションについて
当社は、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社グループの業績向上に対する役職員の意欲を一層高めること等を目的として、ストック・オプション(新株予約権)を発行しております。これは、会社法の規定に基づき、対象となる役職員に対し、特に有利な条件をもって新株予約権を発行するものとして、株主総会において決議されたものであります。平成25年12月31日現在における新株予約権の目的となる株式の数は219,800株であり、発行済株式数に対する割合は17.01%であります。
これらの新株予約権が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(10)重要な競合の状況(有力な新規参入の可能性のある場合等)について
健康保険組合のカフェテリアプラン導入に関して、いわゆる福利厚生代行会社の提供するサービスと比較されることがありますが、当社が提供するサービスは、健康管理の統合システムであるバリューカフェテリア®システムの提供を軸としており、関連する個人情報管理、カフェテリアプランや健康管理各種サービス(健診予約システム、健診結果管理システム、WEB医療費明細システム等)の利用に伴う予約申込・精算・利用履歴の管理、健康診断の実施に係る業務代行等の業務支援機能を備えたサービスであります。従って、上記福利厚生代行サービスと提供するサービス内容が異なるため、競合関係にはありません。しかしながら、この市場の成長と認知度の向上により、今後、それらの他社もインターネットを通じた類似型のサービスを健康保険組合向けに提供する可能性があります。
(11)新規事業立ち上げに伴うリスクについて
当社グループはバリューカフェテリア事業を更に拡大するために、自社ブランドのサービスの追加を行い、掲載コンテンツの充実を図っております。また、現状は健康保険組合を中心とする団体へのサービスを主としておりますが、それらの団体を脱退する個人をはじめとして、個人向けのサービスへの展開も計画しております。しかしながら、新規事業においては、安定して収益を生み出していくまでにはある程度の時間がかかることが想定され、その間、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、新規事業の採算性には不透明な面も多く、予想通りの収益が得られない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)消費者問題の影響について
当社グループは、バリューカフェテリア®システム上でカフェテリアプランのサービスメニューを提供する企業の選別に注意を払っておりますが、消費者がバリューカフェテリア®システムに掲載している商品を購入し、それにより何らかの被害を受けた場合、その商品を提供した企業に損害賠償等の責任が生じるだけではなく、その商品をバリューカフェテリア®システムを通じて紹介した当社グループにも取引の場を運営管理する責任があることから、損害賠償等の責任が生じる可能性があります。
(13)調達資金の使途について
当社は、公募による調達資金の使途として、バリューカフェテリア®システム等のシステム増強のために充当することを予定しております。しかしながら、当社グループを取り巻く外部環境の急激な変化等により、当該調達資金の充当が期待通りの成果を挙げられない可能性もあります。また、そのために当該調達資金が上記対象以外に向けられる可能性もあります。
(14)有利子負債依存度が高いことについて
当社は、今後の事業展開の拠点となる本社ビルの取得のための設備投資資金を金融機関からの借入により調達しており、平成25年12月31日現在における有利子負債残高は1,797百万円で、総資産に占める有利子負債の割合は39.4%と高い水準にあり、その一部は変動金利による長期資金であることから、今後の金利変動によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、期限の利益の喪失等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(連結貸借対照表関係)3財務制限条項」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等 注記事項(貸借対照表関係)4財務制限条項」に記載の通りであります。
(15)固定資産の減損リスク
当社は、現在東京都渋谷区千駄ケ谷に保有する土地建物の一部をバリューカフェテリア事業の健康管理事業では医療法人社団に対して、またHRマネジメント事業の健保事業では健康保険組合事務局スペースとして賃貸に供しておりますが、家賃収入の回収が滞った場合には、当該固定資産に対する減損処理が必要になることもあります。その場合当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。