有価証券報告書-第10期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 11:01
【資料】
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【項目】
160項目

研究開発活動

当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動につきましては、事業会社を中心に行っております。当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は254百万円であります。セグメントごとの主な研究開発活動は次のとおりであります。
[ミライト]
研究開発活動を支える組織として技術開発本部があります。当本部は事業本部・支店と連携し、(1)工事施工の効率化や安全・品質の向上に資する技術開発、(2)新規事業開拓に資する技術開発、(3)知的財産の管理を行っております。
研究開発費は135百万円であります。
(1)施工技術開発関連
・道路上の工事規制エリアへの車両飛び込みによる人身事故の被害低減を目的に、現場作業員に警告するドップラー式デジタルレーダーシステム「ドレミ®」を開発し2017年4月より販売しておりますが、本年度は高速道路のメンテナンス会社と共同で高速道路用清掃車に搭載する「車載型ドレミ」と作業者のヘルメットに装着する「振動式リモート警報子機」を開発しました。同品は3月より東名高速道路の一部路線で使用されており、今後の拡販が期待されます。
・土木工事の効率化を目指して「地中探査レーダー」の共同研究契約を仙台高等専門学校と締結し、同校内に実験用サイトを構築しました。また、研究成果の一部は学会で発表しました。
・土木工事や電気設備工事等の効率化を目指して「3D(3次元)レーザースキャナ」の現場導入のための実証実験を実施しました。同技術が現場図面作成や完成検査の効率化等に大きく寄与できることが確認できましたので、社内での水平展開を目指します。
(2)新規事業開発関連
・ミライトグループでの太陽光発電システムの運用保守ビジネス拡大に向けて、保守サービスを行うグループ会社を中心に太陽電池モジュール劣化診断装置「SolMaster® (ソルマスター)」の導入を推進しました。
・自家発電、自家消費に対応したゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に関するビジネス市場参入に向けて、太陽光発電、EV、系統電力を利用可能なモデルハウスを構築し、余剰電力を最適制御してコミュニティで融通する実証実験を開始いたしました。
(3)知的財産関連
・特許(出願5件、登録5件)、実用新案(出願4件、登録4件)、意匠(出願1件、登録1件)、商標(出願4件)を行いました。
[ミライト・テクノロジーズ]
研究開発活動を支える組織としてハイパーテクノポートセンタがあり、NTT事業本部内の各技術センタと連携して主に工事施工の効率化や安全・品質の向上に資するインフラ技術を中心に開発を行っています。
研究開発費は104百万円であります。
ネットワークエンジニアリング事業関連
(通信線路関連)
・「ストランドアース(地気線引戻)工法の固定方法の改善」のVE提案については、お客様により
「採用」と判断され、本内容に基づいた技術資料発出により全国の通信建設会社に向けて運用指示が図られました。
・「多チャンネル可視光源(順次点灯型)」のVE提案については、お客様により「自由裁量」と判断され、本内容に基づき全国の通信建設会社において各社の裁量によって運用を図ってもよいと周知されました。
※『VE提案』とは、バリューエンジニアリングの略称で作業の効率化、コスト削減等への積極的な取り組みにより、電気通信設備請負工事におけるサービス生産性の向上を図ることを目的としたお客様の制度です。
[ラントロビジョン]
該当事項はありません。
[TTK]
研究開発活動を支える組織としてエキスパートセンタがあり、事業本部・支店と連携し、電気通信工事事業の生産性、品質の向上及び安全確保のため、作業に必要な機械・工具・測定器等各種装置の開発に取り組んでおります。
研究開発費は3百万円であります。
(1)メタル保留心線の支持体への固定方法の改善の開発
現状メタル保留心線支持体の固定は2号保護用PVCテープで保留心線を1回巻きしたのち、支持体に2号保護用PVCテープで1~3箇所固定しておりました。しかし、テープでの施工時間や気温が低い時期に施工すると粘着力が低下するなどの不良が発生しました。そこで、保留心線を支持体に心線くずの固定も可能とすることで、作業時間の削減と作業効率をあげることができました。また、心線くずで固定することで、支持体に固定する2号保護用PVCテープ剥がれによる、水切り作成不良を防止する等の改善効果も得られました。
(2)クラッチスライダーの開発(毛布に代わる養生材)
搬入出で使用しているハンドリフターが使用できない大型キャビネットやペディスタル無しの据付撤去作業においては、毛布等使用し床上を滑らせておりましたが、搬入出時の事故事例やヒヤリハットによる現場からの意見などがあり、作業時の危険を排除するためクラッチスライダーを開発いたしました。床との摩擦を低減する養生材で作られかつ、コンパクトで持運びを容易としております。脱着時の架の傾きも低角度にすることができ、ワンタッチで着脱できることにより安全性も確保することが出来、さらに作業時間の短縮、効率UPを可能といたしました。

[ソルコム]
研究開発活動を支える組織としてテクニカルセンタがあり、NTT事業本部・各支店と連携し情報通信工事の安全、施工品質の確保や現場作業の効率化を図るためデジタルツールの開発や工法の改善等に取り組んでおります。
研究開発費は11百万円であります。
建設事業関連
設計業務効率化ツールの開発
アクセス設備構築の最上流工程である設計業務の効率化を図るため、作図後の設計図面から自動で工程算出するツールの開発を行いました。今までは設計図面を作図した後、再度設計図面から工程等を手集計していましたが、本ツールにより自動で工程が集計できるようになりました。また、作図後に自動作成するアウトプットを増加させることにより本ツールの効果を高める取組みを引き続き行っており、アクセス設備構築の更なる効率化を目指しています。
[四国通建]
該当事項はありません。