有価証券報告書-第9期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/26 15:48
【資料】
PDFをみる
【項目】
117項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、消費税率引き上げ以降、個人消費等に弱さがみられますが、緩やかな回復基調が続いております。
国内化粧品市場においては、全体としては堅調に成長している一方で、購入単価の下落傾向が継続しております。海外化粧品市場においては、中国における経済減速がみられるものの、引き続き緩やかな成長となりました。
このような市場環境のもと、今年度からスタートした3ヶ年中期経営計画に基づき、国内の更なる収益基盤強化と海外展開の加速、資本効率改善による企業価値向上に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は次のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は、ORBISブランドの好調により前年同期比3.5%増の198,094百万円となりました。営業利益は、売上高増加に伴う売上総利益増加により前年同期比10.4%増の17,683百万円、経常利益は前年同期比6.9%増の19,067百万円となりました。また、当期純利益はエイチツーオープラスの減損損失を計上した一方、固定資産の譲渡による特別利益の計上及び法人税の減少により、前年同期比41.9%増の10,382百万円となりました。
[業績の概要]
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
売上高191,355198,0946,7383.5
営業利益16,01717,6831,66510.4
経常利益17,83619,0671,2316.9
当期純利益7,31810,3823,06341.9


[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業178,306184,4756,1683.5
不動産事業3,0353,1791434.7
その他10,01310,4404274.3
合 計191,355198,0946,7383.5

セグメント利益(営業利益)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業14,78016,5351,75511.9
不動産事業1,2581,227△31△2.5
その他4104726115.0
セグメント利益の調整額
(注)
△431△551△119-
合 計16,01717,6831,66510.4

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費などを連結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
「ビューティケア事業」
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」「H2O PLUS」を、育成ブランドとして「pdc」「FUTURE LABO」「ORLANE」「decencia」「THREE」を展開しております。
POLAブランドでは、お客さま満足の更なる向上を目指し、エイジングケア・ホワイトニング領域における新製品の開発やカウンセリング技術の強化等、販売品質の更なる向上に取り組んでおります。
国内市場においては、ハイプレステージ化粧品市場におけるシェア拡大を目指し、個肌対応エイジングケア化粧品「アペックス」を7月に、エイジング初期世代をターゲットとした「RED B.A」を10月に発売する等、積極的に新製品を市場に投入しました。しかし、増税に伴い高価格帯品における消費マインドが低下し、顧客単価が落ち込む等、国内市場においては厳しい状況となりました。海外市場においては、重点市場の中国百貨店事業にてお客さま数が増加しておりますが、国内市場の苦戦をリカバーするには至りませんでした。その結果、POLAブランドは前年同期を下回る売上高となりました。
ORBISブランドでは、スキンケア商品の充実やインターネット販売の強化、新基幹システムを活用したお客さまとのコミュニケーション方法の進化や販売促進活動の更なる効率化に取り組んでおります。
国内市場においては、2月に発売したブランド再構築の商品戦略面の中核を担う「ORBIS=U」が好調に推移したことで、顧客単価・顧客数ともに向上させることができました。海外市場においては、中国・シンガポールを中心に引き続きブランド認知拡大に向けた販売促進活動を行っております。その結果、ORBISブランドは前年同期を上回る売上高となりました。
海外ブランドについては、成長ドライバーであるアジアを中心とした高成長維持と収益貢献の実現に向けた取り組みを行っております。Jurliqueブランドは、グループのR&D知見を活かした新エイジングケアシリーズ「Nutri-Define」を9月に発売する等、中国市場・豪州市場を筆頭に順調に売上が拡大し、前年同期を上回る売上高となりました。H2O PLUSブランドは、北米市場でのブランド戦略変更や中国市場での売上不調により、前年同期を下回る売上高となりました。
育成ブランドについては、THREEブランドやdecenciaブランドの年間を通した好調な販売の結果、前年同期を上回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は184,475百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は16,535百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
「不動産事業」
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した新しいモデルとなる賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、賃料維持やテナント誘致に向けた営業努力により、前年同期を上回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は3,179百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は1,227百万円(前年同期比2.5%減)となりました。
なお、賃貸オフィス用ビルとして運営をしておりましたポーラ第3五反田ビルは、経営資源の集中と当社グループの企業価値を最大化する観点から、平成26年12月をもって譲渡いたしました。
「その他」
その他に含まれている事業は、医薬品事業及びビルメンテナンス事業であります。
医薬品事業では、化粧品や医薬部外品研究で培ってきた当社グループの研究成果を活用し、新薬開発及び販売を行っております。当連結会計年度においては、重点領域である皮膚科領域にリソースを集中した継続的な活動の結果、前年同期を上回る売上高となりました。
ビルメンテナンス事業は、当社グループ会社を主な取引先としております。当連結会計年度においては、当社グループ以外の受注を拡大すべく、新規取引先との成約に向けた営業活動が奏功し、前年同期を上回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は10,440百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は472百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4,973百万円増加し、39,111百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,643百万円の収入(前年同期比23.3%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益12,978百万円、減価償却費6,948百万円並びに減損損失6,150百万円により資金は増加し、一方で法人税等の支払額6,699百万円、たな卸資産の増加1,189百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,391百万円の支出(前年同期比242.2%増)となりました。主な要因は、資金運用計画に沿った余剰資金の運用に伴う有価証券の取得による支出9,103百万円並びに投資有価証券の取得による支出21,702百万円、有形固定資産の取得による支出6,297百万円、無形固定資産の取得による支出1,834百万円により資金は減少し、一方で有価証券の売却及び償還による収入24,700百万円、有形固定資産の売却による収入6,184百万円により資金は増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,661百万円の支出(前年同期比30.1%増)となりました。主な要因は、配当金の支払額3,861百万円によっております。