有価証券報告書-第10期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/30 15:11
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、輸出に弱さもみられますが、企業収益や雇用情勢が改善する等緩やかな回復基調が続いております。
国内化粧品市場においては、国内景気の回復基調に加え、訪日観光客のインバウンド消費により堅調に推移しておりますが、インバウンド消費を除く市場規模は前年同期に比べ縮小しております。海外化粧品市場においては、アジア新興国等の経済成長に弱さがみられるものの、全体としては引き続き緩やかな拡大傾向が続いております。
このような市場環境のもと、平成26年からスタートした3ヶ年中期経営計画の2年目となる今年度は、初年度に続き国内の更なる収益基盤強化と海外展開の加速、資本効率改善による企業価値向上に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は次のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は、POLAブランドのインバウンド需要による増加や、THREEブランド及びdecenciaブランドの順調な事業成長に加え、ORBISブランドのポイント制度切替えによる売上高増により前年同期比8.4%増の214,788百万円となりました。営業利益は、売上高増による売上総利益増加と費用の効率化により、前年同期比27.3%増の22,511百万円、経常利益は前年同期比17.3%増の22,359百万円となりました。以上の結果に加え、前年同期に計上した減損損失等の影響により、当期純利益は前年同期比35.8%増の14,095百万円となりました。
[業績の概要]
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
売上高198,094214,78816,6938.4
営業利益17,68322,5114,82727.3
経常利益19,06722,3593,29217.3
当期純利益10,38214,0953,71235.8

[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業184,475200,57016,0958.7
不動産事業3,1792,951△227△7.2
その他10,44011,2668257.9
合 計198,094214,78816,6938.4

セグメント利益(営業利益)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業16,53521,2904,75428.8
不動産事業1,2271,265383.1
その他472293△178△37.8
セグメント利益の調整額
(注)
△551△339212-
合 計17,68322,5114,82727.3

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費などを連
結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第5
経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 3 報告セグメントごとの売上高、 利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
「ビューティケア事業」
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」「H2O PLUS」を、育成ブランドとして「pdc」「FUTURE LABO」「decencia」「ORLANE」「THREE」を展開しております。
POLAブランドでは、お客さま満足の更なる向上を目指し、エイジングケア・ホワイトニング領域における新製品の開発やカウンセリング技術の強化等、販売品質の更なる向上に取り組んでおります。国内市場においては、2月に発売した美容健康食品「ホワイトショット インナーロックIX」が、訪日観光客のインバウンド需要等により年間を通して好調に推移しました。また、8月には肌誕生のメカニズムに着目したエイジングケアライン、新「B.A」シリーズを発売する等、積極的な施策を行いました。海外市場においては、新製品発売や販売促進活動が奏功し、好調に推移しております。その結果、POLAブランドは前年同期を上回る売上高となりました。
ORBISブランドでは、ブランド再構築を通じて強化された事業基盤を軸に、コーポレートブランディングの強化やスキンケア商品の充実、販売促進策による個々のお客さまへのサービスレベル向上に取り組んでおります。国内市場においては、再構築したブランドのさらなる進化を目指し、9月に本格的なエイジングケアを実現する「ORBIS=U encore」発売やSNSを活用した販売促進等、積極的な施策を行いました。海外市場においては、台湾での新製品発売や広告宣伝が奏功したものの、前年度8月に韓国事業の販売活動を終了したため売上高は減少しております。その結果、ORBISブランドは前年同期を上回る売上高となりましたが、ポイント制度切替えによる影響を除いた売上高では、実質的に前年同期並みとなっております。
海外ブランドについては、 成長ドライバーであるアジアを中心とした高成長維持と収益貢献の実現に向けた取り組みを行っております。Jurliqueブランドは、中国市場において経済成長の鈍化による百貨店市場不振の影響を受け、厳しい状況が続いておりますが、豪州市場では来店者購入率と顧客単価の上昇により好調に推移し、売上高は前年同期を上回る結果となりました。H2O PLUSブランドは、ブランド再生に向けた取組みとして、北米市場での販売チャネルの縮小や中国市場での不採算店舗の閉鎖等を行った結果、売上高は前年同期を下回っております。その結果、海外ブランド全体では前年同期を下回る売上高となりました。
育成ブランドについては、THREEブランドやdecenciaブランドを中心として引き続き好調に推移しております。その結果、育成ブランドは前年同期を上回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は200,570百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は21,290百万円(前年同期比28.8%増)となりました。
「不動産事業」
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、市況に併せた単価上昇や高稼働を実現し、既存物件は好調に推移したものの、前年度12月にポーラ第3五反田ビルを譲渡したことにより家賃収入が減少し、前年同期を下回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,951百万円(前年同期比7.2%減)、営業利益は1,265百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
「その他」
その他に含まれている事業は、医薬品事業及びビルメンテナンス事業であります。
医薬品事業では、化粧品や医薬部外品研究で培ってきた当社グループの研究成果を活用し、新薬開発及び販売を行っております。当連結会計年度においては、重点領域である皮膚科領域にリソースを集中した継続的な活動に加え、グラクソ・スミスクライン株式会社と尋常性ざ瘡治療配合剤「デュアック®配合ゲル」の販売提携を開始した結果、前年同期を上回る売上高となりました。一方営業利益は、「デュアック®配合ゲル」の初期プロモーションにかかる追加費用投入により前年同期を下回る結果となりました。
なお、平成28年1月に「デュアック®配合ゲル」の日本における独占的なライセンス契約を締結し、今後製造販売承認を承継する予定です。
ビルメンテナンス事業は、当社グループ会社を主な取引先としております。当連結会計年度においては、当社グループ以外の受注を拡大すべく、新規取引先との成約に向けた営業活動により好調に受注を獲得し、前年同期を上回る売上高となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は11,266百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は293百万円(前年同期比37.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6,732百万円増加し、45,843百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、28,379百万円の収入(前年同期比70.5%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益22,685百万円、減価償却費6,528百万円並びにのれん償却額765百万円、販売手数料未払金の増加によるその他の負債の増減額4,073百万円により資金は増加し、一方で売掛金の増加による売上債権の増減額3,998百万円、法人税等の支払額2,191百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,331百万円の支出(前年同期比12.6%減)となりました。主な要因は、資金運用計画に沿った余剰資金の運用に伴う有価証券の取得による支出3,601百万円並びに投資有価証券の取得による支出21,399百万円、有形固定資産の取得による支出4,575百万円、無形固定資産の取得による支出1,623百万円により資金は減少し、一方で有価証券の売却及び償還による収入23,600百万円、有形固定資産の売却による収入1,091百万円により資金は増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、13,896百万円の支出(前年同期比279.5%増)となりました。主な要因は、配当金の支払額12,012百万円によっております。