有価証券報告書-第5期(平成27年3月1日-平成28年2月29日)

【提出】
2016/05/27 16:25
【資料】
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【項目】
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成27年3月1日から平成28年2月29日まで)における我が国経済は、緩やかな回復傾向が続いたものの、中国などのアジア新興国の成長鈍化により生産・輸出において減少傾向が見られました。円安基調や日銀等による金融緩和などから企業業績の向上、労働需給の改善や雇用者所得の増加はあったものの、消費者マインドの本格的な回復には至らず、個人消費には依然として停滞感が見られました。
アパレル業界では、インバウンド需要等により一部の高額商品で売上の増加が見られたものの、消費者の節約志向が依然として根強く、また、11月に気温の高い日が続き冬物衣料の販売が出遅れるなどの天候不順の影響もあり、引き続き厳しい状況が続きました。
このような経営環境のもと当社グループは、平成27年4月に更新した中期経営計画に基づき、既存事業の収益化及びコスト削減体制の構築を進める一方で、引き続き資本効率の改善や新規事業の積極的な開発に取り組んでまいりました。
具体的には、不採算のブランド・店舗の見直しや閉鎖を引き続き実施するとともに、ROAや営業利益率等を事業子会社の重要な経営指標とすることで、グループ経営力の一層の強化と収益力の拡大に取り組みました。
その結果、売上高は1,672億11百万円(前期比7.5%減)となりました。
また、不採算のブランド撤退及び店舗閉鎖等により売上総利益率が向上するとともに、販管費削減を進めたため、営業利益は新基幹システム稼働や子会社の出資比率増加に伴うのれん償却負担増もあったものの10億61百万円(前期比14.8%増)となり、経常利益は25億92百万円(前期比1.3%減)となりました。
また、事業撤退等に伴う減損損失を19億59百万円計上したことなどにより、当社グループの当期純利益は13億91百万円(前期比39.4%減)となりました。
セグメント別の売上の概況は次のとおりです。
(アパレル関連事業)
事業子会社は経営指標に新たなガイドラインを設定し、既存事業の収益化を最優先課題として利益率の向上に積極的に取り組むとともに、各々の事業領域に応じて様々な事業戦略を推し進めました。
マーケット環境がますます厳しくなる中、オリジナリティー豊かな商品開発と特色ある店舗運営、さらには独自の販売戦略により、ゴルフウェアの「パ-リーゲイツ」「キャロウェイアパレル」、ストリートカジュアルの「ステューシー」、ロンドンのコレクションブランドの「マーガレット・ハウエル」などの個性溢れるブランドを有する一部の事業が、引き続き順調に推移しました。また、一部事業において新たな顧客ロイヤリティ指標を導入するなど既存事業のてこ入れを積極的に図りました。
新規事業・業態開発への取組みとしては、幅広い顧客層の様々なニーズに応えるブランドポートフォリオ経営の推進として、㈱アングローバルにおける英国の老舗衣料メーカーSunspel Menswear Ltd.との日本国内における独占的な製造販売契約を締結するとともに、㈱アルページュにおいては大人のカジュアル市場に向けた「マイストラーダ」、㈱ナノ・ユニバースではイタリアン・カジュアルをコンセプトに上質なイタリア製にこだわったオリジナル商品を主軸に展開するセレクトショップ「ナノ・ユニバースフラメントクオレ」、㈱TSIグルーヴアンドスポーツにおいてはイタリアフィレンツェの老舗セレクトショップ「ベルナルド」をイメージし、クラシコイタリアの世界観を表現したアイテムを展開する大人のセレクトショップ「ジオベルナルド」をそれぞれオープンしました。
さらに、イーコマース事業の強化として、グループ各社におけるO2Oサイトの立ち上げや有力サードパーティへの出店を加速したほか、当社グループのイーコマースサイトであるMIX.Tokyoの機能充実を図るなど、オムニチャネル化の推進により集客力の一層の拡大と売上高に占めるイーコマース化率のさらなる向上を目指しました。
また、イーコマースを通じた海外事業の拡大として、ASEAN最大のファッション専門イーコマースサイト「ザローラ」に日本のアパレルとして初めて「フリーズマート」を出店しました。
これらの取り組みにより、アパレル関連事業の売上高は、1,641億31百万円(前期比7.7%減)となりました。
(その他の事業)
持株会社である当社、合成樹脂製品の製造販売を行なう㈱トスカバノック、運送業を営む㈱スタイル運輸などの事業の他、新規事業である飲食事業として㈱プラックスによる「ナチュラルクリームキッチン」や㈱D.A.B.PASTRYによる「ドミニクアンセルベーカリー」を開設したことなどにより、売上高は104億5百万円(前期比29.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が24億10百万円減少し、法人税等の支払額を32億65百万円計上、投資活動への調整項目である投資有価証券売却益を57億53百万円計上したものの、税金等調整前当期純利益を34億91百万円計上、非資金費用である減価償却費を53億88百万円計上、売上債権が30億52百万円減少、たな卸資産が26億12百万円減少したこと等により、31億35百万円の収入(前年同期比26.0%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産(店舗内装資産等)の取得が58億57百万円、無形固定資産の取得が12億39百万円、有価証券の取得が44億36百万円、投資有価証券の取得が42億33百万円、敷金及び保証金の差入が21億46百万円、投資不動産の取得が31億51百万円生じたものの、有価証券の売却が54億17百万円、投資有価証券の売却が158億22百万円、敷金及び保証金の回収が31億57百万円生じたこと等により、22億68百万円の収入(前年同期は92億42百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の売却が65億62百万円生じたものの、短期借入金の純減が7億46百万円、長期借入金の返済が28億78百万円、自己株式の取得が33億98百万円、配当金の支払が18億86百万円生じたこと等により、29億72百万円の支出(前年同期は30億29百万円の支出)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より23億79百万円増加して327億86百万円となりました。