有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:32
【資料】
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【項目】
116項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
その他重要な会計方針は「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度(平成26年4月1日から平成27年3月31日まで)におけるわが国経済は、期初の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が懸念されたものの、政府の打ち出すさまざまな経済再生政策、いわゆるアベノミクスによる円安・株高を背景に、企業の景況感も徐々に持ち直しつつあるように見受けられます。一方で、地政学リスク増大への懸念、円安の進行に伴う輸入価格の上昇等の景気押し下げ要因もあり、尚、先行きの不透明感は残る状況となりました。
当社グループの属する防災業界におきましても、民間設備投資は、景況感の持ち直しを背景に強含んでおり、公共投資についても底堅く推移しているものの、電力料金の値上げ、原材料価格の上昇、とりわけ労働市場の逼迫等の影響もあり、先行きへの懸念は払拭できませんが、政府の打ち出す新成長戦略のもと、一段の景気上昇への期待感は高まっているように見受けられます。
このような経済状況のもと、当社グループは、引き続き総合防災企業としての立ち位置を強化しつつ、積極的な営業活動を推進してまいりました。また、各種防災設備の設計・施工、消火器及び消防自動車等の製造そしてそれらのメンテナンスを通じて、世の中に安心・安全を提供し、より良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって注力しております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は30,418百万円(前連結会計年度比897百万円減少)となりました。利益につきましては、工事原価・工場原価の圧縮、経費の削減に努めましたが、メンテナンス事業、車輌事業の売上減に伴う総利益の減少を賄いきれず、営業利益1,568百万円(同120百万円減少)となりました。経常損益につきましては、経常利益1,566百万円(同100百万円減少)となりました。また、当期純利益につきましては、特別利益の計上があったこと及び税金費用の減少等により、1,050百万円(同215百万円増加)となりました。
(3)経営戦略の現状と見通し
当社グループは昭和30年4月会社設立以来、粉末消火設備を始めとして各種防災設備の設計・施工、消火器を主力商品とする防災機器の製造・販売を主たる事業目的とし、その後、消防自動車の製造及び販売等に進出し、平成24年10月に各種自動火災報知設備の設計・施工、火災報知関連機器の製造・販売を主たる事業とした株式会社ヒューセック(旧商号、沖電気防災株式会社)の子会社化を通じ、防災事業の領域を広げてまいりました。
現代社会において、各種のインテリジェントビル、商業ビル、高層マンション等さまざまな都市構造物、発電所、工場等のプラント施設、各種の公共施設、福祉施設、更には一般家庭等における防災や安全に対するニーズはますます高まっており、その内容は高度化、多機能化、多様化が求められております。それら市場の要請の変化、動向に対して、当社グループとしてソフト、ハード両面から適時、適切に対応していくために、設計・施工の総合力を強化し、エンジニアリング機能を高めていくとともに、環境への対応を最優先に、環境にやさしい新製品、新防災システムの開発にも取り組んでいく方針でおります。
このような状況の下、当社は、事業領域の更なる拡大を目途に、平成24年来、株式会社初田製作所との基本業務提携契約の締結、新日本空調株式会社との資本業務提携契約の締結、松山酸素株式会社との共同出資による株式会社イナートガスセンターの立ち上げ、株式会社ヒューセックの完全子会社化、そして沖電気工業株式会社との資本業務提携契約の締結等、アライアンス政策を進めてまいりました。
今後も、当社グループは、総合防災企業グループとして、事業領域の拡大および業容の拡大に努めるとともに、環境にやさしい製品、防災システムの開発、進行する高齢化社会へのニーズの先取り、魅力的な海外製品の本邦市場への積極導入、更には海外市場の開拓等を通じて、さらなる成長、企業価値の増大を目指してまいります。
(4)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、22,790百万円(前連結会計年度末比1,263百万円増加)となりました。
流動資産は、18,018百万円(同649百万円増加)となりました。主な内容は、現金及び預金2,055百万円(同1,555百万円減少)、受取手形、売掛金及び完成工事未収入金13,366百万円(同2,031百万円増加)、未成工事支出金361百万円(同165百万円増加)等であります。
固定資産は、4,772百万円(同613百万円増加)となりました。主な内容は、有形固定資産1,821百万円(同574百万円増加)、のれん1,619百万円(同124百万円減少)、投資その他の資産1,141百万円(同170百万円増加)等であります。
負債合計は、14,256百万円(同626百万円増加)となりました。
流動負債は、11,413百万円(同403百万円増加)となりました。主な内容は、支払手形、買掛金及び工事未払金7,688百万円(同1,017百万円増加)、短期借入金1,600百万円(同600百万円減少)等であります。
固定負債は、2,843百万円(同223百万円増加)となりました。主な内容は、社債240百万円(同160百万円減少)、長期借入金1,207百万円(同472百万円増加)、退職給付に係る負債855百万円(同49百万円減少)等であります。
純資産合計は、8,533百万円(同636百万円増加)となりました。株式会社ヒューセックを完全子会社化したことにより、資本剰余金3,338百万円(同40百万円減少)となり、少数株主持分が前連結会計年度末比268百万円減少しました。また、配当金の支払232百万円及び当期純利益1,050百万円を計上したこと等により、利益剰余金は4,661百万円(同840百万円増加)となりました。この他、その他有価証券評価差額金144百万円(同95百万円増加)を計上しました。
これらの結果、当連結会計期間末における自己資本比率は37.4%となりました。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,055百万円となり、前連結会計年度末から1,555百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、193百万円の支出(前連結会計年度は1,478百万円の収入)となりました。主な収入は、税金等調整前純利益1,737百万円、減価償却費236百万円、仕入債務の増加1,017百万円等であり、主な支出は、売上債権の増加2,031百万円、未成工事支出金の増加165百万円、未払金の減少169百万円、法人税等の支払額703百万円等であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、702百万円の支出(同559百万円の支出)となりました。主な収入は、国庫補助金による収入179百万円等であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出683百万円、投資有価証券の取得による支出207百万円等であります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、663百万円の支出(同495百万円の収入)となりました。主な収入は、長期借入れによる収入950百万円であり、主な支出は、短期借入金の減少600百万円、長期借入金の返済による支出302百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出303百万円、配当金の支払額232百万円、社債の償還による支出160百万円等であります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。