有価証券報告書-第66期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:50
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【項目】
130項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や金融緩和政策の効果により、緩やかな回復基調にあるものの、円安の進行に伴う輸入原材料価格の上昇や消費税増税による影響の長期化懸念など、依然として先行き不透明な状況が続きました。
スナック菓子業界におきましては、消費税増税や天候不順の影響を大きく受けることなく、他の業界に比較して堅調に推移しました。
このような環境にあって、当社グループは、引き続き、イノベーション(成長戦略)とコスト・リダクションを経営の二本柱とする事業活動を推進しました。イノベーションでは、海外売上比率30%の達成に向けて、世界最大の市場である北米において「Harvest Snaps(Snapea Crisps)」を強化した結果、売上と利益が大きく拡大しました。韓国においては「Honey Butter Chip」が大ヒットしました。また、海外事業のさらなる拡大に向けて、フィリピンにおいてUniversal Robina Corporationとの合弁会社を設立し、平成27年2月に事業を開始いたしました。あわせて英国、スペイン、インドネシアへの進出を進めております。国内においては、ポテト系スナック、コーン系スナック、シリアル食品の「フルグラ」が好調で市場シェアを拡大することができました。
コスト・リダクションでは、工場稼働率や生産効率の向上による製造原価率の低減と販売管理費の効率化により、過去最高の営業利益率を達成することができました。
当連結会計年度の売上高は、食品製造販売事業が好調に推移したことにより、222,150百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。利益面では、営業利益は増収効果とコスト・リダクションの推進により24,183百万円(前連結会計年度比22.6%増)となりました。経常利益は円安に伴う為替差益1,318百万円の発生などにより25,615百万円(前連結会計年度比23.3%増)となりました。不振が続いているカルビー(杭州)食品有限公司の生産設備に係る減損損失を計上しましたが、当期純利益は14,114百万円(前連結会計年度比16.8%増)となり、売上・利益ともに過去最高を更新しました。
平成26年3月期平成27年3月期伸び率(%)現地通貨
ベースの
伸び率
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内売上高184,14892.1199,70989.9+ 8.5+ 8.5
海外売上高15,7927.922,44110.1+42.1+28.9
合計199,941100.0222,150100.0+11.1+10.1

・事業別の状況
(食品製造販売事業)
食品製造販売事業の売上高は、スナック菓子やシリアル食品、海外事業が貢献し、218,899百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。
・スナック菓子
スナック菓子の売上高は、ポテト系スナックやコーン系スナック、海外事業の伸長により、190,069百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
① ポテト系スナック
「ポテトチップス」は、ベーシックシリーズ(うすしお味・コンソメパンチ・のりしお)が堅調だったことに加え、「堅あげポテト」の品揃えの強化やお取引先各社のプライベートブランドの製造受託の増加などにより、国内シェアを拡大することができました。「じゃがりこ」は、「たらこバター」のLサイズや期間限定品の発売などにより増収となりました。「Jagabee」の売上高は前年を下回りましたが、品揃えの強化などにより1月以降は回復基調にあります。
以上の結果、ポテト系スナックの売上高は119,452百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。
② 小麦系スナック
小麦系スナックの売上高は、油分を25%カットした「カルビーライト!かっぱえびせん」などが堅調で、21,972百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。
③ コーン系スナック
コーン系スナックの売上高は、ポップコーンが好調で17,801百万円(前連結会計年度比21.8%増)となりました。お取引先各社のプライベートブランドの受託が増加しました。また、「ギャレット ポップコーン ショップス」での売上高も好調に推移しております。
④ 国内その他スナック
国内その他スナックの売上高は、「ベジップス」が減収となったことなどにより、8,401百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。
⑤ 海外事業
海外事業の売上高は、北米事業と韓国事業が好調で22,441百万円(前連結会計年度比42.1%増)となりました。北米では「Harvest Snaps(Snapea Crisps)」、韓国では「Honey Butter Chip」が好調に推移しております。両製品とも新工場を設置し、供給能力を超える需要に応えていく予定です。
・その他食品(シリアル食品、ベーカリー)
その他食品の売上高は、シリアル食品の「フルグラ」の売上高が大きく伸長し、28,830百万円(前連結会計年度比21.3%増)となりました。「フルグラ」はシリアル食品市場を牽引するトップシェア製品として急成長を続けています。
(その他)
その他の売上高は、物流事業が好調で、3,250百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。
なお、セグメントの業績につきましては、当社グループの報告セグメントが「食品製造販売事業」のみであることから、記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,979百万円増加し、42,572百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは22,266百万円の純収入(前連結会計年度は23,478百万円の純収入)となりました。この主な要因は、売上債権の増加額3,260百万円、法人税等の支払額9,301百万円の資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益24,217百万円、減価償却費6,232百万円の資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは9,422百万円の純支出(前連結会計年度は17,041百万円の純支出)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻による収入5,500百万円、有価証券の償還による収入26,000百万円の資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出14,318百万円、有価証券の取得による支出24,990百万円の資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3,536百万円の資金の減少があったことにより、2,878百万円の純支出(前連結会計年度は383百万円の純支出)となりました。