有価証券報告書-第68期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 15:02
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は、企業の設備投資の回復や輸出の持ち直し、良好な雇用・所得環境等全体として緩やかな景気回復基調にはあるものの、個人消費活動は本格的な回復にはいまだ時間を要する状況です。また、海外の政治情勢不安、為替変動リスクやエネルギー価格の上昇による原材料費の上昇等が、今後の企業活動や個人消費に悪影響を及ぼすことが懸念され、先行き不透明な経営環境にあります。
国内スナック菓子市場の規模は、コーン系スナック等の減少により前年から微減となりました。一方、国内シリアル市場はグラノーラの成長が牽引し、引き続き大きく伸長しました。
このような状況の下、当社グループの国内事業においては、原料馬鈴しょの調達不足からポテトチップスの生産および販売アイテムの調整を行いましたが、当期新たに投入した成型ポテトチップス「ポテトチップスクリスプ」の売上貢献や小麦系スナックの好調な売上により、国内スナックの売上は前期並みとなりました。シリアル食品「フルグラ」は好調な需要が続き、前期から大幅に売上を伸ばしました。これにより、国内事業の売上は前期を上回りました。一方、海外事業における売上は、円高による為替換算の影響を受けたことから前期を下回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、252,420百万円(前連結会計年度比2.6%増)となりました。営業利益については、国内事業の増収効果、原材料費比率の改善があったものの、海外主力地域での稼働低下に伴う原価率の悪化、国内販売費の増加等があり、28,841百万円(前連結会計年度比2.5%増)となり、営業利益率は11.4%(前期並み)となりました。経常利益は、たな卸資産廃棄損および新設海外子会社の開業費等の営業外費用の減少により、28,625百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、海外合弁会社の利益減少で非支配株主に帰属する当期純利益が減少したことにより、18,605百万円(前連結会計年度比10.8%増)となり、売上高、営業利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新しました。
平成28年3月期平成29年3月期伸び率(%)現地通貨
ベースの
伸び率
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内売上高216,80788.1223,44188.5+3.1+3.1
海外売上高29,32111.928,97811.5△1.2+9.4
合計246,129100.0252,420100.0+2.6+3.8

・事業別の状況
(食品製造販売事業)
食品製造販売事業の売上高は、国内のポテト系スナック、コーン系スナックの売上減少ならびに海外事業の売上減少があったものの、国内のシリアル食品、小麦系スナックの売上伸長と新規スナックの販売開始が貢献し、248,872百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。
・スナック菓子
スナック菓子の売上高は、203,284百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。
① ポテト系スナック
ポテト系スナックの売上高は、126,824百万円(前連結会計年度比0.3%減)となりました。ポテトチップスの売上高は、馬鈴しょ不足から生産および販売アイテムの調整を行ったことにより、76,583百万円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。一方、「じゃがりこ」の売上高は、Lサイズ品の拡大やフレーバー展開による充実した品揃えが貢献し、36,685百万円(前連結会計年度比4.6%増)となりました。「Jagabee/じゃがポックル」の売上高は、「Jagabee」の売上が減少したものの、「じゃがポックル」の売上が好調に推移し、13,556百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。
② 小麦系スナック
小麦系スナックの売上高は、22,795百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。主力の「サッポロポテト」は製品リニューアルと積極的な販売促進活動が功を奏し、売上が伸長しました。
③ コーン系・豆系スナック
コーン系・豆系スナックの売上高は、ポップコーン等の売上減少により17,160百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
④ その他新規スナック
その他新規スナックの売上高は、当期販売開始した成型ポテトチップス「ポテトチップスクリスプ」の貢献により、7,524百万円(前連結会計年度比36.6%増)と前期を大幅に上回りました。
⑤ 海外事業
海外事業の売上高は、為替換算の影響により28,978百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。なお、為替換算の影響を除く実質ベースの売上高は、32,074百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。北米では、主力の「Harvest Snaps」の大手顧客に対する売上が回復基調にあり、実質ベースでは増収となったものの、円高影響により減収となりました。韓国では、「Honey Butter Chip」の売上の減少に加えて、新製品の売上拡大が進まず、減収となりました。一方、当期から本格参入した英国と販売開始したインドネシア等が増収に寄与しました。
・シリアル食品、ベーカリー等
シリアル食品・ベーカリー等の売上高は、45,588百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。好調な需要が続くシリアル食品「フルグラ」は、当期に生産能力を拡大するとともに、製品ラインナップの拡充を図り、売上高は29,196百万円(前連結会計年度比30.7%増)と大きく伸長しました。
(その他)
その他事業の売上高は、販売促進ツールの売上は減少しましたが、馬鈴しょ関連の売上が増加したこと等から、3,548百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
なお、セグメントの業績につきましては、当社グループの報告セグメントが「食品製造販売事業」のみであることから、記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,696百万円減少し、44,627百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額や法人税等の支払額があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等により、25,958百万円の純収入(前連結会計年度は22,541百万円の純収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、「フルグラ」の製造ラインの増設や韓国及びインドネシアにおける工場の取得等の有形固定資産の取得による支出等により、13,404百万円の純支出(前連結会計年度は14,270百万円の純支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払額及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出により、14,711百万円の純支出(前連結会計年度は2,859百万円の純支出)となりました。