有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/21 15:20
【資料】
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【項目】
119項目

事業等のリスク

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下の通りです。必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 製品開発
当社グループは、自然素材のもつ栄養や美味しさを最大限活かし、ユニークで価値ある製品を提供するための研究開発活動を行っております。一方で、お客様の嗜好の多様性や健康志向の高まり、国内の少子高齢化等、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。このような市場の変化にいかに迅速に対応し、付加価値の高い製品を開発できるかが、今後の当社グループの事業拡大にとって重要な課題となっております。このため当社グループでは、新製品開発、現行製品の改良、コストダウン、基礎研究の分野で研究開発活動を毎期計画的に実施しております。しかしながら、これらの開発投資が成功し、全て新製品の発売につながるという保証はなく、また研究開発テーマが、市場ニーズと乖離して受け入れられない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 原材料の調達
ポテトチップス、「じゃがりこ」等ポテト系スナックの原料となる馬鈴しょは、日本においては植物防疫法により原則輸入が認められておりません。当社グループは、国産馬鈴しょの品質、数量、価格における安定した調達を実現するために、ポテト系スナックの発売当初から契約栽培による調達体制の構築を図ってまいりました。この契約栽培により安定的な調達が可能となっておりますが、作況によっては、馬鈴しょの不作によって量の確保ができず、販売機会を失う恐れや、緊急調達によるコスト増等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、食油や包装資材といった原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、外国為替相場の変動等により調達価格が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 製品の安全性
近年、消費者からの食品に対する安全性への要求はますます高まっております。メーカーとしての責任を果たし、この要求に応えるべく当社グループでは、原材料の品質、生産工程等を厳格に管理し、製品の品質や異物混入等には万全の注意を払っておりますが、原材料や製造工程等に想定外の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、2002年4月にスウェーデン政府より、炭水化物を多く含む食品を焼く又は揚げることにより発がん性物質(アクリルアミド)が生成される旨の調査結果が発表されましたが、厚生労働省は平均的な摂取量であれば人に対する影響は想定されないとしており、これまでのところ当社グループの経営成績は影響を受けておりません。しかしながら、将来的にはスナック菓子業界全体に影響を与える問題に発展する可能性があります。
④ 競合リスク
当社グループは、国内スナック菓子市場及びシリアル市場において、安定して高いシェアを維持しておりますが、国内同業他社や巨大外国資本の参入あるいはM&Aによる業界再編等により競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、同業他社が当社グループより低価格での製品提供を行い、対抗する必要が生じた場合には、販売価格の引き下げの選択、その結果として利益率の低下等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ グローバル展開
当社グループは、国内市場に限らず海外の子会社を通じて事業展開を推進しております。中長期的な成長を図るためには海外事業の強化、拡大は必須であると考えており、今後はより一層のスピードと競争力を持って事業展開を図っていく方針です。しかしながら、グローバル市場開拓が進まない場合、当社グループの成長戦略の見直しが行われる可能性があります。また、当社グループが事業展開を図っていく様々な国や地域における政治的、経済的状況等の変化や外国為替相場の変動等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 大株主との関係
当連結会計年度末時点において、PepsiCo, Inc.(以下、「PepsiCo」という)はその100%子会社FRITO-LAY GLOBAL INVESTMENTS B.V.(以下、「FLGI」という)を通じて当社株式の20.00%(潜在株式数考慮後)を保有しており、当社はPepsiCoの持分法適用関連会社であります。当社株式を直接保有するFLGIはPepsiCoの100%子会社であるため、当社普通株式の議決権等に関する実質的な判断については、PepsiCo が行っております。なお、PepsiCoは、世界最大規模の食品飲料メーカーの1つであり、米国NASDAQに株式を上場しております。また当社と同業であるスナック菓子事業については、同社の子会社であるFrito-Lay North America, Inc.を中心としたグループ各社でグローバル展開をしております。
当社とPepsiCoは、両社の経営能力を組み合わせシナジー効果を発揮することが、両社の継続的な成長に必要との判断から、2009年6月24日に戦略的提携契約(以下「本契約」という)を締結しました。PepsiCoとのパートナーシップを強固なものとするため、PepsiCoの100%子会社であるFLGIに対して第三者割当増資を実施し、あわせてPepsiCoの子会社ジャパンフリトレー㈱の株式の100%を取得いたしました。
なお、本契約において、PepsiCoは日本国内においてスナック菓子事業を営まない旨の合意がなされていることから当社と競合関係にはなりえず、また海外での事業展開については何ら制約を受けていないことから、当社の経営判断や事業展開の制約にならないものと認識しております。
当社は、PepsiCoとの戦略的提携関係を維持し、企業価値の向上に努める所存でありますが、将来においてPepsiCoの経営方針や事業戦略の変更が生じた場合、当社は提携によるシナジー効果を発揮できない可能性があります。また、何らかの要因により本契約が解消された場合には、日本国内においてPepsiCoグループと競合関係が生じる可能性があります。これらの事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
a.人的関係
当連結会計年度末時点において、当社グループとPepsiCoグループとの間で重要な人的関係はありません。
b.取引関係
当社子会社のジャパンフリトレー㈱はPepsiCoグループのFrito-Lay, Inc.よりスナック菓子の輸入を行っております。
c.資本関係
PepsiCoとの本契約においては、提携関係を維持するとの観点から、PepsiCoが当社株式の持株比率について、20%の水準を超えない旨を定められております。なお、将来において、PepsiCoもしくは当社の経営方針や事業戦略の変更が生じた場合あるいは経営環境の変化等により、PepsiCoの当社に対する持株比率が変更される可能性があります。
⑦ 法的規制
当社グループは事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、景品表示法、計量法、不正競争防止法、植物防疫法及び消費者安全法等、様々な法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コスト等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、事業活動に必要な各種許認可等を受けておりますが、法令違反等により認可等が取り消された場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 天災リスク
当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要と考えられる定期点検を行っております。また、生産拠点を分散させることにより安定供給体制を構築しております。しかしながら、天災等による生産設備における災害については完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。