有価証券報告書-第7期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 14:15
【資料】
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【項目】
127項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
① 経済状況、事業環境について
造船事業においては、世界経済の動向に伴う海上貨物の需要変動と、それを運ぶ船腹の供給、特にドライバルク市況の動向に最も大きく影響を受ける。バルクキャリアーの運賃指標(BDI)は、ここ1年程度回復基調にあるものの、新造船需給の緩和状態が恒常化し、船価は十分な回復に至っていない。一方、環境と安全に関する国際的な船舶規制強化は順次着実に実施され、より環境に優しく省エネ化した船舶の設計・製造が必要となってきている。
M&T事業は、主として国内景気の動向に大きく影響を受ける。建設工事用機械は高層ビル・マンションの建設需要に、機械部品製造、化粧品用機械製造、自動車部品製造、空調・給排水工事及び鋳造機製造は国内製造業の需要動向に影響を受ける。遊園機械の販売事業や遊園地運営事業は、国内及び海外のレジャー施設建設需要と、国内及び豪州の消費者のレジャー需要(天候要因を含む)に影響を受ける。
M&T事業においても、造船事業同様、化粧品用機械を中心に海外への輸出に注力しており、現地での需要動向や法規制等の変更による影響を受ける可能性がある。
② 外国為替相場の変動について
造船事業において売上の大半を占める新造船は海外向けの輸出比率が高く、一部円建て契約はあるものの、米ドル建ての契約が存在する。また、資材購入には輸入等もあり、外国為替相場の変動により売上、損益とも影響を受けることになる。
M&T事業においても輸出入及び豪州観覧車事業があり、外国為替相場の変動により当該事業の業績が影響を受ける可能性がある。
③ 金利の変動について
今後、金利が上昇した場合、当社グループの有利子負債の支払利息が増加し金融収支が悪化する可能性がある。
④ 投資有価証券について
当社グループの保有する投資有価証券は大半が上場株式であるため、今後、株式相場が大幅に変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
⑤ 原材料、資材、エネルギー価格について
鉄、非鉄金属、石油石炭等の原材料の値上がりに連れて造船用鋼材をはじめ当社グループの調達資材や電力等エネルギー価格が上昇し、長期の受注生産を中心とする当社グループの事業特性からコストアップ要因として働き業績に影響を与える可能性がある。
⑥ 製品の保証について
当社グループでは、品質管理基準に従って製品の製造並びに据付工事及びメンテナンス等を行っているが、当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任等に伴うコストの発生から、保険等でカバーすることができず、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
⑦ 法的規制、会計基準について
当社グループは、国内外での各種法令、許認可や規制の順守のもとに事業を遂行し、会計基準に則り会計処理を行っているが、法令の改廃や法的規制が設けられたり、また、税効果会計や減損会計を適用しているため、将来の予想数値の変更があった場合、並びに会計基準が変更される場合等には当社グループの貸借対照表、損益計算書に影響を及ぼす可能性がある。
⑧ 環境保全について
社会の要請である環境保全については、グループ全体で真摯に取り組んでいるが、不測の事態等によりコストが発生し業績に影響を及ぼす可能性がある。
⑨ 災害及び事故について
当社グループは火災、地震、台風等の各種災害に対し、損害の発生及び拡大を最小限に止めるべく造船所における防波堤の構築やシステム機器の外部センター等への分散配置等の処置を講じているが、それらの災害により当社グループの活動が影響を受ける可能性がある。また、工場及び工事現場、遊園地等における安全管理には万全を期しているが、万一事故が起きた場合には損害額、賠償額が保険等で十分カバーされず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
⑩ 訴訟等について
当社グループの事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
⑪ 情報セキュリティについて
当社グループが保有する情報資産の保護については、管理体制の整備や教育、情報セキュリティシステムの構築等によって、グループ全体で取り組んでいる。しかし、コンピュータウイルスへの感染や不正アクセス、その他不測の事態によって、これらの情報資産が消失、もしくは漏洩した場合、当社グループの業績や信用・評判等に影響を及ぼす可能性がある。
⑫ 借入金の財務制限条項について
当社グループの借入金の一部については、シンジケートローン契約を締結している。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
⑬ 重要事象等について
当社の全額出資子会社であるサノヤス造船㈱は、複数の金融機関との間でサノヤス造船㈱を借入人、当社を保証人とするシンジケートローン契約を締結しており、2018年3月31日時点で当社及びサノヤス造船㈱において、純資産の維持に関する財務制限条項に抵触した。しかしながら、当社グループは、従前から取引金融機関との継続的な取引関係を構築しており、今回も当社グループの状況を詳細に説明して現状を認識いただいた結果、全参加金融機関から当該条項にかかる期限の利益喪失につき権利を行使しないことについての合意を得たので、当該事象は全て解消している。
従って、当社グループとしては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。