有価証券報告書-第12期(平成26年11月1日-平成27年10月31日)

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2016/01/28 15:44
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事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については、積極的に開示しております。
但し、以下では当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新技術及び新製品の開発に関するリスクについて
当社グループは、研究開発主導型のベンチャー企業であります。現在はスマートフォンを中心とした技術及び製品を開発し、新たな付加価値を提供することにより、当社グループの技術的な信頼性及び認知度を高めながら事業規模の拡大に努めております。将来の成長は、技術的優位性の維持と、市場のニーズに適応した付加価値の高い製品の開発に依存します。
当社グループが属するソフトウェア業界は、常に新しい技術が誕生し、技術の陳腐化が早い事業環境にあり、直近ではスマートフォン等ハード機器自体の変化や革新も急速に進行しているため、環境の変化に適応した革新的な技術やサービス、事業環境の変化への適合が求められる業界であります。
従いまして、急速な技術進歩に支えられた当業界においては、将来の成長可能性は常に不確実性を伴っております。
当社グループでは、独自の画像処理技術を強みとして、新たな技術開発及び製品開発に取り組んでおりますが、①想定以上の急激な技術革新や開発スピードの早期化、②市場ニーズに適応しない製品の投入、③新製品等の市場への投入時期の遅れによる製品の陳腐化、④スマートフォン等ハード機器の急激な技術革新に伴う市場ニーズの急変等の事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 収益構造について
① 利用許諾契約について
当社グループは、これまで培ったノウハウをもとに新技術を創出し実用的な製品を開発しております。現在は、主要な顧客である通信事業者、スマートフォンメーカー、半導体メーカー等に対して当該製品の利用を許諾することによりロイヤリティ収入として売上高を計上しております。平成27年10月期のロイヤリティ収入は売上高全体の91.2%と高い構成比となっております。
現時点では、当社グループのソフトウェア製品はスマートフォン市場において技術的優位性があり、高い競争力を維持しているものと考えておりますが、競合製品の台頭や代替技術の出現により、製品又は技術が陳腐化した場合には、収益の低下を招く可能性があります。また市場での大幅なシェア変動等が起った場合には、当社グループ製品利用状況に変動が起こり、収益の低下を招く可能性があります。当該事象が顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ロイヤリティ単価の変動について
ロイヤリティ収入の価格設定方法は、当社グループの対価基準を元に、顧客との間で協議して設定した出荷数見積と利用期間をもとに設定されます。対価の受け取り方法は、出荷数実績に応じて収受する方式と、ライセンス期間にわたり一定の金額を収受する方法に大別されます。
当社グループの属するソフトウェア業界では、急速な技術進歩により市場規模を拡大させてまいりましたが、最近の事業環境は都度大きく変化しており、スマートフォンメーカー各社及び通信事業者各社は端末原価の低減を図ることにより競争力の維持を図っております。また、競争のグローバル化により、スマートフォンメーカーの集約化が進んでおり、価格交渉力が強くなってきている状況にあります。
現時点では、当社グループの製品力強化及びラインナップ強化により、価格の維持と包括提案等による収益維持を実現しておりますが、当社グループが市場ニーズに適応した新製品の開発又は既存製品の機能追加ができなかった場合には、買手の交渉力が脅威となりロイヤリティ単価が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社グループは、画像処理技術を中核技術とする研究開発主導型のベンチャー企業であります。当社グループの属するソフトウェア業界では、国内外大手電機メーカーや欧米IT・ソフトウェア企業等が様々な領域において特許を取得しており、画像処理の分野においても一部では基本特許が取得されています。このような状況の中、当社グループは既存の技術とは一線を画す新たな技術を創出し、他社に押さえられていない領域において積極的に知的財産権を取得し、活用、維持をすすめていく方針であります。
しかしながら、組込系ソフトウェアは、知的財産権として保護したとしても、当社グループ技術を模倣した類似製品について権利侵害を特定することが困難であり、効果的に模倣を防止できない可能性があります。当該事象が顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界の動向について
当社主要市場であるスマートフォン市場では、新興国企業の介入等により市場規模の拡大がおこり、競争のグローバル化と競合メーカーのシェア争いが進み、各社とも今までにない積極的な技術開発と差別化への投資を行っております。
当社グループでは、これら海外スマートフォンメーカーへの直接的アプローチに加え、海外の通信事業者や半導体メーカー等を通じた関係強化により販売機会の拡大を目指しておりますが、当社グループが市場ニーズに適応した新製品の開発又は既存製品の機能追加ができなかった場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また新規事業としてネットワークサービス事業やその他組込事業への積極的な投資を行っておりますが、いずれの業界においても競争のグローバル化と業界構造の継続的な変化が起こっております。
これら業界動向に先駆け、当社グループとしては先進的な技術開発や販売活動をおこなっておりますが、当社グループが十分に対応できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定人物への依存について
当社グループの創業者であり、代表取締役社長である平賀督基は、東京大学及び同大学院において画像処理技術を専門に研究を行ってまいりました。特に、ビジュアリゼーション、3次元グラフィックス、画像認識といった分野で世界最先端の様々な技術に触れ、また自らもそれらを専門に研究を行ってきたことが当社の礎となっております。平賀督基は、当社グループの最高責任者として、経営方針及び事業戦略等を決定するとともに新規技術のアイデア創出から当該技術の製品化にわたり重要な役割を果たしております。今後においても、特に研究開発については、平賀督基に依存する側面が大きいものと考えられます。当社グループでは、適切な権限委譲を図るための組織整備や社内の人材育成等を行うことにより、平賀督基に依存しない経営体質の構築を進めてまいりますが、何らかの理由で平賀督基が当社事業を継続することが困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害および事故等について
当社グループおよび当社取引先の事業拠点が、地震および台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外事業展開について
当社グループはグローバルな事業展開を加速しておりますが、海外市場での事業展開には、各国政府の予期しない法律や規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の要因により、事業展開及びその成果が当初予測と異なる場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。