有価証券報告書-第5期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 10:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
99項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による成長戦略や金融政策等を背景として緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、中国経済の減速や年明け以降の円高・株価下落、マイナス金利の導入など景気に対する不安定要素が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況において、当社グループは、引き続きパチンコホール企業を主たるお客様として、不動産賃貸、貸金などを行うアミューズメント事業に経営資源を集中し、業容の拡大及び収益力の強化に取り組んでおります。
その中で、貸金業におきましては、平成27年11月に、当社子会社であるジャルコにおいて、第二種金融商品取引業登録(関東財務局長(金商)第2871号)を完了し、案件ごとにWebサイトを通して不特定多数の投資家(貸手)を募り、事業者(借手)に対して貸出を行うという金融仲介サービス(ソーシャルレンディングサービス)を新規事業として開始いたしました(平成27年12月11日に初回案件の募集を開始し、平成28年1月7日に36名(うち法人投資家4社)の投資家の皆様により、2億円の投資をいただき満額で成立しております)。
ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)とは、インターネットを通じて、「お金を借りたい人や企業」と「お金を投資したい人や企業」を結びつける金融仲介サービスであり、2005年にイギリスのZOPAがサービスを開始して以来、世界各国でも同様のサービスが誕生しております。日本国内におきましても、「お金を借りたい事業者」と「お金を投資したい個人、及び法人」をマッチングするサービスが急成長を続けており、当社は、ソーシャルレンディングサービスが、借手には低金利、投資家には高利回りという形での金融サービスの提供を可能にし、不特定多数の一般投資家が主役となる新しい金融のプラットホームとしての役割を担い始めているものと認識しております。
当社は、安定的な事業運営体制、及び厳正なる審査による商品の信頼性を確保した上で、アミューズメント業界を始めとして当社グループが保有するネットワークを活用し、良質の案件を安定的に供給することで、「お金を借りたい事業者」への活動支援と「お金を投資したい個人、及び法人」への資産運用支援を結び付け、当該事業の健全な発展を目指してまいります。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高5億67百万円(前年同期比36.2%減)、営業利益1億33百万円(同11.2%増)となりました。
営業外損益につきましては、平成27年3月期通期決算におきまして、電子機器用部品事業の譲渡代金の残額に対して貸倒引当金を計上しましたが、そのうち20百万円を受領したことに伴い、貸倒引当金戻入額20百万円を計上したこと、収益認識を見送っていた中古設備売却取引のうち15百万円の収益を認識しレンタル代金受領益15百万円を計上したこと、平成26年3月期通期決算におきまして貸倒引当金を計上したUS$建て債権について、為替相場の変動により、平成28年3月末の残高が平成27年3月期末の残高から5百万円減少したことに伴い、貸倒引当金戻入額5百万円を計上したことなどにより営業外収益51百万円を計上しました。これに対して、支払利息86百万円に加えて、既借入金の借り換え、金利引下げに伴う諸費用29百万円を借入手数料として計上したこと、為替差損5百万円が発生したことなどにより、営業外費用1億25百万円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は59百万円(前年同期は46百万円の損失)となりました。
また、特別損益につきましては、当社子会社であるJAS及びジャルコの取引先である株式会社オムコの破産手続きの進行に伴う中間配当の受領により、貸倒引当金戻入額54百万円を計上したこと、レンタル用中古遊技機の売却に伴う固定資産売却益19百万円を計上したことにより特別利益74百万円を計上しました。これに対して、平成26年2月に清算手続きを開始したJALCO INDONESIAの清算にかかる追加費用として関係会社清算損失引当金繰入額22百万円を計上したこと、平成28年2月の本店移転に伴い本社移転費用4百万円を計上したことなどにより特別損失31百万円を計上しました。
これらに加えて、ジャルコにおける繰延税金資産について、当連結会計年度及び今後の業績動向を踏まえ、その回収可能性を慎重に検討し、回収可能部分として繰延税金資産30百万円(法人税等調整額△30百万円)を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1億13百万円(前年同期は48百万円の損失)となりました。
セグメント別の状況は、以下のとおりです。
当社連結グループでは、当連結会計年度において報告セグメントを変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
前年同期比較に当たっては変更後のセグメント区分で記載しております。
・遊技機レンタル事業
当事業部門におきましては、他人物取得、他人物レンタルに該当しないことの確認、レンタル資産取得時、及びレンタル期間中における現物確認を徹底するなど、取引管理の強化を優先いたしました。この結果、売上高は1億53百万円(前年同期比71.8%減)、セグメント利益(経常利益に相当します。)は6百万円(前年同期比88.1%減)となりました。
・貸金事業
当事業部門におきましては、銀行等金融機関では対応が難しいと考えられる遊技機他パチンコホール企業が保有する動産を担保資産として評価できることを強みとして、パチンコホール企業向け貸付案件に積極的に取り組むことに加えて、他の業界における事業者に対する貸付案件につきましても、収益性、回収可能性等を慎重に吟味した上で、取り組みを行っております。この結果、売上高は1億84百万円(前年同期比17.5%増)、セグメント利益は1億48百万円(前年同期比28.3%増)となりました。
・不動産賃貸事業
当事業部門におきましては、現在、神奈川県川崎市の土地、東京都大田区西蒲田の土地・建物を各々パチンコホール企業に賃貸しております。この結果、売上高は2億28百万円(前年同期比48.5%増)、セグメント利益は45百万円(前年同期はセグメント損失20百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末と比較して5億20百万円減少し、85百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5億31百万円の支出(前連結会計年度比1億11百万円の支出増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益99百万円、破産債権の中間配当金54百万円、レンタル資産売却代金46百万円及び当社主要株主による当社株式の短期売買に対しての利益返還請求金61百万円の収入が発生したことに対して、営業貸付金の増加による支出8億1百万円が発生したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、65百万円の支出(前連結会計年度比9億75百万円の支出減少)となりました。これは主に、千葉県松戸市の不動産譲渡による収入99百万円が発生したのに対して、定期預金の預入による支出34百万円、上場株式の取得による支出59百万円、賃貸用事業用地取得にかかる手付金支払いに伴う支出28百万円、事務所移転にかかる保証金支払いに伴う支出24百万円が各々発生したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、77百万円の収入(前連結会計年度比17億4百万円の収入減少)となりました。これは主に、借入金(長期、短期合計)及び信託長期借入金の純減少額92百万円に対して、ソーシャルレンディング事業における匿名組合員からの出資払込による収入2億円が発生したことなどによるものであります。