有価証券報告書-第18期(平成25年9月1日-平成26年8月31日)

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2014/11/28 15:02
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104項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積もり及び仮定設定を行わなければなりません。
当社グループは、定期的にまたは臨時に開催される取締役会において、貸倒債権、投資、法人税等に関する見積もり及び判断を継続的に実施しております。取締役会においては、過去に発生した事実などに基づき、合理的と考えられるさまざまな要因分析・評価を実施したうえで評価・見積もりを行っておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性のためこれらの見積もりと一致しない場合があります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して1,451,808千円増加して、8,585,462千円(前連結会計年度末比20.4%増)となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比較して838,851千円増加して、5,717,871千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加664,059千円、売掛金の増加178,687千円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して612,956千円増加して、2,867,591千円となりました。主な要因は、関係会社株式の増加246,040千円、投資有価証券の増加199,040千円、関係会社長期貸付金の増加170,544千円等があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の総負債の残高は、前連結会計年度末に比較して600,440千円増加して、2,890,926千円(前連結会計年度末比26.2%増)となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して520,195千円増加して、2,717,628千円となりました。主な要因は、未払消費税等の増加237,444千円、未払法人税等の増加101,142千円、未払金の増加61,516千円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して80,245千円増加して、173,298千円となりました。主な要因は、長期前受金の増加60,144千円等があったことによるものであります。なお、長期前受金は、連結貸借対照表上、その他に含め表示しております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して851,368千円増加して、5,694,536千円(前連結会計年度末比17.6%増)となりました。主な要因は、当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,044,404千円がありましたが、剰余金の配当による利益剰余金の減少192,418千円等があったことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
① 売上高、売上総利益
(A) セグメント別の売上高
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)構成比(%)
アウトソーシング事業16,082,872109.172.3
人材派遣事業6,111,491110.527.5
22,194,363109.599.8
その他45,287131.20.2
合計22,239,651109.5100.0


当連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び営業損益の概況は以下のとおりであります。
(a) アウトソーシング事業
アウトソーシング事業におきましては、家電分野、ブロードバンド分野及びモバイル分野を中心とした販売受託事務局の受注に向けた提案及び収益改善を継続するとともに、セールスプロモーション提案によるキャンペーン受注の獲得及びストアサービス分野・コールセンター他分野における営業アウトソーシングの受注強化に取り組み、新たな成長の柱の育成に注力いたしました。
上記取り組みにより、ブロードバンド分野、モバイル分野におきまして全国展開の家電量販店を対象とした販売受託事務局の案件を受注したほか、家電分野ではキャンペーン案件の受注が年間を通し好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は16,082,872千円(前年同期比9.1%増)、営業利益は1,586,472千円(前年同期比11.1%増)となりました。
(b) 人材派遣事業
人材派遣事業におきましては、ストアサービス分野、コールセンター他分野を中心に、幅広い取引先からの案件の新規受注獲得に取り組みました。ストアサービス分野におきましては、食品・コスメティック・ファッション販売等における人材派遣案件の受注が増加したほか、大手GMS・食品スーパーを中心にレジ業務、生鮮技師、オール電化・住宅リフォームの販売受付等幅広い職種での人材派遣案件の受注も増加いたしました。また、コールセンター他分野におきましては、観光市場において従来の添乗・ガイド案件に加え、新規領域である展示会、コンベンション、スポーツイベント運営等の案件受注が増加したほか、コールセンター市場についても、全国各地において大手通信会社からの案件受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は6,111,491千円(前年同期比10.5%増)、営業利益は345,416千円(前年同期比25.7%増)となりました。
(c) その他
その他におきましては、ブロードバンド分野において、東日本・西日本両エリアで販売教育研修の案件を前連結会計年度に引続き受注いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は45,287千円(前年同期比31.2%増)、営業損失は6,799千円(前連結会計年度は13,592千円の営業損失)となりました。
(B) 取扱商材分野別の売上高
取扱商材分野別金額(千円)前年同期比(%)構成比(%)
家電3,022,726111.413.6
ブロードバンド10,528,891118.347.3
モバイル4,982,11786.522.4
ストアサービス973,126122.54.4
コールセンター他2,732,789127.512.3
22,239,651109.5100.0

なお、当連結会計年度における取扱商材分野別の売上高の概況は以下のとおりであります。
(a)家電
家電分野におきましては、商戦期のキャンペーン案件の獲得に向けた営業活動を実施した結果、デジタル家電の販売を中心にキャンペーン案件の受注が年間を通し好調に推移いたしました。
また主要なクライアントである総合家電メーカーにつきましても、常勤稼働の人材派遣案件の受注が回復いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,022,726千円(前年同期比11.4%増)となりました。
(b)ブロードバンド
ブロードバンド分野におきましては、既存の販売受託事務局における収益改善に取り組むとともに全国各地において販売受託事務局の新規獲得に向けた提案営業、契約条件の改善に向けた条件交渉を実施いたしました。
上記取り組みにより、青森地区において販売受託事務局の新規案件を受注したほか、前連結会計年度に受注した全国展開の家電量販店を対象とした大規模な販売受託事務局案件が通期で売上の増加に寄与いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は10,528,891千円(前年同期比18.3%増)となりました。
(c)モバイル
モバイル分野におきましては、前連結会計年度において受注したスマートフォン等の販売を業務とする販売受託事務局の売上が通期で寄与したほか、セールスプロモーション営業部と連携し商戦期のキャンペーン案件の受注に向けた営業活動を強化した結果、全国展開の家電量販店を対象としたキャンペーン案件を受注いたしました。
しかしながら、一部の販売受託事務局につき、請負契約から人材派遣契約への移行による売上減少がありました。
その結果、当連結会計年度の売上高は4,982,117千円(前年同期比13.5%減)となりました。
(d)ストアサービス
ストアサービス分野におきましては、新規顧客に対する営業強化によりサービス取扱商材の拡大を図った結果、食品・コスメティック・ファッション販売等における案件の受注が増加いたしました。また、大手GMS・食品スーパーを中心にレジ業務、生鮮技師、オール電化・住宅リフォームの販売受付等幅広い職種での人材派遣案件の受注も増加いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は973,126千円(前年同期比22.5%増)となりました。
(e)コールセンター他
コールセンター他分野においては、観光市場において従来の添乗・ガイド案件の受注が好調に推移したほか、当社グループ拠点網の活用、子会社との営業情報共有等の事業シナジーにより、新規領域である展示会、コンベンション、スポーツイベント運営等の案件受注が増加いたしました。
また、コールセンター市場についても、全国各地において大手通信会社からの案件受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は2,732,789千円(前年同期比27.5%増)となりました。
また、当連結会計年度の売上総利益につきましては、販売受託事務局の新規受注に伴い、一時的に原価が割高な他社雇用のスタッフの増加による利益率低下があったものの、売上増加に伴い売上総利益も増加し、4,960,547千円(前年同期比8.1%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,053,839千円(前年同期比4.7%増)となりました。主な要因は、スタッフの確保を目的とした募集広告費用、支払手数料、広告宣伝費等の発生によるものであります
この結果、営業利益については1,906,707千円(前年同期比14.2%増)となりました。
③ 営業外収益及び営業外費用、経常利益
営業外収益は8,583千円(前年同期比7.3%減)となりました。主な要因は、有価証券評価益の減少によるものであります。
また、営業外費用は2,030千円(前年同期比26.1%減)となりました。主な要因は、支払利息の減少によるものであります。
この結果、経常利益については1,913,260千円(前年同期比14.1%増)となりました。
④ 特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益
特別利益は当連結会計年度は発生いたしませんでした。
また、特別損失は30,039千円(前年同期比166.3%増)となりました。主な要因は、関係会社出資金評価損の発生によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益については1,883,220千円(前年同期比13.0%)となりました。
⑤ 当期純利益
上記の諸要因により当期純利益は、1,044,404千円(前年同期比12.2%)となりました。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは「付加価値ビジネスの創造と追求」を合言葉に、単なる人材サービスの提供ではなく、マーケティングパートナーとしてクライアントのニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」の実践を引き続き継続してまいります。
営業組織に関しましては、当社グループの注力分野である観光分野における事業シナジーの最大化を目的として観光事業本部を設置し、政府が掲げる観光立国構想や増加する訪日外国人旅行者等への対応力を強化してまいります。
アウトソーシング事業に関しまして、従来の家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野を中心とした販売受託事務局の全国展開を継続するとともに、ストアサービス、コールセンター他分野においても既存クライアントに対する提案営業を強化し、販売受託事務局案件の受注獲得に取り組んでまいります。また、観光分野においても、当社グループの拠点網の活用や子会社との営業情報共有等の事業シナジーにより、展示会、コンベンション、スポーツイベント運営等、従来の添乗・ガイド以外への周辺領域に事業を拡大してまいります。
人材派遣事業に関しましては、スタッフの確保に努めるとともに研修制度の更なる充実により、スタッフの質的、量的な充実を図り、ストアサービス分野、観光分野、コールセンター他分野を中心に展開してまいります。ストアサービス分野においては前連結会計年度に引き続き、大手GMS・食品スーパー等を中心に幅広い職種における受注拡大、観光分野においては国内外への添乗・ガイド業務に加え、通訳案内士等のスタッフの確保・育成を進めることで、増加する訪日外国人旅行者や国際的な展示会、コンベンション、スポーツイベント運営等への対応力を強化してまいります。
その他に関しましては、従来の教育研修への取り組みに加え、新規領域への取り組みも継続してまいります。
拠点網の整備につきましては、当社グループ内での拠点統合を推進することで事業シナジーの最大化を図るほか、当社グループの拠点が無いエリアにおいても、スタッフの登録機能に特化した登録センターの設置を検討してまいります。
当社グループの過去5連結会計年度の事業別販売実績は、次のとおりであります。
(単位:千円)
事業別平成22年8月期平成23年8月期平成24年8月期平成25年8月期平成26年8月期
アウトソーシング事業14,743,83416,082,872
人材派遣事業5,531,5176,111,491
その他34,52845,287
20,309,88022,239,651

(注) 1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2 当社は、前連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、平成25年8月期以前の数値については記載しておりません。
なお、参考に当社の平成22年8月期から平成24年8月期までの3事業年度の事業別販売実績を記載いたしますと、次のとおりであります。
(単位:千円)
事業別平成22年8月期平成23年8月期平成24年8月期
アウトソーシング事業9,959,47813,150,25014,726,705
人材派遣事業4,065,6474,119,9854,090,828
その他21,53238,43348,601
14,046,65717,308,66918,866,136

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比較して664,059千円増加して、2,652,882千円(前年同期比33.4%増)となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,507,868千円(前年同期は1,044,554千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,883,220千円、未払消費税等の増加237,444千円がありましたが、法人税等の支払762,368千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は701,490千円(前年同期は284,781千円の収入)となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出246,040千円、投資有価証券の取得による支出200,000千円、関係会社貸付による支出187,000千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は142,318千円(前年同期は777,220千円の支出)となりました。これは短期借入金の純増額50,000千円、配当金の支払による支出192,318千円があったことによるものであります。
② 資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、稼動スタッフの労務費と販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費、募集費及び地代家賃等であります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループが事業とするアウトソーシング事業、人材派遣事業、その他につきましては、近年は同業他社との競争が激化している環境下にあります。
今後も、アウトソーシング事業において、販売受託事務局の運営ノウハウの蓄積やスタッフに対する教育・研修制度の充実等を行い、クライアントの業績向上に貢献する「成果追及型の営業支援」をより高度化・高付加価値化していくことによって、他社との差別化を図ってまいります。
また、人材派遣事業における労働者派遣法改正に伴う規制強化の動きに関しましても、コンプライアンス体制の充実、組織強化の取り組み等を行うことにより、人材派遣事業の適正な運営に取り組んでまいります。