有価証券報告書-第77期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 16:18
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における海外の経済情勢は、米国、欧州、東南アジアなどが緩やかに成長しておりますが、原油安や金融市場の混乱、中国の景気減速など不透明な状況で推移しています。日本経済は企業収益が堅調に推移し、加えてインバウンド需要の取り込みなどにより、緩やかな回復基調で推移しました。しかし、年明けからの急激な円高や株式市場の大幅な下落、また熊本地震などにより、国内景気が下振れ局面となる可能性があります。
このような状況の下、当社グループでは平成27年4月から新しい経営体制をとり、日本、北米及び東南アジアを中心にゼラチン及びコラーゲンペプチドの販売活動に注力し、全社一丸となって収益回復に取り組みました。また、ゼラチン原料の調達、ハラル製品の供給拠点である持分法適用関連会社のニッタゼラチンインディアLtd.(インド)及びインドの関連会社2社を平成27年4月より連結子会社としました。
この結果、売上高は36,885百万円(前年同期比15.6%増加)、営業利益は1,273百万円(前年同期比224.2%増加)でしたが、為替差損などにより経常利益は979百万円(前年同期比1.2%増加)となりました。また、インド3社の連結子会社化に加え、中国の連結子会社を持分法適用関連会社にしたことなどにより、特別利益727百万円及び特別損失666百万円を計上しました。非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は477百万円(前年同期比21.7%減少)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
(コラーゲン素材事業)
ゼラチンは、日本では菓子や総菜など食用の需要が順調に推移し、またインバウンド需要や規制緩和による機能性表示食品の発売など、健康食品が堅調であった為、カプセル用の需要も増え売上高が増加しました。北米では、食用は堅調に推移しましたが、一昨年来の健康食品のネガティブ報道の影響によるサプリメント市場は回復途上にあります。ニッタゼラチンインディアLtd.他2社の連結子会社化に伴う売上高の寄与3,489百万円もあり、ゼラチンの売上高は大きく増加しました。
コラーゲンペプチドは、生体調整機能などの良さが再認識され、健康食品向けが好調に推移し、また新たに一般食品へ採用されたことにより売上高は増加しました。
コラーゲンケーシングは、ドル高による北米での競争激化と北米からの輸出が減少したため売上高は減少し、利益は大幅に減少しました。
この結果、当該事業の売上高は27,686百万円(前年同期比20.6%増加)、セグメント利益は1,832百万円(前年同期比66.3%増加)となりました。
(フォーミュラソリューション事業)
食品材料は、製菓・デザート用の新規顧客開拓もあり、売上高は堅調に推移しましたが、利益は原材料価格の上昇により前年並みとなりました。
接着剤は、包装用が堅調に推移し、また衛生材料用は顧客が当社からの調達を再開したため売上高は増加しました。一方、製本用は市場の縮小により売上高は減少しました。利益はコストダウンに努めたことにより増加しました。
この結果、当該事業の売上高は9,199百万円(前年同期比2.7%増加)、セグメント利益は812百万円(前年同期比25.5%増加)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、当連結会計年度末には2,536百万円(前期比2.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は2,385百万円(前期は2,074百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,040百万円、減価償却費1,562百万円、仕入債務の増加額724百万円、段階取得に係る差損620百万円及び負ののれん発生益502百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は1,860百万円(前期は2,505百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,548百万円及び関係会社株式の取得による支出222百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は473百万円(前期は544百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,821百万円、長期借入金の返済による支出2,502百万円及び短期借入金の純減額544百万円によるものです。