有価証券報告書-第102期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 13:00
【資料】
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【項目】
120項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお本項に記載する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債及び収益・費用の計上等に関連しての種々の見積りを行っております。見積り及び判断は過去の実績や現時点で得られる今後の状況などの様々な要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
連結売上高は主に空調部品事業が伸長し、12,260,361千円(前年度比2.0%増)となりました。
② 営業損益
営業損益につきましては、売上高の増加により、前期比282,500千円改善し、営業利益318,532千円(前年度は36,032千円の営業利益)を計上しました。
③ 経常損益
経常損益につきましては、前期比108,824千円と大幅に改善したものの、営業外費用278,792千円、営業外収益32,785千円を計上した結果、経常利益72,525千円(前年度は36,299千円の経常損失)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純損益
親会社株主に帰属する当期純損益につきましては法人税、住民税及び事業税64,363千円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益15,078千円(前年度は241,240千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
価格競争や海外事業に潜在するリスクなど経済状況の変動を含め、様々な要因が挙げられますが、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合にはその対応に努める所存です。特に特定取引先への製品供給が大きな割合を占めており、かかる特定取引先への販売依存度を下げるため、国内外の新規取引先への営業体制を更に充実するなど、業績変動リスクの分散を図っていく所存であります。
(4)戦略的現状と見通し
当社では中期的な基本戦略を「強靭なコスト体質をベースに、顧客の用途や市場のニーズに最も適合した品質の
エレメント及びセンサ製品をタイムリーに開発し、最善の供給を行うことができる企業になる」と設定したうえ
で、グローバル市場を新興国と先進国とに大別してそれぞれについて以下の個別戦略をもとに事業を展開しており
ます。
新興国では、耐久消費財に対する旺盛な需要が中長期的に持続することが想定されます。特定用途の品質にお
いて当社の強みが明確にある製品群(自動車ではエアコンセンサ及び水温センサ、エアコンでは吐出管センサ)に
絞り込んで大量生産を行うことに加え、材料調達力の強化、及び自動化の推進によりコスト競争力を極大化し、新
興国市場における優位性を確保したいと考えております。一方、先進国では、低成長であるがゆえに先進的な技術
開発の成果が取り入れられた製品に需要が集中することが予想されます。先進的な技術開発(高温度サーミスタ、エコ関連センサ等)活動が重要であると認識しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で556,879千円獲得し、投資活動で391,897千円使用し、財務活動で196,655千円使用した結果、前連結会計年度末に比べて16,115千円減少し、391,577千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加427,295千円の資金減少要因に対し、減価償却費423,632千円及びたな卸資産の減少202,212千円等による資金増加要因により、556,879千円の獲得となりました。また、前連結会計年度との比較では、税金等調整前当期純利益が259,169千円増加したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の253,254千円の獲得に対し、556,879千円の獲得となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が393,994千円減少しましたが、定期預金の純増減額が168,000千円増加したことにより、前連結会計年度の533,374千円の使用に対して、391,897千円の使用となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が608,223千円減少しましたが、長期借入金の収入が964,247千円減少したことにより、前連結会計年度の378,730千円の獲得に対し、196,655千円の使用となりました。
② 財政状態
当連結会計年度における資産は、7,708,278千円となり前連結会計年度比484,904千円の減少となりました。これは主に有形固定資産等の減少によるものであります。
当連結会計年度における負債は、6,814,938千円となり前連結会計年度比583,734千円の減少となりました。これは主に長期借入金等の減少によるものであります。
当連結会計年度における純資産は893,340千円となり前連結会計年度比98,829千円の増加となりました。これは主に資本金等の増加によるものであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの主要製品であるサーミスタは、ユーザーである機器メーカーの技術革新のスピードが速く、それらメーカーの新製品の開発に追従して製品開発を継続的に行うことが可能な設計技術体制を強化する必要があります。
また、当社製品は、国内市場のみならず、グローバルに使用される製品であるため、日系メーカーの海外生産拠点及び非日系メーカーに対するサービス及びサポートが必要となっており、海外での技術営業力を強化する必要があります。これらを実現するためには、優秀な人材の確保と育成が最重要課題であると認識しております。
一方、財務面では、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあると認識しております。今後、引き続き当社グループは、収益力の改善による自己資本の充実に努める方針であります。