有価証券報告書-第11期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/29 15:30
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 企業統治の体制
イ.コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方
当社は、株主、顧客、取引先、提携先及び従業員等のステークホルダーから期待される継続的な成長、企業価値の増大、高付加価値の商品の提供、経営の安定化を実現するためには、コーポレート・ガバナンス体制をより強固にすることが必要不可欠であると認識しております。
具体的には、法令・定款等に準じて業務執行及び意思決定プロセスにおける有効性、効率性、緻密性及び牽制性の確保、不正・誤謬の防止及び遵法性の確保等に尽力する方針であります。
ロ.当該企業統治体制を採用する理由
当社は変化の激しい業界に属していることから、取締役会につきましては、業界や社内の状況に精通した社内取締役2名を中心とし、そこに、豊富な経営管理経験を有し、客観的・専門的見地からの助言が期待できる社外取締役1名を加え構成されております。これにより、迅速かつ的確で効率的な意思決定と、それに対する幅広い視野と客観性、公正性を併せ持った実効性の高い監督が実現できると考え、現在の体制を採用しております。
また、当社では社外監査役2名も含めた監査役会による監査体制が経営監視に有効であると判断し、監査役設置会社制度を採用しております。会社法第383条に基づき取締役会には監査役3名が出席しており、取締役の業務執行に関する監督を行うとともに適宜、提言及び助言などを行い、透明性のある公正な経営体制及び効果的にガバナンスが機能するよう努めております。
ハ.取締役会
当社は、事業環境の急速な変化に迅速に対応するため、毎月1回の定例取締役会及び、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、経営の基本方針や法令で定められた経営に関する重要事項を決定しております。取締役会では、各取締役の担当する業務の状況や利益計画の進捗状況等を含む取締役の業務執行状況の報告を詳細に行うことで、取締役間での相互牽制及び情報共有に努めております。取締役会は、3名で構成されており、そのうち1名は業務執行に携わらない社外取締役であります。当該社外取締役は、上場会社での経営管理の経験から、意思決定機関の運営に関する具体的な意見具申を行っており、経営監視機能の充実も図られております。
ニ.監査役会
当社は監査役会設置会社であります。監査役会は、監査役3名(うち非常勤の社外監査役2名)で構成されております。社外監査役は、長年の上場会社における経営管理業務に携わった経験から財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査役会は毎月開催されており、監査計画に対する監査の進捗状況、監査の結果報告及びこれらに対する監査役間での意見交換を行い、監査項目の網羅性を確保し、監査内容の精査を図っております。監査結果については、取締役へ報告するとともに、後日、指摘事項に対する改善状況の確認を行っております。
ホ.コンプライアンス委員会
当社は、企業の社会的責任を深く自覚し、日常の業務遂行において関係法令並びに社会規範を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践することを目的とし、コンプライアンス規程を制定し、当社のコンプライアンスの方針、体制、運営方法などを定め、四半期に1度コンプライアンス委員会を開催しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役を委員長とし、各取締役及び内部監査室長で構成され、コンプライアンスに係る取組の推進やコンプライアンスに関する研修等を実施しております。
ヘ.内部統制システムの整備状況
当社は、適切かつ効率的な業務運営を遂行するためには、有効な内部統制システムを継続的に整備・構築し、運用していくことが不可欠であると認識し、会社法第362条第4項第6号及び会社法施行規則第100条に基づき、平成21年12月16日開催の取締役会決議により、以下の通り内部統制システムの整備に関する基本方針を定め、業務の有効性、効率性及び適正性を確保する体制の整備・運用をしております。
<内部統制システム構築の基本方針>1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役は経営理念を率先垂範し、従業員への周知徹底、教育啓蒙を継続し、法令の遵守及び社会的要請への対応を最優先とする企業風土を醸成する。
(2)コンプライアンスに関する社内規程等に従い、担当責任部門は当社内の意思決定プロセス及び業務執行において、全社を横断する調査、監督指導を行う。
(3)取締役の職務執行状況は、監査に関する規程及び監査計画に基づき監査役の監査を受け、監査役は取締役に対し、必要に応じて改善を助言又は勧告する。
(4)取締役が他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合には、直ちに監査役及び取締役会に報告する。
(5)社長直属部門として内部監査業務を専任所管する部門(以下、「内部監査室」という。)を設けており、年度監査計画に基づいて専任担当者が監査を実施し、被監査部門に対する問題点の指摘、業務改善の提案、確認を行ない、その実現の支援を行うと同時に、内部監査の内容は、社長以下関係役員及び監査役にも報告され、経営力の強化を図る。
(6)事業毎に必要に応じて法律・会計等の外部の専門家を起用し、法令・定款違反行為を未然に防止する。
(7)金融商品取引法及びその他の法令への適合を含め、「法律、社会規範、社内ルール等の遵守」、「業務の有効性と効率性の向上」、「財務報告の信頼性の確保」、「資産の保全」を目的として、内部統制の仕組を整備、構築し、業務の改善に努める。
(8)会社情報の開示については、情報収集、開示資料の作成、開示手順、開示責任者等を定め、開示の正確性、適時性及び網羅性を確保する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)取締役の職務の執行に係る情報及び文書の取扱いは、法令及び社内規程等に定めるところにより、適切かつ検索性の高い状態で記録・保存・管理され、必要に応じて運用状況の検証、各規程等の見直し等を行う。
(2)機密性の高い情報はもとより、情報全般について、社内規程等に基づき、保存・管理する部門、責任者、取扱い者を明確にし、適切に管理する。
(3)情報セキュリティに関する基本方針、細則等を決定し、情報セキュリティに関する社内周知徹底を図る。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)リスク管理に関する規程・マニュアル等を制定及び改定し、当社の事業活動において想定される各種リスクに対応する組織及び責任者を定め、適切に評価・管理体制を構築する。
(2)不測の事態が生じた場合には、対策チーム等を設置し、情報開示を含む迅速な対応を行い、損害の拡大を防止する体制を整える。
(3)リスクマネジメントを担当する部門を明確にし、事業活動における各種リスクに対する予防・軽減体制の強化を図る。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)経営理念を機軸として、内外の環境を考慮し策定される中期経営計画に基づき、年度計画及び業務目標を明確にし、各業務を執行する。
(2)執行監督責任の明確化を目的として、取締役には社外取締役を含むものとする。
(3)社内規程等に基づき、各業務執行における責任者及びその権限等のルールを定め、効率的に職務の執行が行われる体制をとる。
5.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
(1)当社の内部監査室が、監査役の求めに応じて監査役の職務を補助する。
(2)監査役が補助者の採用を希望する場合は、取締役と監査役が意見交換を行い決定する。
6.前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1)監査役より監査役を補助することの要請を受けた内部監査部門の従業員は、その要請に関して、取締役及び上長等の指揮・命令を受けないものとする。
7.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
(1)常勤監査役は、取締役会の他、重要な意思決定プロセス及び業務の執行の状況を把握するため、重要な会議に出席するとともに、主要な決裁を求める書面その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役及び従業員にその説明を求める。
(2)取締役及び従業員は、監査役の求めに応じて速やかに業務執行状況を報告する。
(3)取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査役に報告する。
8.その他の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役会には法令に従い社外監査役を含み、公正かつ透明性を担保する。
(2)監査役、会計監査人及び内部監査部門は意見交換の場を持ち、相互の連携を図る。
(3)代表取締役と監査役は、相互の意思疎通を図るために定期的な会合をもつ。
(4)当社監査役会が独自に意見形成するため、会社と顧問契約を締結していない弁護士等、外部の専門家に相談ができる体制を確保する。
9.反社会的勢力を排除するための体制
(1)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨むとともに、一切の関係を遮断する。
(2)当社は、「反社会的勢力および団体の排除に関するポリシー」により、「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決します。」と宣言するとともに、反社会的勢力の排除に関する対応部署を設置し、反社会的勢力及び団体との関係を遮断するための取組支援、社内体制の整備、研修活動の実施、対応マニュアルの整備、外部専門機関との連携等を行っております。
当社の機関の体系図は、以下のとおりであります。
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ト.リスク管理体制の整備の状況
当社は、携帯コンテンツ配信事業、PCコンテンツ配信事業及びeコマース事業から構成される3つの事業を展開しており、管理すべきリスクも事業ごとに異なっております。このような状況において、顕在化したリスクに常時対処するだけでなく、潜在化するリスクを早期に発見できるようなリスク管理体制を充実・強化することは経営上の課題であると認識しております。
法令順守に関するリスク管理としては、法令等の施行に合わせて適時規程を制定・改定し、対象リスクの定義、担当部署及び管理手法を明確にしております。また、重要な契約・業務については、適宜、外部の弁護士、司法書士及び社会保険労務士等から指導・助言を受けております。加えて、リスクの防止及びリスクが発生した際の会社損失の最小化を図ることを目的とし、リスク管理規程を制定しております。
② 内部監査及び監査役監査
イ.内部監査
当社は、代表取締役直轄の独立組織として内部監査室を設置しており、内部監査室は内部監査室長1名を配しております。内部監査室は、従業員の業務状況について規程・マニュアル等の遵守性、法令等に照らした適法性等の観点から、1年間で社内の全部署に対して内部監査を実施しております。監査結果は、内部監査報告書をもって代表取締役に対して報告を行うとともに、各部署に対しては具体的な指摘事項及び問題点の通知を行っております。改善指示を受けた部署は、これらの原因分析を行うとともに、具体的な改善策を検討の上、改善計画書を作成し、内部監査室を通し代表取締役へ提出しております。また、内部監査室は、改善状況に関して再監査を行い、その結果を改善状況報告書として取りまとめ代表取締役へ提出しております。
また、内部監査室は、監査の充実及び効率化を図る目的で、監査役及び会計監査人と定期的に情報及び意見交換を実施しております。
ロ.監査役監査
監査役は、取締役会やその他重要な会議へ出席することによりコーポレート・ガバナンスのあり方やそれに基づき企業運営の状況を監視するとともに、常勤監査役を中心として、業務及び財産の状況調査等を行うことにより、取締役の業務執行を含む日常の業務内容を監査しております。監査役3名のうち2名は社外監査役であり、それぞれがこれまでに培った専門的経験を活かし、第三者的な観点より経営に関する監視、助言を行うことにより、監査体制の強化を図っております。
監査役は、取締役会に必ず出席し、意見または質問を述べるとともに、面談等により取締役から業務執行の状況について聴取や報告を受け、また、重要書類の閲覧等を行うことで、実行性の高い経営の監視に取り組んでおります。
また、監査計画に基づく監査の他に、会計監査人や内部監査室との情報交換を積極的に行い、監査の客観性、緻密性、効率性及び網羅性を高めるとともに、知識の共有も図っております。
③ 会計監査の状況
当社は、有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結しており、会計処理・決算内容等についての監査を受けております。業務を執行した公認会計士の氏名、監査継続年数及び所属する監査法人名は、以下のとおりであります。
業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 中塚 亨
指定有限責任社員 業務執行社員 下条 修司
(注) 継続監査年数につきましては、両名とも7年以内であるため、記載を省略しております。
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士2名、その他2名
(注) その他は、公認会計士試験合格者であります。
④ 社外取締役及び社外監査役
イ.社外取締役および社外監査役の員数ならびに当社との関係
当社の社外取締役は1名であります。また、社外監査役は2名であります。
社外取締役である皇達也と当社との人的関係、資本的関係、取引関係またはその他利害関係はありません。
社外監査役である織原新一及び今村肇と当社との人的関係、資本的関係、取引関係またはその他利害関係はありません。
ロ.社外取締役および社外監査役が企業統治において果たす機能・役割および選任状況に関する当社の考え方
社外取締役は、定時取締役会及び臨時取締役会に出席し、業務執行をしない社外の客観的な立場から経営判断に対する助言、代表取締役をはじめとする取締役会の監督をしております。
社外監査役は、定時取締役会、監査役会及び臨時取締役会に出席し、取締役の業務執行の監督をしております。
社外取締役については、多様な視点から取締役会の適切な意思決定、経営監督を図ることができるように配慮するとともに、独立性の確保の観点から実質的に独立性を有しない者は、原則として選任しない方針であります。当社と取引関係にある者を社外取締役とする場合には、利益相反が生じることがないよう、取締役会での手続きにより適正に対処し、複数の社外取締役を置くことにより公正な取締役会の意思決定を確保しております。
社外監査役は、独立性の確保に留意し、様々な分野について豊富な知見と見識を有する者から選任し、客観的な立場からの監査により企業の健全性を確保します。実質的な独立性を確保できない者は原則として社外監査役として選任しておりません。
ハ.社外取締役又は社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において常勤取締役より業務執行の状況について報告を受け、必要に応じて意見を述べることで取締役の業務執行における内部統制の有効性の確保と向上を図っております。社外監査役は、監査役会において常勤監査役から、内部監査、監査役監査及び会計監査の状況と結果について報告を受けるほか、必要に応じて取締役に対して業務執行の報告を求めるなど、内部監査、会計監査との連携を行っております。
内部監査室は、社外監査役を含む監査役との連携を持ち、意見交換および助言を得ており、また、社外監査役から内部監査室へ要求があった場合は、内部監査結果、内部統制状況など必要事項を報告しております。
⑤ 役員の報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員の区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数
(名)
基本報酬賞与
取締役
(社外取締役を除く。)
91,50061,50030,0003
監査役
(社外監査役を除く。)
8,6408,640-1
社外役員2,4002,400-2

ロ.提出会社の役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
ハ.役員報酬等の額の決定に関する方針
株主総会において決議された報酬総額の限度内で、各取締役の担当業務とその内容、経済情勢、従業員の給与額とのバランス等を考慮し、取締役会の決議により報酬額を決定しております。また、監査役の報酬額に関しましては、監査役会で協議の上、決定しております。
⑥ 株式の保有状況
A.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
該当事項はありません。
B.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
該当事項はありません。
C.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
⑦ 取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨を定款に定めております。
⑧ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することのできる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議をもって行う旨を定款で定めております。
また、取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款で定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とし、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が参加し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
⑩ 株主総会決議事項のうち、取締役会で決議することができる事項
イ.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮することができよう、会社法426条第1項の規定により取締役会の決議をもって、取締役(取締役であった者を含む。)、及び監査役(監査役であった者を含む。)の当社に対する会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令が定める範囲で免除することができる旨を定款に定めております。
ロ.中間配当の決定
当社は、機動的な株主への利益還元を実施できる体制の確保のため、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当)が行える旨を定款に定めております。