有価証券報告書-第9期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:53
【資料】
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【項目】
106項目

対処すべき課題

当社グループは「幼・青・老の共生」をコンセプトとして、「幼年~青年~老年、共に楽しく過ごせる社会作り」を目指し、介護施設やカラオケ店舗の運営を中心とした事業展開を図っております。
今後は、更なる広域展開を志向し、当社グループのコンセプトやブランドイメージを全国的に定着させるべく、各事業子会社、各事業セグメントにおける対処すべき課題を適宜精査し、その都度適切な対応策を講じてまいります。
当社グループとして、現在事業の拡大・推進にあたり重要な課題として認識している事項は、以下のとおりであります。
(全社)
① 人材育成の方針
当社グループの属する介護業界、カラオケ業界及び飲食業界では慢性的に労働力不足の問題を抱えております。当社グループにおきましては、対応策として採用に力を入れるのはもちろんですが、OJTを中心とした技術指導だけではなく、従業員研修制度に基づく各種取組みにおいて個々の成長をフォローし、職責や当社グループに対するロイヤリティーを高めることで定着率の安定化をはかってまいります。
② 管理体制の強化
当社グループとして、今後事業規模を拡大していくにあたり、人材の育成とともに管理体制を強化し、企業統治をより機能的に行っていくことが重要であると考えております。当社グループにおいては、管理・統制機能を担う各管理部門および経営企画室を持株会社である当社に集約し、企業グループとして一体的な管理ラインを構築・運用することで、正確かつ効率的な企業統治に努めております。
(介護事業)
① 事業展開地域の拡大
当社グループは、九州を中心に介護施設および事業所を展開してまいりましたが、事業の中心たる介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)については、介護保険施設等にかかる総量規制の対象となっていることから、従来以上にスピード感をもって新規開設を図るべく、全国の自治体による公募に参加し、開設の認可を得られるように努めると同時に、業界再編に伴う既存施設のM&A案件の情報等も積極的に収集するなどして、事業規模拡大の方策を検討してまいります。なお、全国各地域を対象として考えておりますが、当該地域における事業展開の将来性を判断するにあたり、高齢者の居住状況や同業他社の有無、運営状況については、十分に調査を行っております。
② 接遇レベルの向上
当社グループの介護施設の入居者のほとんどの方が要介護認定者であり、そのような方々に快適な生活を提供するためには、自立支援の観点を持ち、過剰なサービスとならないために配慮することが不可欠であり、その見極めには知識や経験、正しい情報が必要となります。それらを適切に行っていくためにも、自社の研修制度を充実させ、それらを通じて、従業員の能力向上をはかるとともに、本質的なサービスの質の向上を果たし、少しでも多くの入居者の満足感や信頼が得られるように努めております。
③ 施設レベルの向上
介護施設において、利用者に安心、安全にお過ごし頂くためには、介護職員による接遇レベルの向上のみならず、施設の安全性や信頼性を確保する必要があります。当社グループでは、災害時を想定した防災訓練の実施や、日々のクリンリネスの徹底、厨房の衛生検査の実施などにより、安全、衛生管理に取組んでおります。また、介護事業においては、介護保険法や老人福祉法をはじめとする関係法令の周知は不可欠であることから、研修委員会等を通じて知識や技術指導を行うとともに、コンプライアンス委員会主導の下、コンプライアンス推進会による法令全般に係る指導の徹底に努めております。
④ 有資格者の確保
介護サービスの提供にあたり、看護師やケアマネジャー、介護福祉士等の有資格者の確保は不可欠であり、法令遵守の観点からも、有資格者の安定した雇用は重要な課題であると考えております。当社グループでは、有資格者の採用にあたって、知識・経験等を十分に考慮するとともに、入社後においても、能力や実績に応じて適宜待遇面の見直しを行うなどして、安定的な採用と定着率の向上を図っております。
(カラオケ事業)
① 遠隔店舗の店舗力強化
当社グループのカラオケ事業は、福岡県を中心とした九州・山口地区から三重県、滋賀県、広島県、東京都、兵庫県、茨城県、静岡県、神奈川県への進出を果たし、広範囲に渡る地域展開への足がかりをつくってまいりましたが、新規に参入した遠隔地域における店舗のブランドイメージ定着、収益確保には時間を要する現状があります。このため、今後全国展開を推進するにあたり、屋号である「コロッケ倶楽部」の知名度の向上を図る必要性を感じており、積極的な宣伝活動の推進や、地域の競合他社や顧客の情報収集をこまめに行うことで、客観的に店舗のサービス力、商品力を評価し、迅速に見直しを行う体制の構築に努めてまいります。
② 競争激化と他社との差別化
カラオケ各社の方針として、当社グループと同じく都心、駅前および繁華街立地への出店を中心と考える傾向が高まっており、各地域での競合が激化する傾向にあります。当社グループとしては、繁華街立地で見込みやすい宴会需要に対して、コースメニューを充実、飲み放題・歌い放題プランの種類を増やすなどして他社との差別化を図っております。
(飲食事業)
① 競争激化と他社との差別化
国内飲食業界においては、顧客の消費意欲の減退に伴い競争が激化しており、今後もその状態が継続すると考えられます。当社グループにおいては、競争力のある商品力、サービス力、価格設定等を随時検討するとともに、既存店舗の業態変更やリニューアルを行うなどして、対応策を講じてまいります。また、日本食の需要の高い海外での店舗展開についても引き続き検討してまいります。
② 商品力、接客の強化
当社グループでは、顧客のニーズを汲んだ商品提供を適時に行うために、料理長会議を月一回実施しており、既存商品のブラッシュアップや新商品の開発に取組むとともに、品質や安全性について研鑽を積んでおります。また、接客についても、積極的な採用活動による優秀な人材の確保と教育・研修を通じたサービススキルの向上を図っております。
③ 衛生管理の強化
衛生上の事故を予防し、顧客の信頼を保つことは、飲食事業を継続的に運営する上での前提となります。当社グループでは、専任の環境パトロール担当者を設置し、クリンリネスのチェックを行っている他、カラオケ事業を含めた全店舗において外部業者による定期的な衛生検査を導入しており、客観的な検証を通して衛生管理の精度の向上に努めております。