有価証券報告書-第12期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/26 15:50
【資料】
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【項目】
105項目

事業内容

当社グループは、当社及び連結子会社により構成されております。当社グループの主たる事業は、医療アシスタンス事業及びライフアシスタンス事業であり、連結子会社は、主に医療アシスタンス事業を行っております。医療アシスタンス事業とライフアシスタンス事業はセグメント情報の区分と同一です。
当社グループが行っているアシスタンスサービスは主に国境をまたいだ環境におられるユーザーに対するサービスで、海外での問題を解決するサービス(医療アシスタンスサービス)と海外での生活をより楽しくするサービス(コンシェルジュサービス、当社のセグメントではライフアシスタンス事業)の両サイドをご提供しています。
[事業系統図]
当社の主な事業内容を系統図によって示すと、以下のとおりです。
0101010_001.jpg※ 当社及び海外センターがユーザーに対し直接アシスタンスサービスを提供することが基本となります。海外サービス提供者(海外プロバイダー)を使用する案件に限り、海外サービス提供者に対する当社からの業務の指示・コントロール、及び実費・委託料の支払いが発生します。
※ 医療アシスタンスサービスの提供主体(当社または海外センター)は、電話発信があった地域・時間などにより変わります。
※ 海外センターのうち、イギリスセンターは2014年から当社の事業所となっております。
※ 後述する(2)自社展開のアシスタンスサービスの提供のうち、③ 官公庁受注に関する医療支援サービスはこの図には含まれておりません。
当社グループの事業内容は次のとおりです。
[医療アシスタンス事業]
医療アシスタンスサービスは、海外旅行や海外駐在、海外渡航中に病気や怪我をされたユーザーが、自国にいるときと比べて不自由なく必要な医療を受けられるように手配し、ご支援するサービスです。当社の世界各国に及ぶ医療機関・医療関係者とのネットワーク網や搬送飛行機会社等の各種海外サービス提供者を活用して、国や地域を問わず、海外での受診に必要となる様々な手配を行います。例えば、アフリカやアジアの僻地にユーザーがおられる場合でも、受診が可能な地域まで航空機などを使用し搬送を行う手配をいたします。また、重症の場合は日本人医療者が現地まで出向き、日本人医療者の付き添いのもと日本まで帰国搬送をいたします。
医療アシスタンス事業は(1)海外旅行保険の付帯としてのサービス提供(損害保険会社からの受託による医療アシスタンスサービス)と(2)自社展開のアシスタンスサービスの提供に分かれます。
(主な関係会社)
当社及びEmergency Assistance Japan (U.S.A.), Inc.
Emergency Assistance Japan (Singapore) Pte. Ltd.
北京威馬捷国際旅行援助有限責任公司
Emergency Assistance Thailand Co., Ltd.
Emergency Assistance Bangladesh Co., Ltd.
(1)海外旅行保険の付帯としてのサービス提供
損害保険会社のサービス規約に従い、海外旅行保険加入者(被保険者)が自国外において被った怪我や病気に対して、電話での対応から受診支援、搬送に至るまでの医療に関する様々なアシスタンスサービスを損害保険会社から受託しております。当事業においては、損害保険会社より、年間契約料収入と対応件数に応じた収入を得ております。
当社では、電話発信の時間・地域ごとに当社ないし5つの海外センターにて電話受付及びサービス提供を行っており、東京本社(当社)においては、海外センターの業務時間外の受電対応に加え、重症者への対応や入院・搬送(帰国を含む)といった高度なコーディネートを専門部署が損害保険会社と連携を密にしながら24時間体制で行っております。
海外旅行保険の付帯としてのサービス提供における、標準的なサービス提供の流れを図示すると、以下のとおりとなります。
0101010_002.png(2) 自社展開のアシスタンスサービスの提供
自社展開のアシスタンスサービスとして、以下のものがあります。
① 事業法人向けアシスタンスサービス
海外展開している事業法人や官公庁との直接契約で海外駐在者、海外渡航者の医療支援を含めた危機管理と危機対応に関するサービスを提供しています。現地の医療状況の調査や予防接種、健康診断の手配、病気の際の受診等の様々な医療サービスのコーディネートや旅行保険が効かない際の支援、危機管理情報の提供など、企業が海外にいる自社の社員及び家族に提供するべきサービスを企業担当者と連携をとりながら、海外での企業の安全配慮義務や従業員満足度向上政策にそった広範囲な対応を幅広く行っております。契約企業より年間契約料収入及び対応件数に応じた収入を得ています。
なお、当サービスは、海外旅行保険の付帯としてのサービスとは異なり、保険適用に関係なくコーディネートを行うアシスタンスサービスであります。
② 留学生危機管理サービス
海外留学する学生の危機管理として、医療支援をはじめ、連絡が取れない場合や行方不明時の捜索、海外生活における身近な問題の解決支援など、広く留学生活を支援するサービスです。契約大学より年間契約料収入、留学生数、対応件数に応じた収入を得ています。
③ 官公庁受注に関する医療支援サービス
官公庁から東アジア国家に対する第二次世界大戦の一連の事後処理事業に関する医療支援サービスを受託しています。この事業は日本と東アジア国家との覚書に基づき長期間に亘って行われる予定であります。当該サービスは官公庁からの業務受託料を収入としております。
④ 国際医療交流支援サービス
政府は日本の医療の国際展開を強く推進しています。
当社は経済産業省が主導する国家戦略プロジェクトである国際医療交流事業に係るサービスを、国内大手シンクタンクを通じ受託しています。具体的には、外国人患者と日本の医療機関とのマッチングや医療通訳の派遣など一連の受入手配業務を行っております。
また、この受託業務と並行し、国が定める医療滞在ビザの身元保証機関の登録第1号企業として、医療ビザの手配、国内医療機関とのマッチング、医療通訳派遣等国内医療機関で治療等を受ける外国人に対する一連のコーディネートサービスを自社で展開しております。
⑤ セキュリティ・アシスタンスサービス
経済のグローバル化に伴い、日本企業の海外進出が増加する中で、海外在勤者及び渡航者が現地で遭遇するセキュリティ・リスクが、多様化・複合化・巨大化しており、専門家による危機管理体制の構築が求められております。
当社は2013年9月から、業務提携関係にあるHill & Associates社(H&A)(※1)とアジア地域におけるセキュリティ・アシスタンス商品を開発し、販売しております。海外医療アシスタンスを通じて培われた当社の危機対応能力とH&Aのセキュリティ・リスク・マネージメント、セキュリティ・リスク・インテリジェンスそしてセキュリティ危機対応に係る能力を融合し、セキュリティ・リスク・ソリューションの新たな選択肢を提供します。
具体的には、契約企業は当社の本社アラーム・センター内に設置する24時間365日稼働のセキュリティ回線にアクセスし、サービス提供対象国におけるセキュリティ関連事案に関して、より詳しい情報やアドバイスを現地事情に精通するセキュリティ・プロフェッショナルから受けることができます。(※2)
また、契約企業の担当者にサービス提供対象国で発生するセキュリティ関連事件(内戦、革命、クーデター、政変、暴動、テロ、重大犯罪、重大事故等)の内容及び対応のためのアドバイスを簡潔かつ迅速に日本語でEメール配信します。
またオプションで現地の治安状況が悪化した際の最寄りの安全適地への緊急国外避難を支援するサービスも提供いたします。
(※1)Hill & Associates社(H&A)はアジアを主要事業地域として、その域内14カ国に拠点を有する国際的ビジネスリスクインテリジェンス及びリスクコンサルティング/クライシスオペレーション会社です。
(※2)情報やアドバイスを提供するセキュリティ・プロフェッショナルはH&Aの各国のコンサルタントで英語に
よる提供となります。但し、会議通話による日本語通訳の提供が可能です。
[ライフアシスタンス事業]
ライフアシスタンス事業では、現在クレジットカード会社からカード会員に対するコンシェルジュサービスを受託しております。
当該事業で提供しているコンシェルジュサービスとは、医療アシスタンスサービスが病気、怪我をはじめとした緊急事態に対応するサービスであることに対して、「より気持ちよく、より楽しい」海外での生活を楽しんでいただくためのお手伝いをするサービスです。
当該事業は、クレジットカード会社からの年間契約料収入を主たる収入としています。