有価証券報告書-第16期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/28 12:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
101項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
①会社の経営の基本方針
当社グループのサービスは日本人の視点に立った、細やかな「ジャパンスタンダード」のアシスタンスであり、グローバル化が進む中では日本人のお客様のみならず世界のお客様へ一人一人の気持ちになって真に求められているサービスを提供していく必要があります。
グローバル化の進展に伴い、当社グループが提供するサービスすなわちアシスタンスへの需要は今後も増加するものと考えております。それは一方では当社グループのお客様が世界のあらゆる場所で活躍される機会が増え、慣れない場所での自然災害やパンデミック、テロなど予期しない出来事に遭われる可能性が高まることを意味します。このような事態に迅速に対応するために、世界の隅々までサービスを提供できるオペレーション能力の向上とサービス体制の構築が必要であると考えます。
そのため、変化に対応できる柔軟な組織体制の構築とサービスのより一層の質の向上のための設備投資及び社員教育を行ってまいります。
「アシスタンスでお客様の世界を広げる」を合言葉として、さらなる規模の拡大を目指してまいります。
②中長期的な会社の経営戦略
成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体
質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の施策により業績の向上に邁進してまいります。
[医療アシスタンス事業]
当社グループは、引き続き主力事業である海外旅行保険およびクレジットカードの付帯としてのアシスタンス事業の拡充を目指してまいります。引き続き顧客への世界最高品質のサービス提供を追求することで、顧客満足度の向上を図り、高い信頼を得ることが目標です。加えて医療アシスタンス事業では国内外の医療機関とのより一層の関係強化を図り、顧客に対して信頼性が高くよりきめ細かいサービスを提供していきます。
また、法人・大学がグローバル化を推し進め、駐在員や留学生が増加する中で、海外で事故や病気になる件数が増加しており、医療アシスタンスサービスに対する需要は増加しております。
また、医療アシスタンスだけでなく、昨今のテロやデモ・暴動など、世界各国において多様化、高度化、複雑化するセキュリティ・リスクへの対応が求められており、セキュリティ分野においても当社サービスを提供することで企業様のニーズに対応し、医療アシスタンスとセキュリティアシスタンスを合わせたトータルリスク管理を支援していきたいと考えております。
日本の医療の国際展開事業においては外国人患者の受入支援事業を中心に着実な売上増加を見込んでおります。当社は「医療渡航支援企業」に認定され、「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ」の中の多くの医療機関が利用する「医療渡航支援企業」にも指定されていることで認知度および信頼性が向上しており、訪日医療患者の数も堅調に推移することが予想されます。
また、円安基調及び2020年までに訪日外国人を4,000万人にするという政府の目標を背景とした訪日外国人の増加、外国人を実際に受け入れている医療機関の増加という環境を生かして、これらの人々へのアシスタンス提供事業でも万全の処理体制を構築し、更なるビジネス拡大を図りたいと考えております。
[ライフアシスタンス事業]
そして、ライフアシスタンス事業については、これまでに培ったノウハウや既存顧客から獲得している高い信用を生かし、高品質のサービス提供を武器に事業拡大を進めます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、配当について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、安定配当の継続に努めてまいります。
(3)経営環境及び対処する課題
平成31年度の当社の事業環境を展望すると、訪日外客数の急増を受けて、インバウンドの医療アシスタンス体制整備が緊急の課題となりつつあります。行政機関、医療機関、企業等からインバウンド関連の新たな事業ニーズが数多く寄せられており、国内の医療機関との間で強固なネットワークを保有する我々の果たすべき役割は大きなものとなっています。こうしたインバウンド関連の新規事業の開拓が今年の第一の課題です。
また、既存事業分野でも、海外に出国する日本人旅行者等は増加傾向にあり、海外における活動を強化しつつある企業や大学等からの需要もますます高まる傾向にあります。この期待に応え、大きなニーズを当社の事業として確実に取り込み、売上高で大きな成長を達成するとともに、業務品質の向上と効率化の両方を徹底して進め、一層の高収益体質を構築しなければなりません。そのためには、従業員のやりがいを高め、快適な職場環境を作り、活気あふれる企業風土づくりを進めなければなりません。
以上のような基本認識のもと、今年度は下記のような重点事業目標を掲げて、事業推進に取り組んでまいります。
<重点事業目標>(1)新規インバウンド医療アシスタンス事業の獲得と訪日外国人診療体制整備事業への貢献
(2)その他インバウンド事業をはじめとした新規事業の開拓・獲得による事業拡大
(3)既存事業の売上拡大
①海外旅行保険付帯医療アシスタンス事業売上の拡大
②国際医療コーディネートサービスの拡大
③コーポレート契約の大幅増
(4)全グループあげての業務プロセス見直しの継続
(5)海外センターの自立推進
(6)従業員のやりがいを高める仕組みの構築