有価証券報告書-第4期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 10:16
【資料】
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【項目】
105項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

本項に記載した将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。具体的には、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号) 並びに同規則第46条及び第68条の規定に基づき、「金融商品取引業等に関する内閣府令」(平成19年内閣府令第52号)及び「有価証券関連業経理の統一に関する規則」(昭和49年日本証券業協会自主規制規則)に準拠して作成しております。
なお、連結財務諸表の作成に際しては、貸倒引当金、賞与引当金、繰延税金資産の計上等について重要な判断や見積もりを行っておりますが、前提となる条件、仮定等に変化があった場合などにはこれらの見積もりが実際の結果と異なる場合があります。
(2) 経営成績に関する概況
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。また、将来の経営成績に影響を与える可能性がある要因等については「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」及び「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(3) 財政状況の分析
当連結会計年度末における資産合計は465,709百万円(前期末比112,335百万円の増加)、負債合計は445,397百万円(同111,774百万円の増加)、純資産合計は20,312百万円(同560百万円の増加)となりました。
当連結会計年度末における、各項目の状況は次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は462,311百万円(前期末比112,807百万円の増加)となりました。これは、主に顧客資産の増加に伴い、預託金が238,040百万円(同44,079百万円の増加)となったこと、現金及び預金が37,779百万円(同13,199百万円の増加)となったこと、市況の影響により信用取引資産が124,119百万円(同35,918百万円の増加)、短期差入保証金が36,272百万円(同10,794百万円の増加)となったことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は3,398百万円(前期末比472百万円の減少)となりました。これは、主に建物、器具・備品、リース資産などの有形固定資産が996百万円(同575百万円の減少)となったこと、ソフトウエア等の無形固定資産が1,452百万円(同55百万円の増加)となったことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は439,706百万円(前期末比111,575百万円の増加)となりました。これは、主に顧客資産の増加により受入保証金が237,829百万円(同38,789百万円の増加)、預り金が29,006百万円(同10,074百万円の増加)となったこと、市況の影響により短期借入金が43,800百万円(同19,716百万円の増加)、信用取引負債が112,979百万円(同35,735百万円の増加)、発行済みの劣後債の償還期限が1年内になったことにより1年内償還予定の社債が2,000百万円(同2,000百万円の増加)となったことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は3,596百万円(前期末比309百万円の減少)となりました。これは、主に新規の劣後債発行により社債が2,600百万円(同600百万円の増加)となったこと、借入金の返済により長期借入金が840百万円(同691百万円の減少)となったことによります。
(特別法上の準備金)
当連結会計年度末における特別法上の準備金は2,094百万円(前期末比508百万円の増加)となりました。これは、株式取引などの増加により所要準備額が増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は20,312百万円(前期末比560百万円の増加)となりました。これは、主に配当金の支払いにより資本剰余金が1,425百万円(同4,509百万円の減少)となったこと、当期純利益の計上により利益剰余金が17,421百万円(同4,855百万円の増加)となったことによります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、顧客からの預り金や信用取引、FX取引等に係る保証金及び証拠金の入出金と顧客分別金信託及び顧客区分管理信託への入出金との差によるもの、信用取引買付代金の顧客への貸付、店頭FX取引におけるカウンターパーティーとのカバー取引に係る差入保証金などが挙げられます。これらの資金需要には、自己資金によるほか、金融機関からの個別の金銭消費貸借契約に基づく借入金、差入保証金の代替として支払承諾契約に基づく保証状のカウンターパーティーへの差し入れ、コミットメントライン契約及び当座貸越契約に基づく借入金を中心に対応しております。取引の規模等が前連結会計年度から大きく増加しておりますが、上記のコミットメントライン及び当座貸越枠等により十分な借入枠を確保しており、資金需要への対応には問題がないものと判断しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5) 会社の経営の基本方針及び中長期的な会社の経営戦略について
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、金融及びインターネットビジネスにおける技術力を競争力の源泉として、次に掲げる理念を基に、取引コスト含む顧客利便性の高いサービスを提供する「インターネット総合金融グループ」を目指しております。
(企業理念)
“金融サービスをもっとリーズナブルに もっと楽しく自由に”
既存の概念に囚われず、仕組みを変えることで、 お客様にとって本当に価値のある金融サービスを提供し続ける。
主要事業であるインターネット証券事業においては、現物取引手数料の引き下げ、信用金利の引き下げ、大口信用取引「VIPプラン」の導入、店頭FX取引事業においては、取引スプレッドの縮小の実施、スマートフォン専用アプリの開発等取引環境の継続的な改善、セミナーの開催等により、取引コストを含む顧客利便性の向上を図ってまいりました。
今後もグループ各社の強みを活かして、お客様の多様なニーズにお応えし、総合的な金融サービスをご提供できるよう取扱商品の充実に取り組むとともに、さらに、より使いやすく、より利便性の高い最先端の取引システムと革新的なサービスを提供するために邁進してまいります。
② 中長期的な会社の経営戦略
a.店頭外国為替証拠金取引シェアの更なる拡大
当社グループのGMOクリック証券は平成23年第2四半期から、店頭FX取引において取引高世界第1位を維持してきておりますが(Forex Magnates社調べ)、業界内における既存プレーヤーのポジションが流動的であるため、当社グループとしては、引き続き店頭FX取引事業に対し重点的に経営資源を投下することで、同事業におけるリーディング・カンパニーとしての地位を確固たるものとし、シェアの更なる拡大を図っていく方針であります。
b.信用力及びブランド力の強化
当社グループは、有価証券関連業においては、他の大手ネット証券と比較し、業界への参入が遅かったこともあり、認知度が相対的に低い状況にあると認識しております。ネット証券の取引層は一般的には取引コストに対する価格感応度が高いため、当社子会社のGMOクリック証券の手数料水準を勘案しますと、当社グループの信用力、ブランド力にも一因があると考えております。当社グループは、日々の事業運営を着実に行うとともに、信用力及びブランド力の向上を図り、顧客基盤を拡大してまいります。
c.新たなインターネット金融事業の展開
当社グループは、「インターネット総合金融グループ」を目指しており、国内の個人投資家に対するオンラインでの証券・FX取引等の提供による収益基盤をベースに、新たなインターネット金融事業へと事業領域を拡大することを目指しております。