有価証券報告書-第5期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 14:20
【資料】
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【項目】
112項目

事業内容

当社グループは、当社及び連結子会社であるGMOクリック証券株式会社(以下、「GMOクリック証券」といいます。)、株式会社FXプライムbyGMO(以下、「FXプライム」といいます。)、GMO-Z.com Forex HK Limited、GMO-Z.com Trade UK Limited、GMO-Z.com Bullion HK Limitedの合計6社で構成されており、日本、中国(香港)及び英国の3つの地域において事業を展開しております。また、当社グループは、GMOインターネット株式会社を中核とした企業グループ(以下、「GMOインターネットグループ」といいます。)におけるインターネット証券事業を担っており、GMOインターネット株式会社は当社の親会社に該当します。なお、GMOインターネットグループにおいて当社グループ以外ではインターネット証券事業は行われておらず、グループ内での競合関係はありません。
当社グループは、一般投資家(個人顧客及び法人顧客)に対する有価証券取引やFX取引等の金融商品取引サービスをインターネット上で提供することを主たる事業としており、金融商品取引業を単一の報告セグメントとしております。
当社グループの中核的子会社であるGMOクリック証券では、株式の現物取引及び信用取引、店頭FX取引、取引所FX取引、株価指数先物・オプション取引、外国為替バイナリーオプション取引、店頭CFD取引等の金融商品を提供しております。FXプライム及び海外子会社3社においては、店頭FX取引又は店頭CFD取引等を提供しております。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については、連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
当社グループの事業系統図は、下記のとおりであります。
[事業系統図]

(1) 有価証券関連業
当社子会社であるGMOクリック証券においては、国内の金融商品取引所に上場されている株式等の有価証券取引に係る注文について、顧客から売買の委託を受け、国内金融商品取引所に取次を行っております。
株式取引においては、顧客の有する金銭又は有価証券を用いて行われる現物取引と顧客が委託保証金を証券会社に担保として預託し、取引に必要となる資金又は株券を証券会社から貸付を受けることにより行われる信用取引の2種類の取引があり、現物取引及び信用取引に係る売買委託手数料と信用取引に係る金利、貸株料の金融収益が同社の主な収益となります。
(2) FX取引業
FX取引には、顧客からの注文を金融商品取引所に取り次ぐ「取引所取引」と顧客との間で自己が取引の相手方となって取引が行われる「店頭取引」の2種類の取引形態がありますが、当社グループにおいては、当社グループ各社が顧客の取引の相手方となる店頭FX取引を提供しております。GMOクリック証券においては、店頭取引に加えて取引所取引を取り扱っております。
① 取引の概要について
FX取引は、外貨預金や外貨建てMMFと同様に外貨運用の一種ですが、証拠金と呼ばれる担保を差し入れることで、少ない資金でレバレッジを効かせた取引や顧客が保有しない通貨の売りからの取引が可能となっています。一方で、相場が顧客の期待と反する方向へと動いた場合には証拠金以上の損失が生じる場合もあるハイリスク・ハイリターン型の金融商品です。
当社グループ各社で提供している店頭FX取引は、外国為替取引のスポット(直物)取引です。スポット取引は通常取引日(約定日)から起算して3営業日目が受渡日となりますが、当社グループ各社は、営業日の終了時点で顧客が反対売買を行っていないポジション(外国為替持高)は、その受渡日を更新することで決済日を繰り延べ、反対売買時に差金で決済(新規建て時の約定価格と決済時の約定価格の差額により取引損益を清算すること)が行われるロールオーバー方式を採用しております。これにより顧客は、決済期限なく任意の期限までポジションを保有することが可能になっています。
なお、このロールオーバーの際、取引通貨間の金利差であるスワップポイントの授受が行われ、高金利通貨を買っている場合はスワップポイントを受け取り、高金利通貨を売っている場合はスワップポイントを支払います。上記の仕組みから、顧客は、外国為替証拠金取引において、キャピタルゲイン(売買差益)とインカムゲイン(金利差益)が期待できます。
a.取引の仕組みについて
当社グループでは、GMOクリック証券が他のグループ各社(FXプライムを除きます。)に対して、為替レートの提示を行い、また、グループ各社からのカバー取引(顧客との取引の結果生じる市場リスクを回避するために行うヘッジ取引)を受託しております。GMOクリック証券及びFXプライムは、インターバンク市場に参加しているカバー取引先金融機関(カウンターパーティー)から提示される最新の取引価格を参照して、顧客向け取引レートを算出しております。
当社グループ各社は、売値(顧客にとっての買値)と買値(顧客にとっての売値)のレートを同時に提示する2ウェイプライス方式を採用しており、顧客はこの提示されたレートに基づき取引を行います。この売値と買値の差は「スプレッド」と呼ばれ、顧客にとっては取引コストに該当します。当社グループでは、スプレッドを原則固定で提供しておりますが、市場の流動性低下や相場急変時にはスプレッドが拡がる場合があります。
また、顧客との間で取引が成立すると、当社グループ各社には外国為替の自己ポジションが発生しますが、このポジションは他の顧客との売買で相殺するか(一部会社を除きます。)、カウンターパーティーとの間でカバー取引を行うことで、為替変動リスクを回避しております。
[カバー取引イメージ図]

b.サービス内容の比較について
当社グループは、日本国内においてGMOクリック証券とFXプライム の2社が店頭FX取引を提供しておりますが、主な違いは、顧客層にあります。GMOクリック証券がFX取引の中上級者を主要なターゲット顧客層としているのに対し、FXプライムは初心者層をターゲット層としております。そのため、GMOクリック証券が高機能な取引ツールの提供や業界最狭水準のスプレッドの提供に力を入れアクティブトレーダーが取引しやすい環境を提供している一方、FXプライムは、1,000通貨単位からの取引やシステムトレードの提供、自社アナリストによるアナリスト・レポートやセミナー(対面・動画)の開催等の投資情報の提供に注力し、初心者が取引を開始しやすい取引環境を提供しております。
② 収益構造について
当社グループ各社は、顧客及びカウンターパーティーとの取引における為替レートの差額(スプレッド)を、トレーディング損益として計上し、これが店頭FX取引の主たる収益となっております。下記の売買取引例では、当社グループ各社が、①顧客からの買い注文に対して発生した自己の売りポジションを、②他の顧客からの買い注文とのマッチングと③カウンターパーティーとの間のカバー取引により解消することで為替リスクを回避しております。これにより、以降の為替リスクをヘッジすると同時に、売り値段と買い値段の差額((100.03円-100.00円)×6万米ドル)+(100.03円-100.01円)×4万米ドル)=2,600円)を収益として計上することができます。
また、スワップポイントにおいて、カウンターパーティーから当社グループ各社へ受払が行われるスワップポイントと当社グループ各社がそれぞれの顧客との間で受払を行うスワップポイントの差額が当社グループ各社の収益となり、トレーディング損益に計上されます。
[収益構造イメージ図]

なお、GMOクリック証券においては、ロスカット制度(顧客の新規取引以降反対売買取引を行うまでの間に顧客の損失が拡大し、顧客の口座における証拠金維持率が当社グループ各社の定める水準を下回った場合に自動的に反対売買を行う仕組み)及び追加証拠金制度により強制決済を行った場合(原則として毎営業日のニューヨーククローズ時点の顧客ごとの外国為替証拠金取引口座全体の証拠金及び損益の状況に基づき、顧客の口座における証拠金維持率が当社グループ各社の定める水準を下回った場合に追加証拠金が発生し、顧客が期日までに入金もしくは決済により追加証拠金を解消しなかった場合には、全建玉の強制決済が執行される仕組み)、ロスカット手数料を徴収しております。