有価証券報告書-第105期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 10:22
【資料】
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【項目】
158項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確定要素が内在しておりますので、実際の結果と異なる場合があります。
(1)業界動向・業界環境の激変、業界として直面している課題等による影響について
自動車関連資材及び水処理関連資材については、自動車生産台数・保有台数や水処理プラントの設備投資動向の影響を受けます。近年、新興国の経済発展に伴い、その地域における現地需要がますます高まってきておりますが、経済状況の悪化などを原因として、これらの需要が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、低価格品の納入要求が継続するなか、要求を受け販売価格が低下した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)強力競合先の存在又は有力な新規参入の増加について
自動車関連資材については、エンジン用濾材の分野では欧米、アジア、日本に、クラッチ板用摩擦材の分野では米国、日本に競合先が存在します。また、水処理関連資材については、日本、米国に競合先が存在しますが、世界的な水不足問題などを受け水処理市場全体は今後も成長を続けると見込まれるため、引き続き新規参入の増加が考えられます。
以上の状況において、競合他社や新規参入との価格競争が激しくなることで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原燃料の調達について
当社グループは主要な原材料である木材パルプ、リンターパルプなどを北米や南米などの海外から調達しております。これらの原産国における自然災害、不作、港湾ストなどの動乱、その他の事象により原材料が一時的あるいは長期にわたって調達難となった場合や、市場での急激な需要増加などによる原材料価格の上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、原油を原料としたポリエステル繊維や合成パルプなども主要な原材料として調達し、生産工程においても重油及びガスを使用しております。そのため、原油価格が高騰した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)設備投資について
当社グループは機能材料の製造・販売を主要な事業としておりますが、その製造工程ならびに製造技術の面から製造設備の新設・増設などには多額の設備投資を必要とします。当社グループでは、大型の設備投資は将来の需要予測に基づいて実施いたしますが、市場の動向が変化した場合などにおいては、新規設備の稼働率が十分に上がらない可能性があります。この場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替相場の変動について
当社グループの取引の中には、外貨建ての取引があるため、為替レートの急激な変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)主要株主との取引について
当社グループは2019年3月期末時点で当社の株式を10.5%保有する法人主要株主である三木産業株式会社(以下、この項において「同社」といいます。)と長年にわたり取引関係があります。同社は日本、アジア、米国、ヨーロッパ、中国に現地法人を有する、工業用化学製品、材料等を取扱う商社であります。2019年3月期における取引の内容は、当社グループの同社への製品販売取引892百万円と、同社からの原材料及び荷造材料等の仕入取引1,401百万円であり、取引総額に占める同社の割合は、それぞれ5.5%、15.3%と高いため、同社との取引の継続が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)有利子負債について
当社グループの2019年3月期末における有利子負債依存度は31.8%と高い水準にあります。
当社グループでは国内及び海外の生産能力拡大に伴い多額の設備投資を必要とするなど相応の資金需要が見込まれますが、今後、当社グループが十分な資金調達ができない場合又は金利が上昇した場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)新技術の普及について
当社グループの展開する自動車関連資材においては、電気自動車や燃料電池車の普及が高まった場合には、現在の主力商品であるエンジン用濾材やクラッチ板用摩擦材の需要が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品のクレームの発生について
当社グループでは、品質管理の取り組みとしてISO9001を取得しており、製品の品質水準の確保に努めております。しかしながら全ての製品において、不良や不具合が発生しないという保証はありません。こうした不良や不具合のある製品を使用した顧客に損害が発生し、発生した損害に対する顧客への金銭的賠償や顧客からの信頼の低下につながった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外事業活動について
当社グループの海外事業先であるタイ国及び中国において、自然災害、政治的な動乱、法律、税制や規制の大幅な変更又は強化などにより、事業活動の継続が一時的あるいは長期的に困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害による影響について
当社グループの国内生産拠点は徳島県内に集中しており、大規模地震、津波、台風などの自然災害が発生し、生産体制に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社の阿南事業所は付近の那賀川より工業用水を取水してエンジン用濾材及び分離膜支持体を製造しておりますが、この那賀川の上流に位置する長安口ダムは降雨不足による渇水に見舞われて、厳しい取水制限を余儀なくされる場合があります。これにより当社阿南事業所の稼動に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制について
当社グループは、法令、社会規範、企業倫理等並びにその精神を尊重し、大気汚染防止法や水質汚濁防止法、環境保護の取組みに必要な国際的な法規制等の遵守に努めております。しかし、今後社会情勢などの変化により、当社グループの事業が制限されるような法令の改正及び新たな法規制が設けられた場合には、当社グループの投資計画及び事業計画の大きな変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)訴訟の発生の可能性について
当社グループは、事業活動において取引先と取り交わした契約等を遵守し、違反や不履行がないか最大限の注意を払いながら事業活動を行っております。しかしながら、以下の場合において訴訟等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
[知的財産権の侵害]
当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、著作権等その他の知的財産権が他社により侵害されているという事実はありません。また同様に、当社グループの申請済みの知的財産権が他社の知的財産権を侵害しているという事実はありません。
しかしながら今後、当社グループの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を主張して法的手段に訴えた場合、あるいは逆に当社グループが法的手段に訴える場合、訴訟に発展する可能性があります。また、その訴訟の結果によって、当社グループの事業が差し止められたり、損害賠償等の金銭的な負担を余儀なくされた場合などにおいて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
[公害、事故の発生]
各事業所において、当社グループの過失により周辺の自然環境を著しく損なう公害の発生又は周辺に著しい損害を与える操業上の事故の発生などにより、その過失や補償を巡って第三者との訴訟に発展する可能性があり、その場合において当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)固定資産の減損損失について
当社グループでは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、経営環境の変化などに伴い収益性が低下し投資額の回収が見込めないなどの状況から減損損失を計上する場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)M&Aに伴う投資について
当社グループは、既存事業における周辺市場や新規事業領域の拡大のため、M&Aや資本業務提携の検討を進めております。しかしながら、市場環境の変化や期待したシナジー効果が得られないなどの状況により、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測に基づき回収可能性を検討し計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税制の改正等があった場合に、繰延税金資産の取り崩しが生じるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。