有価証券報告書-第12期(平成25年6月1日-平成26年5月31日)

【提出】
2014/08/26 15:19
【資料】
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【項目】
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事業等のリスク

本項において、当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業内容に関するリスク
①システム障害について
当社グループはインターネットを通じてクラウドサービスや移動体情報及び音声を顧客に提供しているため、これらのサービスの提供だけではなく、システム保守、運用、管理についてもインターネットの通信ネットワークに大きく依存しております。したがって、次のようなシステム障害が発生した場合、当該サービスの提供が一時的に停止するほか、顧客からの損害賠償請求や当社グループの信頼性の低下等が生じることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
イ.自然災害や事故等によって、インターネットの通信ネットワークが切断された場合。
ロ.当該サービスを提供しているサーバへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってサーバ又は周辺機器がダウンした場合。
ハ.外部からの不正な手段によるサーバへのアクセス等によって、コンピュータウイルスに感染する等サーバ又は周辺機器が正常に機能しない場合。
ニ.その他当社グループの予測不能な要因又は通常の予測範囲を超えるシステムトラブルによって、システムが正常に機能しない場合。
②当社グループ提供のソフトウェアの不具合について
当社グループが提供するシステムにおいては、顧客の検収後にシステムの不具合(バグ)等が発生する場合があります。当社グループにおいてはISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを用いた品質管理体制を構築しており、今後においても品質管理の徹底を図ることにより、不具合等の発生防止に留意していく方針であります。しかしながら、当社グループが顧客へ納品する製品の不具合等に起因して顧客等における重大なシステム障害が発生した場合や不具合の発生に対して適切かつ迅速な処理又は対応が困難となった場合には、顧客からの損害賠償請求や当社グループの信頼性の低下等が生じることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③知的財産権について
現時点において当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認されておりません。また、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害したことにより損害賠償等の訴訟が発生している事実はありません。しかしながら、当社グループの事業に現在利用されている技術と接触関係をなす特許権等の知的財産権を第三者が既に取得している可能性、また将来的に当社グループの事業における必須技術と接触関係をなす特許権等の知的財産権が第三者に取得される可能性を完全に否定することはできず、そのような可能性が現実化した場合には特許権等の知的財産権に関する侵害の結果として、当社グループへの損害賠償やロイヤリティの支払要求、差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④代理店への依存について
当社グループの主要な製品の一つである「ボイスパケットトランシーバー」の大部分は、代理店を経由し顧客へ販売されています。したがって、主要代理店の販売状況や経営環境の変化(企業のM&Aや倒産等)によって、当社グループの売上高が大きく変動する可能性があります。また、代理店は、当社グループにとって競合となる製品の取扱いも行っています。当社グループは代理店への働きかけにより売上高の拡大に努めておりますが、競合製品の取扱いが当社グループ製品の取扱いよりも先行する可能性があります。また、主要代理店の経営状態の変化により、当社グループへの債務の支払が停滞したり、その回収が不能となった場合、当社グループの財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
⑤研究開発に係る投資について
当社グループでは、新サービスの開発を目的として、研究開発活動に資金を充当しております。しかしながら、予測不能な技術革新等当社グループを取り巻く外部環境の変化等に伴い、当該投下資金が期待どおりの成果をあげられず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2) 事業環境に関するリスク
①競合について
当社グループが属する業界においては、大規模事業者から小規模事業者まで多数の事業者が存在しており、これらの事業者との競合が生じております。現状においては、政府や民間企業のIT化推進等に伴う業界全体における開発需要の拡大により、競合激化等による極端な価格競争等は生じていないものと認識しておりますが、今後において景気低迷等による需要減少や新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループにおける受注減少、低価格受注等が生じ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②技術革新への対応について
当社グループが属する業界においては、絶え間なく技術革新が起こっており、各事業者が持つ技術優位性及び販売価格を維持し続けるためには、常に既存製品の機能強化版の投入又は新しい切り口での製品・サービスの開発・導入を行っていく必要があります。しかしながら、製品・サービスが市場動向・ニーズに合わない場合、製品・サービスの開発に時間を要することによって市場導入が遅延した場合、技術革新に対応するための研究開発費用が過度に発生した場合、あるいは販売担当者やサポート担当者の知識・経験レベルが技術革新に追いつかず運用体制に支障をきたした場合等、当社グループの製品・サービスが顧客からの要請に適さない状況が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③法的規制について
当社グループは、平成21年5月から、通信回線事業者からサービスの提供を受け再販を行うMVNO事業(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)を行っております。主要な法規制には電気通信事業法がありますが、当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行い、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。当社グループは、同法で規定される「通信の秘密」などの原則を役職員に対して徹底し、法令違反が発生しないような体制作りを行っておりますが、万一同法に規定される一定の事由に当社が該当した場合、総務大臣から業務改善等の命令もしくは罰則を受け、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、将来的に同法の改正や当社グループの事業に関する分野を規制する法令等の制定、あるいは自主的な業界ルールの制定等が行われた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。その他、当社グループの事業を規制する法律として、当社タクシー配車システム等無線設備の導入、設置や調整を行う場合に、電波法の規制を受ける場合があります。このような法的規制等に関して予期しない新設、改正又は変更等が行われた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
①人材の確保について
当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭でそろえることに注力してきました。そのために、もし中核となる社員が予期せぬ退社をした場合にはメンバー構成に重大な変化が生じる可能性があります。このような事態を避けるために、今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場環境を提供していく方針でありますが、現在、当社グループが属する業界においては、開発需要の増加に対して開発人員の不足が顕著となっており、人材獲得が厳しい状況となっております。当社グループにおいても、積極的に採用活動を行っておりますが、特にハードウェア設計を行う専門知識や技術を有する人材が恒常的に不足しており、今後においても、当社グループの事業展開に応じて継続した人材の確保が必要であると認識しております。しかしながら、開発人員の十分な確保及び育成等に支障が生じた場合等には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があり、当該要因が当社グループの事業拡大の制約要因となる可能性があります。
②特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である村井雄司は、当社の創業者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進において重要な役割を果たしております。当社グループは、村井雄司に過度に依存しないように経営体制を整備し、権限の委譲と人材の育成・強化を通じてリスクの軽減を図っております。しかしながら、何らかの理由により村井雄司が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③小規模組織について
当社グループは、当連結会計年度末日現在、取締役5名、監査役3名(社外監査役2名含む)及び従業員114名と小規模組織であり、内部管理体制も現在の規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大や業務内容の多様化に対応するべく、人員増強及び内部管理体制の充実を図り、同時に福利厚生の充実、教育体制の確立により人員の社外流出の防止に努めていく方針ですが、人材等の拡充が予定どおり進まなかった場合や予想外の人員の社外流出が生じた場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④法令等違反について
当社グループは、法令遵守の徹底を目的として内部統制の整備を図り、より充実した内部管理体制の整備に努めるとともに、役職員の教育・研修等の徹底を通じ、その啓蒙を図っております。しかしながら、当社グループの事業は、役職員の活動を通じて執行されており、そのプロセスに関与する役職員の故意又は過失により法令に違反する行為がなされた場合、当社グループの社会的信用の失墜により、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑤情報セキュリティの管理について
当社グループは、顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等を入手し得る立場にあることから、個人情報を含めた情報管理体制の整備強化に努めており、現時点において当社グループにおける個人情報を含む情報流出等による問題は発生しておりません。しかしながら、今後、当社グループの過失や第三者による不法行為によって顧客の個人情報や重要情報等が外部へ流出した場合、顧客からの損害賠償請求や当社グループの信頼性の低下等が生じることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 災害によるリスク
当社グループは、インターネットを通じてクラウドサービスや移動体情報及び音声を顧客に提供しており、これらのサービスの安定的な提供を維持するため、当該サービス提供に必要なサーバ等の保管を外部のデータセンターに委託しております。当社グループは、外部のデータセンターを地震、津波、火災等の災害に対して十分な耐性を有すると判断される施設に限定し、慎重に検討した上で選定しております。しかしながら、当社グループの想定を超える自然災害等の発生により、データセンターが壊滅する、又はサーバ等に保存する情報が消失する等、当該サービスの提供維持が困難となる事態が生じた場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。