有価証券報告書-第8期(平成25年7月1日-平成26年6月30日)

【提出】
2014/09/26 10:19
【資料】
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【項目】
65項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度において、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した国内外の製薬企業との共同研究開発活動は順調に進捗しております。
平成25年9月には、PDPSを特殊ペプチド創薬開発のデファクトスタンダードシステムとして世界中に展開していく端緒として、PDPSを米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ カンパニーに対して非独占的にライセンス許諾する契約を締結いたしました。これは、これまでの3年間にわたる同社との共同研究開発活動の成果により、当社技術・システムの優位性が認められ、特殊ペプチドの創薬候補物質としての可能性が確認された結果と考えられます
平成25年12月には、新たな共同研究開発パートナーである米国イーライリリー・アンド・カンパニーとの間で創薬共同研究開発契約を締結いたしました。
研究開発活動自体においては、これまでの低分子や抗体などの創薬候補物質では困難であった細胞内におけるタンパク・タンパク相互反応を特殊ペプチドにより抑制することに成功し、共同研究開発先である英国・アストラゼネカ社から国際学会において当該データが発表されています。これにより、特殊ペプチドは、創薬ターゲットの未知の宝庫と考えられている細胞内のタンパク・タンパク相互作用を抑制することができる物質であると確信することができ、将来的な当社の事業ポテンシャルが一層高まったものと評価しています。
さらに自社創薬研究開発の一環として進めている抗インフルエンザ薬の開発についても順調に進んでおり、これまで抗体では特定することが困難であったインフルエンザウイルスの変異が起こりにくい構造を特殊ペプチドにより特定することができました。このことにより、パンデミック・インフルエンザウイルスにも対応できる可能性を持った高汎用性インフルエンザ治療薬としての特殊ペプチドの開発が可能になり、当初の予定よりも早く前臨床試験を目指せるようになりました。
また、こうした共同研究開発先との共同研究開発や自社創薬研究開発の進展に伴い、これらの事業を加速させるための投資を行っております。
以上の結果、当事業年度における売上高は818,901千円(前年同期比140,631千円増加)、営業利益201,362千円(前年同期比40,551千円増加)、経常利益221,992千円(前年同期比47,872千円増加)、当期純利益148,512千円(前年同期比11,332千円増加)となりました。
なお、当社の事業は単一のセグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ3,372,058千円減少し、2,200,392千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払76,510千円、売上債権の増加額35,372千円、未払金の減少額39,111千円などがあったものの、当事業年度における税引前当期純利益221,992千円の計上等により、72,174千円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出2,400,000千円、有価証券及び投資有価証券の償還による収入200,000千円、定期預金の預入による支出1,200,000千円、有形固定資産の取得による支出73,143千円等により、3,473,143千円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使による株式の発行による収入18,360千円により、18,360千円の収入となりました。