有価証券報告書-第10期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 16:58
【資料】
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【項目】
96項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は第10期より初めて連結財務諸表を作成しております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用の数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。
これら見積りや判断には不確実性が存在する為、見積もった数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。
(2) 経営成績の分析
第10期連結会計年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
① 売上高
当連結会計年度における売上高は456,375千円となりました。これは、医療分野の開発に注力し、主としてリハビリテーション向けにターゲットを絞った開発を進め、また、量産化への対応に注力したことによるものです。
② 売上原価及び売上総利益
当連結会計年度における売上原価は245,988千円となりました。売上総利益は210,387千円となりました。これは、売上高の増加によるものです。
③ 研究開発費、その他の販売費及び一般管理費
当連結会計年度の研究開発費、その他の販売費及び一般管理費は、主に医療用ロボットスーツHALの開発を中心として研究開発費を716,171千円計上したこと、その他の販売費及び一般管理費を648,457千円計上したことから、合計で1,364,629千円となりました。
④ 営業損失
上記のとおり売上高の増加の一方、販売費一般管理費の増加により、営業損失は1,154,242千円となりました。
⑤ 営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度における営業外収益は580,650千円と助成金収入の増加の影響により増加しております。営業外費用は固定資産圧縮損を計上したことにより109,289千円となりました。
⑥ 経常損失
上記の結果、当連結会計年度は、経常損失682,881千円となりました。
(3) 財政状態の分析
第10期連結会計年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
① 資産
当連結会計年度末における資産合計は6,434,768千円となりました。主な内訳としては、現金及び預金4,341,264千円、有形固定資産1,125,347千円となっております。
② 負債
当連結会計年度末における負債合計は438,939千円となりました。主な内訳としては、買掛金26,210千円、資産除去債務68,762千円となっております。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は5,995,828千円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)戦略的現状と見通し
経済産業省の「ロボットの将来市場予測(平成22年4月)」において、日本国内におけるサービス分野の「介護・福祉」ロボット市場規模は、平成27年の167億円から平成32年の543億円と5年間で3.3倍と高い成長見通しとなっています。また、欧米での医療機器の流通・販売市場は、日本のようにメーカーと病院の間の一次・二次卸売業者の仲介業者の介在は少なく、共同購買組織(GPO)を通じて効率的かつスピーディーな取引が主流となっております。加えて、民間の医療保険等の収載によりロボットスーツHALのような先進医療機器の浸透スピードが日本に比べて早いと考えられます。
ロボットスーツHALは、MDD(欧州医療機器指令)の適合性評価を受け、EUにおいて医療機器としてのCEマークの認証を取得しているため、医療機器の世界市場の31%のEU全域での販売・流通が可能であり、特に世界シェア8%の規模のドイツ(※)においては、ロボットスーツHALを利用したリハビリテーションが公的労災保険の収載対象となっております。さらに、ドイツ以外のEUの主要国や公的な医療保険や介護保険の収載を早期に実現するために、ドイツやスウェーデンでの臨床試験を重点的に実施する予定です。
また、医療機器では世界最大市場(シェア39%)の米国(※)においては、医学分野で全米トップクラスの大学病院での臨床試験を推進する予定であり、ロボットスーツHALの早期の FDA(アメリカ食品医薬品局)の許可を目指しております。
なお、世界の医療機器市場のシェア9%の日本(※)においては、平成25年3月よりロボットスーツHAL医療用の希少性難治性疾患患者に対する医師主導治験が開始しており、早期の薬事承認を目指しております。
※ Espicom Business Intelligence, “The World Markets Fact Book 2013”
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
第10期連結会計年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は4,341,264千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純損失678,550千円の計上等により、539,588千円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に定期預金の払戻による収入400,000千円や有形固定資産の取得による支出226,614千円により、121,796千円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に東京証券取引所マザーズ上場に伴う株式発行による収入4,159,688千円により、4,050,140千円の収入となりました。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。具体的には「3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。