四半期報告書-第12期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/13 15:30
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29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
安倍首相は、平成27年9月に「ニッポン一億総活躍プラン」を提唱し、アベノミクス第2ステージとして『新3本の矢』を打ち出しました。第3の矢である『安心につながる社会保障』の中では、「介護離職ゼロ」という目標が設定され、また、「生涯現役社会」を実現するための、予防に重点化した医療制度への改革や、高齢者への多様な就労機会の提供が謳われています。平成27年2月に日本経済再生本部にて決定された「ロボット新戦略」と併せ、当社グループが注力する医療・介護福祉・作業支援分野でのロボット利活用は、国家成長戦略上の重点課題として、官民総力を挙げて推進されています。当社グループは、これら外的環境のもとで、革新的サイバニクス技術を駆使することにより、『重介護ゼロ®社会』の実現と、医療・介護福祉・作業支援分野にフォーカスした「人支援産業」という新産業の創出を目指し、研究開発および事業展開を進めています。
当第2四半期連結累計期間において、医療分野では、HAL®医療用(下肢タイプ)の国内外での臨床研究を推進するとともに、ドイツでの治療サービス事業を展開してまいりました。米国においては、FDA(米国食品医薬品局)に対して医療機器の承認申請中であり、平成27年度中の承認取得を目指しています。欧州においては、既に医療機器認証を取得し、ドイツではHAL®を利用した治療に公的労災保険が適用されていますが、新たに公的医療保険への適用拡大を目指しています(平成27年10月に申請済)。日本においては、平成27年3月に神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」としての薬事承認申請を行っており、平成27年末頃の承認が見込まれています。また、適用疾患を脳・脊髄疾患にまで拡大して、医師主導治験を引き続き実施しています。HAL®医療用(下肢タイプ)は、平成27年9月末時点で国内外あわせて121台が稼働中です。
介護福祉の分野においては、HAL®福祉用等の下肢タイプは、日本国内の福祉施設や病院等で運用され、平成27年9月末時点で469台が稼働中です。また平成27年2月に製品化した小型軽量のHAL®自立支援用(単関節タイプ)も日本国内での病院を中心に導入が進み、平成27年9月末時点で97台が稼働中です。また、平成27年3月に製品化したHAL®介護支援用(腰タイプ)は、介護施設向けの導入が大きく進展しました。平成27年9月末時点で223台が稼働中です。
作業支援の分野においては、昨年度に製品化されたHAL®作業支援用(腰タイプ)は、建設現場や工場、物流倉庫を中心に導入が増加し、平成27年9月末時点において95台が稼働中で、下期での大幅増加が見込まれます。また、平成27年8月には人工知能AIを搭載した清掃ロボットが製品化され、平成27年3月に製品化された搬送ロボットおよびHAL®作業支援用(腰タイプ)と併せ、サイバニクス技術を駆使した次世代ロボットを活用した未来の空港の創出に向け、平成27年9月末より羽田空港での運用を開始しました。清掃ロボットおよび搬送ロボットは、平成27年9月末時点で14台が稼働中です。
また当社は、平成27年7月に株式会社PEZY Computingおよび株式会社ExaScalerとの業務提携および資本提携を行いました。PEZY Computing社との提携により、当社のロボットスーツHAL®向けの小脳処理機能と学習型汎用AI(人工知能)の共同開発を進め、HAL®を装着した利用者の小脳機能や医師の指示に従う知能を備えた学習型HAL®の実現や、職場や生活環境で安全かつ柔軟に機能する学習型汎用AIを備えた様々なロボットの実現など、革新的サイバニックシステムの新しい展開を目指しています。また、世界最高水準のスーパーコンピュータを開発するExaScaler社との提携により、当社が川崎市キングスカイフロントに建設を進める「サイバニクス国際イノベーション創出拠点」において、世界トップクラスのデータセンターを共同運用し、当社の全ての最先端デバイスや革新的サイバニックシステムから、IoTにより集積される膨大なビッグデータを解析し、各種サービスとして提供していく構想の実現を目指し、準備を進めています。
当第2四半期連結累計期間の売上高は、前期に製品化した主に新製品の売上増加により前年同期比で2.6倍となる555,064千円を計上しました。売上原価は新製品の量産による原価低減と、子会社のサービス原価の改善が寄与し195,203千円(前年同期比4.0%増加)に留まった結果、売上総利益は大幅に増加し、前年同期比で14.7倍となる359,860千円となり、売上総利益率も53%改善しました。
研究開発費は新製品開発及び臨床研究の継続により315,707千円(同1.5%減少)を計上し、その他の販売費及び一般管理費は主に資本金増加に伴う外形標準課税の増加により574,862千円(同24.9%増加)を計上した結果、営業損失は530,708千円(同29.8%減少)と大幅に改善しました。 また、助成金収入の減少により営業外収益223,011千円を計上、支払利息及び固定資産圧縮損の増加により営業外費用80,123千円を計上したことにより、経常損失は387,820千円(同5.1%増加)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は387,203千円(同3.5%増加)となりました。
(2) 財政状態の分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて301,210千円減少し47,987,842千円となりました。これは、主に賃貸用資産が増加した一方で、有価証券が減少したことによるものです。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて82,298千円増加し20,594,052千円となりました。これは、主に流動負債のその他が増加したことによるものです。
③ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて383,508千円減少し27,393,790千円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,005,198千円減少し18,216,659千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に助成金及び研究受託収入の受取による資金流入により306,948千円の資金流入(前年同四半期累計期間は74,819千円の資金流入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による資金流出678,365千円、投資有価証券の取得による資金流出599,980千円により、1,302,340千円の資金流出(前年同四半期累計期間は229,989千円の資金流出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に割賦債務の返済による資金流出により、10,598千円の資金流出(前年同四半期累計期間は1,000,312千円の資金流入)となりました。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は315,707千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。