訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/12/12 9:30
【資料】
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【項目】
79項目

事業等のリスク

当社の経営成績、財務状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、また発生した場合に適切に対処する所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在(平成26年11月17日)において当社が判断したものであります。
(1) 新規出店計画について
新規出店の物件確保については、各地域における有力不動産業者等からの外部情報のみならず、取引先銀行、取引先酒販店等からも幅広い情報収集に努めておりますが、当社のニーズに合致した条件の物件が必ずしも確保されるとは限りません。また仮に確保することができたとしても計画された店舗収益を確保できない可能性もあり、新規出店が計画通り行われないケースもあります。当社では、新規出店の物件確保及び収益性の検討は鋭意取り組みを致しますが、新規出店が計画通り遂行できない事態が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 業態開発について
当社の成長において主力業態たる「や台ずし」及び「ニパチ」を継続的に展開していく予定であります。しかし当社の収益の柱である両業態の業績が振るわず、展開が鈍化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また外食産業においては永続的に好調を維持する業態というものは存在せず、常にお客様の嗜好の変化や時流を鑑みて、業態を開発し、新たな収益の柱を構築していく必要があります。この新たな収益の柱としての新規業態開発が想定通りに推移しない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材採用・育成について
当社は店舗作りの戦略として、地域や立地における特性や顧客ニーズに柔軟に対応するため、それぞれの地域で採用した従業員を全面に出して店舗運営を行っております。それが暖かみのある「元気をもって帰ってもらう店舗」を生み出すものであり、「人材」は当社における最も重要な経営資源として位置付けております。
外食産業において人材不足は慢性化していましたが、昨今の経済事情を踏まえ人材の流動化が活発化したことにより、人材採用を積極的に進めることは可能となっているものの、それは競合他社においてもその状況は同様であり、有能な経験者を採用することは困難な状況にあります。また人材を採用して、OJT及び各種会議で当社の文化及び考え方、かつ接客・調理等に関しても育成を行いますが、当社の求めるレベルが高いため、そのレベルに到達しない可能性も少なくありません。
当社において提供するサービスの水準は各店舗の人材に影響を受けますので、優秀な人材の確保及び育成は経営 上の重要な課題であると認識しております。そのため人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) パート及びアルバイト従業員に対する社会保険加入義務について
当社は現在、パート及びアルバイト従業員のうち社会保険加入義務のある対象者を認識し、随時加入させております。しかし今後、パート及びアルバイト従業員の社会保険の適用基準が拡大した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制等について
当社は、居酒屋チェーンを中心に業務を運営しておりますが、「食品衛生法」、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、「労働基準法」、「消防法」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「景品表示法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。
重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合や、法的規制の改正に対応するための新たな費用が発生する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社に関わる法令・規制等のうち重要なものは以下の通りであります。
① 食品衛生法
当社が経営する店舗につきましては、食品衛生法に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可証を取得 しております。店舗では日常の業務の中で衛生管理の徹底を図るとともに、必要に応じて各事業部長及びエリアマネージャーが衛生管理状況の確認を行い、また内部監査においても衛生管理状況を確認することで、食品の安全衛生に努めております。更に毎月実施する社内における会議においても各事業部長を中心に店舗従業員まで徹底した衛生管理の重要性を伝え、啓蒙活動を推進しております。これらの諸施策にもかかわらず、食中毒事故等が発生した場合、食品等の大量廃棄、所管保健所からの営業許可証の取り消し、営業の禁止、一定期間における営業停止処分、被害者からの多額の損害賠償等、当社における信用力の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
深夜12時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風俗営業法)」により規制を受けています。当社の店舗において、風俗営業法に関する法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食の安全性について
近年、食品の産地偽装問題や不正表示に関する問題、BSEや鳥インフルエンザ等による食肉汚染等及びノロウィルス等の食中毒が発生し、顧客の間にも食品に対する関心が非常に高まっている傾向にあります。当社においては信用ある業者との取引により、食材の安全性及び安定供給に努めております。しかし法を逸脱した取引先業者の存在が発覚し、や台やグループのブランド力が低下した場合、また政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)の発令等による顧客の外食離れが加速した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 外食産業の動向(中食などによる市場縮小)や競合の激化による業績悪化リスク
当社が属している外食業界は、景気の低迷に伴う消費不況、調理済み食材や惣菜等を持ち帰って食する中食市場の拡大、及び人口の本格的な減少時代への突入等、市場規模が成熟したことで市場自体が縮小傾向にあります。
当業界は参入障壁が低いこともあり、大手から個人経営まで多数の店舗がひしめきあっており、競争の激化がより一層高まっております。その中で当社は料理品質及び接客サービスの向上、更には新規業態開発等で顧客ニーズに合致した店舗作りを徹底し、集客力の強化に努めてまいりますが、その集客力が大幅に低下した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定人物への依存
当社の代表取締役である吉岡昌成は、創業以来、経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発及び立地開発等、更に財務戦略等の当社の業務執行について重要な役割を果たしてまいりました。
当社では強固な組織体制の充実を図り、職務権限規程や業務分掌規程により権限委譲を随時進めており、相対的に同氏への過度な依存度は低下していくものと考えておりますが、その移行期間において、何らかの理由に基づき業務執行が困難な状況になった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 減損損失について
当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。店舗収益性が低下し、事業計画において計画した予算を大幅に乖離し、当社の基準として2期連続営業赤字になった場合には減損損失を計上する可能性があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 賃貸借について
当社は店舗の出店については平成26年10月31日現在において1店舗を除き、その他全ての店舗が賃借物件となっております。物件の賃借については契約上、賃借時に差入保証金を預け入れることが通常であるため、総資産に占める割合が高くなっております。
今後の経済情勢に伴い、賃貸人の経営状況によっては当該店舗における営業の継続に支障をきたすとともに、退店時に差入保証金の一部及び全額が返還されない可能性があります。また当社都合により中途解約をした場合におきましても、契約上差入保証金の一部及び全額が返還されない可能性があります。更に店舗の新規出店、賃借する建物の老朽化等にともない店舗を移転せざるを得ない場合、既存店舗の賃借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇し、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 商標権について
当社は各店舗において使用する名称については、その使用の際に外部の専門家に第三者の商標権を侵害しないかについて慎重に確認を取っております。また侵害の可能性のある名称の使用を避け、かつ可能な限り当社にて商標登録を行い、商標の使用権の確保及び第三者の商標権の侵害をしないよう努めております。しかし当社の店舗の名称が第三者の商標権のものと類似するということで、第三者からの当社に対する商標登録の無効審判、損害賠償、商標使用差止、営業差止等を請求され、これらが仮に認められた場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 天候不順による影響
当社が属している外食業界において、食材の安定的な調達は非常に重要であります。しかし天候不順による野菜の不作及び海流の変化による魚介類の不漁等により、安定的な調達が困難になるとともに、仕入価格の高騰等の影響が生じる場合があります。価格及び量ともに安定した食材の調達ができなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 天災等
当社の店舗は、中部地域・関東地域・関西地域・山陽地域・九州地域ともに都市部近郊に集中しており、比較的大きな地震が発生する可能性のある地域を含んでおります。当該地震が発生し、店舗運営に支障をきたす甚大な被害が発生した場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14) 季節変動による影響
当社は、居酒屋業態を展開しており、ビールを始めとしたアルコール類を中心に取り扱っております。気温の上昇とともに、ビールを始めとしたアルコール類の消費が増加し、売上も増加するため、上半期は好調に推移する傾向にあります。一方で下半期は気温の低下により、熱燗等の日本酒の消費は増加しますが、ビール等の消費が減少することで、年末年始及び歓送迎会時期を除いて、売上が鈍化する傾向にあります。そのため上半期において業績が伸びない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 為替変動による影響
当社が属している業界は、海外からの輸入食材を利用している場合が多く、これまでは円高による恩恵を受けてきましたが、政権交代及び日銀の金融緩和による円安への動きが顕著になってきた状況においては、輸入食材が値上がりする可能性が高くなっております。今後も継続的に円安が続き、仕入業者から価格の値上げ要請が多数発生する場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。