訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/09/18 15:00
【資料】
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【項目】
80項目

業績等の概要

(1)業績
第7期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は緩やかに回復しており、また、消費税率引上げに伴う駆け込み需要もあり個人消費や生産の増加が見受けられます。この他、企業収益及び企業の業況判断の改善が見られています。ただし、海外経済の下振れや消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減など依然としてリスクが存在しています。
サイバー・セキュリティ業界においては、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)発表の「2014年版 情報セキュリティ 10大脅威」によると2013年において社会的影響が大きかったセキュリティ上の脅威として、標的型メールを用いた組織へのスパイ・諜報活動が1位となり、国家間の外交問題にも発展するケースもあるなど年を追うごとにその重大性が増しています。またこの他にも、主にゲーム関連コンテンツを狙ったリスト型アカウントハッキングの発生が相次いだ他、オンラインバンキングを標的とし、ユーザーの金銭の詐取を目的としたMITB攻撃、Web 感染型マルウェアによるWeb 改ざんの被害も多数発生しました。
また、スマートフォン及びタブレット端末を中心としたモバイル端末が急速に普及する中で、これを狙う攻撃が顕在化してきており、ユーザーにはこのセキュリティ対策の実施が求められてきています。この他、2014年4月にマイクロソフト社によるWindowsXPの保守サポートが終了することに伴い、OS更新やセキュリティ対策導入の動きが活発化しました。
このような環境の中、当事業年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
セキュリティ・プロダクトにおいては、標的型攻撃対策の必要性の高まりを受けて「FFR yarai」及び「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」が前事業年度比で大きく伸びました。また、「FFR yarai analyzer」においては、従来の機能に加えて、より高度な情報を自動的に抽出・レポーティングすることが可能となり、マルウェア解析者などの高度な情報を必要とする方々の作業負荷を大幅に削減することができる「FFR yarai analyzer Professional」をリリースしました。この結果、「FFR yarai analyzer」及び「FFR yarai analyzer Professional」を合わせた実績は前事業年度の「FFR yarai analyzer」の実績を超えて推移しました。また、取引先にソフトウェアを提供する契約を締結したことにより、当事業年度において譲渡対価60,000千円の売上を計上しました。
その結果、当事業年度におけるセキュリティ・プロダクトの売上高は363,898千円(前年同期比67.3%増)となりました。
セキュリティ・サービスにおきましては、顧客のニーズに応じて非定型の様々なサービスを提供する「セキュリティ調査、分析、研究等」において大型の案件の受注及び納品が完了したものの、当事業年度の活動方針としてセキュリティ・プロダクトの販売及び研究開発を軸とした活動を行なってきたことから、セキュリティ・サービス全体として前事業年度比マイナスの結果となりました。
その結果、当事業年度におけるセキュリティ・サービスの売上高は246,352千円(前年同期比24.0%減)となりました。
その他におきましては、「FFRI Limosa」の販売促進策の一環として、金融機関との間に電子決済事業等で多くの取引実績を持つエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社と「FFRI Limosa」の独占販売契約を締結いたしました。これにより当事業年度において独占販売契約金50,000千円の売上計上をいたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高660,250千円(前年同期比21.9%増)、営業利益171,967千円(同71.6%増)、経常利益172,062千円(同71.9%増)、当期純利益115,914千円(同82.7%増)となりました。
なお、当社の事業は、企業や官公庁を対象としており、多くの顧客の年度末である12月から3月にかけてセキュリティ・プロダクト及びセキュリティ・サービスの出荷又は検収が集中します。このため、当社の売上は12月から3月にかけて集中する傾向があります。
第8期第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられております。
サイバー・セキュリティ業界においては、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が情報システムを取巻く脅威を順位付けした「2014年版 情報セキュリティ10大脅威」で、標的型攻撃の代表例である標的型メールを用いた組織へのスパイ・諜報活動が1位となっており、この注意喚起が行なわれています。このような環境の中、当社の当第1四半期累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
セキュリティ・プロダクトにおいては、高度化・複雑化するセキュリティ・インシデントの発生を背景に、ユーザーのセキュリティ意識の高まりの影響等から「FFR yarai」及び「FFR yarai脆弱性攻撃防御機能」が計画に対して好調に推移しております。また、マルウェア自動解析ツール「FFR yarai analyzer Professional」が計画に対して前倒しで受注したことにより、当第1四半期累計期間の売上増加要因となりました。この他、平成26年3月に締結した、取引先にソフトウェアを提供する契約に基づき、当第1四半期累計期間において譲渡対価54,000千円の売上を計上しました。
その結果、当第1四半期累計期間におけるセキュリティ・プロダクトの売上高は153,964千円となりました。
セキュリティ・サービスにおきましては、セキュリティ調査・分析・研究等、製品カスタマイズ、Prime Analysisにて、計画外の案件が複数受注した結果、計画を上回って推移しました。
その結果、当第1四半期累計期間におけるセキュリティ・サービスの売上高は10,813千円となりました。
以上の結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、売上高164,778千円、営業利益33,723千円、経常利益31,630千円、四半期純利益21,065千円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
第7期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ272,978千円増加し、540,412千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は314,265千円(前年同期は191,621千円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益172,050千円、売上増加に伴う前受収益及び長期前受収益の増加228,884千円等であり、主な減少要因は、売上債権の増加額61,173千円、法人税等の支払額44,798千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は24,611千円(前年同期は70,376千円の支出)となりました。主な減少要因は、販売用ソフトウェアの開発による無形固定資産の取得による支出23,008千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は16,675千円(前年同期は23,678千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出16,675千円によるものであります。