有価証券報告書-第16期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 15:00
【資料】
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【項目】
78項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、2,385,931千円となり、前事業年度末と比較して185,616千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が57,266千円、売掛金が65,901千円、その他に含まれる未収入金が76,457千円増加した一方で、仕掛品が12,696千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は318,674千円となり、前事業年度末と比較して122,880千円増加いたしました。これは主に、建物が90,013千円、敷金及び保証金が30,485千円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、697,364千円となり、前事業年度末と比較して18,888千円増加いたしました。これは主に、前受収益が29,915千円、未払金が89,334千円、賞与引当金が13,500千円、資産除去債務が13,052千円増加した一方で、買掛金が42,390千円、未払法人税等が34,478千円、未払消費税等が45,323千円減少したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、2,007,242千円となり、前事業年度末と比較して289,608千円増加いたしました。これは、当期純利益による利益剰余金が289,608千円増加したことによるものです。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,620,544千円(前年同期比21.9%増)となり、前事業年度と比べて470,890千円増加いたしました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が1,699,212千円(同58.5%増)、リモートマネジメントサービスの売上高が498,450千円(同27.3%増)、その他サービスの売上高が204,244千円(同90.7%増)となり、ライセンス収入及びカスタマイズ収入が増加したことによるものです。
(売上原価)
当事業年度における売上原価は、450,612千円(前年同期比48.0%増)となり、前事業年度と比べて146,208千円増加いたしました。これは主に、リモートマネジメントサービス及びその他サービスのライセンス収入の増加にともなう外注費及び商品仕入高の増加、IoTプラットフォームサービスのカスタマイズ収入の増加にともなう売上原価が増加したことによるものです。
この結果、売上総利益は前事業年度に比べて324,681千円増加し、2,169,931千円(同17.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,631,715千円(前年同期比13.1%増)となり、前事業年度と比べて188,533千円増加いたしました。これは主に、研究開発活動及び知的財産戦略の強化により研究開発費及び支払手数料が増加したこと、リモートマネジメントサービス及びその他サービスのライセンス収入の増加にともない発生する支払手数料が増加したこと、新製品の発表にともなう広告宣伝費が増加したことによるものです。
この結果、営業利益は前事業年度に比べて136,148千円増加し、538,216千円(同33.9%増)となりました。
(営業外損益)
当事業年度における営業外収益は1,778千円(前年同期比9.3%減)となり、前事業年度と比べて182千円減少いたしました。これは主に、受取利息及び為替差益が増加した一方で、助成金収入が減少したことによるものです。
当事業年度における営業外費用は108千円(同79.5%減)となり、前事業年度と比べて420千円減少いたしました。これは主に、為替差損が減少したことによるものです。
この結果、経常利益は前事業年度に比べて136,386千円増加し、539,886千円(同33.8%増)となりました。
(特別損益)
当事業年度における特別利益の発生はありません(前事業年度も発生しておりません)。
当事業年度における特別損失は43,510千円(前年同期比2,210.6%増)となり、前事業年度と比べて41,627千円増加いたしました。これは、固定資産除却損によるものです。
この結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べて94,759千円増加し、496,375千円(同23.6%増)となりました。
(当期純損益)
当事業年度における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は206,766千円(前年同期比30.6%増)
となり、前事業年度と比べて48,441千円増加いたしました。
この結果、当期純利益は前事業年度に比べて46,317千円増加し、289,608千円(同19.0%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ57,266千円増加し、1,816,999千円となりました。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は244,501千円(前年同期は457,168千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加74,647千円、未払消費税等の減少45,323千円、仕入債務の減少42,390千円により減少が生じたものの、税引前当期純利益496,375千円の計上による増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は187,234千円(前年同期は13,006千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出129,458千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用又は獲得した資金はありません(前年同期は809,030千円の獲得)。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向による影響や競合等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのために、MDM市場でのさらなるシェア拡大と海外市場への展開を行ってまいります。
(7)経営戦略の現状と見通し
(IoTプラットフォームサービス)
当事業年度も「Optimal Biz」のライセンス数が引き続き堅調に推移しており、4年連続国内SaaS型MDM市場シェア1位(出典:株式会社ミック経済研究所「クラウドサービス(SaaS・ASP)市場の現状と展望2015年度版」)を獲得いたしました。企業向け、文教向けともに堅調に成長が続いており、WindowsOS向けの機能を強化したことによってモバイルデバイスだけでなく、パソコンへの導入も増加しております。また、スマートデバイスを用いて仕事の業務効率を上げることを目的とし、様々なビジネスシーンで利用できる、高品質かつセキュアな法人向けのアプリマーケットプレイスとして「OPTiM Store」を発表いたしました。〈Easy〉、〈User Friendly〉、〈Secure〉、〈Smart〉の4つのコンセプトを掲げ、〈ユーザーが買いやすい〉、〈デベロッパーが売りやすい〉、〈販売パートナーが始めやすい〉法人向けのアプリマーケットプレイスを目指し、ビジネス分野でのアプリ導入が促進され、良質なビジネスアプリが市場により流れ込み活性化していくエコシステムを創造してまいります。
さらに、本格的な普及期を迎えようとしているIoT分野において、IoT時代に最適化された新型OS「OPTiM Cloud IoT OS」を発表いたしました。あらゆる人に直感的なIoT端末の制御、データ解析、AI、クラウドサービスとの連携できるユーザー体験を提供してまいります。先行実例として、佐賀県・佐賀大学・当社の産学官連携により、農業IT分野での活用を開始しており、ドローン対応ビッグデータ解析プラットフォーム「SkySight」の提供も開始いたしました。
本分野においては既存の「Optimal Biz」の堅調な推移とあわせて、翌事業年度以降はIoT機器の管理・制御によりさらなるID数のストックと異業種とのビジネス展開を図ってまいります。
(リモートマネジメントサービス)
リモートマネジメントの分野においては、新OS対応やコールセンター一体型の「Premium Remote Support Service」を展開し、着実にライセンス数を拡大させております。また、MDMとの融合も行い、MDMユーザーにも簡単にリモートサポートサービスをご利用いただけるサービスを開発し、主に文教向けに展開を行ってまいりました。
あわせて、第1四半期で発表した≪Remote Experience Sharing≫の概念のもと、遠隔作業支援専用スマートグラス「Remote Action」の提供や、コスメマーケットへの参入、遠隔診療・健康相談サービス「ポケットドクター」など、今までのパソコン、スマートフォン、タブレットに縛られないデバイスや新しい産業への導入が進んでおり、今後も益々他分野との連携を深めてまいります。
(サポートサービス)
パソコン市場の成長性が鈍化しており、当該売上高は減少傾向にあります。しかし、新しく立ち上がっているMVNO市場においても自動化、サポート効率化のニーズは強く、引き続きサービスの拡大を進めてまいります。
(その他サービス)
「パソコンソフト使い放題」、「ビジネスソフト使い放題(パソコンソフト使い放題」の法人向けサービス)ともに、既存の販売パートナーでの販売が堅調に進んでおります。「タブレット使い放題・スマホ使い放題(タブホ)」では、コンビニエンスストア、MVNO事業者を始め、当事業年度において20社以上の販売パートナーを獲得いたしました。提供雑誌数も400誌1,000冊に到達し、国内最大級の定額電子雑誌読み放題サービスとなりました。また、法人向けに提供するエリア型の電子雑誌提供形態である「タブホスポット」もオフィスビルや商業施設、ホテル等への導入が進んでおり、順調に推移しております。今後はさらなる販売パートナーの拡大と既存の販売パートナーへのトレーニングを進めてまいります。