有価証券報告書-第43期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 15:51
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業績等の概要

(1) 業績
当期における我が国の経済状況は、政府の経済政策や金融政策により雇用・所得環境の改善が続くなか、一部に弱さもみられたものの、緩やかな回復基調で推移しました。また、世界の経済状況は、中国をはじめとする新興国経済の減速や中東情勢の悪化等がみられたものの、米国や欧州を中心に全体としては緩やかな景気回復が続きました。
一方、当社グループを取り巻く国内事業環境においては、公共投資の減少傾向と、人手不足等に起因する人件費の高騰及び土木・建築工事の遅れ等により、引き続き厳しい状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、平成27年5月29日に「中期経営計画(平成28年3月期~平成30年3月期)」を策定し、国内外の事業基盤や新たなソリューションの開発を強化するとともに、国内の地域企業やパートナー企業との連携による事業領域の拡大を進めてまいりました。
国内事業においては、市場環境変化に対応した体制づくりを進め、補完関係のある企業との戦略的提携、他社とは差別化された技術・製品の開発とその拡販、及び全社的な経費削減、コストダウン等の収益改善の取り組みを継続してまいりました。その結果、老朽化した施設の更新や維持管理の需要及び民間委託や広域化を伴うPPP(注)案件の受注につなげることができました。また、海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を加速し、平成28年1月15日付で米国水処理エンジニアリング会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を完全子会社化するなど、積極的な経営資源の投入を行うことで事業基盤の構築を図りました。
当連結会計年度における業績については、サービスソリューション事業が前年に比べ売上・営業損益ともに好調に推移したものの、プラントエンジニアリング事業が低調に推移したことにより、全体としては前年を下回りました。
当連結会計年度における売上高は1,030億98百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は53億99百万円(前年同期比34.3%減)、経常利益は51億44百万円(前年同期比37.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は27億78百万円(前年同期比44.3%減)となりました。なお、受注高は1,125億14百万円、当期末日現在の受注残高は1,072億49百万円となり、順調に積み上がりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
プラントエンジニアリング事業の受注高は658億80百万円、売上高は一部案件の受注時期の遅れや当期売上に寄与しない長納期案件の増加、土木・建築工事の遅れによる工事進行基準案件の次期への売上計上遅れ等により590億31百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は売上減少の影響及び一部案件の損益悪化並びにAqua-Aerobic Systems, Inc.の買収費用の計上等により11億70百万円(前年同期比75.2%減)となりました。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業の受注高は466億33百万円、売上高は国内の浄水場・下水処理場向け設備の補修工事及び運転管理の受託等が順調に推移したことにより440億67百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は売上増加等により42億28百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
(注) PPP(Public-Private Partnership):公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広く捉えた概念で、
民間の資金、技術、ノウハウ、経営能力を活用し、効率化や公共サービスの向上を目指すもの。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は199億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ、96億8百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払による支出31億13百万円、売上債権の増加による支出11億7百万円、たな卸資産の増加による支出5億18百万円の一方、税金等調整前当期純利益51億44百万円、減価償却費10億24百万円、仕入債務の増加による収入7億2百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は95百万円(前年同期比52億24百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
新規連結子会社の取得による支出101億34百万円、有形固定資産の取得による支出5億59百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は110億23百万円(前年同期比95億20百万円増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払による支出15億3百万円の一方、長期借入による収入28億17百万円などにより、財務活動に伴う資金の増加は8億74百万円(前年同期比218億47百万円減)となりました。