有価証券報告書-第68期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 14:59
【資料】
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景として緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国をはじめとする海外経済の減速に加え、年初以降は急速に円高・株安が進むなど企業業績の悪化懸念が強まり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループにおける事業環境は次のとおりであります。
小売流通市場では、雇用や所得環境の改善が個人消費の回復に直結されず、日常消費に対する消費動向は慎重になっており、消費マインドの持ち直しの動きに遅れが見られております。加えて、業種を超えた企業間競争、労働需給逼迫による人件費の上昇などにより、依然として厳しい事業環境が続いております。
建設市場では、輸出関連企業を中心とした企業収益の改善を背景として企業の設備投資は緩やかな増加基調で推移しております。しかしながら、中国をはじめとする海外経済の減速や急速な円高進行などによる企業業績の悪化や、それに伴う企業の設備投資意欲の落ち込み、建設技能労働者不足に伴う工事工程の長期化などが懸念され、今後の見通しは不透明な状況が続いております。
貿易事業では、とりわけ主力事業の医薬品市場において、高齢化の進展による医薬品需要拡大という構造要因を背景に市場規模は拡大傾向でありますが、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進策の強化など、社会保障財源の問題を背景とした薬剤費抑制策が推進されており、引き続き厳しい事業環境となっております。
このような状況下において、当社グループは平成27年12月に食品スーパー5店舗を運営しております株式会社キシショッピングセンターを連結子会社化し小売業態の強化を図るとともに、東京証券取引所市場第二部から市場第一部へ市場変更し、更なる事業基盤の強化に努めてまいりました。また、持株会社である当社を軸として収益力の向上、事業の効率化及びコンプライアンスの強化に努めるとともに、各事業会社が顧客・マーケットに適合した事業展開を積極的に推進してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は887億92百万円(前期比6.2%増)、営業利益は15億69百万円(同54.0%増)、経常利益は17億16百万円(同50.6%増)となりました。また、税効果会計上の会社区分の見直しの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は12億63百万円(同5.2%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、77ページ「報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当連結会計年度より、従来、「ホームセンター事業」としていた報告セグメントは、「スーパーセンター事業」に名称を変更しております。セグメントの名称変更によりセグメント情報に与える影響はありません。
<スーパーセンター事業>スーパーセンター事業では、「スピード出店のための体制整備」「新フォーマット開発」「建設事業との連携によるサービス拡張」を重点施策として取り組んでまいりました。
平成27年5月に『綿半スーパーセンター豊科店』、同年11月に『綿半スーパーセンター塩尻店』を新規オープンしており、同年12月に取得しました株式会社キシショッピングセンターの店舗と合わせて、店舗数は、スーパーセンター11店舗、ホームセンター7店舗、食品スーパー5店舗となっております。
収益面では、スーパーセンター2店舗を新規オープンしたこと等により売上高は504億15百万円(前期比10.3%増)となり、新規オープンの先行コストが発生しておりますが、食品のロス率改善等の原価低減策による利益率改善の効果により、セグメント利益は4億52百万円(同50.1%増)となりました。
<建設事業>建設事業では、「デザインを活かしたオンリーワン提案」、「ニーズを先取りした新製品の継続的な開発」、「エリア・顧客基盤の拡大」を重点施策として取り組んでまいりました。
収益面では、主として前期より繰り越されている大型工事物件の施工が順調に進捗したことにより、売上高が増加しております。また、採算性を重視した効率的な営業活動に努め、快適性を高めた顧客ニーズ別駐車場開発を実現させるなど、モノ偏重から価値重視の提案型工事にシフトしていくことにより利益改善を図っております。加えて、工程管理と原価管理の徹底による原価低減、経費削減の取り組みが功を奏し、とりわけ建築鉄骨を中心とした一部工事において効率的な材料調達が図られたことが、利益を大きく押し上げる要因となりました。
これらの結果、売上高は344億7百万円(前期比1.6%増)、セグメント利益は18億48百万円(同56.3%増)となりました。
<貿易事業>貿易事業では、「主力商品の拡販」、「新規取引先の拡大」を重点施策として取り組んでまいりました。
収益面では、医薬品部門、化成品部門それぞれの主力商品の拡販が順調に進捗した一方、在庫評価の見直しの影響や、前期に撤退した宝飾品部門の減収要因もあり、売上高は37億15百万円(前期比1.5%減)、セグメント利益は3億66百万円(同3.8%減)となりました。
<その他>売上高は2億53百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は95百万円(同13.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は19億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億35百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は、6億85百万円(前期は3億51百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益16億26百万円、減価償却費11億96百万円があった一方、売上債権の増加10億1百万円、仕入債務の減少8億23百万円、法人税等の支払額3億8百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、19億44百万円(前期は17億38百万円の使用)となりました。これは主に固定資産の取得による支出18億89百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億98百万円があった一方、固定資産の売却による収入1億38百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は、16億93百万円(前期は13億54百万円の獲得)となりました。これは主に借入金の増加が18億91百万円あった一方、配当金の支払額1億47百万円があったこと等によるものであります。