有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/01/06 15:01
【資料】
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【項目】
89項目

事業等のリスク


事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)人材教育について
当社のビジネスモデルは、キーパーLABO運営事業で人材を確保し、実際の店舗運営の中で施工技術と接客術、マネージメントを習得します。そこで得られた技術とノウハウを、キーパーLABO店舗の責任者への配置又は、キーパー製品等関連事業に配置した社員が研修活動をしていく形を、人材教育のステップとしております。そのため、キーパーLABO運営事業の新規出店のスピードが上がってきた場合、技術及びノウハウを習熟した社員に育成するためには、時間を必要とするため、当社の成長スピードの足かせになる可能性があります。
(2)店舗の賃貸物件への依存について
当社の直営店は土地を購入せず、土地の有効活用を考える地主等から賃借しています。契約に際しては相手先の信用状態を判断したうえで出店を行いますが、賃借期間が10~15年と長期にわたる場合が多く、当該長期の契約期間中に倒産その他賃貸人の信用状態の予期せぬ悪化等の事由により、契約解除せざるを得ない事態になった場合には、直営店の営業継続が困難になることが想定され、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(3)個人情報管理及びシステム管理のリスクについて
当社では、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っていますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。
また当社が保有・管理する情報は、販売業、サービス業として多数のお客様の個人情報をはじめとする重要なものが多く存在します。これらの情報の保護・管理につきましては、「個人情報保護規程」「情報セキュリティ管理規程」を定め、従業員への教育、セキュリティ対策などの社内管理体制を整備し、情報保護の徹底を図っています。しかし、万一不測の事態が発生し、重要な情報が外部に流出・漏えいした場合は、損害賠償によるコストの発生、社会的信用の低下による営業活動への悪影響など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定の業界への依存について
当社のキーパー製品等関連事業における販売先のほとんどは、ガソリンスタンド向けとなっております。そのため、同業界の再編成、事業戦略の転換並びに動向等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)季節変動について
当社の第2四半期(10月~12月)は、正月前の年末を含むため、お正月前に車をきれいにしたいという日本人特有の需要が集中するため、他の四半期と比較して売上高が偏って高くなっております。一方、その反動で第3四半期(1月~3月)にはその分だけ需要が落ち込みます。その結果、第2四半期と第3四半期の売上高を合計して2で割り平均を出すと、他の四半期と同じレベルになり、第2四半期の偏りが解消される傾向となっております。
平成26年6月期第1四半期
(7~9月期)
第2四半期
(10~12月期)
第3四半期
(1~3月期)
第4四半期
(4~6月期)
年度計
売上高 (百万円)1,2371,5501,0531,3875,229
構成比 (%)23.729.620.226.5100.0

(6)自然災害による影響について
当社が店舗を展開する、または、事業関連施設を所有する地域において、地震、洪水、台風その他の大規模な自然災害が発生し、店舗等が被災した場合には、営業継続が困難になることが想定され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 固定資産の減損会計について
当社は、「固定資産の減損会計に関する基準」及び「固定資産の減損会計に関する手続」を定め、それを厳格に適用することとしております。そのため、当社の店舗において営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フロー等を算定し、減損の測定等を実施しております。今後、同店舗から得られる損益またはキャッシュ・フローの状況等によっては、減損処理に伴い、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(8)知的財産権について
当社は、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を認識しております。しかし、出願する特許権・商標権等の知的財産権の登録査定を得られない場合、または当社の認識していない知的財産権が成立し、第三者からの侵害を主張され裁判などの紛争に至った場合には、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(9)為替相場変動による影響について
当社は、海外から製品の輸入が、平成26年6月期全体の仕入高の約35%となっております。急激な為替の変動に対処できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)事実と異なる風説が流布することについて
当社のホームページ、keepercoating.jp及びkeeperlabo.jpは、当社のサービス・店舗を利用しようとするお客さまにとって重要な判断材料となります。実際に来店動機の最上位にインターネットでの情報が上げられており、インターネットなくして効果的な集客は考えられない状況です。他方、インターネット等を通じて当社の製品・店舗・役職員に対する事実と異なる悪評・誹謗・中傷等の風説が流布される可能性もあり、この場合、当社への信頼及び企業イメージが低下し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)同業他社との競合のリスクについて
当社はケミカル・機器などの「開発」「製造・卸・販売」「直営店運営」「技術・ノウハウの研修」と、それぞれが相関性を持ったすべてを網羅しているところに強みを持ったビジネスモデルです。現在のところこのようなビジネスモデルを持った競合は存在しません。しかし、その一部の部門において当社の製品あるいはサービスを上回る付加価値を生み出す競合先が出現する可能性がない訳ではありません。あるいはそのような競合状態を経験していないこと自体が、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)内部管理体制について
当社は、企業価値の持続的な増大を図るため、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)特定取引先への依存について
当社の主要な取引先であるSONAX社は、ドイツに本社を置くホフマン企業グループの中核をなす同国内で50%のシェアを持つドイツ最大の自動車ケミカルメーカーであります。当社とは平成13年からボディガラスコーティング製品において共同開発を行っております。
当社は設立後、間もなく独自でケミカル製品の開発を行っておりましたが、すべての製品を自主開発するには膨大な開発費が必要であったため、SONAX社と共同で開発を行ってきた経緯があります。
当社の主力商品の一つであるキーパーコーティングのうち、ボディガラスコーティングの材料であるKeePerブランドのケミカル製品(ダイヤモンドキーパーケミカル、レジン2)をSONAX社と共同開発し、その製造をSONAX社に製造委託しております。
当社のボディガラスコーティングのほとんどに、SONAX社に製造委託しているケミカル製品が使用されており、当該製品の仕入高は平成26年6月期の当社全体の年間仕入高の約24%であり、また、当該製品の販売及び当該製品を使用して施工するサービス商品の売上高は平成26年6月期の当社全体の年間売上高の約38%であります。
現在、SONAX社との取引関係は良好かつ安定的に推移しておりますが、同社の事業政策や事業再編等により取引関係の継続が困難となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。