有価証券報告書-第17期(平成26年12月1日-平成27年11月30日)

【提出】
2016/02/25 11:19
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が一巡するなか、個人消費は底堅く推移しており、政府による経済政策や日本銀行による金融緩和政策により、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向の維持に加え、設備投資は緩やかな増加基調を示す等、景気は緩やかな回復傾向となりました。
一方で、中国をはじめとした新興国経済の減速懸念の高まりを受けて金融市場などで不確実性が高まっており、投資を下押しするリスクが存在し、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
そのような環境の下、当社グループは、主にコンピュータグラフィックス(コンピュータを使って制作された映像、以下「CG」)関連のエンターテインメント(娯楽)業界向けビジネスに多角的に取り組んで参りました。当連結会計年度における、開発推進・支援事業においては、既存及び新規ミドルウェアの販売件数及び保守サポート継続件数が順調に推移し、アドテクノロジーを活用したソリューションの提供を開始したものの、一部の大型受注開発について、開発推進案件の失注等の確定及び一部のミドルウェアの新規ライセンス販売にかかる納期が来期に遅延することとなりました。コンテンツ事業においては、携帯端末向けの既存ゲームタイトルのダウンロード数が増加し、新規スマートフォンネイティブアプリを3本リリースしたものの、一部の新規リリースタイトルにつき当初予想を大幅に下回り、また配信時期の遅延等が生じました。人材事業においては、人材派遣及び紹介が堅調な動きを見せた結果、業績は安定的に推移いたしました。
また、開発推進・支援事業におけるソリューションサービスの他社販売オンラインゲーム向けのサーバー開発案件の一部において、不具合が生じたことに伴い瑕疵対応が必要となったこと、既存案件の一部において当初想定以上のサーバー台数を要したことや高性能なサーバーの導入が必要となったこと、ソフトウエア開発の案件の受注が伸びず、別途受注したコンテンツ開発の案件において外注先への委託費用が嵩んだこと等により、当初の想定を上回るコストが発生いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高が8,231,046千円(前期比2.2%増)、営業利益は266,287千円(同68.3%減)、経常利益は252,929千円(同69.6%減)、当期純利益は146,894千円(同71.1%減)となりました。
なお、報告セグメントの状況(セグメント間の内部取引消去前)は、以下のとおりであります。
① 開発推進・支援事業
当連結会計年度においては、ゲーム開発者向けミドルウェア「OROCHI3」等の商品が新規販売で36件、ミドルウェア保守サポートの継続が205件となり、また、顧客からの複数年に亘る開発依頼案件の継続、及びソフトウエアのライセンス供与によるロイヤリティ収入の継続もあり、新規のミドルウェア販売件数及び保守サポート継続件数は順調に推移しました。
一方で、他社販売のスマートフォン向けゲームの開発受託案件において、先方都合にて開発案件の推進そのものが見直しとなったことを受けて、当該案件の失注並びに当該ゲームの運営に係る収入の逸失が確定致しました。また、当期に見込んでいたミドルウェアライセンスの新規販売案件の一部が先方都合により、納期が来期に遅延することとなりました。更に、連結子会社であるイグニス・イメージワークス株式会社において、遊技機器業界の射幸性を抑制することを目的とした規制強化により、クライアント企業において既存遊戯機器の法的規制への対応業務を先行することとなったため、新規開発案件に遅延が生じました。
以上の結果、売上高は3,455,489千円(前期比5.0%減)、セグメント利益は916,892千円(前期比19.9%減)となりました。
② コンテンツ事業
当連結会計年度における主要タイトルの動向に関して、「逆襲のファンタジカ」は、ダウンロード数が約33万増加し全世界で798万に達しました。「刻のイシュタリア」は、ダウンロード数が約188万増加し全世界で243万に達しました。「戦国武将姫-MURAMASA-」は、ダウンロード数が約18万増加し77万に達しました。なお、平成27年6月16日にリリースした新規スマートフォンネイティブアプリ「グランスフィア」については、ダウンロード数が全世界で131万に達しました。また、平成27年10月27日にリリースした新規スマートフォンネイティブアプリ「戦国姫譚MURAMASA-雅-」については、ダウンロード数が291万に達しました。
既存タイトルについては、英語圏以外への展開の推進、リリース後の改修によるアクティブユーザー数の増加、更にはユーザー獲得のための広告宣伝費の追加投入が功を奏し、足元の収益は堅調に推移したものの、新規リリースタイトルの一部が予想を大幅に下回り、また配信時期の遅延等が発生しました。
以上の結果、売上高は3,858,758千円(前期比4.8%増)、セグメント利益は448,093千円(前期比25.6%減)となりました。
③ 人材事業
当連結会計年度における派遣先企業で稼動中の一般派遣労働者数は延べ1,861名、有料職業紹介の成約実績数は70名となりました。
以上の結果、売上高は943,473千円(前期比22.6%増)、セグメント利益は296,944千円(前期比17.4%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ636,371千円増加し、2,177,843千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、222,297千円(前連結会計年度は623,914千円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額141,244千円、仕入債務の減少額84,864千円等があったものの、税金等調整前当期純利益244,050千円、たな卸資産の減少額128,457千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、316,018千円(前連結会計年度は293,219千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出182,884千円、有形固定資産の取得による支出50,103千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、730,092千円(前連結会計年度は233,433千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出638,663千円、長期借入金の返済による支出127,876千円、社債の償還による支出280,000千円及び自己株式の取得による支出122,500千円等があったものの、短期借入金による収入277,000千円及び自己株式の売却による収入1,589,070千円等があったことによるものであります。