訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/06/05 10:22
【資料】
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【項目】
101項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
なお、当社は、第4期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比については記載しておりません。一方、第5期第1四半期累計期間より連結財務諸表を作成しておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
第4期連結会計年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は3,168,332千円となりました。流動資産は2,064,010千円となり、主な内訳は現金及び預金1,946,959千円であります。固定資産は1,104,322千円となり、主な内訳はのれん891,666千円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は507,118千円となりました。流動負債は475,939千円となり、主な内訳は前受金347,924千円であります。固定負債は31,179千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は2,661,213千円となりました。主な内訳は資本金1,533,500千円、資本剰余金1,532,500千円、利益剰余金△434,995千円であります。
第5期第1四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年3月31日)
(資産)
当第1四半期会計期間末の資産合計は2,785,541千円となりました。流動資産は1,520,378千円となり、主な内訳は現金及び預金1,389,487千円であります。固定資産は1,265,162千円となり、主な内訳はのれん866,666千円であります。
(負債)
当第1四半期会計期間末の負債合計は362,656千円となりました。流動負債は330,812千円となり、主な内訳は前受金150,527千円、未払金147,677千円であります。固定負債は31,844千円となりました。
(純資産)
当第1四半期会計期間末の純資産合計は2,422,884千円となりました。主な内訳は資本金1,533,500千円、資本剰余金1,532,500千円、利益剰余金△673,325千円であります。
(3)経営成績の分析
第4期連結会計年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は279,997千円となりました。大日本住友製薬よりマイルストン収入200,000千円を受領し売上に計上したほか、平成25年12月にアキュメンより事業譲渡を受けた眼科手術補助剤に関するロイヤルティ収入を当連結会計年度より売上に計上していること等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、804,175千円となりました。この主な内訳は、研究開発費327,060千円、支払報酬108,032千円及びのれん償却額100,000千円であります。
(営業損失)
当連結会計年度においては、売上高279,997千円、売上原価49,231千円及び販売費及び一般管理費804,175千円を計上した結果、営業損失は573,409千円となりました。
(経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は101,221千円、営業外費用は4,315千円となりました。これらの結果、経常損失は476,503千円となりました。
(当期純損失)
当連結会計年度における法人税等(法人税等調整額を含む)は6,803千円、少数株主損失は2,594千円となりました。これらの結果、当期純損失は480,712千円となりました。
第5期第1四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年3月31日)
(売上高)
当第1四半期累計期間における売上高は19,883千円となりました。これは化合物医薬品分野における眼科手術補助剤に関するロイヤルティ収入によるものです。
(販売費及び一般管理費)
当第1四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、250,098千円となりました。この主な内訳は、研究開発費117,069千円、支払報酬33,292千円及びのれん償却額25,000千円であります。
(営業損失)
当第1四半期累計期間においては、売上高19,883千円、売上原価2,386千円及び販売費及び一般管理費250,098千円を計上した結果、営業損失は232,601千円となりました。
(経常損失)
当第1四半期累計期間における営業外収益は237千円、営業外費用は9,556千円となりました。これらの結果、経常損失は241,920千円となりました。
(四半期純損失)
当第1四半期累計期間における法人税等(法人税等調整額を含む)は△136千円となり、この結果、四半期純損失は241,784千円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、日本が誇る優れた技術をもって難治性疾患を罹患する方々に新しい治療法を提供するべく、「化合物医薬品分野」と「iPSC再生医薬品分野」の2分野で事業展開を行っております。特にiPSC再生医薬品分野においては、iPS細胞を正常なRPE細胞に分化誘導し、iPS細胞由来RPE細胞懸濁液又はシートを作製、移植することによって、加齢黄斑変性を治療する新たな治療法の早期の実用化による収益獲得を経営戦略としております。
第4期連結会計年度においては、大日本住友製薬と眼疾患領域におけるiPSC再生医薬品の将来的な製造及び販売促進を行うための合弁会社を設立したことは、前述の治療法の早期実現化に向けた大きな進捗となりました。
(6)資金の財源及び資金の流動性についての分析
第4期連結会計年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
当社グループの当連結会計年度の資金の状況は、主に新株発行により得られた資金で、事業の譲受けや研究開発を行いました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,946,959千円となりました。キャッシュ・フローの状況については「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社が開発を行っているiPS細胞由来RPE細胞懸濁液又はシートに関しましては、理研等により、滲出型加齢黄斑変性に対する自家細胞によるiPS細胞由来RPE細胞シートの移植に関する臨床研究として世界で初めてiPS細胞由来RPE細胞シートの罹患者への移植が行われた現在においても、まだそれ自体が臨床試験の段階に至っている訳ではなく、今後臨床試験を開始させ、製造販売承認を受けるまでには相当長期の開発期間が必要となります。特に今後欧米での開発に取り組む際には、相当長期の開発期間と多額の資金を確保したうえで、海外の薬事制度の動向等に対応しながら柔軟に開発を進めていかなければなりません。
また、iPSC再生医薬品に関して製品パイプラインを将来的に拡充していくためには、国内外の研究機関によって行われる基礎的な研究に対して、医薬品の開発という観点からは不確実性が高い時期から相当長期にわたって連携を図っていくことなども必要になってきます。
しかしながら、海外におけるES細胞由来の再生医療等製品の開発や、国内外におけるiPS細胞を活用した再生医療技術の開発などが急速に進む再生医療分野の近年の情勢からすると、iPSC再生医薬品を日本だけではなく広く全世界に普及させ、再生医療を新たな日本の産業として成長させるためには、当社として、開発の対象が限定され、投資期間や調達額といった点についても制限が多いベンチャーキャピタル等からの資金調達に依存して研究開発を進めるよりも、広く一般の投資家の皆様に当社の事業上のリスク等を適切にご理解頂いた上で、その出資を受けることにより、海外展開と長期間の研究開発の両方を柔軟に進捗させることが必要であると考え、現時点での株式公開が適切であると判断しております。
その他の事項については、「3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。