有価証券報告書-第60期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 15:09
【資料】
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【項目】
103項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済・金融政策の継続による円安・株高傾向を背景に企業収益の向上や雇用情勢の改善を受け、緩やかな回復基調にありましたが、世界経済の牽引役であった米国経済の成長鈍化や中国を始めとする新興国の景気減速、海外での地政学リスク、為替や原油価格動向等のリスクがあり、先行きは不透明な状況が続いております。
超硬工具業界におきましては、上記のような経済の状況を受け、業界全体の出荷額が3,457億円(対前年度比23億円増・0.7%増)と平成26年度を僅かに上回りましたが、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額は373億円(対前年度比16億円減・4.2%減)と平成26年度を下回りました。
こうした状況のなか、当社グループは「和譲」の年度方針のもと、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスを顧客に提供することに努めてまいりました。
超硬製工具類では、海外向けの溝付プラグ、国内向けの大型パイプ用ダイスおよび超高圧発生用工具が市況の変化等により前連結会計年度の売上高を下回り、また海外での拡販を計画しておりました新規開拓が中国、アジア新興国の景気減速により進まず、売上高は4,189百万円(前連結会計年度比5.0%減)となりました。
超硬製金型類では、製缶金型が前連結会計年度の売上高を下回ったものの、光学素子成形用金型、自動車部品生産用金型等が堅調に推移した結果、売上高は4,134百万円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。
その他の超硬製品では、中国、アジア新興国の景気減速により海外向けの超硬合金チップの販売が低迷したものの、電子部品向けの超硬合金チップの売上高が伸びたこと等により、売上高は3,573百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
超硬以外の製品では、海外向けのダイヤモンド研削砥石の販売や引抜鋼管の販売が前連結会計年度の売上高を下回り、売上高は4,163百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は16,060百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。
利益につきましては、営業利益は海外事業の不振等により963百万円(前連結会計年度比11.5%減)、経常利益は為替差損や株式公開費用により959百万円(前連結会計年度比15.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は732百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ211百万円減少し、6,583百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益937百万円、減価償却費948百万円の計上などにより1,286百万円の収入(前年同期は1,995百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出865百万円などにより907百万円の支出(前年同期は1,384百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは378百万円の収入(前年同期は610百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済による支出120百万円、配当金の支払額384百万円などにより551百万円の支出(前年同期は288百万円の支出)となりました。