訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2015/10/26 15:01
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108項目

業績等の概要

(1) 業績
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度のわが国の経済情勢を顧みますと、前半は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、個人消費を中心に落ち込みが見られましたが、日本銀行の金融緩和や原油価格下落の影響等により、後半は緩やかに持ち直しました。
世界経済は一部に弱さが見られたものの、先進国を中心に緩やかに回復しております。
金融資本市場では、わが国の10年国債利回りは、日銀の量的・質的金融緩和の効果浸透により歴史的な低金利が継続し、欧米金利の低下や原油価格の下落を背景に、平成27年1月には一時0.2%割れと最低金利を更新した後、やや不安定な動きとなり、0.4%台まで上昇しました。日経平均株価は、米国株の上昇や公的年金の投資拡大観測を受け平成26年9月に16,000円台まで上昇した後、投資家のリスク回避姿勢の強まりから14,000円台まで下落する場面も見られましたが、国内景気や企業業績の改善期待から、平成27年3月には19,000円台となりました。
物流業界におきましては、eコマース市場の拡大に伴い、宅配便等の小型物品の配送市場が拡大する一方、サービス品質に対するお客さまニーズの高まりに対応し、各社がサービスの向上に努めるなど厳しい競争下にあります。郵便事業につきましては、インターネットの普及に加え、各種請求書等のWEB化の進展やDM市場の冷え込み等もあり、引き続き郵便物等の減少傾向が続いております。
銀行業界におきましては、当連結会計年度は、全国の銀行における実質預金が対前年度比増加となり、貸出金も4年連続で増加しました。金融システムは全体として安定性を維持しており、金融緩和の環境下で金融機関の資金調達に大きな問題は生じておりません。
生命保険業界におきましては、少子高齢化や単身世帯化の進展、ライフスタイルの変化等を背景としたお客さまのニーズの多様化、選別志向の高まりなどに対応する販売チャネルの強化、商品の開発等により、各社間の競争が激化しております。
当連結会計年度、当社グループは、平成26年度から平成28年度までの3年間を計画期間とする「日本郵政グループ中期経営計画〜新郵政ネットワーク創造プラン2016〜」(注)の初年度として、将来の目標である「トータル生活サポート企業」を目指して、中期的なグループ経営方針(主要三事業の収益力と経営基盤の強化、ユニバーサルサービスの責務の遂行、上場を見据えたグループ企業価値の向上)に基づき、主要三事業を中心とした様々な施策を展開してまいりました。
当社におきましては、当連結会計年度も、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保並びに郵便局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ各社の経営の基本方針の策定及び実施の確保に努めました。さらに、引き続き、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託して実施するほか、病院及び宿泊事業の経営改善を進めました。
また、日本郵便の経営基盤の強化及び成長のための投資財源の確保を目的として、日本郵便に6,000億円の増資を行いました。併せて、約6,400億円の「整理資源」(昭和33年以前から郵政事業に携わっていた者に支払う恩給相当の負担)につき退職給付信託を設定し、オフバランス化することにより、当社のバランスシートを整備するとともに、キャッシュ・フローを改善いたしました。これらの資金につきましては、当社が保有するゆうちょ銀行株式のうち、1.3兆円相当をゆうちょ銀行に売却することにより調達いたしました。
株式の上場に向けた取り組みといたしましては、早期の上場及び政府による株式処分を可能とするための所要の準備を進め、平成26年12月には当社及び金融2社の株式上場スキームを策定しました。
なお、金融2社の上場申請に先立ち、平成27年4月からは、金融2社の自主的・自律的な経営を基本としつつ、当社を中心にグループ総合力を発揮するための新たなグループ運営体制に移行いたしました。
当社グループの内部統制につきましては、引き続きその強化を推進してきたところであり、グループ全体のコンプライアンス水準の向上を重点課題として、グループ各社のコンプライアンス・プログラムの策定・推進状況及び内部監査態勢・監査状況を的確に把握し、グループ各社に必要となる支援・指導を行いました。
さらに、当社は、グループ各社が提供するサービスの公益性及び公共性の確保やお客さま満足度の向上に取り組むとともに、当社グループの社会的責任を踏まえたCSR活動や東日本大震災の復興支援にも、当社グループが一丸となって取り組んでまいりました。
このような取り組みを行った結果、当連結会計年度における連結経常収益は、14,258,842百万円(前期比6.4%減)となりました。また、連結経常利益は、1,115,823百万円(前期比1.1%増)、経常利益に、固定資産売却等による特別利益、保険業法の価格変動準備金繰入等による特別損失、契約者配当準備金繰入額等を加減した連結当期純利益は、482,682百万円(前期比0.8%増)となっております。
(注) 平成27年4月1日に新たな中期経営計画である「日本郵政グループ中期経営計画~新郵政ネットワーク創造プラン2017~」を発表しています。
各事業セグメント別の事業の経過及び成果は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「郵便事業・物流業」は「郵便・物流事業」に、「郵便局事業」は「金融窓口事業」に報告セグメントの名称を変更しております。
① 郵便・物流事業
日本郵便を主たる会社とする郵便・物流事業のうち国内郵便につきましては、収益力の強化に向け、郵便サービスにおいて、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と連携した年賀状作成サービス等や、「手紙の書き方体験授業」、「ふみの日イベント」、「メッセージフェスタ」など、手紙の楽しさを伝える活動を展開する等により、郵便の利用の維持・拡大を図るとともに、研修・教育の実施等により誤配達を防止する等、品質の向上に努めました。国際郵便につきましては、品質向上やスピードアップに加え、クールEMSの取扱局及び名宛地域等の拡大に取り組みました。物流サービス(ゆうパック及びゆうメール)につきましては、品質管理の徹底に努めたほか、「ゆうパケット」、「クリックポスト」、「リターンパック」などの新規サービスを展開するとともに、中小口のお客さまに対する営業の強化、お客さまの幅広いニーズに一元的に対応できる営業体制の構築に努めました。また、日本郵便ファイナンス株式会社を設立するとともに、三井住友信託銀行と通販ビジネス等向け決済サービスに関する業務提携を行い、決済サービスの提供を開始するとともに、ジオポスト及びレントングループとの資本・業務提携により、国際宅配便サービス(UGX)を開始するなど、サービスメニューを拡充しました。
一方、生産性の向上に向けた取り組みとして、ゆうパック、ゆうメール等の取扱量の増加に対応するとともに、郵便物等の集中処理を行うため、東京エリアを受け持つ新たな地域区分郵便局を設置するなど、郵便・物流ネットワーク再編を推進いたしました。
また、集配業務の生産性の向上、運送便の積載率向上、次世代郵便情報システムの構築に取り組んだほか、業務運行に必要な労働力を確保できるよう、地域ごとの状況を踏まえた効果的な募集活動を行いました。
このような取り組みを行った結果、当連結会計年度、郵便・物流事業においては、ゆうパック、ゆうメール、EMSの増加により営業収益は増加したものの、給与手当等の増による人件費の増加や国際運送料等の増による経費が増加し、経常収益1,871,304百万円(前期比2.7%増)、経常利益1,820百万円(前期比90.2%減)となりました。
なお、日本郵便の当連結会計年度における郵便・物流事業の営業収益は1,851,911百万円(前期比2.6%増)、営業損失は8,182百万円(前期は営業利益12,362百万円)となりました。
また、当事業年度の総取扱物数は郵便物が181億8,863万通(前期比2.1%減)、ゆうメールが33億6,194万個(前期比1.1%増)、ゆうパックが4億8,504万個(前期比13.2%増)となりました。
引受郵便物等の状況
区分前事業年度当事業年度
物数(千通・千個)対前年度比(%)物数(千通・千個)対前年度比(%)
総数22,324,419△0.122,035,617△1.3
郵便物18,571,775△1.518,188,628△2.1
内国18,524,615△1.518,142,041△2.1
普通18,054,960△1.617,661,265△2.2
第一種8,569,925△2.68,531,556△0.4
第二種6,640,5070.56,398,122△3.7
第三種241,483△4.5230,229△4.7
第四種21,484△0.919,931△7.2
年賀2,532,433△3.12,431,779△4.0
選挙49,128△15.449,6481.1
特殊469,6551.5480,7772.4
国際(差立)47,160△1.546,587△1.2
通常34,548△8.729,503△14.6
小包1,79739.03,03869.0
国際スピード郵便10,81523.314,04729.9
荷物3,752,6447.73,846,9892.5
ゆうパック428,43712.1485,04413.2
ゆうメール3,324,2067.23,361,9441.1

(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
種類概要/特徴
第一種郵便物お客さまがよく利用される「手紙」のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)も含まれます。
第二種郵便物「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。
第三種郵便物新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。
第四種郵便物公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。

2.年賀は、郵便約款上の年賀特別郵便の物数であります。別掲で示しております。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱を行った郵便物の物数の合計であります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。なお、ゆうパックの中には、エクスパックを含んでおります。
6.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている3kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
② 金融窓口事業
日本郵便を主たる会社とする金融窓口事業につきましては、収益力の強化に向けた取り組みとして、まず、金融サービスにおいて、委託元であるゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険と連携した研修を通じた社員の営業力強化に取り組みました。銀行窓口業務においては、お客さまごとに取引状況に応じた商品の提案を行いながら、総貯金残高を意識した「ストック重視」の営業スタイルへの転換・定着を図るとともに、給与・年金口座等のメイン化商品のご利用促進に向けたゆうちょ銀行との一体営業の展開、キャンペーン・セミナーの開催等を通じたお客さまとの関係深化を図りました。保険窓口業務においては、平成26年4月に新しい学資保険「はじめのかんぽ」の取扱いを開始するとともに、同年4月から5月にかけて、全国の郵便局において「はじめのかんぽキャンペーン」を実施し、新商品のお客さま認知度の向上を図りました。また、提携金融サービスにおいては、がん保険等の取扱局を拡大したほか、新たながん保険「新 生きるためのがん保険Days(JPオリジナルプラン)」の販売を開始いたしました。物販事業におきましては、株式会社JP三越マーチャンダイジングの設立やリンベル株式会社との提携等により、商品の拡充・開発を行うとともに、営業チャネルの多様化を推進いたしました。不動産事業におきましては、JPタワーに加え、平成26年8月に竣工した大宮JPビルディングや、新築工事中のJPタワー名古屋及びKITTE博多等の賃貸ビル事業のほか、住宅事業及び駐車場事業を引き続き推進いたしました。
主なプロジェクトの概要は以下のとおりです。
名称土地面積
(千㎡)
延床面積
(千㎡)
簿価
(百万円)
持分シェア
土地等建物他
JPタワー約11約212319,526227,78391,743共同事業
メジャーシェア
大宮JPビルディング約6約4512,6283,9038,725単独事業
JPタワー名古屋
(工事中)
2015.11竣工予定
約12約17910,945投資予定金額
約440億円
共同事業
メジャーシェア
KITTE博多(工事中)
2016.3竣工予定
約5約657,385投資予定金額
約170億円
単独事業

(注) 平成27年3月31日時点
また、金融窓口事業のネットワーク価値向上等に向け、郵便局の新規出店、店舗配置の見直し等を通じた郵便局ネットワークの最適化を推進し、その一環として、立地や客層に応じた特色ある店舗づくりにも取り組みました。加えて、郵便局の現金取扱いに関して、機器の増配備により資金管理体制の充実を図るとともに、郵便局への訪問支援や関連ツールの充実等による業務品質の向上に取り組みました。
このような取り組みを行った結果、当連結会計年度、金融窓口事業においては、不動産事業の推進や提携金融サービスの拡充などにより営業収益は増加したものの、次世代情報端末の全国展開等投資に伴う費用等の増による経費が増加し、経常収益は1,302,086百万円(前期比2.2%増)、経常利益は22,832百万円(前期比41.8%減)となりました。
なお、日本郵便の当連結会計年度における金融窓口事業の営業収益は1,281,911百万円(前期比2.3%増)、営業利益は20,720百万円(前期比46.0%減)となりました。
郵便局数
支社名営業中の郵便局(局)
前事業年度末当事業年度末
直営の郵便局簡易
郵便局
直営の郵便局簡易
郵便局
郵便局分室郵便局分室
北海道1,21112851,4971,20812821,491
東北1,88416432,5281,88316432,527
関東2,39401882,5822,39301862,579
東京1,485261,4931,478061,484
南関東9510751,0269530761,029
信越97903371,31697803341,312
北陸67701788556760177853
東海2,04733542,4042,04833552,406
近畿3,10063483,4543,09963423,447
中国1,75924922,2531,75624872,245
四国93702261,16393502251,160
九州2,52029283,4502,51529303,447
沖縄181121203180022202
全国計20,125184,08124,22420,102154,06524,182

③ 銀行業
ゆうちょ銀行を主たる会社とする銀行業におきましては、当連結会計年度を「経営基盤強化」の着実な遂行の年度と位置づけ、様々な取り組みを行ってまいりました。
まず、安定的な利益を確保するための取り組みとして、お客さま満足度の向上を図りつつ、総貯金残高の純増確保に向けた営業展開、投資信託等の手数料ビジネスの拡充、法人営業の強化等に取り組みました。個人のお客さまに対しては、ICT(Information & Communication Technology)を活用して、お客さまごとに取引状況に応じた商品の提案を行いながら、総貯金残高を意識した「ストック重視」の営業スタイルへの転換・定着を図りました。また、給与・年金口座等のメイン化商品のご利用促進に向け、日本郵便との一体営業の展開、キャンペーン・セミナーの開催等を通じ、お客さまとの関係深化を図りました。さらに、お客さまの運用ニーズ多様化やNISA(少額投資非課税制度)に対応し、店頭販売の投資信託の商品ラインナップを拡充したほか、資産運用商品の販売力向上のためフィナンシャル・コンサルタントの育成・増員に取り組みました。法人のお客さまに対しては、当社グループの総合力を活かし、傘下各社と連携した複合提案等により、給与受取の口座利用等の拡大に努めました。また、お客さまの代金収納等の期間短縮ニーズに応え、即時振替サービスを開始いたしました。
収益源の多様化に向けた取り組みとして、金利・流動性リスクをマネージしつつ、国債運用等で安定的収益の確保を図る「ベース・ポートフォリオ」と、国際分散投資等により、主に信用・市場リスクをとって、超過リターンを追求する「サテライト・ポートフォリオ」との枠組みのもと、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)を展開、収益源泉の多様化・リスク分散を推進して、歴史的低金利の継続下における中期的な安定的収益の確保に努めました。また、個人のお客さまに対する戦略的なATMチャネルの展開として、ファミリーマートの店舗約500店にゆうちょ銀行のATMを設置し、利便性を更に高めました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度、銀行業におきましては、年度末時点の貯金残高は177,710,776百万円(前期比0.6%増)、歴史的な低金利が継続する厳しい経営環境のもと、収益源の多様化に注力した結果、資金運用収益が増加し、経常収益は2,078,298百万円(前期比0.1%増)、経常利益は569,609百万円(前期比0.8%増)となりました。
なお、ゆうちょ銀行における国内・国際業務部門別開示などの詳細な状況については、下記「(参考)銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況」に記載のとおりであります。
(参考)銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況
(a) 国内・国際業務部門別開示
イ.国内・国際別収支
国内業務部門・国際業務部門別収支の内訳は次のとおりであります。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金運用収支は1,139,951百万円、役務取引等収支は88,499百万円、その他業務収支は△5,091百万円となりました。
国際業務部門においては、資金運用収支は400,847百万円、役務取引等収支は751百万円、その他業務収支は9,814百万円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金運用収支は1,540,799百万円、役務取引等収支は89,251百万円、その他業務収支は4,723百万円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支前事業年度1,296,406173,8611,470,268
当事業年度1,139,951400,8471,540,799
うち資金運用収益前事業年度1,595,107264,87332,3701,827,610
当事業年度1,425,970509,27641,9741,893,273
うち資金調達費用前事業年度298,70091,01132,370357,341
当事業年度286,018108,42941,974352,473
役務取引等収支前事業年度91,90078992,690
当事業年度88,49975189,251
うち役務取引等収益前事業年度120,269847121,116
当事業年度118,616812119,429
うち役務取引等費用前事業年度28,3685728,426
当事業年度30,1166030,177
その他業務収支前事業年度5785,1785,756
当事業年度△5,0919,8144,723
うちその他業務収益前事業年度8,97311,51420,487
当事業年度30210,50710,809
うちその他業務費用前事業年度8,3956,33514,731
当事業年度5,3936936,086

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」といいます。)を有しておりません。
3.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度4,405百万円、当事業年度4,307百万円)を控除しております。
4.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。
ロ.国内・国際別資金運用/調達の状況
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は198,005,944百万円、利回りは0.95%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は187,117,536百万円、利回りは0.18%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は192,255,012百万円、利回りは0.74%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は183,495,714百万円、利回りは0.15%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は28,033,663百万円、利回りは1.81%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は25,904,554百万円、利回りは0.41%となりました。
ⅰ 国内業務部門
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前事業年度192,607,1831,595,1070.82
当事業年度192,255,0121,425,9700.74
うち貸出金前事業年度3,418,10937,8781.10
当事業年度2,972,33431,1271.04
うち有価証券前事業年度153,186,9801,506,2740.98
当事業年度133,278,7121,320,4540.99
うち債券貸借取引
支払保証金
前事業年度7,506,6938,0760.10
当事業年度7,861,2567,8770.10
うち預け金等前事業年度11,687,09810,4870.08
当事業年度25,859,68124,5290.09
資金調達勘定前事業年度183,500,887298,7000.16
当事業年度183,495,714286,0180.15
うち貯金前事業年度176,963,992255,0350.14
当事業年度177,711,397241,7070.13
うち債券貸借取引
受入担保金
前事業年度8,797,4179,8770.11
当事業年度8,051,7317,7370.09
うち借用金前事業年度000.29
当事業年度

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,260,523百万円、当事業年度2,267,414百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,260,523百万円、当事業年度2,267,414百万円)及び利息(前事業年度4,276百万円、当事業年度4,226百万円)を控除しております。
3.預け金等には、譲渡性預け金、コールローン、日銀預け金等を含んでおります。「ⅱ 国際業務部門」「ⅲ 合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ⅲ 合計」においても同様であります。
ⅱ 国際業務部門
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前事業年度20,219,369264,8731.31
当事業年度28,033,663509,2761.81
うち貸出金前事業年度13,340760.57
当事業年度
うち有価証券前事業年度19,197,622262,1101.36
当事業年度26,849,989505,6321.88
うち債券貸借取引
支払保証金
前事業年度
当事業年度
うち預け金等前事業年度987,7342,6290.26
当事業年度1,144,4573,5210.30
資金調達勘定前事業年度18,835,49691,0110.48
当事業年度25,904,554108,4290.41
うち貯金前事業年度
当事業年度
うち債券貸借取引
受入担保金
前事業年度2,055,1833,1760.15
当事業年度3,638,0397,1510.19
うち借用金前事業年度
当事業年度

(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度26,722百万円、当事業年度19,190百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度26,722百万円、当事業年度19,190百万円)及び利息(前事業年度129百万円、当事業年度80百万円)を控除しております。
ⅲ 合計
種類期別平均残高(百万円)利息(百万円)利回り
(%)
小計相殺消去額(△)合計小計相殺消去額(△)合計
資金運用勘定前事業年度212,826,55316,806,817196,019,7361,859,98132,3701,827,6100.93
当事業年度220,288,67622,282,732198,005,9441,935,24741,9741,893,2730.95
うち貸出金前事業年度3,431,4503,431,45037,95437,9541.10
当事業年度2,972,3342,972,33431,12731,1271.04
うち有価証券前事業年度172,384,603172,384,6031,768,3841,768,3841.02
当事業年度160,128,701160,128,7011,826,0861,826,0861.14
うち債券貸借取引支払保証金前事業年度7,506,6937,506,6938,0768,0760.10
当事業年度7,861,2567,861,2567,8777,8770.10
うち預け金等前事業年度12,674,83212,674,83213,11613,1160.10
当事業年度27,004,13927,004,13928,05028,0500.10
資金調達勘定前事業年度202,336,38316,806,817185,529,566389,71232,370357,3410.19
当事業年度209,400,26822,282,732187,117,536394,44741,974352,4730.18
うち貯金前事業年度176,963,992176,963,992255,035255,0350.14
当事業年度177,711,397177,711,397241,707241,7070.13
うち債券貸借取引受入担保金前事業年度10,852,60110,852,60113,05313,0530.12
当事業年度11,689,77111,689,77114,88914,8890.12
うち借用金前事業年度00000.29
当事業年度

(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,287,246百万円、当事業年度2,286,605百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,287,246百万円、当事業年度2,286,605百万円)及び利息(前事業年度4,405百万円、当事業年度4,307百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。
ハ.国内・国際別役務取引の状況
当事業年度の役務取引等収益は119,429百万円、役務取引等費用は30,177百万円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
役務取引等収益前事業年度120,269847121,116
当事業年度118,616812119,429
うち預金・貸出業務前事業年度29,26429,264
当事業年度31,16431,164
うち為替業務前事業年度65,83177366,604
当事業年度62,31273163,044
うち代理業務前事業年度2,4242,424
当事業年度2,5172,517
役務取引等費用前事業年度28,3685728,426
当事業年度30,1166030,177
うち為替業務前事業年度2,942202,963
当事業年度3,289193,308

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
ニ.国内・国際別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
預金合計前事業年度176,612,780176,612,780
当事業年度177,710,776177,710,776
流動性預金前事業年度60,200,57160,200,571
当事業年度61,053,64561,053,645
うち振替貯金前事業年度10,925,66910,925,669
当事業年度11,747,37411,747,374
うち通常貯金等前事業年度48,878,52948,878,529
当事業年度48,912,82648,912,826
うち貯蓄貯金前事業年度396,371396,371
当事業年度393,443393,443
定期性預金前事業年度116,157,689116,157,689
当事業年度116,453,033116,453,033
うち定期貯金前事業年度14,781,46314,781,463
当事業年度13,569,92013,569,920
うち定額貯金等前事業年度101,374,092101,374,092
当事業年度102,881,558102,881,558
その他の預金前事業年度254,519254,519
当事業年度204,097204,097
譲渡性預金前事業年度
当事業年度
総合計前事業年度176,612,780176,612,780
当事業年度177,710,776177,710,776

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金等+貯蓄貯金
「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
4.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金等+特別貯金(住宅積立郵便貯金相当+教育積立郵便貯金相当)
「定額貯金等」=定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当)
5.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
6.特別貯金は管理機構からの預り金で、管理機構が公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。
7.特別貯金(通常郵便貯金相当)は管理機構からの預り金のうち、管理機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
ホ.国内・国際別貸出金残高の状況
ⅰ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前事業年度当事業年度
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)3,076,325100.002,783,985100.00
農業、林業、漁業、鉱業
製造業83,8792.7283,0422.98
電気・ガス等、情報通信業、運輸業94,0443.0591,0923.27
卸売業、小売業23,8900.7718,2860.65
金融・保険業2,026,91865.881,759,28163.19
建設業、不動産業11,5000.372,0000.07
各種サービス業、物品賃貸業15,8050.518,6700.31
国、地方公共団体610,56619.84614,20222.06
その他209,7206.81207,4097.45
国際及び特別国際金融取引勘定分
政府等
金融機関
その他
合計3,076,3252,783,985

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち管理機構向け貸出金は、前事業年度末1,766,185百万円、当事業年度末1,486,308百万円であります。
ⅱ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
ヘ.国内・国際別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
国債前事業年度126,391,090126,391,090
当事業年度106,767,047106,767,047
地方債前事業年度5,550,3795,550,379
当事業年度5,525,1175,525,117
短期社債前事業年度333,979333,979
当事業年度226,986226,986
社債前事業年度11,050,16311,050,163
当事業年度10,756,05010,756,050
株式前事業年度935935
当事業年度935935
その他の証券前事業年度22,731,33822,731,338
当事業年度32,893,65632,893,656
うち外国債券前事業年度14,532,61814,532,618
当事業年度18,817,70618,817,706
うち投資信託前事業年度8,120,5828,120,582
当事業年度13,967,71613,967,716
合計前事業年度143,326,54722,731,338166,057,886
当事業年度123,276,13632,893,656156,169,792

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.投資信託の投資対象は主として外国債券であります。
(b) 自己資本比率の状況
銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき算出しております。
なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
平成27年3月31日
1.自己資本比率(2/3)38.42
2.単体における自己資本の額82,740
3.リスク・アセット等の額215,334
4.単体総所要自己資本額8,613

(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(c) 資産の査定
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の貸借対照表の貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る)等について、債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
イ.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
ロ.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
ハ.要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
ニ.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記イ.からハ.までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分平成26年3月31日平成27年3月31日
金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権
危険債権
要管理債権
正常債権32,25629,319


(d) その他
ゆうちょ銀行単体情報のうち、参考として損益の概要を掲げております。
損益の概要
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減
(百万円)(B)-(A)
業務粗利益1,568,7151,634,77466,058
経費(除く臨時処理分)1,096,0281,114,77518,747
人件費123,318123,211△107
物件費913,615917,4553,840
税金59,09474,10715,013
業務純益(一般貸倒引当金繰入前)472,687519,99847,311
一般貸倒引当金繰入額
業務純益472,687519,99847,311
うち債券関係損益4,275△4,592△8,868
臨時損益92,40749,491△42,916
金銭の信託運用損益103,85643,151△60,704
不良債権処理額
貸倒引当金戻入益37392
償却債権取立益224321
その他臨時損益△11,5076,25617,763
経常利益565,095569,4894,394
特別損益△6281,5442,172
うち固定資産処分損益△5621,5612,124
税引前当期純利益564,467571,0346,566
法人税、住民税及び事業税187,855182,658△5,197
法人税等調整額21,94618,941△3,005
法人税等合計209,802201,599△8,202
当期純利益354,664369,43414,769

(注) 1.業務粗利益=(資金運用収支+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等収支+その他業務収支
2.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
5.債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
④ 生命保険業
かんぽ生命保険を主たる会社とする生命保険業におきましては、「お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指す」との方針のもと、より良いお客さまサービスの実現に向けた取り組みを行うなど、経営基盤の強化を図ってまいりました。
収益力の強化に向けた取り組みとして、新商品や提携商品を活用した営業力の強化に努めました。平成26年4月には、学資保険「はじめのかんぽ」の販売を開始するとともに、同年4月から5月にかけて、全国の郵便局やかんぽ生命保険の支店において「はじめのかんぽキャンペーン」を実施し、新商品のお客さま認知度の向上を図りました。さらに、同年10月から11月にかけて、「実りのかんぽキャンペーン」を、平成27年1月から3月にかけて「ドリームかんぽキャンペーン2015」を実施し、これらのキャンペーンをきっかけとして、多くのお客さまにかんぽ生命保険の商品・サービスをご利用いただくよう取り組みました。また、平成26年7月から、American Family Life Assurance Company of Columbusのがん保険の受託販売を支店で開始し、同年10月からは、同社が当社グループ向けに開発した「新 生きるためのがん保険Days(JPオリジナルプラン)」の販売を開始いたしました。
経営基盤の強化に向けた取り組みとして、保険金等支払管理態勢の整備・強化について、簡易・迅速・正確な保険金等のお支払いによるお客さまサービスの向上を目的に、平成26年4月から段階的に支払業務システムの導入を進め、同年10月に全面移行が完了いたしました。支払業務システムでは、支払審査事務のベースを書類現物からデジタルデータに移行し、支払審査に係るシステム支援を充実させることにより、支払品質の更なる向上や事務処理の効率化を図っております。また、統合的リスク管理(ERM)の定着に向けて、ERM態勢の高度化を進めました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度、生命保険業におきましては、個人保険238万1千件、金額 7,002,593百万円、個人年金保険13万7千件、金額493,582百万円の新規契約を獲得したものの、責任準備金戻入額が減少したため、経常収益が減少、経常収益は10,169,241百万円(前期比9.5%減)、経常利益は492,625百万円(前期比6.5%増)となりました。
なお、かんぽ生命保険における保険引受及び資産運用の状況などの詳細な状況については、下記「(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況」に記載のとおりであります。
(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況
(下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保険引受及び資産運用の状況
イ.保有契約高明細表
区分前事業年度末当事業年度末
件数(千件)金額(百万円)件数(千件)金額(百万円)
個人保険11,66833,735,66113,53939,159,046
個人年金保険1,1943,443,8631,3183,615,908

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
ロ.新契約高明細表
区分前事業年度当事業年度
件数(千件)金額(百万円)件数(千件)金額(百万円)
個人保険2,2336,559,8032,3817,002,593
個人年金保険148524,095137493,582

(注) 個人年金保険の金額については、年金支払開始時における年金原資であります。
ハ.保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
個人保険2,192,2302,526,861
個人年金保険661,402673,838
合計2,853,6333,200,699
うち医療保障・生前
給付保障等
227,460257,460

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額。)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
ニ.新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分前事業年度当事業年度
個人保険439,081457,852
個人年金保険179,878162,575
合計618,960620,427
うち医療保障・生前
給付保障等
49,17541,120

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額。)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(参考)かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
区分前事業年度末当事業年度末
件数
(千件)
保険金額・年金額
(百万円)
件数
(千件)
保険金額・年金額
(百万円)
保険23,19663,358,85319,95054,322,353
年金保険3,3961,250,6322,9511,077,945

(注) 計数は、管理機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
保険3,201,7142,655,722
年金保険1,174,2221,017,318
合計4,375,9373,673,040
うち医療保障・生前
給付保障等
541,209490,550

(注) かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
ホ.一般勘定資産の構成
区分前事業年度末当事業年度末
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
現預金・コールローン1,893,6012.22,651,3973.1
買現先勘定
債券貸借取引支払保証金2,822,1883.22,720,8563.2
買入金銭債権107,4480.1449,0680.5
商品有価証券
金銭の信託581,6270.71,434,9431.7
有価証券69,378,97579.766,277,24478.1
公社債68,138,52778.264,294,76775.7
株式9840.09840.0
外国証券1,239,4641.41,981,4922.3
公社債1,099,4641.31,961,4922.3
株式等140,0000.220,0000.0
その他の証券
貸付金11,020,58512.79,977,34511.8
保険約款貸付54,2710.174,0970.1
一般貸付763,2980.9806,2590.9
機構貸付10,203,01511.79,096,98810.7
不動産75,6620.1112,2860.1
うち投資用不動産
繰延税金資産592,6650.7548,2100.6
その他616,9070.7741,5370.9
貸倒引当金△1,036△0.0△943△0.0
合計87,088,626100.084,911,946100.0
うち外貨建資産1,128,7801.32,196,3492.6

(注) 1.「機構貸付」とは、管理機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.「不動産」については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
ヘ.一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%)
区分前事業年度当事業年度
現預金・コールローン0.050.05
買現先勘定
債券貸借取引支払保証金
買入金銭債権0.340.32
商品有価証券
金銭の信託3.043.54
有価証券1.711.73
うち公社債1.711.70
うち株式
うち外国証券1.952.87
貸付金2.312.25
うち一般貸付1.581.53
不動産
一般勘定計1.711.70
うち海外投融資1.982.88

(注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円貨建資産の合計であります。
(b) 基礎利益
「基礎利益」とは、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間収益の状況を表す指標であります。
かんぽ生命保険の当事業年度における基礎利益は、515,417百万円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円)
項目前事業年度当事業年度
基礎利益(A)482,052515,417
キャピタル収益82,26994,683
金銭の信託運用益9,73632,762
売買目的有価証券運用益
有価証券売却益71,07461,908
金融派生商品収益
為替差益1,45212
その他キャピタル収益5
キャピタル費用20,49330,527
金銭の信託運用損
売買目的有価証券運用損
有価証券売却損10,2054,963
有価証券評価損
金融派生商品費用2,161773
為替差損
その他キャピタル費用8,12624,790
キャピタル損益(B)61,77664,156
キャピタル損益含み基礎利益(A)+(B)543,828579,573
臨時収益94,80790,087
再保険収入
危険準備金戻入額94,80790,087
個別貸倒引当金戻入額
その他臨時収益
臨時費用175,129176,491
再保険料
危険準備金繰入額
個別貸倒引当金繰入額
特定海外債権引当勘定繰入額
貸付金償却
その他臨時費用175,129176,491
臨時損益(C)△80,322△86,403
経常利益(A)+(B)+(C)463,506493,169

(注) 1.金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額(前事業年度:8,126百万円、当事業年度:24,790百万円)を、「その他キャピタル費用」に計上し、基礎利益に含めております。
2.その他運用収益のうちキャピタル・ゲインに相当する額(前事業年度:5百万円)を基礎利益に含めず、「その他キャピタル収益」に計上しております。
3.その他運用費用のうちキャピタル・ロスに相当する額(前事業年度:0百万円)を基礎利益に含めず、「その他キャピタル費用」に計上しております。
4.「その他臨時費用」には、保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた額(前事業年度:175,129百万円、当事業年度:176,491百万円)を記載しております。
(c) かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率
生命保険会社は将来の保険金等のお支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株の大暴落などの通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標のひとつであります。
この比率が200%を下回った場合は、規制当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性のひとつの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末におけるかんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,644.2%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円)
項目前連結会計年度末当連結会計年度末
ソルベンシー・マージン総額(A)5,134,7325,706,126
資本金等1,334,2461,387,508
価格変動準備金614,233712,167
危険準備金2,588,7982,498,711
異常危険準備金
一般貸倒引当金9177
その他有価証券の評価差額×90%(マイナスの場合100%)238,976703,549
土地の含み損益×85%(マイナスの場合100%)△3,465△10,077
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額3,3177,920
全期チルメル式責任準備金相当額超過額358,533406,267
負債性資本調達手段等
全期チルメル式責任準備金相当額超過額及び負債性
資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額
控除項目
その他
リスクの合計額
[{(R12+R52)1/2+R8+R9}2+(R2+R3+R7)2]1/2+R4+R6
(B)631,890694,064
保険リスク相当額R1168,426163,796
一般保険リスク相当額R5
巨大災害リスク相当額R6
第三分野保険の保険リスク相当額R899,91388,568
少額短期保険業者の保険リスク相当額R9
予定利率リスク相当額R2198,138184,450
最低保証リスク相当額R7
資産運用リスク相当額R3355,728443,176
経営管理リスク相当額R416,44417,599
ソルベンシー・マージン比率
(A)/{(1/2)×(B)}×100
1,625.1%1,644.2%

(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
(d) かんぽ生命保険のEV
イ.EVの概要
ⅰ EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
ⅱ EEVについて
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、平成16年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。さらに、平成17年10月には、感応度及び開示に関連した指針(ガイダンス)が追加されております。
ⅲ EEVの計算手法
欧州や日本の状況を踏まえ、かんぽ生命保険ではEEV原則に則り、市場整合的手法を用いて計算したEVを計算しております。ここで、市場整合的手法とは、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
ロ.簡易生命保険契約について
かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づき、平成19年10月1日に発足しました。また、平成19年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、管理機構に承継されるとともに、管理機構が負う保険責任のすべてについて、かんぽ生命保険が受再しております。
かんぽ生命保険は、管理機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及びこの区分の利益に応じて、管理機構へ再保険配当をすることを定めております。EEVの計算においては、この管理機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように管理機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来にわたって戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。また、将来利益の計算において、簡易生命保険契約に係る資産は簿価評価しております。なお、この取扱いは「EEV原則の指針(ガイダンス)G10.10」で認められております。
ハ.EEVの計算結果
かんぽ生命保険のEEVは以下のとおりであります。
(単位:億円)
平成26年3月末平成27年3月末増減
EEV33,86835,0131,145
修正純資産22,95929,7556,795
保有契約価値10,9095,258△5,650
平成26年3月期平成27年3月期増減
新契約価値1,8511,342△509

ⅰ 修正純資産
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、かんぽ生命保険の株主に帰属すると考えられる価値であります。金利低下に伴う有価証券の含み損益の増加を主な理由として、平成27年3月末における修正純資産は平成26年3月末から増加しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
平成26年3月末平成27年3月末増減
修正純資産22,95929,7556,795
純資産の部計(注1)13,51014,120609
負債中の内部留保(注2)2,9824,0111,028
一般貸倒引当金00△0
有価証券の含み損益(注3)10,25017,4157,165
貸付金の含み損益(注4)417566149
不動産の含み損益△34△100△66
退職給付の未積立債務(注5)337946
上記項目に係る税効果△4,201△6,338△2,137

(注) 1.計算対象にかんぽ生命保険の子会社を含めているため、連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。
2.危険準備金及び価格変動準備金の合計額を計上しております。ただし、簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.株式については、会計上は期間末前1カ月の時価の平均により評価しておりますが、EEVの計算では期末日時点の時価により評価しております。ただし、簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
4.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
5.未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
平成27年3月末の修正純資産を計算する際に除いた簡易生命保険契約に係る部分は以下のとおりであります。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円)
会社合計
簡易生命保険契約に
係る部分
修正純資産
①-②
修正純資産89,65859,90329,755
純資産の部計(注1)14,12014,120
負債中の内部留保(注2)32,10828,0974,011
一般貸倒引当金00
有価証券の含み損益(注3)64,83447,41817,415
貸付金の含み損益9,2048,637566
不動産の含み損益△100△100
退職給付の未積立債務(注4)7979
上記項目に係る税効果△30,589△24,250△6,338

(注) 1.連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。
2.危険準備金及び価格変動準備金の合計額を計上しております。
3.株式については、会計上は期間末前1カ月の時価の平均により評価しておりますが、EEVの計算では期末日時点の時価により評価しております。
4.未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異を計上しております。
ⅱ 保有契約価値
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。新契約獲得による価値(新契約価値)の増加はあるものの、金利低下を主な理由として、平成27年3月末における保有契約価値は平成26年3月末から減少しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
保有契約価値には、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来にわたって戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円)
平成26年3月末平成27年3月末増減
保有契約価値10,9095,258△5,650
確実性等価将来利益現価13,8149,014△4,799
オプションと保証の時間価値△2,203△2,927△723
必要資本を維持するための費用△0△1△1
非フィナンシャル・リスクに係る
費用
△700△827△126


ⅲ 新契約価値
新契約価値は、当期間に獲得した新契約の契約獲得時点における価値を表したものであります。金利低下を主な理由として、平成27年3月期における新契約価値は平成26年3月期から減少しております。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
平成26年3月期平成27年3月期増減
新契約価値1,8511,342△509
確実性等価将来利益現価2,2121,723△488
オプションと保証の時間価値△293△310△17
必要資本を維持するための費用△22△32△9
非フィナンシャル・リスクに係る
費用
△44△385

なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
平成26年3月期平成27年3月期増減
新契約価値1,8511,342△509
保険料収入現価(注)52,18555,9453,760
新契約マージン3.55%2.40%△1.15ポイント

(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
ニ.平成26年3月末EEVからの変動要因
(単位:億円)
修正純資産保有契約価値EEV
平成26年3月末EEV22,95910,90933,868
① 平成26年3月末EEVの調整△203△203
平成26年3月末EEV(調整後)22,75510,90933,664
② 平成27年3月期新契約価値1,3421,342
③ 期待収益(リスク・フリー・レート分)10467478
④ 期待収益(超過収益分)22155177
⑤ 保有契約価値からの移管△253253
うち平成26年3月末保有契約45△45
うち平成27年3月期新契約△298298
⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異124△9115
⑦ 前提条件(非経済前提)の変更274△371△96
⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異6,820△7,489△668
平成27年3月末EEV29,7555,25835,013

ⅰ 平成26年3月末EEVの調整
かんぽ生命保険は平成27年3月期において168億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
また、「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 平成24年5月17日)第35項本文及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 平成27年3月26日)第67項本文に掲げられた定めについて平成27年3月期より適用し、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直しております。この際、「退職給付に関する会計基準」第37項に定める経過的な取扱いに従って、平成27年3月期の期首において、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減したため、利益剰余金が35億円減少しております。この分を修正純資産に反映しております。
ⅱ 平成27年3月期新契約価値
新契約価値は、平成27年3月期に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表わしたものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。なお、平成27年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」に基づく法人税率の引き下げ及び消費税率の引き上げ時期の変更(以下「税制の改正」といいます。)を織り込んでおります。
ⅲ 期待収益(リスク・フリー・レート分)
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。なおこれには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及び非フィナンシャル・リスクに係る費用のうち平成27年3月期分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート分に相当する収益が発生しております。
ⅳ 期待収益(超過収益分)
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。
ⅴ 保有契約価値からの移管
平成27年3月期に実現が期待されていた利益(法定会計上の予定利益)が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、平成26年3月末の保有契約から期待される平成27年3月期の利益と、平成27年3月期に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた平成27年3月期の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
平成26年3月末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、平成27年3月期の実績の差額であります。
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、平成28年3月期以降の収支が変化することによる影響であります。
当項目には、税制の改正による影響を反映(EEVは287億円の増加)しており、うち修正純資産への影響額は274億円の増加となります。なお、新契約価値に反映された税制の改正の影響は当項目には含まれておりません。
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、平成26年3月末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、平成27年3月期の実績及び平成28年3月期以降の見積もりの変更を含んでおります。
修正純資産の増加は、主に金利低下により有価証券の含み損益が増加したことによるものであります。保有契約価値の減少も、主に金利低下によるものであります。
ホ.感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
前提条件EEV増減額
平成27年3月末EEV35,013
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇36,8571,844
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下31,487△3,525
感応度3:株式・不動産価値10%下落34,675△337
感応度4:事業費率(維持費)10%減少36,0851,072
感応度5:解約失効率10%減少35,425412
感応度6:保険事故発生率(死亡保険)5%低下35,926913
感応度7:保険事故発生率(年金保険)5%低下34,134△878
感応度8:必要資本を法定最低水準に変更35,0151
感応度9:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇34,929△83
感応度10:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇33,359△1,654

感応度1から3について、修正純資産の変動額は以下のとおりであります。また、感応度4から10については、保有契約価値のみの変動額となります。
(単位:億円)
前提条件増減額
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇△8,295
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下5,688
感応度3:株式・不動産価値10%下落△199

新契約価値の感応度
(単位:億円)
前提条件新契約価値増減額
平成27年3月期新契約価値1,342
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇1,987645
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下613△729
感応度3:株式・不動産価値10%下落1,342
感応度4:事業費率(維持費)10%減少1,496154
感応度5:解約失効率10%減少1,43694
感応度6:保険事故発生率(死亡保険)5%低下1,39856
感応度7:保険事故発生率(年金保険)5%低下1,3420
感応度8:必要資本を法定最低水準に変更1,36523
感応度9:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇1,338△4
感応度10:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇1,212△129


ⅰ 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が50bp上昇(各年限とも上昇)した場合の影響を表しております。債券・貸付金等、金利の変動により時価が変動する資産を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させて保有契約価値を再計算しております。
(ⅱ)EEV原則では、リスク・フリー・レートの変動幅を100bpとして感応度を開示することとされておりますが、現在の日本の金利水準等を踏まえ、50bpの変動幅で計算しております(感応度2も同様です。)。
ⅱ 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下
リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が50bp低下(各年限とも低下)した場合の影響を表しております。
なお、リスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。
ⅲ 感応度3:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
ⅳ 感応度4:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
ⅴ 感応度5:解約失効率 10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅵ 感応度6:保険事故発生率(死亡保険)5%低下
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅶ 感応度7:保険事故発生率(年金保険)5%低下
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅷ 感応度8:必要資本を法定最低水準に変更
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
ⅸ 感応度9:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ⅹ 感応度10:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ヘ.注意事項
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
ト.その他の特記事項
かんぽ生命保険では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。

付録A EEVの計算手法
かんぽ生命保険が当事業年度末EEVを計算するために使用した方法及び前提は市場整合的手法であり、平成16年5月にCFOフォーラムにより制定されたEEV原則とその指針(ガイダンス)に準拠しております。
(1) 対象事業
計算の対象範囲は、かんぽ生命保険及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。
なお、かんぽ生命保険は生命保険事業のみを取り扱っております。
また、かんぽ生命保険は当社グループの一員ですが、本計算はかんぽ生命保険単独の計算となっております。
(2) 修正純資産の計算方法
修正純資産は、貸借対照表の純資産の部の金額に対して、以下の調整を加えて計算しております。
なお、修正純資産から必要資本を控除したものがフリー・サープラスと呼ばれております。
① 修正純資産は、原則として時価評価するため、貸借対照表において時価評価されていない満期保有目的の債券などの有価証券等、貸付金、不動産等についても時価評価を行い、これらの含み損益を税効果を調整の上で修正純資産に加えております(ただし、簡易生命保険契約に係るものを除いております。「(d) かんぽ生命保険のEV ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。)。
② 負債のうち、純資産に加算することが妥当と考えられるものについては、税効果を調整の上で修正純資産に加えております。具体的には、危険準備金、価格変動準備金及び一般貸倒引当金であります(ただし、簡易生命保険契約に係るものを除いております。「(d) かんぽ生命保険のEV ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。)。
③ 退職給付の未積立債務については、未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異の合計額を税効果を調整の上で修正純資産に反映しております。
(3) 保有契約価値の計算方法
保有契約価値は、確実性等価将来利益現価から、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及び非フィナンシャル・リスクに係る費用を控除することにより算出しております。
(4) 確実性等価将来利益現価
確実性等価将来利益現価は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づき、将来キャッシュ・フローを決定論的手法により計算したもので、すべての資産の運用利回りの前提をリスク・フリー・レートとし、将来利益をリスク・フリー・レートで割り引いた現在価値であります。
なお、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は将来にわたって戻入する前提でその戻入益を将来利益に含めて計算しております。また、将来利益は管理機構への再保険配当を差し引いた後の利益としております。将来利益の計算において、簡易生命保険契約に係る資産は簿価評価しております。「(d) かんぽ生命保険のEV ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
EEV及び新契約価値における確実性等価将来利益現価の計算では、将来の資産運用リスクのプレミアム(例えば、株式や債券などに期待されるリスク・フリー・レートを超過する投資収益率)は反映されておりません。この価値には、契約者配当等のオプションと保証の本源的価値も反映しておりますが、オプションと保証の時間価値は反映されず、別途、計算しております。
(5) オプションと保証の時間価値
オプションと保証の時間価値は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づいた値(確実性等価将来利益現価)と、市場で取引されているオプション価格と整合的な前提により確率論的に計算された将来の税引後利益現価の平均との差として計算しております。
オプションと保証の時間価値は、以下のような要素を勘案しております。
① 有配当保険に係る配当オプション
有配当保険においては、発生した損益に対して、株主への分配可能な利益には、非対称性が存在しております。例えば、利益が発生した場合には、契約者配当を支払うことから、利益のすべてが株主には帰属しておりません。一方、損失が発生した場合には、契約者に追加の負担が生じないため、損失のすべてが株主負担になります。契約者配当は、収益状況に応じた一定割合を還元するように設定しているため、シナリオによって異なった金額となります。
② 動的解約
経済の状況等に応じて、契約者はさまざまな行動を取るオプションを有しております。ここでは、金利水準により契約者の解約行動が変化することを反映しております。
(6) 必要資本を維持するための費用
保険会社は健全性維持のために負債の額を超えて必要資本を保有する必要があります。この必要資本に係る運用収益に対する税金と資産運用管理のための費用を認識しております。
EEV原則において、この必要資本は法定最低水準以上であることが求められ、さらに、内部の目的を達成するために必要となる金額とすることが認められております。日本における法定最低水準の資本要件はソルベンシー・マージン比率200%であることを踏まえ、かんぽ生命保険では、必要資本を維持するための費用の計算にあたり、ソルベンシー・マージン比率600%に相当する金額を必要資本としております。
なお、日本におけるソルベンシー・マージン基準では、一定の範囲内で、全期チルメル式責任準備金相当額超過額をマージンに反映することが規定されており、本計算においてもこれを反映しております。また、保有契約価値の計算において、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金を含めて評価しており、これらの準備金がマージンに含まれるため、かんぽ生命保険の前事業年度末及び当事業年度末における必要資本はゼロとなりました。ただし、これらの準備金は将来戻入されることを想定しているため、将来における必要資本は必ずしもゼロではありません。
(7) 非フィナンシャル・リスクに係る費用
EEV原則では、「EVは対象事業のリスク全体を考慮した上で、対象事業に割り当てられた資産から発生する分配可能利益の中の株主分の現在価値」と定義されており、すべてのリスクを勘案してEEVを計算することが求められております。
一部の非フィナンシャル・リスクについては、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提だけではEEVに与える様々な影響を十分に反映できない場合があり、EEVの計算において、非フィナンシャル・リスクに係る費用として認識するという補正が必要となります。このような例として、オペレーショナル・リスクや大災害リスク等が挙げられております。
また、将来、剰余が発生した場合には税金を支払いますが、損失が発生した場合には税金はゼロとなります。この場合でも、税務上の欠損金の多くは翌年度以降に繰り越すことにより回収可能と考えられますが、繰越期間内に回収できないリスクが存在しております。
かんぽ生命保険では、簡易モデルによって非フィナンシャル・リスクに係る費用を推定しております。
(8) 新契約価値の計算方法
当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値を、保有契約価値と同様の手法により計算しております。
計算対象は、新契約及び特約の中途付加であり、既契約の更新は含めておりません。また、経済前提は平成26年9月末時点のもの、非経済前提は保有契約価値と同一の期末時点のものを用いております。
付録B EEV計算における主な前提条件
(1) 経済前提
① リスク・フリー・レート
確実性等価将来利益現価の計算においては、かんぽ生命保険の保有資産等を考慮し、リスク・フリー・レートとして、評価日時点の国債を使用しております。
計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。40年を超える期間(ただし、平成25年9月30日及び平成26年3月31日では30年を超える期間)については、フォワード・レートを一定としております。
保有契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
期間平成26年3月31日平成27年3月31日
1年0.058%0.030%
2年0.072%0.037%
3年0.112%0.057%
4年0.150%0.093%
5年0.174%0.131%
10年0.641%0.402%
15年1.129%0.817%
20年1.679%1.198%
25年1.811%1.406%
30年1.849%1.450%
40年1.899%1.581%

(データ:平成26年3月31日はBloomberg 補正後、平成27年3月31日は財務省 補正後)
新契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
期間平成25年9月30日平成26年9月30日
1年0.089%0.065%
2年0.092%0.078%
3年0.133%0.093%
4年0.175%0.122%
5年0.229%0.167%
10年0.674%0.529%
15年1.257%1.001%
20年1.740%1.441%
25年1.787%1.678%
30年1.839%1.749%
40年1.936%1.890%

(データ:平成25年9月30日はBloomberg 補正後、平成26年9月30日は財務省 補正後)
② 経済シナリオ(リスク中立シナリオ)
a.金利モデル
金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、英ポンドを通貨とする1ファクターHull-Whiteモデルを構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、各評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。オプションと保証の時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。なお、平成25年9月末及び平成26年3月末では、円金利資産以外の株式、外国債券等については資産占率が小さいこと等から、円金利資産とみなして計算しております(「b. 株式・通貨のインプライド・ボラティリティ」も同様です。)。
シナリオのキャリブレーションに使用した金利スワップションのインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。
金利スワップション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
平成26年3月31日平成27年3月31日
オプション
期間
スワップ
期間
日本円日本

ドル
ユーロ
ポンド
5年5年36.8%47.0%37.3%84.6%42.9%
5年7年32.2%43.3%35.8%82.3%41.3%
5年10年27.8%38.5%34.6%83.6%39.2%
7年5年29.1%38.7%34.6%83.5%39.5%
7年7年26.7%35.9%33.7%82.5%38.2%
7年10年24.6%33.7%32.8%84.3%36.6%
10年5年23.9%32.8%31.9%95.0%34.8%
10年7年22.9%30.9%31.3%95.7%33.9%
10年10年22.5%29.8%30.1%101.0%32.8%

(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
平成25年9月30日平成26年9月30日
オプション
期間
スワップ
期間
日本円日本

ドル
ユーロ
ポンド
5年5年34.9%37.2%26.5%37.7%26.6%
5年7年30.7%32.4%25.3%34.3%25.3%
5年10年26.7%27.6%24.1%31.6%23.7%
7年5年28.4%31.1%24.3%32.1%24.4%
7年7年25.8%27.6%23.6%30.5%23.6%
7年10年23.5%24.4%22.8%29.0%22.6%
10年5年22.5%24.0%21.9%29.1%22.1%
10年7年21.6%22.8%21.4%28.6%21.6%
10年10年21.3%22.2%20.6%28.1%21.1%

(データ:Bloomberg)
b.株式・通貨のインプライド・ボラティリティ
主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。シナリオのキャリブレーションに使用したインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。なお、かんぽ生命保険が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比(平成26年9月30日:92.2%、平成27年3月31日:92.4%)を下記の日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。
株式オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
通貨原資産オプション期間平成27年3月31日
3年20.3%
日本円日経2254年20.4%
5年20.6%
3年19.6%
米ドルS&P 5004年21.0%
5年22.2%
3年21.1%
ユーロEuro Stoxx 504年21.5%
5年21.7%
3年17.9%
英ポンドFTSE 1004年18.7%
5年19.4%

(データ:Markit 補正後)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
通貨原資産オプション期間平成26年9月30日
3年20.5%
日本円日経2254年20.6%
5年20.8%
3年18.9%
米ドルS&P 5004年19.9%
5年20.8%
3年19.5%
ユーロEuro Stoxx 504年19.9%
5年20.1%
3年16.6%
英ポンドFTSE 1004年17.3%
5年17.9%

(データ:Markit 補正後)
通貨オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
通貨オプション期間平成27年3月31日
米ドル10年14.2%
ユーロ10年14.7%
英ポンド10年15.8%

(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
通貨オプション期間平成26年9月30日
米ドル10年15.3%
ユーロ10年15.9%
英ポンド10年15.3%

(データ:Bloomberg)
c.相関係数
前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元にかんぽ生命保険の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。
相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、各評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。
主要な変数間の相関係数は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算で使用
金利
10年/
日本円
金利
10年/
米ドル
金利
10年/
ユーロ
金利
10年/
英ポンド
米ドル
/日本円
ユーロ
/日本円
英ポンド
/日本円
国内株式
インデックス
/日本円
外国株式
インデックス
/日本円
金利10年
/日本円
1.000.580.500.540.310.150.290.270.25
金利10年
/米ドル
0.581.000.800.860.440.320.480.350.42
金利10年
/ユーロ
0.500.801.000.820.310.440.450.320.45
金利10年
/英ポンド
0.540.860.821.000.310.280.460.260.31
米ドル
/日本円
0.310.440.310.311.000.610.720.600.61
ユーロ
/日本円
0.150.320.440.280.611.000.790.640.79
英ポンド
/日本円
0.290.480.450.460.720.791.000.660.74
国内株式
インデックス
/日本円
0.270.350.320.260.600.640.661.000.81
外国株式
インデックス
/日本円
0.250.420.450.310.610.790.740.811.00

(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
新契約価値の計算で使用
金利
10年/
日本円
金利
10年/
米ドル
金利
10年/
ユーロ
金利
10年/
英ポンド
米ドル
/日本円
ユーロ
/日本円
英ポンド
/日本円
国内株式
インデックス
/日本円
外国株式
インデックス
/日本円
金利10年
/日本円
1.000.570.500.530.300.160.300.270.25
金利10年
/米ドル
0.571.000.790.850.440.300.480.350.42
金利10年
/ユーロ
0.500.791.000.820.320.440.460.330.46
金利10年
/英ポンド
0.530.850.821.000.350.260.450.270.31
米ドル
/日本円
0.300.440.320.351.000.600.710.580.59
ユーロ
/日本円
0.160.300.440.260.601.000.790.660.80
英ポンド
/日本円
0.300.480.460.450.710.791.000.660.73
国内株式
インデックス
/日本円
0.270.350.330.270.580.660.661.000.81
外国株式
インデックス
/日本円
0.250.420.460.310.590.800.730.811.00

(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
③ 将来の資産構成
かんぽ生命保険の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。
また、かんぽ生命保険の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び英ポンド建から構成されるとみなしております。なお、平成25年9月末及び平成26年3月末では、円金利資産以外の株式、外国債券等については資産占率が小さいこと等から、円金利資産とみなして計算しております。
④ 期待収益計算上の期待収益率
「前事業年度末EEVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(リスク・フリー・レート分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。
国債0.058%:1年国債金利
短資0.058%:1年国債金利
地方債0.095%:1年国債金利+信用スプレッド(0.037%)
政府保証債0.087%:1年国債金利+信用スプレッド(0.029%)
普通社債等0.178%:1年国債金利+信用スプレッド(0.120%)

(2) 非経済前提
保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して(最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提)予測しております。
① 事業費
a.事業費の前提は、事業費実績を基に算出し、子会社に係るルック・スルー調整を行っております。
なお、将来の事業費の改善については織り込んでおりません。
b.将来の消費税については、税制の改正に基づき、増税される(平成29年3月までは8%、平成29年4月以降は10%)ものとしております。
c.将来のインフレ率はゼロとしております。
② 契約者配当
現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。
なお、管理機構への再保険配当については、管理機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。
③ 実効税率
税制の改正に基づき、以下の実効税率を用いております。
平成26年度: 30.78%
平成27年度以降:28.85%
⑤ その他
上記各セグメントにおける事業のほか、当社を主たる会社として行う、病院事業については、地域医療との連携や救急医療の強化等による増収対策、委託契約見直しによる経費削減等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善を進めているところであり、営業収益24,137百万円(前期比3.1%減)、営業損失6,065百万円(前期は5,781百万円の営業損失)となりました。
また、宿泊事業については、営業推進態勢の強化、リニューアル工事やサービス水準向上による魅力ある宿づくりを継続的に取り組むとともに、費用管理による経費削減、不採算のかんぽの宿の閉鎖・売却(7カ所※)等を実施し、営業収益30,365百万円(前期比4.7%減)、営業損失2,934百万円(前期は1,851百万円の営業損失)となりました。
※ 平成26年8月閉鎖 かんぽの宿十勝川、横手、草津、山代、修善寺
平成26年11月閉鎖 かんぽの郷白山尾口
平成27年3月閉鎖 かんぽの郷宇佐
第11期第1四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間のわが国の経済情勢を顧みますと、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費が底堅く推移しており、企業収益が改善するなかで、設備投資も増加基調にあるなど、緩やかな回復基調が続いております。
また、世界経済は一部に弱さがみられたものの、先進国を中心に緩やかな回復が続いております。
金融資本市場では、わが国の10年国債利回りは、海外長期金利の上昇などを背景に平成27年6月中旬には0.5%台半ばまで上昇したものの、その後は低下し、同月下旬では0.4%台を中心に推移しました。
日経平均株価は、国内景気や企業業績の改善期待から上昇基調が継続し、平成27年4月には15年ぶりの20,000円台に到達しました。その後も円安ドル高方向の動きなどを受けて連続して上昇し、6月下旬には21,000円近くまで上昇したものの、海外株価の下落を受けて反落したことから、6月末には20,000円台前半を中心に推移しました。
このような事業環境にあって、当第1四半期連結累計期間の経常収益は、かんぽ生命保険の保険料等収入、責任準備金戻入額、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の有価証券利息配当金などを中心に3,446,514百万円となりました。一方、経常費用は、かんぽ生命保険の保険金等支払金などを中心に3,203,810百万円となりました。以上の結果、経常利益は、242,704百万円、経常利益に、固定資産売却等による特別利益、保険業法の価格変動準備金繰入等による特別損失、契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する四半期純利益は、142,639百万円となっております。
各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
当第1四半期連結累計期間の郵便・物流事業における経常収益は、ゆうパック、ゆうメール、EMSの取扱物数が増加し、454,029百万円となりました。
一方、経常費用は取扱物数増による期間雇用社員賃金等の人件費や国際運送料等の集配運送委託費の増加、雇用情勢による人件費単価の上昇等のコストの増加等により453,286百万円となり、経常利益は743百万円となりました。
なお、日本郵便の当第1四半期連結累計期間における郵便・物流事業の営業収益は444,310百万円、営業損失は6,844百万円となりました。
また、当第1四半期の総取扱物数は郵便物が40億4,182万通(前年同期比1.0%増)、ゆうメールが8億6,490万個(前年同期比3.7%増)、ゆうパックが1億1,716万個(前年同期比10.4%増)となりました。
(参考)引受郵便物等の状況
区分前第1四半期累計期間当第1四半期累計期間
物数(千通・千個)対前年同期比(%)物数(千通・千個)対前年同期比(%)
総数4,939,967△0.85,023,8901.7
郵便物3,999,837△2.84,041,8231.0
内国3,990,559△2.84,031,3021.0
普通3,880,348△2.93,916,0950.9
第一種2,250,321△2.42,247,644△0.1
第二種1,562,138△3.31,559,171△0.2
第三種57,875△5.755,908△3.4
第四種5,263△6.04,943△6.1
選挙4,752△31.948,431919.2
特殊110,210△0.1115,2074.5
国際(差立)9,278△9.510,52113.4
通常5,733△22.64,916△14.2
小包56654.71,145102.1
国際スピード郵便2,97920.34,46049.7
荷物940,1308.9982,0674.5
ゆうパック106,11714.1117,16110.4
ゆうメール834,0148.3864,9063.7

(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
種類概要/特徴
第一種郵便物お客さまがよく利用される「手紙」のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)も含まれます。
第二種郵便物「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。
第三種郵便物新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。
第四種郵便物公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。

2.年賀特別郵便は除いております。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱を行った郵便物の物数の合計であります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
6.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている3kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
② 金融窓口事業
当第1四半期連結累計期間の金融窓口事業においては、貯金残高や投資信託の販売の増加等による金融受託業務の手数料の増加や、提携金融サービスの拡充などによる収入の増加により、経常収益は333,974百万円となりました。
一方、経常費用は、これらの営業活動に伴う人件費の増加などにより317,167百万円となり、経常利益は16,807百万円となりました。
なお、日本郵便の当第1四半期連結累計期間における金融窓口事業の営業収益は328,958百万円、営業利益は16,010百万円となりました。
(参考)郵便局数
支社名営業中の郵便局(局)
前事業年度末当第1四半期会計期間末
直営の郵便局簡易
郵便局
直営の郵便局簡易
郵便局
郵便局分室郵便局分室
北海道1,20812821,4911,20912841,494
東北1,88316432,5271,88316362,520
関東2,39301862,5792,39301842,577
東京1,478061,4841,479061,485
南関東9530761,0299520771,029
信越97803341,31297803331,311
北陸67601778536750177852
東海2,04833552,4062,04833502,401
近畿3,09963423,4473,09963383,443
中国1,75624872,2451,75624892,247
四国93502251,16093302241,157
九州2,51529303,4472,51529323,449
沖縄180022202180022202
全国計20,102154,06524,18220,100154,05224,167


③ 銀行業
当第1四半期連結累計期間の銀行業におきましては、貯金残高は郵便局との連携による営業推進態勢の強化により178,121,883百万円となり、金利リスク等を適切にコントロールしながら収益源の多様化、収益の安定的確保に努めているものの、歴史的な低金利が継続する厳しい経営環境下で資金利益が減少したことなどから、経常収益は482,747百万円となりました。このうち、資金運用収益は有価証券利息配当金を中心に444,012百万円となりました。また、役務取引等収益は31,797百万円となりました。
一方、経常費用は、預金保険料率の引下げの影響等により、368,819百万円となりました。このうち、資金調達費用は93,217百万円、営業経費は266,971百万円となりました。
以上の結果、経常利益は113,928百万円となりました。
(参考)銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況
[国内・国際業務部門別開示]
(a) 国内・国際別収支
ゆうちょ銀行は、銀行業のみを単一のセグメントとし、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」といいます。)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引等は「国際業務部門」に含む)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別収支は次のとおりとなりました。
当第1四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金運用収支は298,634百万円、役務取引等収支は23,628百万円、その他業務収支は13百万円となりました。
国際業務部門においては、資金運用収支は56,706百万円、役務取引等収支は176百万円、その他業務収支は16百万円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金運用収支は355,340百万円、役務取引等収支は23,804百万円、その他業務収支は30百万円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支当第1四半期累計期間298,63456,706355,340
うち資金運用収益当第1四半期累計期間366,047130,97653,011444,012
うち資金調達費用当第1四半期累計期間67,41374,27053,01188,671
役務取引等収支当第1四半期累計期間23,62817623,804
うち役務取引等収益当第1四半期累計期間31,60419231,797
うち役務取引等費用当第1四半期累計期間7,976167,992
その他業務収支当第1四半期累計期間131630
うちその他業務収益当第1四半期累計期間52280332
うちその他業務費用当第1四半期累計期間39263302

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用4,545百万円を控除しております。
2.「国内業務部門」、「国際業務部門」間の内部取引は、「相殺消去額(△)」欄に表示しております。
(b) 国内・国際別役務取引の状況
当第1四半期累計期間の役務取引等収益は31,797百万円、役務取引等費用は7,992百万円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
役務取引等収益当第1四半期累計期間31,60419231,797
うち預金・貸出業務当第1四半期累計期間8,6208,620
うち為替業務当第1四半期累計期間15,76717315,940
うち代理業務当第1四半期累計期間728728
役務取引等費用当第1四半期累計期間7,976167,992
うち為替業務当第1四半期累計期間8894893

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
2.ゆうちょ銀行は海外店及び海外子会社を有しておりません。
(c) 国内・国際別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
預金合計当第1四半期会計期間178,121,883178,121,883
流動性預金当第1四半期会計期間62,531,14962,531,149
定期性預金当第1四半期会計期間115,401,264115,401,264
その他の預金当第1四半期会計期間189,468189,468
譲渡性預金当第1四半期会計期間
総合計当第1四半期会計期間178,121,883178,121,883

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金+貯蓄貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
4.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当+教育積立郵便貯金相当)
5.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。
「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
6.特別貯金は管理機構からの預り金で、管理機構が公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。
7.特別貯金(通常郵便貯金相当)は管理機構からの預り金のうち、管理機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
(d) 国内・国際別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別当第1四半期会計期間
金額(百万円)構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)2,713,169100.00
農業、林業、漁業、鉱業
製造業52,2321.92
電気・ガス等、情報通信業、運輸業90,1963.32
卸売業、小売業4,2590.15
金融・保険業1,755,34164.69
建設業、不動産業2,0000.07
各種サービス業、物品賃貸業8,6020.31
国、地方公共団体609,17322.45
その他191,3627.05
国際及び特別国際金融取引勘定分3,300100.00
政府等
金融機関
その他3,300100.00
合計2,716,469

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち管理機構向け貸出金は1,482,435百万円であります。
④ 生命保険業
当第1四半期連結累計期間の生命保険業におきましては、日本郵便との連携強化などにより個人保険57万7千件、金額1,720,176百万円、個人年金保険2万件、金額72,201百万円の新契約を獲得しました。
経常収益は、2,473,125百万円となりました。このうち、保険料等収入は1,351,573百万円、資産運用収益は344,642百万円となりました。
一方、経常費用は、2,365,713百万円となりました。このうち、保険金等支払金は2,210,799百万円、責任準備金等繰入額は232百万円、資産運用費用は2,427百万円となりました。
以上の結果、経常利益は107,412百万円となりました。
(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況
(下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保険引受及び資産運用の状況
イ.保有契約高明細表
区分当第1四半期会計期間末
件数(千件)金額(百万円)
個人保険13,97340,418,025
個人年金保険1,3353,601,125

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
ロ.新契約高明細表
区分当第1四半期累計期間
件数(千件)金額(百万円)
個人保険5771,720,176
個人年金保険2072,201

(注) 個人年金保険の金額については、年金支払開始時における年金原資であります。
ハ.保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分当第1四半期会計期間末
個人保険2,613,025
個人年金保険666,260
合計3,279,286
うち医療保障・生前
給付保障等
266,894

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額。)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
ニ.新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分当第1四半期累計期間
個人保険119,426
個人年金保険33,477
合計152,904
うち医療保障・生前
給付保障等
12,622

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額。)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(参考)かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
区分当第1四半期会計期間末
件数
(千件)
保険金額・年金額
(百万円)
保険19,17852,168,180
年金保険2,8321,031,081

(注) 計数は、管理機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
区分当第1四半期会計期間末
保険2,522,964
年金保険974,335
合計3,497,300
うち医療保障・
生前給付保障等
478,648

(注) かんぽ生命保険が管理機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
⑤ その他
当第1四半期連結累計期間のその他のうち、病院事業については、地域医療との連携や救急医療の強化等による増収対策、委託契約見直しによる経費削減、また経営改善が見込めない逓信病院(3カ所※)を譲渡する等、個々の病院の状況を踏まえた経営改善を進めているところであり、営業収益は5,508百万円、営業損失は1,230百万円となりました。
また、宿泊事業については、営業推進態勢の強化、リニューアル工事やサービス水準向上による魅力ある宿づくりを継続的に取り組んでおり、費用管理による経費削減にも取り組んでいるところであり、営業収益は7,200百万円、営業損失は625百万円となりました。
※ 平成27年4月 仙台逓信病院、新潟逓信病院、神戸逓信病院
(2) キャッシュ・フローの状況
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は当期首から14,275,707百万円増加し、35,805,379百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益780,319百万円の計上、銀行業における債券貸借取引受入担保金の純増2,902,607百万円による収入並びに生命保険業における責任準備金の純減2,632,889百万円、銀行業における債券貸借取引受入保証金の純増1,161,315百万円及び当社における退職給付信託の設定639,944百万円による支出等の結果、前連結会計年度比1,223,387百万円減の1,204,555百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の取得による29,457,673百万円の支出並びに有価証券の売却による4,069,483百万円及び有価証券の償還による41,071,899百万円の収入等の結果、前連結会計年度比4,341,588百万円増の15,521,777百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、当社の配当金の支払い43,500百万円の支出等の結果、前連結会計年度比1,696百万円減の42,101百万円の支出となりました。
(3) 連結自己資本比率の状況
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
銀行持株会社としての当社の連結自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
当連結会計年度末における連結自己資本比率は、40.40%となりました。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
当連結会計年度末
1.連結自己資本比率(2/3)40.40
2.連結における自己資本の額107,568
3.リスク・アセット等の額266,252
4.連結総所要自己資本額10,650

(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(4) 連結ソルベンシー・マージン比率
第10期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
保険持株会社としての当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株の大暴落などの通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標のひとつであります。
この比率が200%を下回った場合は、規制当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性のひとつの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は、1,621.1%となりました。
項目前連結会計年度末
(百万円)
当連結会計年度末
(百万円)
連結ソルベンシー・マージン総額(A)18,897,17520,987,141
資本金又は基金等10,929,63011,106,419
価格変動準備金614,233712,167
危険準備金2,588,7982,498,711
異常危険準備金
一般貸倒引当金520495
その他有価証券評価差額×90%(マイナスの場合100%)4,124,2635,802,768
土地の含み損益×85%(マイナスの場合100%)15,74630,289
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額265,448430,021
負債性資本調達手段、保険料積立金等余剰部分358,533406,267
保険料積立金等余剰部分358,533406,267
負債性資本調達手段等
不算入額
少額短期保険業者に係るマージン総額
控除項目
その他
連結リスクの合計額
[{(R12+R52)1/2+R8+R9}2+(R2+R3+R7)2]1/2+R4+R6
(B)2,109,2282,589,172
保険リスク相当額R1168,426163,796
一般保険リスク相当額R5
巨大災害リスク相当額R6
第三分野保険の保険リスク相当額R899,91388,568
少額短期保険業者の保険リスク相当額R9
予定利率リスク相当額R2198,138184,450
最低保証リスク相当額R7
資産運用リスク相当額R31,586,5732,080,203
経営管理リスク相当額R4304,457310,500
連結ソルベンシー・マージン比率
(A)/{(1/2)×(B)}×100
1,791.8%1,621.1%

(注) 保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。