訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2015/10/26 15:01
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108項目

事業内容

(1) 当社グループの事業の内容
日本郵政グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」といいます。)、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」といいます。)及び株式会社かんぽ生命保険(以下「かんぽ生命保険」といい、日本郵便及びゆうちょ銀行と併せて「事業子会社」と総称します。)を主な事業主体として、郵便・物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業等の事業を営んでおります。
なお、当社グループにおける事業セグメントは、日本郵便を中心とした「郵便・物流事業」及び「金融窓口事業」、ゆうちょ銀行を中心とした「銀行業」、かんぽ生命保険を中心とした「生命保険業」並びに当社等が担う事業を「その他」に区分しております。
セグメントごとの主な事業主体は次に記載のとおりであります。なお、次の5事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」注記事項の(セグメント情報等)に掲げるセグメントの区分と同一であります。
セグメントの名称主な事業主体連結子会社・持分法適用関連会社
(主な事業主体を除く。)
郵便・物流事業日本郵便○ 日本郵便輸送株式会社
○ 郵便(中国)国際物流有限公司
○ 日本郵便デリバリー株式会社
○ 日本郵便ファイナンス株式会社
○ 株式会社JPロジサービス
○ JPビズメール株式会社
○ JPサンキュウグローバルロジスティクス株式会社
○ 株式会社JPメディアダイレクト
金融窓口事業日本郵便○ 株式会社郵便局物販サービス
○ JPビルマネジメント株式会社
○ JPコミュニケーションズ株式会社
○ 日本郵便オフィスサポート株式会社
○ 株式会社JP三越マーチャンダイジング
○ JP損保サービス株式会社
○ 株式会社ゆうゆうギフト
○ JP東京特選会株式会社
△ セゾン投信株式会社
△ 株式会社ジェイエイフーズおおいた
△ リンベル株式会社
銀行業ゆうちょ銀行△ SDPセンター株式会社
△ 日本ATMビジネスサービス株式会社
生命保険業かんぽ生命保険○ かんぽシステムソリューションズ株式会社
その他当社○ 日本郵政スタッフ株式会社
○ ゆうせいチャレンジド株式会社
○ JPホテルサービス株式会社
○ 日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社

(注) 1.○は連結子会社、△は持分法適用関連会社であります。
2.第10期連結会計年度より、「郵便事業・物流業」は「郵便・物流事業」に、「郵便局事業」は「金融窓口事業」に報告セグメントの名称を変更しております。
3.上表に記載の連結子会社・持分法適用関連会社のほか、平成27年6月30日をみなし取得日として豪州物流大手であるToll Holdings Limited(以下「トール社」といいます。)及び同社傘下の子会社並びにJPツーウェイコンタクト株式会社を連結の範囲に含めております。これにより、第11期第1四半期連結会計期間に係る当社の四半期連結貸借対照表にはこれらの会社の資産及び負債が含まれておりますが、同四半期連結累計期間に係る当社の四半期連結損益計算書にはこれらの会社の業績は含まれておりません。これらの会社の業績は、第11期第2四半期連結累計期間以降の当社の四半期連結損益計算書に含まれる予定です。
4.第11期第2四半期連結会計期間より、同第1四半期連結会計期間まで「郵便・物流事業」としていた報告セグメントの名称を「郵便・国内物流事業」と改め、また、トール社に係る事業について、新たに「国際物流事業」として報告セグメントを設ける予定です。
当社は、事業子会社の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するほか、公社から承継した病院及び宿泊施設の運営等を行っております。
① 郵便・物流事業
当セグメントにおける当社グループの主たる会社は、日本郵便であります。
日本郵便は、郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務並びに郵便物の作成及び差出しに関する業務その他の附帯する業務等の郵便事業並びに物流事業等を行っております。
(a) 郵便事業
郵便サービスを全国一律の料金であまねく公平に提供し、国内郵便に加え、万国郵便条約などの条約・国際取り決めに基づく国際郵便(通常・小包・EMS※)を提供しております。
また、お客さまの郵便発送業務一括アウトソーシングのニーズにお応えするため、JPビズメール株式会社などの子会社において、郵便物などの企画・作成(印刷)から封入・封かん、発送までをワンストップで請け負うトータルサービスを提供しております。
その他、国からの委託による印紙の売りさばき、お年玉付郵便葉書の発行等の業務を行っております。
※ EMS=国際スピード郵便(Express Mail Service)
(b) 物流事業
物流サービスとして、宅配便(ゆうパック等)及びメール便(ゆうメール等)の運送業務を行っており、送達日数の短縮、チルド・冷凍荷物の対応、配送の小口化など、eコマース市場の成長に伴う多様な顧客ニーズに的確に応えたサービスを提供いたします。一方、多様化・高度化する物流ニーズに対しては、お客さまに最適な物流戦略、物流システムの設計、提案、構築から運用までを行う3PL※サービスの提供を、物流ソリューションセンターを中心として、株式会社JPロジサービス、株式会社JPメディアダイレクトなどとともに展開しております。
また、増大する日本と中国などアジアを中心とした物流のニーズに対応するため、JPサンキュウグローバルロジスティクス株式会社や現地法人である郵便(中国)国際物流有限公司を軸とした総合的な物流ソリューションを提供しております。
更に、eコマースを中心とした小口荷物の国際宅配需要を獲得するため、平成26年に資本・業務提携した海外物流パートナーである、仏GeoPost S.A.(以下「ジオポスト」といいます。)及び香港Lenton Group Limited(以下「レントングループ」といいます。)との間で開発した国際宅配便サービスである「ゆうグローバルエクスプレス」(以下「UGX」といいます。)により国際郵便で提供できない付加価値サービスに対応いたします。
※ サードパーティーロジスティクス=サード・パーティー(=3PL事業者)が、荷主の物流業務全体又は一部を荷主から包括的に受託するサービスの形態。
(c) その他
通信販売事業者さま向けの決済サービスなど、物流に附帯したファイナンスサービスを提供しております。
② 金融窓口事業
当セグメントにおける当社グループの主たる会社は、日本郵便であります。
日本郵便は、お客さまにサービスを提供するための営業拠点として全国に設置した直営の郵便局(平成27年6月30日現在20,184局(内、営業中は20,115局))及び業務を委託した個人又は法人が運営する簡易郵便局※(平成27年6月30日現在4,281局(内、営業中は4,052局)。ただし、銀行代理業務等に係る委託契約を締結しているのは4,023局(内、営業中は4,011局)、生命保険募集委託契約を締結しているのは623局(内、営業中は623局))において郵便・物流事業に係る窓口業務、銀行窓口業務等、保険窓口業務等、物販事業等を行っている他、不動産事業、提携金融サービスを行っております。
※ 簡易郵便局法(昭和24年法律第213号)第3条に規定する日本郵便が郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を委託する者が設ける施設であり、日本郵便と受託者との受委託契約により行う業務が異なります。
(a) 郵便・物流事業に係る窓口業務
郵便物の引受・交付、郵便切手類の販売、ゆうパック等物流サービスの引受、印紙の売りさばき等を行っております。
(b) 銀行窓口業務等
ゆうちょ銀行から委託を受け、通常貯金、定額貯金、定期貯金、送金・決済サービスの取扱い、公的年金などの支払い、国債や投資信託の窓口販売などを行っております。
(c) 保険窓口業務等
かんぽ生命保険から委託を受け、生命保険の募集や保険金の支払いなどを行っております。
(d) 物販事業
日本全国各地の名産品を掲載しているカタログや地域に密着した商品を掲載したチラシ等を郵便局に設置し、掲載商品等の販売斡旋を行うカタログ販売事業と、フレーム切手に加え、オリジナルの郵便関連商品等を開発し、郵便局窓口や提携コンビニエンスストアにおいて販売を行う店頭販売事業を行っております。
(e) 不動産事業
平成19年10月の郵政民営化に伴い公社から承継した不動産を基に高度商業地域に位置する旧東京中央郵便局敷地(現:JPタワー)などを開発し、事務所・商業施設・住宅等の賃貸・管理事業のほか、賃貸用建物の運営管理業務及び分譲事業等の不動産事業を行っております。
(f) 提携金融サービス
かんぽ生命保険以外の生命保険会社や損害保険会社などから委託を受け、変額年金保険、法人(経営者)向け生命保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険及び自動車保険の販売を行っております。
(g) その他の事業
(a)~(f)の業務の他、以下の業務を行っております。
・地方公共団体の委託を受けて行う戸籍謄本や住民票の写し等の公的証明書の交付事務、ごみ処理券等の販売、バス利用券等の交付事務
・当せん金付証票(宝くじ)の発売等の事務に係る業務
・東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社から委託を受けて行う郵便局に設置された公衆電話の維持・管理業務
・日本放送協会からの委託を受けて行う放送受信契約の締結・変更に関する業務
・郵便局等の店頭スペース等の活用、窓口ロビーへのパンフレット掲出等の広告業務
③ 銀行業
当セグメントにおける当社グループの主たる会社は、ゆうちょ銀行であります。
ゆうちょ銀行は、当社グループにおける唯一の銀行として、銀行法に基づき銀行業を全国規模で行っております。ゆうちょ銀行は、銀行業のみを単一セグメントとして、預入限度額内での預金(貯金)業務、シンジケートローン等の貸出業務、有価証券投資業務、為替業務、国債、投資信託及び保険商品の窓口販売、住宅ローン等の媒介業務、クレジットカード業務などを行っております。
ゆうちょ銀行は、「広く国民各層を顧客とするリテール金融機関」、「本邦最大級の機関投資家」との事業モデルを掲げ、日本郵便の郵便局ネットワークをメインチャネルに、1.2億人規模のお客さまに生活・資産形成に貢献する金融サービスを提供し、お預りした貯金を有価証券に運用することを主な事業としております。
(a) 資金運用
ゆうちょ銀行は、平成27年3月末現在、個人貯金が90%超を占める177.7兆円の貯金を、有価証券156.1兆円(うち国債106.7兆円)や貸出2.7兆円等に運用することで、資金収益を中心に収益を確保しております。具体的には、想定した市場環境のもと、負債の状況等を踏まえて国債等の運用資産・運用期間を適切に管理し、スワップ等で一定の金利リスク(金利の変動により資産・負債の価値や資産・負債の生み出す収益が変動し損失を被るリスク)をヘッジしつつ、ベースの収益である金利スプレッド(利鞘)の安定的な確保に努めております。
また、地域経済の活性化に資する地方債・地方公共団体に対する貸付、社債での運用、シンジケートローンへの参加に取り組み、更に、外国債券等の国際分散投資を推進して、信用・市場リスク(信用供与先の財務状況や市場の変動により、資産の価値や収益が変動し損失を被るリスク)を管理しつつ、収益源泉の多様化・リスクの分散を図っております。
(b) 資金調達、資産・負債総合管理
ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所、日本郵便が展開している郵便局のネットワークを通じて、お客さまから通常貯金、定額・定期貯金などの各種の貯金を預入限度額内でお預かりしております。
また、管理機構が、公社から承継した郵便貯金に相当する預り金を、特別貯金として受け入れております。
更に、上記(a)の資金運用(資産)と市場取引も含めた資金調達(負債)について、金利リスクや流動性リスク(運用・調達期間の差異や資金流出により、必要な資金調達や通常の金利での資金調達が困難となるリスク)をマネージしつつ、国債運用等で安定的収益の確保を図る「ベース・ポートフォリオ」と、国際分散投資等を拡大し主に信用・市場リスクを取って収益の積上げを追求する「サテライト・ポートフォリオ」の枠組みのもとで、資産・負債を総合的に内部管理するALM(Asset Liability Management)を適切に展開し、中期的な安定的収益の確保に努めております。
(c) 手数料ビジネス
ゆうちょ銀行は、本支店その他の営業所(直営店)、日本郵便の郵便局ネットワークを通じて、為替業務の他、国債・投資信託等の資産運用商品の販売、クレジットカード業務、住宅ローン等の媒介業務(直営店に限り取扱い)などによって、手数料(役務取引等)収益を確保しております。
④ 生命保険業
当セグメントにおける当社グループの主たる会社は、かんぽ生命保険であります。
かんぽ生命保険の営む事業の主な内容は次のとおりであります。
(a) 生命保険業
かんぽ生命保険は、生命保険業免許に基づき、生命保険の引受け及び有価証券投資、貸付等の資産運用業務を行っております。
また、日本郵便との間で生命保険募集・契約維持管理業務委託契約等を締結し、平成27年6月30日現在、20,143局(内、営業中は20,074局)の郵便局で生命保険募集等を行っております。
(b) 他の保険会社(外国保険業者を含みます。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行
かんぽ生命保険は、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。
・エヌエヌ生命保険株式会社
・住友生命保険相互会社
・東京海上日動あんしん生命保険株式会社
・日本生命保険相互会社
・三井住友海上あいおい生命保険株式会社
・明治安田生命保険相互会社
・メットライフ生命保険株式会社
・American Family Life Assurance Company of Columbus
(c) 管理機構から委託された簡易生命保険管理業務
かんぽ生命保険は、郵政民営化法により公社から管理機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、管理機構から受託しております。
また、管理機構とかんぽ生命保険の間で再保険契約を締結し、簡易生命保険契約に基づく管理機構の保険責任のすべてをかんぽ生命保険が受再しております。
⑤ その他
上記各セグメントにおける事業のほか、当社グループでは当社を主たる会社として、グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業等を営んでおります。
(a) グループシェアード事業
当社グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1カ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接業務(電気通信役務及び情報処理サービスの提供、人事及び経理に関する業務、福利厚生に関する業務、コールセンター業務、不動産管理等関連業務など)を、当社が事業子会社等から受託して実施することにより、業務を支援するとともに、経営効率の向上を図っております。
(b) 病院事業
当社グループの企業立病院として、逓信病院を全国11カ所に設置しております。
(c) 宿泊事業
直営のかんぽの宿(61カ所)のほか「ホテル ラフレさいたま」等の経営、「ホテル メルパルク」(11カ所)等の賃貸借、管理を行っております。
(注) 宿泊事業における施設設置数は平成27年6月30日現在のものであります。
なお、かんぽの宿の施設数は休館中の4カ所を含みます。
(d) 人材派遣事業
当社の子会社である日本郵政スタッフ株式会社において、社員の募集・採用を行い当社グループ各社等への紹介及び派遣を行っております。
※ 平成27年5月28日に日本郵便が豪州の総合物流企業であるトール社の全株式を取得したことにより、当社グループはトール社を介して、オセアニア及びアジアにおけるエクスプレス物流、オーストラリア、ニュージーランド国内における貨物輸送、アジアからの輸出を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送及びアジア太平洋地域における3PLプロバイダーとしての輸送・倉庫管理等のサービスを提供しております。
(トール社の事業内容)
トール社は下表の5部門で構成されており、不特定の顧客や小さな契約ベースの顧客を対象としたネットワーク物流、特定顧客のニーズを満たすために構築した契約ベース物流及び資源・政府系を対象とした特殊物流を提供しております。
部門名サービス概要
国際エクスプレス部門
(Global Express)
オーストラリア、ニュージーランド、アジアにおけるエクスプレス物流サービスを提供
国内フォワーディング部門
(Domestic Forwarding)
オーストラリア、ニュージーランド国内における貨物輸送サービスを提供
国際フォワーディング部門
(Global Forwarding)
アジアからの輸出を中心としたフルラインでの国際的貨物輸送サービス等を提供
国際物流部門
(Global Logistics)
アジア太平洋地域における3PLプロバイダーとして、輸送・倉庫管理等サービスを提供
資源・政府系物流部門
(Resource and
Government Logistics)
オーストラリア、アジア及びアフリカの石油・ガス、鉱業、政府及び防衛セクターに対する契約ベースでの物流サービスを提供


(2) 当社グループの事業系統図
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。

(注) 1.非連結子会社2社(日本郵便メンテナンス株式会社、東京米油株式会社)は、記載を省略しております。
2.平成27年6月30日現在、日本郵便は、直営の郵便局20,184局(内、営業中は20,115局)、簡易郵便局4,281局(内、営業中は4,052局)を展開しております。そのうち、銀行代理業を営む直営の郵便局は19,911局(内、営業中は19,848局)、銀行代理業務等に係る委託契約を締結している簡易郵便局は4,023局(内、営業中は4,011局)、生命保険募集を行う直営の郵便局は20,143局(内、営業中は20,074局)、簡易郵便局は623局(内、営業中は623局)であります。
3.「簡易郵便局」とは、簡易郵便局法の規定に基づき、日本郵便からの委託を受けて、郵便物の引受け、郵便物の交付等の業務を行う者(以下「簡易郵便局受託者」といいます。)が運営する郵便局をいいます。
4.上表に記載の連結子会社・持分法適用関連会社のほか、平成27年6月30日をみなし取得日として豪州物流大手であるトール社及び同社傘下の子会社並びにJPツーウェイコンタクト株式会社を連結の範囲に含めております。
(3) 事業に係る主な法律関連事項
当社グループが行う事業に係る主な法律関連事項は、次のとおりであります。
① 日本郵政株式会社法
(a) 趣旨
当社の目的、業務の範囲等が定められております。当社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。
(b) 会社の目的
当社は、日本郵便の発行済株式の総数を保有し、日本郵便の経営管理を行うこと及び日本郵便の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とされております。(法第1条)
(c) 業務の範囲
当社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を行うものとされております。(法第4条第1項)
イ. 日本郵便が発行する株式の引受け及び保有
ロ. 日本郵便の経営の基本方針の策定及びその実施の確保
ハ. 日本郵便の株主としての権利の行使等
ニ. イ.からハ.に掲げる業務に附帯する業務
(d) 業務の制限
次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。
イ. その目的を達成するために法第4条第1項に規定する業務のほかに行う必要な業務(法第4条第2項)
ロ. 募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換に際して株式若しくは新株予約権の交付(法第8条)
ハ. 取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議(法第9条)
ニ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)
ホ. 定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議(法第11条)
(e) ユニバーサルサービスの提供
当社は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条)
(f) 株式の保有
当社は、常時、日本郵便の発行済株式の総数を保有していなければならないこととされております。(法第6条)
(g) 株式の処分
政府は、保有義務のある3分の1超の株式を除き、その保有する当社の株式について、できる限り早期に処分するものとされております。(法附則第3条)
なお、政府は、当社の株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源を確保するため、当社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、当社の株式をできる限り早期に処分するものとされております。(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法附則第14条)
② 日本郵便株式会社法
(a) 趣旨
日本郵便の目的、業務の範囲等が定められております。同社は、本法により政府の規制を受けるとともに、商号の使用制限等の特例措置が講じられております。
(b) 会社の目的
日本郵便は、郵便の業務、銀行窓口業務及び保険窓口業務並びに郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社とされております。(法第1条)
(c) 業務の範囲
イ. 日本郵便は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとされております。(法第4条)
ⅰ 郵便法(昭和22年法律第165号)の規定により行う郵便の業務
ⅱ 銀行窓口業務
ⅲ ⅱに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、銀行窓口業務契約の締結及び当該銀行窓口業務契約に基づいて行う関連銀行に対する権利の行使
ⅳ 保険窓口業務
ⅴ ⅳに掲げる業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するために行う、保険窓口業務契約の締結及び当該保険窓口業務契約に基づいて行う関連保険会社に対する権利の行使
ⅵ 国の委託を受けて行う印紙の売りさばき
ⅶ ⅰからⅵに掲げる業務に附帯する業務
ロ. 日本郵便は、イ.に規定する業務を営むほか、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むことができるものとされております。
ⅰ お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和24年法律第224号)第1条第1項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第5条第1項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行
ⅱ 地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成13年法律第120号)第3条第5項に規定する事務取扱郵便局において行う同条第1項第1号に規定する郵便局取扱事務に係る業務
ⅲ ⅱに掲げるもののほか、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務
ⅳ ⅰからⅲに掲げる業務に附帯する業務
ハ. 日本郵便は、イ.及びロ.に規定する業務のほか、イ.及びロ.に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、イ.及びロ.に規定する業務以外の業務を営むことができるものとされております。
ニ. 日本郵便は、ロ.ⅲに掲げる業務及びこれに附帯する業務並びにハ.に規定する業務を営もうとするときは、あらかじめ、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならないものとされております。
※ 金融2社は、現在、日本郵便が金融のユニバーサルサービス提供に係る責務を果たすために営む銀行代理業又は保険募集等に係る業務委託契約を日本郵便との間でそれぞれ締結しております。これらの契約を締結している銀行又は生命保険会社を、それぞれ関連銀行、関連保険会社といいます。
(d) 業務の制限
次に掲げる事項について、総務大臣の認可が必要とされております。
イ.新株若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集、又は株式交換に際して株式若しくは新株予約権の交付(法第9条)
ロ. 毎事業年度の事業計画(法第10条)
ハ. 総務省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするとき(法第11条)
ニ. 定款の変更、合併、会社分割及び解散の決議(法第12条)
(e) ユニバーサルサービスの提供
日本郵便は、その業務の運営に当たっては、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有することとされております。(法第5条)
③ 郵政民営化法
(a) 趣旨
郵政民営化の基本理念、基本方針等を定めるとともに、公社の解散に伴い、公社の機能を引き継がせる新たな株式会社(以下、本③において「新会社」といいます。)の設立、新会社の株式、新会社に関して講ずる措置、公社の業務等の承継等に関する事項その他郵政民営化の実施に必要となる事項が定められております。
平成24年5月8日公布の郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、郵政民営化法が改正され、郵便サービスのみならず、貯金、保険の基本的なサービスを郵便局で一体的に利用できるようにするユニバーサルサービスの確保が義務づけられ、また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式については、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。
※ 平成27年6月及び7月に、与党(自由民主党、公明党)は、預入限度額・加入限度額の引上げや新規業務(住宅ローン等)の認可等の提言を政府に対して行いました。同年7月、政府による検討の一環として、郵政民営化委員会は、内閣府特命担当大臣(金融担当)及び総務大臣から「昨今の状況変化を踏まえた今後の郵政民営化の推進の在り方について改めて調査審議を行うこと」を要請され、現在、調査審議中です。
なお、本書提出日現在、当該調査審議の結果を踏まえた具体的対応等については明らかではありません。
(b) 株式の処分
当社の発行済株式の総数は政府が保有し、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の発行済株式の総数は当社が保有するものとされており、政府が保有する当社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとされておりますが、その割合は、常時、3分の1を超えているものとされております。
また、当社が保有するゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の株式について、その株式の全部を処分することを目指し、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営状況、郵政事業に係る基本的な役務の確保の責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。(法第5条、第7条及び第62条)
(c) ユニバーサルサービスの提供
当社及び日本郵便は、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたりあまねく全国において公平に利用できることが確保されるよう、郵便局ネットワークを維持するものとし、郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするものとされております。(法第7条の2)
(d) 同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保
当社、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務については、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するために必要な制限を加えるとともに、ゆうちょ銀行について銀行法等の特例を適用しないこととする日又はかんぽ生命保険について保険業法等の特例を適用しないこととする日のいずれか遅い日以後の最初の3月31日までの期間中に、郵政民営化に関する状況に応じ、これを緩和するものとされております。(法第8条)
(e) ゆうちょ銀行における業務の制限
ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、郵政民営化時に認められていなかった業務(いわゆる新規業務)を行うときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を要するものとされております。(法第110条)
認可を要する業務の概要は、以下イ.からヘ.の通りです。
また、内閣総理大臣及び総務大臣は、新規業務の認可や下記(g)(h)の規制に係る認可の申請があった場合、下記(f)の規制に係る政令の制定又は改廃の立案をしようとする場合は、郵政民営化委員会の意見を聴かなければならないこととされております。
なお、当社がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第110条に係る認可は要しないものの、ゆうちょ銀行が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の金融機関等との間の適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第110条の2)
イ.外貨預金の受入れ、譲渡性預金の受入れ
ロ.資金の貸付け又は手形の割引(次のⅰからⅵに掲げる業務を除く)
ⅰ 預金者等に対する当該預金者等の預金等を担保とする資金の貸付け
ⅱ 国債証券等を担保とする資金の貸付け
ⅲ 地方公共団体に対する資金の貸付け
ⅳ コール資金の貸付け
ⅴ 当社、日本郵便又はかんぽ生命保険に対する資金の貸付け
ⅵ 管理機構に対する資金の貸付け
ハ.銀行業に付随する業務等のうち、次のⅰからⅻに掲げる業務
ⅰ 債務の保証又は手形の引受け
ⅱ 特定目的会社発行社債の引受け等
ⅲ 有価証券の私募の取扱い
ⅳ 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託
ⅴ 外国銀行の業務の代理又は媒介
ⅵ デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
ⅶ 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
ⅷ 有価証券関連店頭デリバティブ取引
ⅸ 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
ⅹ 投資助言業務
ⅺ 信託に係る事務に関する業務
ⅻ 地球温暖化防止の観点での算定割当量関連業務
ニ.登録金融機関の業務(金融商品取引法第33条第2項の業務)(次のⅰからⅲに掲げる業務を除く)
ⅰ 投資の目的又は信託契約に基づく有価証券の売買・有価証券関連デリバティブ取引及び書面取次ぎ行為
ⅱ 国債等募集の取扱い等
ⅲ 証券投資信託募集の取扱い等
ホ.その他の法律の規定により銀行が営むことができる業務(次のⅰからⅴに掲げる業務を除く)
ⅰ 当せん金付証票の売りさばき等
ⅱ 国民年金基金の加入申出受理業務
ⅲ かんぽ生命保険の一部の生命保険の募集
ⅳ 確定拠出年金(個人型)の加入申込受理業務
ⅴ 拠出年金運営管理業(個人型)
ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める業務
(f) ゆうちょ銀行における預入限度額
ゆうちょ銀行は、郵政民営化法により、当座預金に相当する振替貯金を除き、原則として一の預金者から、受入れをすることができる預金等の額が制限されております。(法第107条、郵政民営化法施行令第2条)
イ.通常貯金、定額貯金、定期貯金等(ロ.を除く)・・・あわせて1,000万円
ロ.財形定額貯金、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金・・・あわせて550万円
ただし、イ.及びロ.の限度額には、郵政民営化前に預入した郵便貯金(管理機構に引き継がれたもの)も含まれます。
(g) ゆうちょ銀行における子会社保有の制限
ゆうちょ銀行は、子会社対象金融機関等を子会社(銀行法第2条第8項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第111条第1項)
また、銀行(銀行法第16条の2第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第111条第6項)
(h) ゆうちょ銀行における合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けの認可
ゆうちょ銀行を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております。(法第113条第1項、第3項及び第5項)
ただし、内閣総理大臣及び総務大臣は、金融機関(預金保険法第2条第1項各号に掲げる者)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第113条第2項、第4項及び第6項)
(i) かんぽ生命保険における業務の制限
かんぽ生命保険は、郵政民営化法により、政令で定めるもの以外の保険の種類の保険の引受けを行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第1項)
また、保険業法第97条の規定により行う業務以外の業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第138条第3項)
なお、保険料として収受した金銭その他の資産を次に掲げる方法以外の方法により運用しようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第138条第2項)
イ.保険契約者に対する資金の貸付け
ロ.地方公共団体に対する資金の貸付け
ハ.コール資金の貸付け
ニ.当社又は日本郵便に対する資金の貸付け
ホ.管理機構に対する資金の貸付け
ヘ.その他内閣府令・総務省令で定める方法
当社がかんぽ生命保険の株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、郵政民営化法第138条に係る認可は要しないものの、かんぽ生命保険が各業務を行おうとするときは、その内容を定めて、内閣総理大臣及び総務大臣への届出を要するとともに、業務を行うに当たっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないものとされております。(法第138条の2)
(j) かんぽ生命保険における加入限度額
かんぽ生命保険の保険契約については、郵政民営化法及び関連法令により、被保険者1人について加入できる保険金額などの限度(加入限度額)が定められております。(法第137条、郵政民営化法施行令第6条、第7条及び第8条)
なお、被保険者が郵政民営化前の簡易生命保険契約に加入している場合には、加入限度額は、以下の金額から簡易生命保険契約の保険金額等を差し引いた額となります。
イ. 基本契約の保険金額の加入限度額
ⅰ 被保険者が満15歳以下のとき 700万円
ⅱ 被保険者が満16歳以上のとき 1,000万円(特定養老保険の保険金額は500万円、被保険者が満55歳以上の場合の特別養老保険の保険金額は、加入している普通定期保険と合わせて800万円)
ただし、被保険者が満20歳以上55歳以下の場合は、一定の条件(加入後4年以上経過した保険契約がある場合など)のもとに、累計で1,300万円まで
ロ. 年金額(介護割増年金額を除きます。)の加入限度額
年額90万円(初年度の基本年金額)(夫婦年金保険及び夫婦年金保険付夫婦保険の配偶者である被保険者に係る額を除きます。)
ハ. 特約保険金額の加入限度額
ⅰ 災害特約及び介護特約・・・あわせて1,000万円
ⅱ 入院特約(傷害入院特約、疾病入院特約、疾病傷害入院特約、無配当傷害入院特約、無配当疾病傷害入院特約)・・・あわせて1,000万円
ニ. 払込保険料総額の加入限度額
財形積立貯蓄保険及び財形住宅貯蓄保険・・・あわせて550万円(財形商品については、他に、関連法令による払込保険料総額等の制限があります。)
(k) かんぽ生命保険における子会社保有の制限
かんぽ生命保険は、子会社対象会社を子会社(保険業法第2条第12項に規定する子会社)としようとするときは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければならないものとされております。(法第139条第1項)
また、保険会社等(保険業法第106条第1項第1号から第2号の2まで又は第8号に掲げる会社)を子会社としてはならないものとされております。(法第139条第6項)
(l) かんぽ生命保険における保険契約の移転、合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可等
かんぽ生命保険がする保険契約の移転、かんぽ生命保険を当事者とする合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないものとされております。(法第141条第1項、第3項、第5項及び第7項)
また、内閣総理大臣及び総務大臣は、当社又はかんぽ生命保険の子会社を移転先会社とする保険契約の移転、保険会社(保険業法第2条第2項に規定する保険会社)との合併その他一定の合併、会社分割、事業の譲渡、譲受けについては、上記認可をしてはならないものとされております。(法第141条第2項、第4項、第6項及び第8項)
④ 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法
(a) 趣旨
管理機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。
(b) 概要
管理機構の目的は、公社から承継し政府による支払保証が継続された郵便貯金(積立郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金等)及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行し、もって郵政民営化に資することとされております。(法第3条)
管理機構は、郵便貯金管理業務(公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)及び簡易生命保険管理業務(同簡易生命保険契約の管理に関する業務等)をその業務の範囲とし、郵便貯金管理業務の一部をゆうちょ銀行に、簡易生命保険管理業務の一部をかんぽ生命保険に、それぞれ委託しております。(法第13条、第15条及び第18条)
また、管理機構は、ゆうちょ銀行との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための預金に係る契約を、かんぽ生命保険との間で簡易生命保険契約の再保険の契約を、それぞれ締結しております。(法第15条及び第16条)
⑤ 郵便法
(a) 郵便の実施
郵便の業務については、日本郵便が行うことが郵便法に定められております。(法第2条)
また、日本郵便以外の何人も、郵便の業務を業とし、また、日本郵便が行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならないとされております。(法第4条)
(b) ユニバーサルサービスの提供
郵便法の目的が、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することと規定されているとおり(法第1条)、日本郵便は郵便のユニバーサルサービスを提供することが義務付けられております。
(c) 業務の制限
イ.郵便約款
日本郵便は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第68条)
ロ.郵便業務管理規程
日本郵便は、業務開始の際、郵便の業務の管理に関する規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第70条)
ハ.業務の委託
日本郵便は、郵便の業務の一部を委託しようとするときは、他の法律に別段の定めがある場合を除き、総務大臣の認可を受けなければならないとされております。(法第72条)
ニ.料金
日本郵便は、郵便に関する料金を定め、あらかじめ総務大臣に届け出なければならず、これを変更するときも同様とされております。また、第三種郵便物及び第四種郵便物については、日本郵便が料金を定め、総務大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも同様とされております。(法第67条)