有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/08/10 15:00
【資料】
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【項目】
83項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
第10期事業年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ182,680千円増加し、460,242千円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ184,096千円増加し(前事業年度末比74.8%増)、430,140千円となりました。これは主として、売上高の増加に伴い現金及び預金が122,911千円増加したこと、同様に売上高増加に伴い売掛金が41,042千円増加したことによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ1,415千円減少し(前事業年度末比4.5%減)、30,101千円となりました。これは主として、減価償却費を1,122千円計上したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて82,546千円増加し(前事業年度末比32.1%増)、339,664千円となりました。これは主として、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したことに伴い買掛金が27,861千円増加したこと、また定額制取引の開始に伴い前受金が24,269千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて100,133千円増加し、120,577千円となりました。これは当期純利益の計上に伴い利益剰余金が90,533千円増加したこと、新株発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ4,800千円増加したことによるものであります。
第11期第2四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年6月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末に比べて109,420千円増加し569,662千円となりました。
このうち、流動資産につきましては、主に、売上高の増加に伴い現金及び預金が37,707千円、売掛金が39,677千円増加したことによるものであります。固定資産につきましては、主に、本社フロア増床等に伴い有形固定資産が5,776千円、敷金及び保証金が14,614千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べて32,983千円増加し372,648千円となりました。これは主に、売上の増加に伴い買掛金が22,140千円増加したこと、定額制取引の増加等に伴い前受金が25,990千円増加したことによるものであります。一方、資本政策の観点から借入金を繰上完済したことにより長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が7,732千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて76,436千円増加し197,013千円となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,640千円増加したこと及び四半期純利益69,156千円を計上したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
第10期事業年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高は、1,068,758千円(前事業年度比36.6%増)となり、そのうち定額制の売上は33,985千円となりました。
これは、SEO、SEM等による積極的なWebプロモーションの展開により、クリエイター及び購入者が拡大したこと及び平成26年4月より定額制サービスを開始したこと等によるものであります。
(売上原価)
当事業年度にの売上原価は487,684千円(前事業年度比18.9%増)となりました。主な内訳は、素材仕入424,071千円、賃借料39,895千円であります。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、従業員増員に伴う人件費の増加、Web上でのプロモーション活動による広告宣伝費の増加等により、483,195千円(前事業年度比15.6%増)となりました。
(営業外損益)
当事業年度の営業外収益は1,019千円(前事業年度比1.8%減)となりました。主な内訳は、広告料収入586千円、セミナー収入352千円であります。
当事業年度の営業外費用は455千円(前事業年度比73.5%減)となりました。主な内訳は、支払利息242千円、為替差損213千円であります。
以上の結果、当事業年度の営業利益は97,878千円(前事業年度は営業損失45,771千円)、経常利益は98,441千円(前事業年度は経常損失46,450千円)、当期純利益は90,533千円(前事業年度は当期純損失46,980千円)となりました。
第11期第2四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年6月30日)
(売上高)
当第2四半期累計期間の売上高は649,703千円(うち、定額制売上は53,140千円)となりました。
これは、SEO、SEM等による積極的なWebプロモーションの展開により、クリエイター及び購入者が拡大したこと及び定額制サービスにおいて、平成27年4月に単品販売のサイトと定額制のサイトを統合したことにより、Web経由での新規購入者が増加したこと等によるものであります。
(売上原価)
当第2四半期累計期間の売上原価は283,825千円となりました。主な内訳は、素材仕入238,678千円、賃借料29,516千円であります。
(販売費及び一般管理費)
当第2四半期累計期間の販売費及び一般管理費は、従業員増員に伴う人件費の増加、Web上でのプロモーション活動による広告宣伝費の増加等により、290,987千円となりました。
(営業外損益)
当第2四半期累計期間の営業外収益は668千円となりました。主な内訳は、広告料収入593千円であります。
当第2四半期累計期間の営業外費用は863千円となりました。主な内訳は、支払利息104千円、為替差損759千円であります。
以上の結果、当第2四半期累計期間の営業利益は74,890千円、経常利益は74,694千円、四半期純利益は69,156千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
第10期事業年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前事業年度末より140,790千円増加し、281,651千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により獲得した資金は133,450千円(前事業年度は42,996千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益が98,441千円となったこと、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したことに伴い仕入債務が27,861千円増加したこと、定額制取引の開始に伴い前受金が24,269千円増加したこと及び未払消費税等の増加額が17,051千円となった一方、売上高の増加に伴い売上債権の増加額が41,042千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は1,080千円(前事業年度比88.7%減)となりました。これ
は、有形固定資産の取得による支出が1,080千円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により獲得した資金は7,276千円(前事業年度比89.7%減)となりました。これ
は、長期借入金の返済による支出が2,324千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が9,600千円となったことによるものであります。
第11期第2四半期累計期間(自 平成27年1月1日 至 平成27年6月30日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前事業年度末より45,044千円増加し、326,695千円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において営業活動により獲得した資金は70,473千円となりました。これは主に、税引前四半期純利益が74,694千円となったこと、売上高の増加に連動してクリエイターへの支払コミッションが増加したことに伴い仕入債務が22,140千円増加し、また定額制取引の開始に伴い前受金が25,990千円増加した一方、売上高の増加に伴い売上債権の増加額が39,677千円となったことによるものであります
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において投資活動により使用した資金は25,235千円となりました。これは、主に本社フロア増床等に伴い有形固定資産の取得による支出が7,149千円、敷金及び保証金の支払による支出が14,718千円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において財務活動により使用した資金は452千円となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入が7,280千円となった一方、長期借入金の繰上返済による支出が7,732千円となったことによるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社は、設立以来、デジタル素材のクリエイティブ・プラットフォーム運営会社として、写真・イラスト・動画などのデジタル素材販売により事業を拡大してまいりました。しかしながら、デジタル素材の利用シーンや利用方法は未だ限定的であり、今後、インターネットの更なる普及拡大、デジタル素材の利用拡大が見込まれるため、当社のサービスが成長する余地は大きいものと考えております。また、アジアをはじめとする諸外国でのニーズ拡大のスピードは、日本におけるそれを大きく上回るものと考えられます。
このような状況のもと、当社は更なる成長、事業の拡大のため、国内・海外を含むマーケット全体の動向を常に注意深く観察し分析するとともに、当社の課題に適時かつ適切に対処してまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高めるべく努めてまいります。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりですが、特に既存事業において新規購入者及び継続的な購入者の増加施策やサービスの継続的改善を通じて収益基盤の安定化を図ると共に、さらなる成長のため海外への事業進出や新規事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。