臨時報告書

【提出】
2017/08/16 15:01
【資料】
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提出理由

当社は、平成28年8月9日開催の臨時取締役会において、株式会社エニドア(以下「エニドア」といいます)の株式を取得し(以下「本件株式取得」といいます)、その後、当社を完全親会社、エニドアを完全子会社とする簡易株式交換(以下「本件株式交換」といい、「本件株式取得」と併せて「本件統合」と総称します)を行うことについて決議し、同日付でエニドアとの間で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。また、本件株式取得及び本件株式交換の効力発生により、エニドアが当社の特定子会社に該当することになりますので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号、第6号の2及び第8号の2の規定に基づき臨時報告書を提出するものであります。
なお、本臨時報告書は、決議年月日である平成28年8月9日以降に遅滞なく提出すべきでしたが、本日まで未提出となっておりましたので今般提出するものであります。

親会社又は特定子会社の異動

Ⅰ 特定子会社の異動
(1)当該異動に係る特定子会社の名称、住所、代表者の氏名、資本金及び事業の内容
名称株式会社エニドア
住所東京都千代田区内神田2-15-2
代表者の氏名代表取締役 山田 尚貴
資本金62百万円
事業の内容バイリンガルクラウドソーシング

(2)当該異動の前後における当社の所有に係る当該特定子会社の議決権の数及び当該特定子会社の総株主等の議決権に対する割合
① 当社の所有に係る当該特定子会社の議決権の数
異動前: 0個
異動後:普通株式 516個
A種優先株式 117個
② 総株主等の議決権に対する割合
異動前: 0%
異動後:50.12%
(3)当該異動の理由及びその年月日
① 異動の理由 :当社がエニドア株式を取得することにより、エニドアは当社の子会社となり、当該子会社の資本金の額が当社の資本金の額の100分の10以上に相当し、特定子会社に該当するためであります。
② 異動の年月日:平成28年8月15日

子会社取得の決定

Ⅱ 本件統合の決定
(1)本件株式取得及び本件株式交換の相手会社に関する事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号株式会社エニドア
本店の所在地東京都千代田区内神田2-15-2
代表者の氏名代表取締役 山田 尚貴
資本金の額62百万円
純資産の額239百万円(平成28年3月31日現在)
総資産の額637百万円(平成28年3月31日現在)
事業の内容バイリンガルクラウドソーシング

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(単位:百万円)

平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月期
売上高56109569
営業利益又は営業損失(▲)▲35▲24270
経常利益又は経常損失(▲)▲31▲24268
当期純利益又は当期純損失(▲)▲31▲25213

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(平成28年8月9日現在)

大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
山田 尚貴24.94%
橋本 徹24.94%
ngi ベンチャーコミュニティ・ファンド2号投資事業有限責任組合18.21%
ANRI1号投資事業有限責任組合10.53%
スカイライトコンサルティング株式会社9.50%

④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係該当事項はありません。
人的関係該当事項はありません。
取引関係該当事項はありません。

(2)本件統合の目的
① 翻訳業務の技術進化ステージ網羅へのラストピース
当社は、プロ翻訳者による「翻訳通訳事業」、機械翻訳による「MT事業」、そして両者の中間形態であるプロ翻訳者と機械の協働による「GLOZE事業」という、3段階の技術進化ステージをカバーする翻訳事業を展開しております。
一方で、エニドアは、世界中のバイリンガル人材を擁したクラウドソーシングサービス「Conyac」を展開しております。クラウドソーシングのしくみは、弊社の「GLOZE事業」と「MT事業」の中間に位置し、これによって翻訳業務の技術進化ステージ網羅へのラストピースが埋まります。
② 「産業翻訳」+「インバウンド(一般会話)」
ターゲット市場の側面からは、当社は、産業翻訳市場(医薬バイオ、化学環境、電気電子機械、特許、法務、財務等)を中心とした専門分野の翻訳に特化しており、一方でエニドアは、インバウンド市場を中心とした一般会話・外国人向け観光情報等に関連するサービス提供に特化しております。
技術的ステージの側面からも、ターゲット市場の側面からも、当社とエニドアは完全なる補完関係にあります。
③ 「自動翻訳」×「クラウドソーシング」=「グローバル・クラウドソーシング」
当社のミッションである人間に匹敵する精度の自動翻訳が完成した時には、「自動翻訳×クラウドソーシング」の融合によって、さらなる別次元のパラダイムが創出されます。
以前、中国が世界の工場と呼ばれ、多くの企業が低コストの人件費を求めて進出しました。中国の人件費が高騰すると、さらに安い人件費を求めて他のアジア諸国にシフトしていきました。
言語の壁が消滅するということは、このような動きがリアルタイムに、地球上の全世界規模にて、ネット上で実現することになります。扱われる仕事の種類もリモート間協働技術が進み、現在クラウドソーシングで思い浮かぶ事務的作業よりもはるかに広範になります。必要な時に必要な仕事を、世界中で最もクオリティやコストパフォーマンスの高い人材を選んで依頼できる時代が到来するのです。
④ 「AI」と「クラウドソーシング」の融合が未来を創る
最後に、機械と人間、すなわち、AIとクラウドソーシングの融合によるシナジーです。
AIの精度向上における最大の決定的要素は、AIが学習するためのデータです。バイリンガル・クラウドソーシングのプラットフォームである「Conyac」による世界中の人々の集合知は、AIを育てるための極めて有効な手段となります。
また、逆に人間にしかできない仕事についても、機械が得意な部分はAIが補助することによって、バイリンガル個々人のスキルを最大限発揮することができます。
人間とAIは対立関係ではなく、人間がAIを育成し、AIが人間を支援するという共創関係にあります。
(3)本件統合の日程
株式取得承認取締役会決議日平成28年8月9日
株式譲渡契約締結日平成28年8月9日
株式取得日平成28年8月15日
株式交換取締役会決議日平成28年8月9日
株式交換契約締結日平成28年8月9日
株式交換承認臨時株主総会(エニドア)平成28年8月24日
株式交換日(効力発生日)平成28年9月1日

(4)本件株式取得に関する子会社取得の対価の額
取得価額普通株式 671百万円
A種優先株式 60百万円
アドバイザリー費用等0円
合計732百万円

(5)当該株式交換の方法、株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
① 株式交換の方法
当社を完全親会社、エニドアを完全子会社とする株式交換であります。エニドアの株主には、本件株式交換の対価として、当社が新規に発行する当社株式を割り当ていたします。
なお、本件株式交換は、完全親会社となる当社については会社法第796条第3項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより株主総会の承認を得ずに、完全子会社となるエニドアについては平成28年8月24日開催の臨時株主総会において承認を受けたうえで、平成28年9月1日を効力発生日として行います。
② 株式交換に係る割当ての内容
本件株式交換においては、当社は、本件株式交換により当社がエニドアの発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下、「基準時」といいます)に、エニドアの株主名簿に記載又は記録されたエニドアの株主のうち当社を除く株主に対し、エニドアの普通株式に代わり、その所有するエニドア普通株式の数に、以下の算式により算出される株式交換比率を乗じて得た数の当社の普通株式を交付するものです。
会社名株式会社ロゼッタ
(株式交換完全親会社)
株式会社エニドア
(株式交換完全子会社)
株式交換に係る割当ての内容1311 (株式分割後622)
株式交換により発行する新株式普通株式:195,930株 (株式分割後391,860株)

(注1) エニドアの普通株式1株につき、当社の普通株式311株(株式分割後622株)を割当・交付します。
(注2) 1株に満たない端数の処理
本件株式交換により割当・交付する当社株式の数に1株に満たない端数がある場合には、当社は、会社法第234条その他関係法令の規定に従い処理いたします。
(注3) 株式交換比率は小数点第3位まで算出し、その小数点第3位を四捨五入いたします。
(注4) 当社は、平成28年9月1日付で普通株式1株を2株とする株式分割を行いました。
③ 株式交換契約の内容
当社及びエニドアが平成28年8月9日に締結した株式交換契約の内容は、次のとおりであります。
株式交換契約書
株式会社ロゼッタ(以下「甲」という)と株式会社エニドア(以下「乙」という)とは、次のとおり、株式交換契約(以下「本契約」という)を締結する。
第1条(株式交換)
甲及び乙は、甲を乙の株式交換完全親会社とし、乙を甲の株式交換完全子会社とするため、株式交換(以下「本株式交換」という)を行う。なお、甲及び乙の商号、本店の所在地は次のとおりである。
(甲)株式交換完全親会社
本店:東京都千代田区神田神保町三丁目7番1号
商号:株式会社ロゼッタ
(乙)株式交換完全子会社
本店:東京都千代田区内神田二丁目15番2号
商号:株式会社エニドア
第2条(効力発生日)
本株式交換の効力発生日は、平成28年9月1日とする。但し、本株式交換の手続進行上の必要性その他の事由により必要があるときは、甲乙協議の上、書面による合意により、これを変更することができる。
第3条(株式の発行及び株式の割当等)
1 甲は、本株式交換の効力発生日に新たに普通株式195,930株を発行し、効力発生日前日の最終の乙の株式名簿(実質株主名簿を含む。以下同じ)に記載された乙の株主に対し、各株主が所有する乙の普通株式1株につき甲の株式311株の割合で割当交付する。
2 前条に定める甲の株式の割当交付を受ける乙の株主には、以下の者は含まれないことを甲乙は確認する。
(1)甲
(2)平成28年8月9日付け株式譲渡契約書(以下「本件株式譲渡契約」という)において甲に乙の株式を譲渡する旨、約した乙の株主(但し、本件株式譲渡契約の譲渡人である乙の株主が当該譲渡後においても乙株式を保有する場合には、当該乙の株主は効力発生日時点で保有している乙株式について、前項に基づき甲の株式の割当交付を受けるものとする。)
第4条(増加すべき資本金等の額)
本株式交換により増加すべき甲の資本金及び準備金の額は次のとおりとする。
(1)増加する資本金の額 金0円
(2)増加する資本準備金の額 金0円
(3)増加するその他資本剰余金 金668,905,020円
第5条(株式交換契約承認株主総会)
1 甲は、平成28年8月9日を開催日として、臨時取締役会を招集し、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する決議を求め、承認を得る。
2 乙は、平成28年8月24日を開催日として、臨時株主総会を招集し、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項に関する決議を求め、承認を得る。
第6条(会社財産の管理等)
甲及び乙は、本契約締結後、効力発生日に至るまで、善良な管理者の注意をもってその業務の執行及び財産の管理運営を行い、その財産を及び権利義務に重大な影響を及ぼす行為については、予め甲乙協議の上、これを行うものとする。
第7条(表明保証)
1 乙は、甲に対し、本株式交換直前の乙の従業員の概ね80%以上の人数に相当する者が、本株式交換後においても引き続き乙の事業に従事するよう最大限努力することを表明し、保証する。
2 乙は、甲に対し、本株式交換前に乙が営む主要な事業を、本株式交換後も引き続き乙において営むことを表明し、保証する。
第8条(株式交換条件の変更及び株式交換契約の解除)
本契約締結後、効力発生日に至るまでの間において、天変地異その他の事由により甲又は乙の財産又は経営状態に重大な変動が生じたときは、甲乙協議の上、本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。
第9条(損害賠償)
甲及び乙は、本株式交換に際して相手方に提示した事実に誤り又は虚偽の内容が含まれていたために相手方が損害を被ったときは、当該損害が直接的な損害であると間接的な損害であるとを問わず、全てこれを賠償しなければならない。
第10条(本契約の効力)
本契約は、甲の取締役会の承認又は乙の株主総会の承認又は法令に定める関係官庁等の承認が得られないときは、当然にその効力を失うものとする。
第11条(規定外事項)
本契約に規定するもののほか、本株式交換に関し必要な事項は、本契約の趣旨に従い、甲乙協議の上、円満に解決するものとする。
本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各自1通を保有する。
平成28年8月9日
甲:
東京都千代田区神田神保町三丁目7番1号
株式会社ロゼッタ
代表取締役 五石 順一
乙:
東京都千代田区内神田二丁目15番2号
株式会社エニドア
代表取締役 山田 尚貴

(6)株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
① 割当ての内容の根拠及び理由
本件株式交換に係る割当の内容につきましては、当社から独立した第三者算定機関である株式会社ベルウェザー(以下「ベルウェザー」といいます)にエニドア株式に係る株式価値算定を依頼し、一定の範囲での算定結果を得ております。まず株式譲渡についてエニドアの株式価値算定結果を勘案して株主と交渉し合意に至った価格にて株式譲渡を決定いたしました。その後当社は、ベルウェザーによるエニドアの株式価値の算定結果を参考に、エニドアの財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、当社及びエニドアの間で株式交換比率について慎重に協議を重ねた結果、最終的に本件株式交換比率を1:311と決定しました。
② 算定の基礎
当社は、エニドアの株式について、平成28年8月15日付で同社株式の約50.12%を取得するに際して交付される金銭の額を決定するにあたり、その公正性及び妥当性を確保するため、当社から独立した第三者算定機関であるベルウェザーにエニドア株式に係る株式価値算定を依頼しております。
なお、株式交換比率は、その前提となる諸条件について、重大な変更が生じた場合、両社間で協議の上、変更することがありえます。また、本件株式交換に伴う新株発行により、株式の希薄化が生じることとなりますが、本件統合の目的に記載のとおり、当社は本件株式交換によるエニドアの子会社化を通じて、収益の向上および事業成長力の強化が見込まれ、企業価値ならびに株式価値の向上を図れるものと判断しています。
③ 算定の概要
ベルウェザーは、両社の株式価値の算定に際して、当社の株式価値については、当社が東京証券取引所マザーズ市場に上場しており、市場価値が存在することから市場株価法を、また、エニドアの株式価値については、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、類似会社比準方式及びDCF法の折衷案を採用して算定を行いました。
当社株式の市場株価法においては、算定基準日を平成28年7月31日として算定準備期間(算定機関が算定を行うために必要な作業期間)を1週間確保したうえで、当社普通株式の東京証券取引所マザーズ市場における7月31日から遡る1ヶ月間の出来高加重平均終値にて算定した結果、当社の1株当たりの株価は3,414円となりました。
これに対して、エニドアのDCF法においては同社の財務諸表、利益計画等や一定の前提・仮定を基に算定されております。利益計画につきましては、主力事業であるバイリンガルクラウドソーシングが順調に成長することを見込み、平成30年3月期から平成33年3月期にかけて大幅な増益を見込んでおります。
なお、ベルウェザーは、エニドアの株式価値の算定に際して、エニドアから提供を受けた資料および一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの資料および情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、エニドアの資産又は負債(簿外資産および負債、その他偶発債務を含みます。)について、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、エニドアから提出された財務予測(利益計画およびその他の情報を含みます。)に関する情報については、エニドアの経営陣により、当該情報提供時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
ベルウェザーにより類似会社比準方式及びDCF法に基づき算定された、エニドアの普通株式の1株当たりの株式価値の算定結果は以下のとおりとなりました。
採用手法算定結果(円/株)
類似会社比準方式865,252円~868,350円
DCF法1,156,000円~1,552,000円

ベルウェザーは、この算定結果を、類似会社比準方式とDCF法の各算定結果の50%ずつを合算した結果、エニドアの1株当たりの株価を1,010,626円~1,210,175円と算定いたしました。
当社は、ベルウェザーによるエニドアの株式価値の算定結果を参考に、エニドアの財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、当社及びエニドアの間で株式交換比率について慎重に協議を重ねた結果、最終的に本件株式交換比率を1:311と決定しました。
④ 算定機関との関係
ベルウェザーは、当社及びエニドアの関連当事者には該当せず、本件株式交換において記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 上場廃止となる見込み及びその事由
該当事項はありません。
⑥ 公正性を担保するための措置
本件株式交換に際して交付される金銭の額を決定するにあたり、その公正性及び妥当性を確保するため、当社は当社から独立した第三者算定機関を選定し、エニドア株式に係る株式価値算定を依頼いたしました。なお、当社はベルウェザーから本件株式交換における交換対価の公正性に関する意見(いわゆる「フェアネス・オピニオン」)は取得しておりません。
⑦ 利益相反を回避するための措置
平成28年8月9日時点では、当社とエニドアは親会社と子会社の関係にはなく、また両社に役員の兼任もないことから、特段の措置を講じておりません。
(7)当該株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、総資産の額及び事業の内容
商号株式会社ロゼッタ
本店の所在地東京都千代田区神田神保町三丁目7番1号
代表者の氏名代表取締役 五石 順一
資本金の額191百万円
純資産の額1,113百万円
総資産の額1,570百万円
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以上