有価証券報告書-第26期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 10:04
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業績等の概要

(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費が伸び悩んだものの、良好な企業収益を受け設備投資が持ち直すなど緩やかな回復基調となりました。また、景気回復の期待感から一時2万円台に回復した日経平均株価が、中国経済への不安を始めとした新興国経済の不振等から乱高下となり、当事業年度末にかけては下落傾向になるなど先行きが不透明になる場面も発生いたしました。
当社が所属する住宅業界は、消費税増税後の長引く低迷から、新築着工棟数の増加など、徐々に回復基調となりました。また、平成28年2月に日本銀行より発表されたマイナス金利政策により住宅ローン金利が低下するとの期待感から需要は高まってまいりました。
このような経済状況の中、当社は「『豊(ゆ)・楽(た)・快(か)』創造企業」の経営理念のもと、「デザインのケイアイ」を標榜しデザイン性を重視した商品の開発を行い出店地域の販売シェア拡大に努めるとともに、協力会社との連携を生かした経営を行うことで、住まいのデザイン性・機能性を重視しながらも、工期短縮や建築コストの低減を行うなど生産性の向上を図り、「高品質だけど低価格」な住宅の供給に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は、分譲住宅事業の売上高が増加したことを主な要因として、前事業年度と比較し6,454,349千円増加の38,749,367千円(前事業年度比20.0%増)となりました。
営業利益は、分譲住宅の販売価格を戦略的に抑えたことを主因として売上総利益率が0.8%減少したものの、広告宣伝費を中心とした経費削減により販売費及び一般管理費が前事業年度と比較し290,988千円減少したことなどにより、前事業年度と比較し1,224,172千円増加の2,734,410千円(同81.1%増)となりました。
経常利益は、不動産取得税還付金の増加、借入金の減少などによる支払利息および支払手数料の減少を主な要因として前事業年度と比較し1,293,713千円増加の2,447,598千円 (同112.1%増) となりました。
当期純利益は、固定資産売却益および投資有価証券売却益により特別利益が77,226千円となったこと、固定資産売却損を主因として特別損失が56,346千円となったこと、所得拡大促進税制の適用により税負担が軽減され法人税等が814,648千円となったことなどにより、前事業年度と比較し1,041,850千円増加の1,653,830千円(同170.2%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 分譲住宅事業
分譲住宅事業につきましては、「デザインのケイアイ」を標榜し「高品質だけど低価格」な住宅を安心・安全に提供することを目的として、土地の仕入れからアフターサービスまで自社で行う社内責任一貫体制を推進するとともに、工期短縮や工程改善などによりコスト低減を行い生産性の向上を図ってまいりました。また、新たな販売拠点として平成27年4月に「カーザスタイル高崎」を新規出店し、分譲住宅の拡販に努めてまいりました。また、分譲事業の拡大に合わせ自社販売だけでなく、地場不動産仲介業者との関係を強化し、アウトソースによる販売強化にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当事業の売上高は、販売棟数が前事業年度より341棟増加し1,115棟(土地販売含む)となったことなどから前事業年度と比較し7,637,675千円増加の29,457,743千円(前事業年度比35.0%増)となりました。営業利益は、売上高の増加に加え経費の削減を行ったことなどにより前事業年度と比較し1,018,263千円増加の2,909,155千円(同53.9%増)となりました。
② 注文住宅事業
注文住宅事業につきましては、「無理しない。でも妥協しない。870万円からの家づくり」をコンセプトとした「はなまるハウス」を主力商品に据え、お客様のニーズにより高品位の「ケイアイカーザ」などを取り揃え受注拡大に努めるとともに、平成27年7月に 「はなまるハウス小山展示場」を出店し事業領域の拡大を図ってまいりました。また、「はなまるハウス」についてはフランチャイズによる事業展開を推進しており、平成27年5月にフランチャイズ1号店との契約を締結しております。
以上の結果、当事業の売上高は、販売棟数が前事業年度より4棟増加の314棟となりましたが、低価格な「はなまるハウス」に主力をシフトしたことから前事業年度と比較し277,021千円減少の4,619,930千円(前事業年度比5.7%減)となりました。営業利益は、生産性の高い「はなまるハウス」に主力をシフトしたことに加え、経費の削減を行ったことなどにより前事業年度と比較し247,404千円増加の596,079千円(同71.0%増)となりました。
③ 中古住宅事業
中古住宅事業につきましては、市場環境を注視して優良物件を選定し、地場不動産仲介業者等の物件情報提供者を通じた仕入れを機動的に行い、リフォーム後に販売する一般中古住宅事業と、収益物件である賃貸マンションを取得し、リノベーション等を実施後に販売するオーナーチェンジマンション事業を推進してまいりました。
以上の結果、優良物件の選定を行ったことなどにより販売棟数は、前事業年度から14棟減少の68棟となり、当事業の売上高は、前事業年度と比較し212,050千円減少の1,957,481千円(前事業年度比9.8%減)となりました。営業利益は、物件の選定を強化したことなどにより、前事業年度と比較し165,607千円増加の317,520千円(同109.0%増)となりました。
④ マンション販売事業
マンション販売事業につきましては、優良な土地を厳選し仕入れを行っており、当事業年度は、前事業年度に完工したヴィラーヌ川口、ヴィラーヌ高崎および平成27年4月に完工したヴィラーヌ前橋の販売に努めてまいりました。
以上の結果、新規物件が無かったことにより販売棟数は、前事業年度から37戸減少の79戸となり、当事業の売上高は、前事業年度と比較し805,223千円減少の2,303,029千円(前事業年度比25.9%減)となりました。営業利益は、売上高の減少により、前事業年度と比較し97,236千円減少の173,812千円(同35.9%減)となりました。
⑤ その他事業
その他事業につきましては、不動産賃貸事業、不動産仲介事業などの拡充に努めてまいりました。
以上の結果、当事業の売上高は411,182千円 (前事業年度比37.0%増)、営業利益は90,229千円(同41.4%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3,342,380千円増加し、5,197,573千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は6,932,360千円で前事業年度が△2,915,494千円であったため9,847,854千円の増加となりました。
増加の主な要因は、利益の増加に伴い税引前当期純利益が1,386,735千円増加したこと及び、回転期間の短縮を図ったことにより、たな卸資産の増減額で8,322,869千円の増加となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は、前事業年度と比べ2,107,089千円増加し2,239,246千円となりました。
増加の主な要因は、有形固定資産の売却による収入が450,470千円増加したこと、定期預金の払戻による収入が1,255,921千円の増加となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は5,829,226千円で前事業年度は2,374,375千円の調達であったため8,203,602千円の減少となりました。
減少の主な要因は、潤沢な営業活動によるキャッシュ・フローを背景に、短期借入金及び長期借入金による収入が合計で7,908,405千円減少したこと、長期借入金の返済による支出が1,716,533千円増加したことによるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月期
自己資本比率19.4%19.7%31.4%
時価ベースの自己資本比率40.8%
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率
2.1倍
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
23.5倍

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
2.有利子負債は、貸借対照表に計上されている債務のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。