訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/03/01 15:00
【資料】
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【項目】
98項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては後述の「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
なお、経営者は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
第12期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、38,665,746千円(前連結会計年度末に比べ5,669,494千円増加)となりました。これは、借入金の増加等に伴う現金及び預金の増加361,897千円、顧客からの預り資産の増加に伴う外国為替取引顧客分別金信託の増加3,761,168千円、取引高の増加に伴う外国為替取引顧客差金の増加919,130千円等により、流動資産が5,600,382千円増加したことによるものです。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、35,689,219千円(前連結会計年度末に比べ5,408,180千円増加)となりました。これは、顧客からの預り資産の増加に伴う外国為替取引預り証拠金の増加4,436,423千円、短期借入金の増加613,400千円等により、流動負債が5,231,254千円増加したことによるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、2,976,526千円(前連結会計年度末に比べ261,314千円増加)となりました。これは、利益剰余金の増加199,513千円、自己株式の減少36,300千円等によるものです。
第13期第3四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
① 資産
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、44,448,345千円(前連結会計年度末に比べ5,782,599千円増加)となりました。これは、現金及び預金の増加1,029,094千円、顧客からの預り資産増加に伴う外国為替取引顧客分別金信託の増加3,812,000千円、外国為替取引顧客差金の増加781,895千円等により流動資産が5,805,054千円増加したことによるものです。
② 負債
当第3四半期連結会計期間末の負債は、41,011,053千円(前連結会計年度末に比べ5,321,834千円増加)となりました。これは、顧客からの預り資産増加に伴う外国為替取引預り証拠金の増加4,712,394千円、カバー先に対する差入証拠金としての短期借入金の増加400,000千円等により、流動負債が5,221,753千円増加したことによるものです。
③ 純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、3,437,292千円(前連結会計年度末に比べ460,765千円増加)となりました。これは、四半期純利益により利益剰余金が463,406千円増加したことによるものです。
(3) 経営成績の分析
第12期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
① 営業収益
当連結会計年度における営業収益は4,968,653千円(前期比0.5%減)となりました。これは下期以降に為替変動率が大幅に高くなり取引高が回復したことに加え、顧客ニーズに対応した取引システムのバージョンアップを行うとともに、顧客参加型リアルトレードバトルキャンペーン等を実施したものの、上期における為替変動率低下に伴う取引高の伸び悩みの影響が大きかったことによるものです。
② 営業利益
当連結会計年度における営業利益は553,057千円(前期比40.7%減)となりました。これは主に営業収益が前連結会計年度と比較して22,571千円の減少となったことに加えて、取引高の増加に伴うシステム手数料の増加や管理体制強化等のための人員増強、新規顧客獲得のための広告宣伝費増加等により販売費及び一般管理費が4,415,595千円となり、前連結会計年度と比較して356,925千円の増加となったことによるものです。
③ 経常利益
当連結会計年度における経常利益は486,537千円(前期比46.2%減)となりました。これは主に、営業利益が前連結会計年度と比較して379,497千円減少したことに加えて、営業外費用のうち支払利息が35,553千円増加したことによるものです。
④ 当期純利益
当連結会計年度における当期純利益は199,513千円(前期比44.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較して403,434千円減少したことに加えて、法人税等が242,317千円減少したことによるものです。
第13期第3四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
① 営業収益
当第3四半期連結累計期間における営業収益は4,548,107千円となりました。これは、ギリシャにおける債務危機の再燃、中国における人民元切り下げ、米国における利上げ等を背景に為替変動率が上昇したことに加えて、顧客ニーズに対応した取引システムのバージョンアップ等を実施したことによるものであります。
② 営業利益
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は3,644,181千円となりました。この主な内訳はシステム使用料、人件費、広告宣伝費となります。この結果、営業利益は903,925千円となりました。
③ 経常利益
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は9,713千円、営業外費用は61,180千円となりました。営業外収益の主な内訳は受取利息、還付金収入であり、営業外費用の主な内訳は支払利息であります。この結果、経常利益は852,458千円となりました。
④ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は491,524千円となりました。これは、法人税、住民税及び事業税として355,515千円、法人税等調整額として7,651千円を計上したこと等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
第12期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ104,005千円増加し1,700,845千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により支出した資金は240,455千円(前連結会計年度は、1,282,916千円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益による収入485,170千円の他、外国為替取引預り証拠金の増加による収入4,436,423千円等があった一方、外国為替取引顧客分別金信託の増加による支出3,761,168千円及び外国為替取引顧客差金(資産)の増加による支出919,130千円等があったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は331,638千円(前連結会計年度は、9,379千円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入1,000,000千円があった一方、定期預金の預入による支出1,215,000千円等があったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は668,730千円(前連結会計年度は、2,058,654千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増による収入613,400千円等があったことによるものです。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要な事業は外国為替証拠金取引事業であり、顧客の取引高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼします。顧客の取引高は為替の変動率が高いときには増加する傾向にあり、反対に為替の変動率が低いときには減少する傾向にあることから、為替変動率は経営成績に重要な影響を与える要因であると考えております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
国内の外国為替証拠金取引業界においては、新規顧客の獲得や取引高の増加に向けた競争が激化しております。このような環境の中、当社グループでは顧客基盤の拡大を目指し、少額からの取引が可能な仕組みの導入、顧客にとって使い勝手のよい取引システムの構築、丁寧な電話対応サービス、独自性の高いキャンペーンの実施等に取り組んでまいりました。
また、これらの施策を国内だけでなく海外でも行うべく、英国にHIROSE FINANCIAL UK LTD.、香港にHIROSE TRADING HK LIMITED、マレーシアにHirose Financial MY Limitedを設立し、更なる業容の拡大を目指しております。
しかしながら、今後も成長を続けていくには国内外の顧客からの信頼獲得や人材の育成が不可欠と考えております。そのために当社グループがこれまで培ってきたノウハウを最大限に活かしてブランディングの強化を行うとともに、世界中の顧客に対して質の高い取引環境やサービスを提供していけるよう努めていく所存であります。