訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/04/11 15:01
【資料】
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【項目】
83項目

業績等の概要

(1)業績
第11期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が長引き、急激な円安進行による原材料価格上昇などもあって、個人消費になお弱さが見られるものの、政府による各種景気刺激策や日銀の大規模な金融緩和策の効果により、緩やかな回復基調が続く中で推移しました。
人材関連市場においては、厚生労働省の発表資料「一般職業紹介状況(平成27年3月分及び平成26年度分)について」によれば、平成27年3月末現在の有効求人倍率が1.15倍と継続的に上昇しており、雇用情勢は改善傾向にあることから人材関連ビジネスに関する市場の拡大が見込まれています。
このような状況の中、サイトリニューアル、SEO対策等「キャリコネ」のサービス強化と提携先求人情報掲載サイトの獲得に努め、訪問者数及び会員登録者数の増加を図ってまいりました。
クラウド市場につきましては、企業のIT投資における初期費用の削減、データ消失リスクの軽減といった企業のクラウドサービスに対する理解が深まりつつあることを背景に、拡大を続けております。IT専門調査会社株式会社MM総研による「国内クラウドサービス需要動向」によれば、国内クラウド市場は平成29年度には、約2兆円に達するともいわれております。
このような状況の中、人材育成を強化し重点領域における技術力の蓄積を図るとともに、特にクラウドCRM領域における新規案件の獲得に努めました。
以上の結果、当事業年度における売上高は945,346千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は79,737千円(前年同期比1.9%増)、経常利益は80,581千円(前年同期比3.0%増)、当期純利益は51,839千円(前年同期比4.4%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① ソーシャル・ウェブメディア事業
ソーシャル・ウェブメディア事業において、ワークプレイス・メディアサービスでは、企業の口コミ情報、ニュース、求人情報等を取り扱う働く人のための情報プラットフォーム「キャリコネ」においてコンテンツ(企業ニュース、求人掲載数)内容の強化等を図った結果、当事業年度における訪問者数が18,682千人(前年同期間は14,874千人)となりました。また、リクルーティング・サービスにおいては、IT業界を中心に、当社による紹介件数が堅調に推移しました。この結果、当事業年度におけるソーシャル・ウェブメディア事業の売上高は439,594千円(前年同期比22.6%増)となり、セグメント利益は117,560千円(前年同期比73.0%増)となりました。
② ビジネス・ウェブアプリケーション事業
サービスデリバリ・サポートでは、企業の従来型システムからクラウド型システムへの移行需要が多く、CRM領域における「Salesforce」の導入支援サービスが堅調に推移しました。しかし、一部の大口顧客の投資が一巡し前期の大型案件の受注金額が減少したこと及び契約を予定していた一部の新規案件が延期となったことが売上に影響を及ぼしました。プロダクト・ディベロップメントにおいては、特定業界向けのSalesforce.com社のOEMソフトウェアの契約が伸長しました。この結果、当事業年度におけるビジネス・ウェブアプリケーション事業の売上高は505,752千円(前年同期比7.5%減)となり、セグメント利益は79,223千円(前年同期比27.3%増)となりました。
第12期第3四半期累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、政府主導の経済政策や日銀の金融政策を背景に企業収益や雇用情勢に改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続いております。一方で、個人消費には依然として回復に弱さが見られるほか、中国を始めとする新興国の景気減速など、先行きは依然として不確実な状況で推移しました。当社のソーシャル・ウェブメディア事業が属する人材関連市場を取り巻く環境につきましては、緩やかな景気回復に伴い、企業における雇用環境が大きく変化しております。これに伴い、より良い雇用環境や条件を提示する企業への転職を考える機会となり、当社サービスに対する需要は依然として高まっています。
また、当社のビジネス・ウェブアプリケーション事業が属するクラウド市場を取り巻く環境につきましては、IT及び業務の効率化、事業拡大などのクラウドニーズの追い風を受けて、引き続き、当社サービスに対する需要は依然として高まっています。
以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は865,099千円、営業利益は188,683千円、経常利益は189,207千円、四半期純利益は120,488千円となりました。
当社のセグメントの業績は次のとおりであります。
① ソーシャル・ウェブメディア事業
ソーシャル・ウェブメディア事業は、企業の口コミ、ニュース、求人情報等を取扱う働く人のための情報プラットフォーム「キャリコネ」をインターネット上にて運営しているワークプレイス・メディアサービスと、人材紹介サービスを行うリクルーティング・サービスを提供しております。ワークプレイス・メディアサービスにおきましては、「キャリコネ」を中心とした会員数の増加に注力し、平成27年4月から12月における訪問者数は31,980千人となりました。リクルーティング・サービスにおきましては、外資系、メディカル、IT業界の好調な転職市況を背景に、深い業界知識とコンサルティング力を活かし、またワークプレイス・メディアサービスの情報を活用することにより、積極的な事業展開を行いました。この結果、当第3四半期累計期間におけるソーシャル・ウェブメディア事業の売上高は449,396千円、セグメント利益は208,523千円となりました。
② ビジネス・ウェブアプリケーション事業
サービスデリバリ・サポートでは、既存顧客に対する追加開発案件の受注に注力する一方、ERP領域における新規取引先の開拓に注力し、収益機会の拡大を図ってまいりました。プロダクト・ディベロップメントにおいては、NetSuite社のクラウド型製品と連携して動作する勤怠管理ソフトウェアの開発を進めてまいりました。
この結果、当第3四半期累計期間におけるビジネス・ウェブアプリケーション事業の売上高は415,702千円、セグメント利益は66,624千円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
第11期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して8,506千円増加し、208,007千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、4,105千円(前事業年度は122,828千円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の減少84,806千円、売上債権の増加14,148千円、税引前当期純利益82,684千円及び未払消費税等の増加16,390千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、4,401千円(前事業年度は16,062千円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の返還による収入6,661千円、無形固定資産の取得による支出1,124千円、有形固定資産の取得による支出1,105千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金はありません。