訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2016/06/15 15:00
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93項目

業績等の概要

(1) 業績
第28期事業年度(自 平成26年9月1日 至 平成27年8月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、海外景気の懸念材料があるものの、国内においては金融緩和や各種経済対策を背景に、企業収益や雇用環境の改善、設備投資の増加などにより、緩やかな回復基調で推移しました。
当社が主な市場とする情報サービス産業におきましては、昨年度に引き続き企業収益の回復を背景としたIT投資が堅調に推移しております。特に国内のクラウドサービス関連のITサービス市場規模は、平成26年には3,831億円でしたが、今後も引き続き高い成長を継続し、平成31年には平成26年の3.1倍の1兆1,879億円まで拡大すると予想されております。(出所:IT専門調査会社IDC Japan株式会社 平成27年7月14日 プレスリリース)。また、モバイルコンテンツ市場においても、フィーチャーフォン市場のシェアが大きく減少する一方、スマートフォン市場はソーシャルゲームや音楽をはじめとしたコンテンツだけでなく、通販やサービスを中心としたeコマース市場も平成26年度の12.6兆円から平成33年度には倍増し、25.6兆円に達する見込みであり、高い伸びを示しております。(出所:株式会社野村総合研究所 平成27年11月25日 ニュースリリース)。更に今後は、マイナンバー制度の対応や、サイバーセキュリティーリスクへの対応が求められており、エンジニアに対するニーズは継続して増加することが予想されております。
このような情勢の中、当社の売上高は5,340,246千円(前期比37.8%増)、営業利益は309,973千円(前期比26.0%増)、経常利益は321,258千円(前期比27.0%増)、当期純利益は212,572千円(前期比45.8%増)となりました。
なお、事業分野別のセグメント概況は、以下のとおりであります。
① ITインフラ事業
ITインフラ事業においては、IT人材市場の高騰を背景とした技術者単価増や、官公庁における競争入札への取組みを始めたことが好調な売上に寄与しました。
また、一部では技術者不足による機会損失も発生したものの、製造業のIT投資拡大に伴い、ネットワークやITインフラの構築・運用サービス業務は引き続き高い稼働率を維持しました。更には、大阪及び名古屋地区での事業所の本格稼動にともない事業拡大も実現することが出来ました。
これらの結果、当セグメントの売上高は3,095,502千円(前期比26.3%増)、セグメント利益は324,314千円(前期比18.2%増)となりました。
② ウェブマーケティングコミュニケーション事業
ウェブマーケティングコミュニケーション事業においては、BtoC企業におけるウェブ制作・マーケティングに対するニーズ増加を背景に、採用活動への注力による体制の拡大と新規クライアントの開拓に取り組んだことが好調な売上に寄与しました。
また、既存クライアントである大手広告代理店やSIer、大手印刷会社等からの安定的な発注増があったことや、ウェブと関連性の深い成長分野であるCRM(注)導入・運営支援において独自性の高いサービスを展開することにより高い稼働率を維持しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は712,330千円(前期比38.4%増)、セグメント利益は52,972千円(前期比97.1%増)となりました。
(注)CRMとは、売上・利益に貢献する優良客を増やしてビジネスを成功に導く顧客志向のマネジメント手法のこと。
③ スマートソリューション事業
スマートソリューション事業においては、マイナンバー制度をはじめとする大型プロジェクトの集中に伴い、IT市場において技術者が不足する中、積極的な未経験者の採用と教育によって技術者の確保に取り組んで参りました。さらに、当社のエンジニア教育制度の刷新を行うことで、研修期間の短縮と技術水準のベースアップを図り、生産体制の強化・利益率の改善を実現いたしました。
また、以前から取り組んで参りました顧客開拓により、大規模なシステム開発案件及び先進的なスマートフォンアプリ開発案件を受注し、期を通して高い稼働率を維持することができました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,179,661千円(前期比40.6%増)、セグメント利益は118,377千円(前期比26.7%増)となりました。
④ その他事業
その他事業においては、自動車や家電などの機械設計や組込ソフトウエア開発及び通信インフラ分野における技術提供などを中心としたサービスを行っております。
通信インフラ分野においては、エンジニアの人員不足による採算割れ及び移動体通信事業者の設備投資抑制の影響により売上が減少した一方で、機械設計や組込ソフトウエア開発の分野においては、自動車業界のエコカー等の開発比重の高まりにより、エンジニアの要請が引き続き堅調に推移いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は352,752千円(前期比384.6%増)、セグメント損失は92,854千円(前期はセグメント損失70,589千円)となりました。
第29期第2四半期累計期間(自 平成27年9月1日 至 平成28年2月29日)
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、平成28年1月末に導入された日本銀行によるマイナス金利政策が実施されたことが金融機関の景況感に影響を与えたほか、建設需要の低迷で関連する鋼材生産が大きく悪化するなど、国内景気は全国的に悪化しております。今後の景気も引き続き低水準で推移することが予想されます。
このような情勢の中、当社ではエンジニアの採用が期初の予想を下回ったものの、エンジニア1人あたりの売上及び稼働率が上昇したことにより、当第2四半期累計期間における売上高は、3,005,261千円、営業利益は242,997千円、経常利益は247,090千円、四半期純利益は162,315千円になりました。
事業分野別のセグメント概況は、以下の通りであります。
① ITインフラ事業
ITインフラ事業においては依然としてエンジニアの不足感が強い市場を背景に、オンサイトサービスにおける既存案件の深耕(人員増及び単価向上)を図りました。一方、ソリューションサービスにおいては、官公庁より大型案件を受注したことが売上拡大に繋がりました。また、中長期に渡り顧客ニーズに対応することを目的としたエンジニア向けスキルアップ研修の拡充に努めました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,764,325千円、セグメント利益は199,132千円となりました。
② ウェブマーケティングコミュニケーション事業
ウェブマーケティングコミュニケーション事業においては、顧客の繁忙期である年度末であることからオンサイト型案件の人員ニーズへの対応により案件開拓が堅調に進んでいることと、採用活動への注力による体制拡大が堅調に推移していることが売上に寄与しました。また、新年度以降も継続する安定的なウェブサイト運用プロジェクトの比率が依然高い状態で推移していることや、CRM導入分野においてもニーズが拡大していることにより高い稼働率を維持しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は432,827千円、セグメント利益は54,784千円となりました。
③ スマートソリューション事業
スマートソリューション事業においては、顧客の年度末に向けた開発業務の追い込みにより、これまで以上にエンジニアが不足している状況が顕著であり、エンジニアの稼働率の高い状態を維持することができたことで、売上・経常利益に寄与しました。一方で、スマートフォンアプリ開発については受注が低迷しているため、自社サービスにおいて実績があり、今後、市場の高まりが予想されているIoT分野での開発案件に関する営業活動を開始しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は659,169千円、セグメント利益は65,133千円となりました。
④ その他事業
その他事業においては、自動車や家電などの機械設計や組込ソフトウエア開発の分野における技術提供、施設園芸農家向け環境モニタリングシステム「みどりクラウド」の販売及びサービス提供を行っております。
機械設計や組込開発案件はエンジニア採用が予想を下回ったものの、経験者の需要は高い状態で推移しております。「みどりクラウド」においては、全国農家への導入が順調に進んでおります。また、「みどりクラウド」の技術をベースにIoTプラットフォームのサービス化も進んでおります。
これらの結果、当セグメントの売上高は148,938千円、セグメント損失は1,015千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
第28期事業年度(自 平成26年9月1日 至 平成27年8月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は、前事業年度末に比べ260,018千円増加し、692,804千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、157,287千円(前期比19,151千円の減)となりました。
主な要因は、売上債権の増加247,372千円、法人税等の支払148,624千円による減少が生じたものの、税引前当期純利益314,121千円の計上及び賞与引当金の増加57,825千円、未払金の増加51,949千円、未払消費税等の増加97,334千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、27,886千円(前期比26,128千円の減)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出21,187千円、無形固定資産の取得による支出25,602千円、保険積立金の払戻しによる収入16,508千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、129,475千円(前事業年度は138,413千円の支出)となりました。
主な要因は、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出71,221千円、株式の発行による収入25,000千円、配当金の支払額15,966千円によるものであります。
第29期第2四半期累計期間(自 平成27年9月1日 至 平成28年2月29日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は774,421千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、145,064千円となりました。
主な要因は、未払消費税等の減少111,844千円、法人税等の支払額62,567千円による減少が生じたものの、税引前四半期純利益247,090千円の計上、賞与引当金の増加36,624千円及び未払金の増加32,288千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14,060千円となりました。
主な要因は、定期預金の払戻による収入5,254千円、無形固定資産の取得による支出14,340千円、敷金・保証金の取得による支出3,475千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、48,530千円となりました。
主な要因は、長期借入れによる収入400,000千円、長期借入金の返済による支出429,164千円、配当金の支払額19,366千円によるものであります。